静岡県立御殿場南高等学校は、富士山の麓、自然豊かな御殿場市にあり、「ごなん」「なんこう」の愛称で親しまれている歴史と伝統のある進学校です。1963年の開校以来、「鍾駿(しょうしゅん)」という建学の精神を掲げています。これは、「地域に貢献する優れた人材を集め、育成する」という意味が込められており、生徒一人ひとりが持つ豊かな才能を最大限に引き出すことを目指しています。

御殿場南高等学校では、勉強はもちろんのこと、部活動や学校行事にも全力で取り組む「文武両道」が実践されています。生徒たちは日々の学習で知識を深めながら、部活動では心身を鍛え、学校行事では仲間との絆を育んでいます。このような環境の中で、生徒たちは自らの可能性を広げ、将来の夢に向かって大きく羽ばていていきます。

この記事では、そんな魅力あふれる御殿場南高等学校について、受験生の皆さんが本当に知りたい情報を詳しく、そして分かりやすく解説していきます。偏差値や進学実績といった学習面のことだけでなく、学校生活のリアルな様子や、在校生・卒業生からの口コミまで、幅広くご紹介します。ぜひ、最後まで読んで、あなたの高校選びの参考にしてください。

御殿場南高等学校の基本情報

御殿場南高等学校の基本的な情報を表にまとめました。学校選びの第一歩として、まずはここから確認してみましょう。

項目 内容
正式名称 静岡県立御殿場南高等学校
公立/私立の別 公立
共学/男子校/女子校の別 男女共学
所在地 〒412-0043 静岡県御殿場市新橋1450
代表電話番号 0550-82-1272
公式サイトURL https://www.edu.pref.shizuoka.jp/gotembaminami-h/home.nsf/IndexFormView?OpenView

御殿場南高等学校の偏差値・難易度・併願校

御殿場南高等学校への合格を目指す上で、偏差値や難易度を把握しておくことはとても大切です。ここでは、具体的な数値や併願校の例を挙げて、分かりやすく解説します。

偏差値

  • 普通科:56

この偏差値は、静岡県内でも上位に位置しており、合格するためにはしっかりとした学力が必要になります。

難易度のイメージ

偏差値56と聞いても、具体的にどれくらいのレベルなのかイメージしにくいかもしれません。静岡県内で同じくらいの偏差値の高校としては、沼津西高等学校や三島北高等学校(普通科)などが挙げられます。

合格に必要な内申点の目安は、30〜31点前後と言われています。ただし、これはあくまで目安であり、当日の学力調査(入試)の結果も非常に重要です。受験生の掲示板などを見ると、内申点30、学力調査で192点を取って合格したという声や、内申点34で学力調査が150〜160点台で不安という声もあり、当日の試験でいかに得点できるかが鍵となるようです。

主な併願校

静岡県の公立高校入試では、基本的に公立高校同士の併願はできません。そのため、御殿場南高等学校を第一志望とする受験生の多くは、滑り止めとして私立高校を受験します。主な併願校としては、以下のような高校が挙げられます。

  • 御殿場西高等学校

  • 加藤学園高等学校

  • 日本大学三島高等学校

  • 沼津中央高等学校

これらの私立高校は、それぞれ特色のある教育を行っているので、万が一の場合に備えて、自分に合った併願校をしっかりと調べておくことが大切です。

御殿場南高等学校に設置されている学科・コース

御殿場南高等学校には、普通科が設置されています。それぞれの目標に合わせて、きめ細やかな指導が行われています。

  • 普通科: 幅広い教養と学力を身につけ、国公立大学や難関私立大学への進学を目指します。2年生からは文系・理系に分かれ、それぞれの進路希望に応じた専門的な学習を深めていきます。また、学年に1クラス程度、難関国公立大学合格を目指す特進クラスが設けられることもあるようです。 どんな分野に興味があるかまだ分からない人や、大学進学を考えている多くの生徒におすすめの学科です。

御殿場南高等学校の特色・校風

御殿場南高等学校は、「文武両道」と「落ち着いた雰囲気」がキーワードの学校です。生徒たちは勉強にも部活動にも真剣に取り組み、充実した学校生活を送っています。

  • 宿題の量: 宿題の量は「結構多い」と感じる生徒が多いようです。 特に長期休暇中の課題は量が多いという声もあります。 日々の予習・復習が欠かせない学習環境と言えるでしょう。

  • 校則: 全体的に緩やかで、自由な校風のようです。

    • スマホ: 授業中や休み時間の使用は禁止ですが、放課後は使用可能です。 ただし、「朝、ロッカーに預ける」というルールがあるものの、実際には机の中に入れていてもバレない、といった声も見られます。

    • 服装: 制服の着こなしに関するチェックは比較的緩やかで、服装検査も厳しくないという意見が多いです。 靴や通学カバンも華美でなければ自由とされています。

    • 髪型: パーマやカラーリングは禁止ですが、それ以外の髪型についてはあまり厳しく言われないようです。

  • 生徒たちの雰囲気: 「真面目」で「落ち着いている」生徒が多いようです。生徒同士の仲も良く、のびのびとした雰囲気があります。 一方で、「陰キャか変にプライド高い陽キャになれないひとたちばっか」といった少しネガティブな意見も見られます。

  • アルバイト: 原則として禁止されているようです。

  • 制服の評判: 制服については、特に目立った評判は見られませんが、着こなしの自由度が高いことから、不満の声は少ないようです。

  • 土曜授業: 土曜授業の有無に関する明確な情報は見つかりませんでしたが、進学校であるため、模試や補習などが行われる可能性はあります。

御殿場南高等学校の部活動・イベント

部活動

御殿場南高等学校は部活動が非常に盛んで、多くの部が県大会以上のレベルで活躍しています。運動部、文化部ともに充実しており、生徒の多くが部活動に加入し、文武両道を目指しています。

  • 運動部:

    • 陸上競技部: 特に競歩は全国レベルで、過去には日本代表としてアジアの大会でメダルを獲得した選手も輩出しています。

    • 野球部: 夏の全国高等学校野球選手権静岡大会では、2023年に3回戦進出、2025年には2回戦に進出するなど、健闘を見せています。

    • その他、ハンドボール部、テニス部、バレーボール部、水泳部なども県大会に出場するなど活発に活動しています。

  • 文化部:

    • 音楽部(軽音楽): 静岡県高等学校軽音楽大会で本選に出場するなど、高いレベルで活動しています。

    • 華道部: 「花の甲子園」と呼ばれる全国高校生花いけバトルで静岡県大会を優勝し、全国大会に出場するなどの実績があります。

    • 文化部は芸術や趣味などの活動が中心で、コンクールや展示会に向けて技術を磨いています。

イベント

御殿場南高等学校では、生徒たちが主体となって作り上げる学校行事がたくさんあり、学校生活を彩る大きな魅力となっています。

  • 鍾駿祭(しょうしゅんさい): 毎年6月に行われる文化祭は「鍾駿祭」と呼ばれ、大変な盛り上がりを見せます。 3年生は模擬店、1・2年生はクラス展示や合唱などを発表します。文化部の展示や有志によるダンスやカラオケのステージ発表もあり、生徒たちのエネルギーが爆発する一大イベントです。

  • 体育祭: クラス対抗で様々な競技に熱中し、クラスの団結力が一層深まります。

  • 修学旅行: 2年生の時に実施され、生徒たちにとって忘れられない思い出となります。行き先は年度によって異なりますが、仲間との絆を深める貴重な機会です。

御殿場南高等学校の進学実績

御殿場南高等学校は、地域の進学校として、国公立大学や難関私立大学へ多数の合格者を輩出しています。生徒一人ひとりの進路希望を実現するための手厚いサポート体制が整っています。

最新の大学進学実績(2024年度・令和5年度卒業生)

  • 国公立大学: 48名合格

    • 主な合格大学: 東北大学(1)、筑波大学(1)、横浜国立大学(1)、静岡大学(5)、静岡県立大学(6)など。

  • 難関私立大学:

    • 早慶上理ICU: 早稲田大学(1)、東京理科大学(2)など。

    • GMARCH: 明治大学(2)、青山学院大学(2)、中央大学(5)、法政大学(4)など、合計13名以上が合格しています。

    • 関関同立: 関西大学(3)など。

  • その他:

    • 県内外の私立大学へも多数合格しており、特に常葉大学(71)、神奈川大学(35)、東海大学(35)、日本大学(15)、東洋大学(14)などへの進学者が多い傾向があります。

    • 就職や専門学校へ進む生徒もおり、多様な進路に対応しています。

進学サポート

朝の10分間読書や、長期休暇中の補習、放課後の講習など、学力向上のための様々な取り組みが行われています。 また、「Cプロジェクト」と呼ばれるキャリア教育を通じて、生徒が主体的に自らの進路を考え、実現する力を育んでいます。

御殿場南高等学校の特長・アピールポイント

他の高校にはない、御殿場南高等学校ならではの強みやユニークな取り組みをまとめました。

  • 建学の精神「鍾駿(しょうしゅん)」: 「優れた人材を集め、育てる」という開校以来の精神が、学校全体の教育方針の根幹にあります。

  • 独自のキャリア教育「Cプロジェクト」: 高校3年間を見通したキャリア教育プログラムです。 探究学習や「キャリアプラン表明書」の作成などを通して、大学進学の先にある社会を見据え、主体的に学ぶ力を養います。

  • 活発な探究活動「御南探究」: 総合的な探究の時間では、SDGsなどの社会的なテーマについてグループで探究活動を行います。 地域の企業や大学と連携したフィールドワークなども積極的に行われており、実践的な学びの機会が豊富です。

  • 文武両道の実践: 多くの生徒が部活動に所属し、高いレベルで勉強と両立させています。陸上競技部や華道部が全国大会で活躍するなど、その実績は顕著です。

  • 落ち着いた学習環境: 富士山の麓という恵まれた自然環境の中、生徒たちは落ち着いて学習に取り組むことができます。

  • 生徒が主役の学校行事: 文化祭である「鍾駿祭」をはじめ、生徒会が中心となって企画・運営する行事が多く、生徒の自主性や協調性を育んでいます。

  • 地域との連携: 御殿場市や地域の企業、大学と連携したプログラムが多く、社会とのつながりを意識しながら学ぶことができます。

御殿場南高等学校の口コミ・評判のまとめ

在校生や卒業生からのリアルな声は、学校選びの重要な参考になります。ここでは、様々な口コミを公平にまとめました。

良い点

  • 自由な校風: 「校則はほぼ無いので大満足」「結構ゆるい」といった声が多く、生徒の自主性が尊重されているようです。

  • 充実した学校生活: 「勉強をしようと思えば集中できる環境だし、遊ぼうと思えば飽きるほど遊べる」「中学の頃よりも楽しい」など、充実した高校生活を送れるというポジティブな意見が見られます。

  • 先生のサポート: 「先生方が親切にしてくれたことが決め手です」「相談に親身に乗ってくれる良い先生もいます」といった、先生への信頼がうかがえる口コミもあります。

  • 生徒の雰囲気: 「のんびりしている」「生徒仲は良い」など、穏やかで良好な人間関係を築きやすい環境のようです。

気になる点

  • 自称進学校という声: 「あまりにも自称進学校」「やる気次第で旧帝大レベルを目指すことも可能。ただ、周辺の進学校よりは学習進度が遅いため、国立大学を目指すとやや苦労する」といった、進学校としての指導内容に物足りなさを感じる意見があります。

  • 施設の古さ: 「校舎がレトロクラシックすぎる」「開校60年の風格が漂っています」など、施設の老朽化を指摘する声が複数見られます。

  • 課題の多さ: 「長期休みには休みの日数に見合ってない量の課題をたんまり出される」「週の課題も多すぎて捨てたい」というように、課題の量に負担を感じる生徒もいるようです。

  • 先生の質: 「良い先生と悪い先生が3:7くらい」「理不尽にキレる先生などの人間性としては少しあれだなと感じる」など、一部の先生の指導や対応に疑問を持つ声も見られます。

アクセス・通学

御殿場南高等学校へのアクセス方法と、通学エリアについてまとめました。

  • 最寄り駅:

    • JR御殿場線「御殿場駅」から徒歩約9〜15分

    • JR御殿場線「南御殿場駅」から徒歩約30分

  • 最寄りバス停:

    • 富士急モビリティ「南高入口」バス停から徒歩約4分

  • 通学エリア:

    御殿場駅から徒歩圏内というアクセスの良さから、御殿場市内や小山町、裾野市など、近隣の市町から通学する生徒が多いようです。中には、沼津市から電車で通学している生徒もいます。

御殿場南高等学校受験生へのワンポイントアドバイス

御殿場南高等学校を目指す皆さんへ、進学アドバイザーとして最後に応援メッセージを送ります。

御殿場南高等学校は、「自由な校風の中で、勉強も部活も行事も、何事にも主体的に全力で取り組みたい!」と考えている君にぴったりの学校です。先生に言われたからやるのではなく、自分で目標を見つけ、仲間と協力しながら達成していく。そんな充実した3年間が待っています。特に、独自のキャリア教育「Cプロジェクト」や探究活動は、将来の夢を見つける大きなきっかけになるはずです。

受験勉強においては、まず内申点を30以上確保することを目標に、中学校の定期テスト対策をしっかり行いましょう。その上で、静岡県の学力調査では、5教科合計で160点以上、できれば180点近くを目指したいところです。過去問を繰り返し解き、苦手分野をなくしていくことが合格への近道です。御殿場南高校は、君の挑戦を待っています。最後まで諦めずに、夢に向かって頑張ってください!

※最新かつ正確な情報は、必ず高校の公式サイトや学校説明会で確認してください。