千葉県立船橋東高等学校は、多くの受験生が憧れる、活気と真面目さが共存するユニークな進学校です。在校生や卒業生からは「青春を満喫できる最高の学校」、「遊ぶ時は遊び、学ぶ時は学ぶ、何事にも全力」といった声が聞かれる一方で、県内トップクラスの進学実績を誇ります。勉強も、部活も、学校行事も、すべてに全力で打ち込みたい。そんな充実した3年間を夢見るあなたにとって、船橋東高等学校は最高の舞台になるかもしれません。

しかし、その輝かしい高校生活の裏には、どのような努力が求められるのでしょうか?この記事では、偏差値や進学実績といったデータだけでなく、在校生のリアルな声をもとに、船橋東高等学校の本当の姿を、進学アドバイザーの視点から詳しく、そして分かりやすく解き明かしていきます。

船橋東高等学校の基本情報

まずは、学校の基本的な情報を確認しましょう。学校選びの第一歩は、正確な情報を知ることから始まります。

項目 内容
正式名称 千葉県立船橋東高等学校
公立/私立の別 県立
共学/別学 男女共学
所在地 〒274-0816 千葉県船橋市芝山2-13-1
代表電話番号 047-464-1212
公式サイトURL https://cms1.chiba-c.ed.jp/funabashieast-h/

船橋東高等学校の偏差値・難易度・併願校

船橋東高等学校の学力的なレベルは、受験生にとって最も気になるポイントの一つでしょう。ここでは、偏差値だけでなく、合格に必要な内申点の目安や主な併願校についても具体的に見ていきます。

偏差値・難易度

船橋東高等学校の偏差値は、受験する模擬試験によって60から67まで幅広く提示されています。これは、模試の種類によって受験者層や評価基準が異なるためです。複数の情報源を総合すると、千葉県内の上位進学校の一つと位置づけられており、一般的には60台半ばの学力が求められると考えるのが良いでしょう。

偏差値だけでなく、より具体的な目標を設定することが合格への近道です。

  • 学力検査の目標点:5教科合計で385点〜400点以上が一つの目安とされています。

  • 内申点の目安:135点満点中、127点あたりが目標となります。

特筆すべきは、船橋東高等学校がかつて、高校受験時に内申点を2倍に換算して評価していた歴史です。この制度は現在変更されていますが、「中学校でコツコツと真面目に勉強してきた生徒」が集まりやすいという土壌を育みました。その名残から、現在でも真面目で誠実な生徒が多いという校風につながっていると考えられます。

偏差値が近い高校としては、公立では千葉東高校や小金高校、私立では日本大学習志野高校などが挙げられます。

主な併願校

千葉県の公立高校入試では、公立高校を複数併願することはできません。そのため、万が一に備えて、多くの受験生が私立高校を併願します。船橋東高等学校の受験生が選ぶ主な併願校は以下の通りです。これらの学校のレベル感を知ることで、船橋東高校の立ち位置がより明確にイメージできるはずです。

学校名 コース・類 所在地
日本大学習志野高等学校 普通科 船橋市
八千代松陰高等学校 IGS(特進)コース 八千代市
成田高等学校 普通科 成田市
専修大学松戸高等学校 A類型 松戸市
日出学園高等学校 特進 市川市
敬愛学園高等学校 進学 千葉市
麗澤高等学校 特進 柏市

船橋東高等学校に設置されている学科・コース

船橋東高等学校には、専門的なコースはなく、以下の学科のみが設置されています。

  • 普通科

    • どんなことを学ぶ場所か:1、2年生では芸術科目などを除き、ほぼ全員が同じ共通の科目を履修します。国語・数学・英語といった主要教科の基礎学力を徹底的に固め、幅広い知識を身につけます。3年生になると、それぞれの進路希望に合わせて文系と理系に分かれ、大学受験に特化した学習を進めます。

    • どんな生徒におすすめか:高校生活の中で自分の興味や適性をじっくり見極めたい人、または特定の分野に絞らず幅広い基礎学力を身につけてから進路を決めたい人に最適なカリキュラムです。まだ将来の夢がはっきりと決まっていない生徒にとって、2年間の猶予期間があることは大きな魅力と言えるでしょう。

船橋東高等学校の特色・校風

学校選びでは、偏差値や進学実績だけでなく、「どんな雰囲気の学校か」という点も非常に重要です。ここでは、口コミなどを基に船橋東高等学校のリアルな学校生活に迫ります。

キーワード:文武両道、自主自律、メリハリ、穏やかで平和

  • 宿題の量は多いか少ないか

    多くの在校生が「課題や小テストは多い」と口を揃えます。特に数学では、1年生の最初のテストから難易度の高い問題が出されることもあるようです。しかし、これは日々の学習習慣を確立させ、着実に学力を定着させるための学校側の意図的な仕組みと捉えることができます。大変ではありますが、この積み重ねが大学進学実績につながっています。

  • 校則は厳しいか緩やかか

    口コミでは「緩い」という声と「厳しい」という声が混在しており、非常に興味深い点です。これは、学校が「自主自律」の精神を教育理念に掲げていることの表れと考えられます。基本的なルールはきちんと定められていますが、その上で生徒一人ひとりの主体的な判断が尊重される校風です。

    • スマホ:持ち込みはOKですが、授業中や考査中、集会中の使用は当然禁止です。マナーを守ることが大前提です。

    • 服装:男子は黒の詰襟学生服、女子はブレザーです。セーターやカーディガンは、学校指定の色(黒・紺・白・グレー・茶)の無地のものであれば市販品の着用が認められており、ある程度の自由度があります。

  • 生徒たちの雰囲気

    「真面目で優しい人が多い」「友達の質がすごくいい」というのが、多くの生徒に共通する印象です。男女の仲も良く、全体的にいじめなども少ない、穏やかで平和な雰囲気のようです。根が真面目な生徒が多いため、行事などにも全員で協力して全力で取り組む文化があります。

  • アルバイトは可能か

    原則として禁止されています。ただし、やむを得ない事情がある場合は、保護者の同意を得て学校に届け出を提出し、許可を得ることで可能になります。

  • 制服の評判はどうか

    伝統的なスタイルで、男子は詰襟、女子はブレザーです。制服が理由でこの学校を選ぶという声はあまり聞かれませんが、清潔感があり、式典などでは「凛とした姿勢」が求められます。

  • 土曜授業はあるか

    土曜授業は実施されていません。その代わり、週に2日、7時間授業の日が設けられており、文武両道を実践するための十分な授業時間数が確保されています。

船橋東高等学校の部活動・イベント

部活動

船橋東高等学校の大きな特徴の一つが、98%という驚異的に高い部活動加入率です。ほぼ全ての生徒が学業と部活動を両立させており、まさに「文武両道」を学校全体で実践しています。運動部、文化部ともに非常に活発で、多くの部が県大会やそれ以上のレベルで活躍しています。

  • 特に実績が豊富な部活動

    • 水泳部:競泳、水球、さらには珍しいアーティスティックスイミング(シンクロ)でも全国大会に出場する強豪です。特に水球は千葉県選抜選手を輩出するなど、高いレベルで活動しています。

    • 吹奏楽部:千葉県吹奏楽コンクールで金賞を受賞するなどの実力派です。文化祭での演奏は名物の一つとなっており、多くの生徒や来場者を楽しませています。

    • 書道部:高野山競書大会や国際高校生選抜書展などで全国レベルの賞を受賞しています。文化祭での書道パフォーマンスも見どころの一つです。

  • 全体の様子

    運動部はサッカー、野球、テニス、バスケ、バレーなど主要なスポーツが揃っており、陸上部やハンドボール部なども県大会で活躍しています。文化部も、前述の部のほか、理科部、合唱部、写真部、茶道部、華道部など多彩な選択肢があります。近年ではフォークロック部も人気で、文化祭でのライブは大変盛り上がるようです。

イベント

船橋東高校の学校生活を彩るイベントは、生徒たちの手で作り上げられ、大きな盛り上がりを見せます。

  • 飛翔祭(ひしょうさい)

    文化祭と体育祭を合わせた学校祭です。

    • 文化の部:最大の目玉は、3年生の各クラスが上演する演劇です。夏休み前から準備を始め、脚本、演出、大道具、衣装、音響、照明まで全て生徒たち自身で作り上げます。この伝統行事に向けてクラスが一丸となる経験は、一生の思い出になると多くの卒業生が語っています。

    • 体育の部:クラスTシャツを揃え、クラス対抗リレーや、名物の19人20脚などで学年を超えて大変盛り上がります。

  • 修学旅行

    例年、2年生の秋に関西方面(京都・奈良など)を訪れます。クラス別行動や班別行動を通して、日本の歴史や文化に触れるとともに、仲間との絆を深める貴重な機会となっています。

  • その他の行事

    冬には全校生徒で船橋運動公園を走るマラソン大会が行われるほか、プロの演劇や音楽に触れる芸術鑑賞会なども実施され、一年を通して多様な行事が計画されています。

船橋東高等学校の進学実績

船橋東高等学校は、国公立大学や難関私立大学へ多数の合格者を輩出しており、しっかりとした進学実績を誇ります。生徒たちの努力と、それを支える学校のサポート体制の成果と言えるでしょう。

最新の大学進学実績

以下は2025年度入試(2024年度卒業生)の主な大学合格実績です。国公立大学からGMARCH、日東駒専といった人気の私立大学まで、幅広く合格者を出していることがわかります。

(注:合格者数は既卒生を含み、一人の生徒が複数の大学に合格している場合も含まれます)

大学群 主な大学名と合格者数(2025年度入試)
国公立大学 合計43名(千葉大学 14名、東京科学大学 2名、一橋大学 2名、東京大学 1名、東北大学 1名、お茶の水女子大学 1名、筑波大学 1名、千葉県立保健医療大学 6名など)
早慶上理 合計60名(早稲田大学 13名、慶應義塾大学 3名、上智大学 17名、東京理科大学 27名)
GMARCH 合計273名(法政大学 99名、明治大学 67名、立教大学 34名、中央大学 29名、青山学院大学 21名、学習院大学 23名)
日東駒専 合計298名(東洋大学 119名、日本大学 105名、専修大学 41名、駒澤大学 33名)

その他、専門学校への進学や就職など、多様な進路選択をする生徒もいます。

進学実績を支える取り組み

高い進学実績は、生徒個人の頑張りだけでなく、学校の手厚いサポート体制によって支えられています。

  • 充実した課外補習・講習:放課後や夏休みなどの長期休業中に、質・量ともに充実した進学課外補習が数多く開講されます。苦手科目の克服から大学入学共通テスト対策、難関大の二次試験対策まで、生徒のニーズに応じた講座が用意されており、多くの生徒が自主的に参加しています。

  • 計画的な3カ年進路指導:1年生の段階から3年間を見通した、計画的・系統的な進路指導が行われます。生徒は学習支援ソフト「Classi」などのeポートフォリオを活用して日々の学習や活動を記録・振り返り、主体的に進路を考える力を養います。また、卒業生を招いての面接指導や小論文指導も行われるなど、きめ細かいサポートが特徴です。

船橋東高等学校の特長・アピールポイント

他の高校にはない、船橋東高等学校ならではの強みやユニークな取り組みを7つのポイントにまとめました。

  • 「文武両道」を体現する98%の部活動加入率

    ほぼ全員が部活動に加入し、学業と両立させています。限られた時間で成果を出す経験は、人間的な成長を大きく促します。

  • 生徒の自主性を育む「飛翔祭」と伝統の3年生演劇

    学校行事、特に3年生の演劇は生徒主体で運営されます。クラス一丸となって一つの作品を創り上げる経験は、協調性や問題解決能力を育む最高の舞台です。

  • eポートフォリオも活用する計画的な3カ年進路指導

    1年生から将来を見据えたキャリア教育が始まります。「Classi」などを活用し、高校生活の活動記録を蓄積・分析することで、自己理解を深め、最適な進路選択につなげます。

  • 「自主自律」を重んじる、信頼に基づいた校風

    校則はありますが、基本的には生徒の良識と主体的な判断が尊重されます。この信頼関係が、穏やかで落ち着いた学校の雰囲気を作り出しています。

  • 地域と連携した多彩なボランティア・交流活動

    近隣の小学校でのサマースクールサポートや、地域のイベントでの吹奏楽部・合唱部の演奏など、地域社会に貢献する活動が盛んです。社会との関わりの中で視野を広げることができます。

  • じっくり進路を考えられる2年間の共通カリキュラム

    1・2年次は文理を分けず、全員が共通の科目を学びます。これにより、幅広い基礎学力を身につけながら、自分の興味・関心をじっくりと見極める時間的余裕が生まれます。

  • 充実した補習・講習体制による手厚い学習サポート

    早朝や放課後、長期休業中に数多くの進学補習が開講されます。生徒は自分の目標やレベルに合わせて講座を選択し、自主的に学力を伸ばすことができます。

船橋東高等学校の口コミ・評判のまとめ

ここでは、在校生や卒業生からのポジティブな声と、少し気になる点を公平にまとめました。学校選びの参考にしてください。

良い点

  • 「友達や先生に恵まれた」という声が圧倒的に多いです。真面目で優しく、協力的な仲間たちと、熱心で親身になってくれる先生方に囲まれ、非常に充実した学校生活が送れるという評価が目立ちます。

  • 「行事がとにかく楽しい」という声も多数あります。特に文化祭の3年生の演劇は、クラスの団結力が高まり、最高の思い出になると評判です。

  • 「メリハリがつけられる」点が評価されています。勉強するときは集中し、遊ぶときや行事のときは全力で楽しむという文化が根付いており、バランスの取れた高校生活を送りたい生徒に支持されています。

気になる点

  • 最も多く指摘されるのが「駅から遠い」という点です。どの最寄り駅からも徒歩15分以上かかり、坂道もあるため、特に夏場や雨の日は大変に感じる生徒が多いようです。自転車通学の生徒も多いですが、一部生徒の通学マナーが近隣住民から指摘されることもあります。

  • 「課題や小テストが多くて大変」という声も共通しています。日々の学習負担は軽くなく、計画的に勉強を進める自己管理能力が求められます。

  • 「校舎や施設が少し古い」という意見もあります。歴史のある学校なので、最新の設備が整っているわけではないようです。

  • 「国公立大学への進学を強く勧められる」と感じる生徒もいるようです。進学指導が手厚いことの裏返しとも言えますが、プレッシャーに感じる可能性も考えられます。

アクセス・通学

船橋東高等学校への通学は、複数の駅やバス路線が利用できますが、駅から少し距離があるのが特徴です。

最寄り駅からのアクセス

  • 東葉高速線「飯山満駅」より徒歩 約15〜17分

  • 新京成線「高根木戸駅」または「高根公団駅」より徒歩 約20〜25分

  • JR「船橋駅」北口または「東船橋駅」よりバス。「芝山団地入口」バス停下車、徒歩約5〜9分

  • JR「船橋駅」北口よりバス。「聖人塚」バス停下車、徒歩約3分

通学エリア

生徒の居住地域は、船橋市内が最も多く約36%を占めています。次いで市川市(約21%)、八千代市(約11%)、浦安市(約8%)と、東葉高速線や新京成線の沿線を中心に、非常に幅広いエリアから生徒が集まっています。出身中学校は120校を超えており、特定の地域に偏らず、広範囲の受験生から高く評価されていることがわかります。この多様性が、学校の活気ある雰囲気の一因にもなっています。

船橋東高等学校受験生へのワンポイントアドバイス

ここまで読んでくれてありがとうございます。最後に、進学アドバイザーとして、船橋東高等学校を目指すあなたにメッセージを送ります。

船橋東高等学校は、「勉強も学校生活も、すべてに全力投球したい」という、エネルギッシュなあなたにぴったりの学校です。仲間と協力して何かを成し遂げることが好きな人、そして高い目標に向かってコツコツと努力を続けられる人には、最高の環境が待っています。受験勉強では、特定の教科に偏らず、5教科をバランス良く学習し、苦手科目を作らないことが合格の鍵となります。

そして、船橋東高等学校が伝統的に大切にしてきた「真面目さ」をアピールするためにも、中学校での日々の授業を大切にし、提出物をきちんと出すなどして、高い内申点を維持することを意識してください。あなたのその真摯な姿勢は、きっと評価されるはずです。大変なこともあると思いますが、それを乗り越えた先には、かけがえのない3年間が待っています。応援しています!

※最新かつ正確な情報は、必ず高校の公式サイトや学校説明会で確認してください。