静岡県立小笠高等学校は、自分の興味や進路に合わせて多種多様な科目から授業を選べる、県内初の「総合学科」として知られています。緑豊かな小高い丘の上に立つ小笠高等学校は、通称「がっさー」として地域に親しまれており、生徒一人ひとりの個性を伸ばす教育を実践しています。

将来の夢がまだ漠然としている人も、専門的な知識や技術を高校から学びたいと考えている人も、ここ小笠高等学校ならきっと自分の「好き」を見つけて、夢中になれる3年間が送れるはずです。約160もの科目の中から自分だけの時間割を作れるなんて、ワクワクしませんか?

この記事では、そんな小笠高等学校の魅力や特色、偏差値や気になる学校生活の様子まで、進学アドバイザーとして詳しく、そして分かりやすく解説していきます。ぜひ、志望校選びの参考にしてください。

小笠高等学校の基本情報

小笠高等学校の基本的な情報を表にまとめました。

項目 内容
正式名称 静岡県立小笠高等学校
公立/私立の別 公立
共学/男子校/女子校の別 男女共学
所在地 〒439-0022 静岡県菊川市東横地1222-3
代表電話番号 0537-35-3181
公式サイトURL https://www.edu.pref.shizuoka.jp/ogasa-h/home.nsf

小笠高等学校の偏差値・難易度・併願校

小笠高等学校の偏差値は43とされています。これは、静岡県内の高校の中では比較的入学しやすいレベルと言えるでしょう。しかし、油断は禁物です。合格を確実にするためには、日々の授業を大切にし、基礎学力をしっかりと身につけておくことが重要です。

合格に必要な内申点の目安は29前後とされています。これは9教科の合計で、オール3に加えていくつかの教科で4があると安心できる水準です。まずは、中学校の定期テストで安定した点数を取れるように頑張りましょう。

小笠高等学校を第一志望とする受験生の多くは、併願校として私立高校を受験します。主な併願先としては、常葉大学附属菊川高等学校、磐田東高等学校、島田樟誠高等学校、藤枝順心高等学校などが挙げられます。これらの高校の偏差値や特色も調べておくと、より安心して受験に臨めるでしょう。

小笠高等学校に設置されている学科・コース

静岡県内初の総合学科である小笠高等学校には、普通科や専門学科といった決まったコースはありません。その代わりに、生徒一人ひとりが自分の興味・関心や進路希望に応じて、約160を超える多様な科目の中から学びたい授業を選択し、自分だけの時間割を作成します。

選択できる科目は、以下の7つの「系列」に分類されています。これらの系列は、あくまで科目選択の目安であり、複数の系列から自由に科目を組み合わせることが可能です。

  • 人文国際系列: 国語、地理歴史、公民、英語などの文系科目が中心。大学進学を目指す人や、国際的な分野に興味がある人におすすめ。

  • 自然科学系列: 数学、理科などの理系科目が中心。理系の大学や専門学校への進学を考えている人におすすめ。

  • ビジネス情報系列: 簿記、マーケティング、経済活動など、商業に関する専門知識を学びます。将来、事務職や販売職、起業などを考えている人におすすめ。

  • 情報技術系列: プログラミングや情報デザイン、ハードウェア技術など工業系の情報分野を学びます。IT関連の仕事に就きたい人におすすめ。

  • 農業科学系列: 野菜や草花の栽培、食品加工など農業に関する知識と技術を実践的に学びます。農業や食品関連の分野に進みたい人におすすめ。

  • 健康系列: 福祉や保育、スポーツ科学について学びます。介護福祉士や保育士、スポーツ関連の仕事を目指す人におすすめ。

  • 芸術系列: 美術や書道、音楽といった芸術分野の知識や技能を深めます。芸術系の大学への進学や、将来クリエイティブな仕事に就きたい人におすすめ。

小笠高等学校の特色・校風

小笠高等学校は、「至誠実行」を校訓に掲げ、生徒一人ひとりの個性を尊重し、主体性を育む教育を大切にしています。校風は、総合学科という特性上、様々な興味や目標を持った生徒が集まるため、多様性に富んでいて活気があると言えるでしょう。

  • 宿題の量: 選択する科目によって異なりますが、全体的には標準的な量という声が多いようです。自分で時間割を組むため、計画的に学習を進める習慣が身につきます。

  • 校則: 他の高校と比較すると、やや厳しいという意見が見られます。特に頭髪や服装に関する指導は丁寧に行われるようです。スマートフォンは校内での使用が原則禁止されており、昇降口で電源を切り、帰りのSHRが終わるまで使用できません。

  • 生徒たちの雰囲気: 真面目で落ち着いた生徒が多い一方で、学校行事や部活動には積極的に参加する活発な面も見られます。様々な系列があるため、アニメやゲームが好きな生徒から、農業や福祉に熱心な生徒まで、多様な個性を持つ生徒が互いに刺激し合っています。

  • アルバイト: 原則として禁止されています。ただし、家庭の事情など、やむを得ない理由がある場合は、学校の許可を得て行うことが可能です。

  • 制服: 女子生徒の赤いチェックのスカートが可愛いと評判です。男子は一般的なブレザーです。夏はポロシャツの着用も可能で、比較的過ごしやすいようです。

  • 土曜授業: 基本的に土曜授業はありません。

小笠高等学校の部活動・イベント

部活動

小笠高等学校では、1年生は全員いずれかの部活動に加入することになっており、活発に活動しています。運動部、文化部ともに種類が豊富で、自分の興味に合わせて選ぶことができます。

  • 運動部: 野球、サッカー、陸上競技、バスケットボール、バレーボール、ソフトテニス、卓球、弓道、剣道、柔道など、多くの部が熱心に活動しています。

  • 文化部: 特に吹奏楽部は全国的にも有名で、地域のイベントに多数出演したり、定期演奏会を開催したりと精力的に活動しています。その他にも、書道部、美術部、演劇部といった文化部のほか、ファッション研究部、陶芸部、食品加工部、茶業部など、総合学科ならではの専門的な部活動も充実しています。

イベント

小笠高等学校では、生徒が主体となって作り上げる学校行事が多く、毎年大変な盛り上がりを見せます。

  • 鶴ヶ丘祭(文化祭): 6月に行われる最大のイベントです。各クラスや文化部が趣向を凝らした展示や発表、ステージパフォーマンスを繰り広げます。農業科学系列の生徒が育てた野菜や草花の販売も人気です。

  • 体育大会: 10月に行われます。クラス対抗で様々な競技に臨み、団結力を高めます。

  • 修学旅行: 2年次の9月に実施されます。近年では北海道などを訪れているようです。

  • その他: 1年次・3年次の遠足、芸術鑑賞教室、課題研究発表会など、年間を通して多彩な行事が計画されています。

小笠高等学校の進学実績

小笠高等学校は、多様な進路希望に対応できるカリキュラムが強みです。卒業生の進路は、四年制大学、短期大学、専門学校への進学から、公務員や民間企業への就職まで多岐にわたります。

近年の進路状況を見ると、専門学校への進学者が最も多く、次いで就職、私立大学、短期大学への進学となっています。国公立大学への進学者も毎年輩出しています。

  • 国公立大学: 静岡大学、静岡県立大学などへの進学実績があります。

  • 私立大学: 常葉大学、静岡理工科大学、静岡福祉大学など、県内の大学を中心に多くの生徒が進学しています。

  • 短期大学・専門学校: 専門的な知識や技術を活かし、看護、福祉、保育、調理、美容、ITなど、様々な分野の学校へ進学しています。

  • 就職: 地元企業を中心に、製造業、サービス業、事務職など、幅広い職種に就職しています。公務員試験に合格する生徒もいます。

学校では、1年次から「産業社会と人間」という授業を通して、将来の生き方や職業について考える機会を設けています。また、少人数での授業や、担任の先生が2人体制のクラス(一部)など、生徒一人ひとりへの手厚いサポート体制が整っているのも、小笠高等学校の進学実績を支える大きな要因です。

小笠高等学校の特長・アピールポイント

他の高校にはない、小笠高等学校ならではの魅力を5つのポイントにまとめました。

  • 自分だけの時間割が作れる「総合学科」: なんといっても最大の特長は、約160もの科目から自分の興味や進路に合わせて授業を選べることです。普通教科に加え、農業、工業、商業、福祉などの専門科目を深く学べるのは、小笠高等学校ならではの強みです。

  • 地域と深く連携した「探究学習」: 菊川市や地元企業、大学と連携した課題解決型学習(PBL)に力を入れています。地域の課題をテーマに探究活動を行うことで、社会で役立つ実践的な力を養います。

  • 充実した専門設備: 各系列の専門的な学びに合わせて、本格的な設備が整っています。例えば、情報技術系列のコンピュータ室、農業科学系列の農場や温室、食品加工室、健康系列の介護実習室など、実践的な学びを支える環境が充実しています。

  • 豊富な資格取得サポート: 在学中に様々な資格取得にチャレンジできます。簿記検定、情報処理検定、危険物取扱者、介護職員初任者研修など、将来の進学や就職に直結する資格取得を学校がサポートしてくれます。

  • 手厚い進路サポート体制: 1年次からのキャリア教育や、生徒一人ひとりの進路希望に合わせた個別指導が充実しています。担任の先生だけでなく、進路指導室の先生やカウンセラーも親身に相談に乗ってくれるので、安心して進路選択ができます。

小笠高等学校の口コミ・評判のまとめ

在校生や卒業生からは、小笠高等学校の様々な側面について、多くの声が寄せられています。

  • 良い点:

    • 「総合学科なので、自分の興味がある分野を専門的に学べるのが良い」

    • 「たくさんの科目から自分で時間割を決められるので、大学のような自由さがある」

    • 「資格がたくさん取れるので、就職や進学に有利だと思う」

    • 「先生方が親身に進路相談に乗ってくれる」

    • 「女子の制服が可愛いと評判」

    • 「行事が盛り上がって楽しい。特に鶴ヶ丘祭(文化祭)は一体感がある」

  • 気になる点:

    • 「校則が少し厳しいと感じることがある。特にスマホの使用ルールは厳しい」

    • 「駅から少し距離があるので、バス通学になる」

    • 「先生によって指導の熱心さに差があるように感じる」

    • 「施設が全体的に少し古い印象がある」

    • 「国公立大学への進学を目指すには、自分で相当な努力が必要」

アクセス・通学

小笠高等学校への主なアクセス方法は以下の通りです。

  • 最寄り駅: JR東海道本線「菊川駅」

  • アクセス方法:

    • 菊川駅前から、しずてつジャストラインバス(御前崎・浜岡営業所方面)に乗車し、「西横地・小笠高校前」または「小笠高校入口」で下車、徒歩約5分。

    • 授業のある日には、菊川駅から小笠高校への直通バスも運行されています。所要時間は約10〜15分です。

菊川市のほか、掛川市、御前崎市、牧之原市など、近隣の市から通学している生徒が多いようです。

小笠高等学校受験生へのワンポイントアドバイス

小笠高等学校は、「高校で何か専門的なことを見つけたい」「自分のペースで学びたい」と考えているあなたに、ぴったりの学校です。幅広い分野の授業が用意されているので、入学してから自分の本当にやりたいことを見つけることができます。特に、農業、工業、商業、福祉といった分野に少しでも興味があるなら、小笠高等学校は最高の環境を提供してくれるでしょう。

受験勉強においては、まず中学校の基礎を固めることが何よりも大切です。特に、内申点は合否の重要な判断材料になります。日々の授業に真剣に取り組み、提出物をきちんと出し、定期テストで安定した成績を収めることを心がけてください。

小笠高等学校は、あなたの「やってみたい」という気持ちを全力で応援してくれる学校です。ぜひ、学校説明会やオープンスクールに参加して、その魅力を肌で感じてみてください。応援しています!

※最新かつ正確な情報は、必ず高校の公式サイトや学校説明会で確認してください。