鹿児島県立開陽高等学校は、自分のペースで高校生活を送り、夢を実現したいと考える中学生にとって、非常に魅力的な選択肢となる学校です。全日制・定時制・通信制の3つの課程を持つ、鹿児島県で唯一の公立の単位制高校であり、生徒一人ひとりの個性や目標に合わせた多様な学び方ができるのが最大の特長です。開陽高等学校では、学年という区切りがなく、自分の興味や進路希望に応じて時間割を組むことができます。

「夢・実現」を校訓に掲げる開陽高等学校は、生徒の自主性を尊重し、「自己責任・自己管理」の精神を大切にしています。校則が比較的自由なのも、生徒一人ひとりが自分を律し、責任ある行動をとることを期待しているからです。中学校までとは違う、大学のような自由な雰囲気の中で、自分の可能性をじっくりと探求したい人には最適な環境と言えるでしょう。

この記事では、そんな開陽高等学校の基本情報から、特色ある学科、学校生活の様子、卒業後の進路まで、受験生や保護者の皆さんが知りたい情報を詳しく解説していきます。この記事を読めば、開陽高等学校がどのような学校で、自分に合っているかどうか、きっとイメージが湧いてくるはずです。

開陽高等学校の基本情報

開陽高等学校の基本的な情報を表にまとめました。全日制、定時制、通信制という3つの課程を持つ、鹿児島県ではユニークな公立高校です。

項目 内容
正式名称 鹿児島県立開陽高等学校
公立/私立の別 公立
共学/男子校/女子校の別 男女共学
所在地 〒891-0198 鹿児島県鹿児島市西谷山1丁目2番1号
代表電話番号 099-263-3733
公式サイトURL http://www.edu.pref.kagoshima.jp/sh/kaiyo/

開陽高等学校の偏差値・難易度・併願校

開陽高等学校は、一般的な学力試験による入試を行わないため、明確な「偏差値」という指標がありません。一部の高校情報サイトでは偏差値が47と記載されている場合もありますが、これはあくまで目安であり、入学者の学力を示すものではありません。開陽高等学校の入学者選抜は、主に書類審査、作文、面接によって行われます。

選抜では、学力よりも「この学校で学びたい」という意欲や、将来の目標、そして自分自身で学習計画を立てて実行していく力が重視される傾向にあります。中学校時代の成績や出席状況に不安がある人でも、これからの高校生活への前向きな気持ちをしっかりとアピールできれば、合格の可能性は十分にあります。

鹿児島県の公立高校入試制度では、基本的に公立高校同士の併願はできません。そのため、開陽高等学校を第一志望とする場合、併願校は私立高校から選ぶことになります。自分の興味や学習スタイルに合った私立高校を調べておくと良いでしょう。

開陽高等学校に設置されている学科・コース

開陽高等学校には、生徒一人ひとりの多様な進路希望や興味・関心に応えるため、複数の課程と学科が設置されています。自分のライフスタイルや学びたい内容に合わせて、最適な環境を選ぶことができるのが、この開陽高等学校の大きな魅力です。

  • 全日制課程

    • 普通科:幅広い教養を身につけ、大学進学や就職など、多様な進路に対応できる学力を養います。自分の興味や進路に合わせて科目を選択できる自由度の高さが特徴です。

    • 福祉科:高齢者福祉や社会福祉について専門的に学びます。介護福祉士の国家試験受験資格の取得を目指すことができ、福祉分野のプロフェッショナルを目指す人におすすめです。

  • 定時制課程

    • 普通科:昼間から夜間にかけて授業が行われ、働きながら学びたい人や、自分のペースで学習を進めたい人に適しています。

    • オフィス情報科:商業に関する専門知識や情報処理技術を学び、ビジネスの現場で即戦力となる人材を育成します。

  • 通信制課程

    • 普通科:自宅でのレポート学習と、定期的なスクーリング(面接指導)を組み合わせて学習を進めます。自分の時間を有効に使いたい人、遠方に住んでいる人に最適です。

    • 衛生看護科:准看護学校に通いながら、高校卒業資格の取得を目指す人のための学科です。技能連携校である肝付町立高山准看護学校への入学が必要です。

開陽高等学校の特色・校風

開陽高等学校の校風は、一言で表すと「自由と自律」です。生徒一人ひとりの個性を尊重し、自主性を重んじる文化が根付いています。

  • 校風・雰囲気: 「自己責任・自己管理」がモットーで、生徒が自ら考えて行動することが求められます。全日制、定時制、通信制があり、様々な年齢や背景を持つ生徒が共に学んでいるため、多様性を受け入れるオープンな雰囲気があります。

  • 校則: 他の多くの高校と比べて校則は非常に緩やかです。指定の制服はなく、服装や髪型、ピアスなども基本的に自由です。ただし、それは「何をしても良い」ということではなく、社会の一員としてのマナーやルールを守ることが前提となっています。

  • 宿題・課題: 単位制のため、自分で選択した科目や学習の進め方によって課題の量は異なります。特に通信制では、計画的にレポートを作成し、提出することが学習の中心となります。

  • 生徒の雰囲気: 真面目に学習に取り組む生徒から、自分の趣味や仕事と両立させている生徒まで様々です。一人ひとりが自分の目標に向かって過ごしており、互いの個性を尊重し合う雰囲気があるため、いじめは少ないという声が多いようです。

  • アルバイト: アルバイトは許可されており、実際に多くの生徒が学業と両立しています。定時制や通信制の生徒はもちろん、全日制でもアルバイトをしている生徒はいます。

  • 制服: 学校指定の制服はありません。生徒は各自、高校生らしい服装で通学しています。

  • 土曜授業: 基本的に土曜授業はありませんが、通信制のスクーリングなどが日曜に行われることがあります。

開陽高等学校の部活動・イベント

開陽高等学校では、生徒の自主性を重んじる校風のもと、部活動や学校行事も生徒が主体となって運営されています。

部活動

開陽高等学校には、体育系、文化系ともに様々な部活動や同好会があります。全日制だけでなく、定時制や通信制の生徒も参加できる活動が多く、自分のペースで楽しむことができます。

特に通信制の生徒も参加する全国大会(定通体育大会など)では、軟式野球部や陸上部、バドミントン部などが活躍しています。文化部では、美術部などが比較的多くの生徒で活動しているようです。部活動への加入は強制ではなく、アルバイトや自分の趣味に時間を使う生徒も多いようです。

イベント

開陽高等学校では、生徒同士の交流を深めるための様々な学校行事が企画されています。

  • 開陽祭(文化祭): 学校全体で盛り上がる最大のイベントの一つです。各教科や部活動、有志による展示やステージ発表、模擬店などが行われ、生徒たちの個性や創造性が発揮される場となっています。

  • 体育祭(開陽マッチ): 全日制・定時制合同で開催されることが多く、学年やクラスの垣根を越えてチームを編成し、様々な競技で競い合います。

  • 修学旅行: 行き先は年度によって異なりますが、生徒にとっては高校生活の大きな思い出となるイベントです。

  • その他の行事: この他にも、遠足や芸術鑑賞会、「わたしの意見」発表会など、年間を通して様々な行事が計画されています。通信制では、地区ごとの生徒会活動や学習会なども行われています。

開陽高等学校の進学実績

開陽高等学校は、生徒一人ひとりの進路希望に合わせた多様な学びを提供しており、その卒業後の進路も大学進学、専門学校、就職と多岐にわたります。学校独自のきめ細やかな進路指導やサポート体制が、生徒の「夢・実現」を後押ししています。

  • 国公立大学: 鹿児島大学をはじめとする地元の国公立大学への進学者を輩出しています。

  • 私立大学: 福岡大学など、九州内の有名私立大学や、全国の様々な大学へ進学しています。第一工科大学とは高大連携協定を締結しており、連携を深めています。

  • 短期大学・専門学校: 看護・医療系、福祉系、情報ビジネス系など、専門的な知識や技術を身につけるための専門学校へ進学する生徒も多数います。特に福祉科の生徒は、福祉関連の専門学校や施設への進路決定率が高い傾向にあります。

  • 就職: 公務員や民間企業への就職者もいます。学校では、面接指導や履歴書の書き方指導など、就職希望者へのサポートも手厚く行っています。

進学や就職に向け、入門・基礎・発展といった習熟度別の講座が用意されているほか、スクールカウンセラーが2名配置されるなど、学習面・精神面でのサポート体制が整っているのも開陽高等学校の特長です。

開陽高等学校の特長・アピールポイント

他の高校にはない、開陽高等学校ならではのユニークな魅力をまとめました。

  • 自分だけの時間割を作成できる「単位制」: 鹿児島県の公立高校で唯一の単位制高校です。自分の興味や関心、進路希望に合わせて、数多くの科目の中から学びたいものを自分で選んで時間割を作ることができます。

  • 3つの課程(全日制・定時制・通信制): ライフスタイルに合わせて学び方を選べるのが大きな強みです。途中で他の課程の授業を受ける「併修制度」もあり、柔軟な学習が可能です。

  • 自由な校風と自己管理能力の育成: 制服がなく、校則も比較的緩やかです。「自己責任・自己管理」の精神のもと、生徒の自主性を尊重する環境で、自律性を養うことができます。

  • 多様な生徒との出会い: 年齢や経験も様々な生徒が共に学んでいます。多様な価値観に触れることで、視野を広げ、豊かな人間性を育むことができます。

  • 秋入学・秋卒業も可能: 前期(4月~9月)と後期(10月~3月)の2学期制を採用しており、春だけでなく秋にも入学や卒業が可能です。

  • 県内全域から通学可能(全県学区): 全日制課程も含め、鹿児島県内どこからでも出願することができます。

  • 充実したサポート体制: スクールカウンセラーが配置されているほか、先生方が一人ひとりの学習計画や進路について親身に相談に乗ってくれるなど、きめ細やかなサポートを受けられます。

開陽高等学校の口コミ・評判のまとめ

在校生や卒業生からは、開陽高等学校の自由な校風や自分のペースで学べる環境を評価する声が多く聞かれます。

  • 良い点:

    • 「自分のペースで学習できるのが良い」

    • 「校則が自由で、個性を尊重してくれる雰囲気が好き」

    • 「先生方が親身に進路相談に乗ってくれる」

    • 「いじめがなく、落ち着いた雰囲気で過ごしやすい」

    • 「中学時代に不登校だったが、ここなら安心して通えた」

    • 「大学のような雰囲気で、自主性が身についた」

    • 「様々な年代の人と関わることができて視野が広がった」

  • 気になる点:

    • 「自由な分、自分でしっかり計画を立てないと卒業が大変になる」

    • 「レポート提出など、自己管理が苦手な人には向かないかもしれない」

    • 「クラス単位での活動が少ないので、自分から積極的に動かないと友達ができにくいと感じる人もいるかもしれない」

    • 「駅から少し歩くのが難点」

アクセス・通学

開陽高等学校へのアクセス方法です。公共交通機関を利用して通学しやすい場所にあります。

  • 最寄り駅:

    • JR指宿枕崎線「慈眼寺駅」から徒歩約10分

    • JR指宿枕崎線「谷山駅」から徒歩約15分

  • 最寄りバス停:

    • 鹿児島市コミュニティバス「あいばす」の「南部親子つどいの広場停留所」から徒歩約1分

全県学区のため、鹿児島市内だけでなく、市外や離島など、県内各地から生徒が通学しています。通信制課程では、県内14か所にスクーリングや試験のための協力校が設置されており、遠隔地の生徒も学びやすい環境が整っています。

開陽高等学校受験生へのワンポイントアドバイス

開陽高等学校を目指す皆さんへ。この学校は、決められたレールの上を走るのではなく、自分で道を探し、自分の足で歩んでいきたい、そんな強い意志を持った君にぴったりの場所です。中学校までの成績や経験に自信がなくても、心配はいりません。開陽高等学校が何よりも大切にしているのは、君の「学びたい」という熱意と、「夢を実現したい」という前向きな気持ちです。

受験では、面接や作文が重視されます。なぜ開陽高等学校で学びたいのか、高校生活でどんなことに挑戦したいのか、そして将来どんな自分になりたいのか、自分の言葉でしっかりと伝えられるように準備しておきましょう。この学校の「自由」は、君の可能性を無限に広げてくれるはずです。自分のペースで、自分の好きなことをとことん追求できる3年間が、君を待っています。応援しています!


※最新かつ正確な情報は、必ず高校の公式サイトや学校説明会で確認してください。