鶯谷高等学校は、100年以上の長い歴史を持つ岐阜県屈指の私立進学校です。その名前を聞いて、伝統的で少し厳しいイメージを持つ人もいるかもしれませんが、実は未来を見据えた新しい教育にも積極的に挑戦している学校です。創立以来受け継がれる「自立・自尊」の精神を土台に、生徒一人ひとりが自分の目標に向かって主体的に学べる環境がここにはあります。
勉強に集中できる静かな環境と、最新のICT設備が見事に融合しているのが、今の鶯谷高等学校の大きな魅力と言えるでしょう。全生徒にiPadが配られ、授業で活用するのは当たり前。伝統を大切にしながらも、常に進化を続けるその姿は、これからの時代を生きる皆さんにとって、最高の学びの場となる可能性を秘めています。
この記事では、そんな鶯谷高等学校がどんな学校なのか、皆さんが本当に知りたい情報を、進学アドバイザーの視点から詳しく、そして分かりやすく解説していきます。「自分に合う学校だろうか?」「ここでどんな3年間が送れるだろう?」そんな疑問を一つひとつ解消しながら、あなたにとって最高の高校選びの参考にしてください。
鶯谷高等学校の基本情報
まずは、学校の基本的な情報を確認しておきましょう。学校選びの第一歩は、正確な情報を知ることから始まります。
項目 | 内容 |
正式名称 | 鶯谷高等学校 |
公立/私立の別 | 私立 |
共学/別学の別 | 男女共学 |
所在地 | 〒500-8053 岐阜県岐阜市鶯谷町7 |
代表電話番号 | 058-265-7571 |
公式サイト | https://uguisudani.ed.jp/ |
鶯谷高等学校の偏差値・難易度・併願校
鶯谷高等学校の魅力の一つは、自分の学力や目標に合わせてコースを選べる点にあります。ここでは、コースごとの偏差値や難易度、そして多くの受験生が併願する学校について見ていきましょう。
コースによって求められる学力レベルが大きく異なるため、鶯谷高等学校を目指す場合は、まずどのコースを目標にするかを考えることが大切です。
-
英進Ⅲ類: 偏差値 67前後
-
英進Ⅰ類: 偏差値 60〜64前後
-
英進Ⅱ類: 偏差値 55〜57前後
偏差値だけでなく、合格に必要な内申点の目安も参考にすると、より具体的な難易度がイメージできます。ある塾のデータによると、合格者の平均内申点(中3の成績)は、英進Ⅲ類で40.8、英進Ⅰ類で37.6、英進Ⅱ類で30.6となっています。特に最上位の英進Ⅲ類やⅠ類では、単にテストの点数が高いだけでなく、中学校での日々の授業態度や提出物など、真面目な学習習慣が身についていることが強く求められていることがわかります。これは、鶯谷高等学校が学力だけでなく、学習に対する姿勢も重視している証拠と言えるでしょう。
このレベルの高さから、岐阜県内のトップクラスの公立高校を第一志望とする受験生が、実力を試すため、また確実な進学先を確保するために併願するケースが非常に多いです。愛知県からの通学者も少なくありません。
-
主な併願校(公立)
-
岐阜県:加納高校、岐山高校、長良高校、岐阜北高校など
-
愛知県:一宮高校、松蔭高校、西春高校、向陽高校など
-
-
主な併願校(私立)
-
大垣日本大学高校、滝高校、帝京大学可児高校、清林館高校など
-
鶯谷高等学校に設置されている学科・コース
鶯谷高等学校には普通科が設置されており、その中に学力と目標に応じて3つの「英進コース」が用意されています。入学時のコースが、3年間の学びのベースとなります。
-
英進Ⅲ類
-
東京大学や京都大学などの最難関国公立大学や、医学部医学科への現役合格を目指すトップレベルのコースです。少数精鋭で、最高水準の授業が展開されます。
-
-
英進Ⅰ類
-
名古屋大学などの難関国公立大学や、有名私立大学を目指すコースです。応用力を重視したカリキュラムで、高いレベルで切磋琢磨したい生徒におすすめです。
-
-
英進Ⅱ類
-
国公立大学や私立大学への進学を目指し、まずは基礎力を徹底的に固めるコースです。Ⅰ類と同じ教材を使いながらも、基本を大切にした丁寧な授業が特徴です。
-
このコース制は、単に入学時の学力でクラスを分けるだけではありません。2年生に進級する際に、成績に応じてコースを変更できるチャンスがあるようです。これは「頑張れば上のコースに行ける」という明確な目標となり、生徒たちの学習意欲を刺激する仕組みになっています。さらに、3年生になると、中高一貫生も合流し、「難関国公立大理系」「国公立大文系」といった、より具体的な志望校別のクラスに再編成されます。この最終的なクラス編成は、一人ひとりの志望校合格を全力でサポートするという、鶯谷高等学校の強い意志の表れと言えるでしょう。
鶯谷高等学校の特色・校風
鶯谷高等学校の校風をキーワードで表すなら、「文武両道」「質実剛健」「アカデミック」といった言葉がぴったりです。全体的に落ち着いた雰囲気の中で、生徒一人ひとりが自分の目標に向かって真剣に取り組んでいます。ここでは、在校生や卒業生の口コミを基に、学校生活のリアルな姿に迫ります。
-
宿題の量
-
「多い」という声が多数派です。特に長期休暇中の課題はかなりの量になるようですが、「計画的に進めればこなせるレベル」と感じている生徒が多いようです。日々の学習習慣が非常に大切になります。
-
-
校則
-
全体的には「常識の範囲内」ですが、特定の点では厳しいと感じる生徒が多いようです。
-
スマホの扱いは特に厳格で、校内での使用は禁止。朝、担任の先生に預け、帰りに返却されるというルールが徹底されています。これは、授業や勉強に集中できる環境を最優先する学校の方針の表れです。
-
服装や頭髪についても、染髪や化粧は禁止されており、行事の際には特に厳しくチェックされる傾向があります。
-
-
生徒たちの雰囲気
-
「真面目でおとなしい生徒が多い」「学習意欲が高い」という口コミが圧倒的です。周りのレベルが高いため、自然と勉強する雰囲気ができあがっており、互いに教え合ったり、競い合ったりしながら高め合える環境です。いわゆる「高校デビュー」や華やかな「青春」を第一に考えている人には、少し物足りなく感じるかもしれません。
-
-
アルバイト
-
原則として禁止されています。学業に専念することが求められます。
-
-
制服の評判
-
男女ともにブレザースタイルです。デザインについて特に強い意見は少なく、伝統的で落ち着いた制服として受け入れられているようです。
-
-
土曜授業
-
あります。第4土曜日を除く毎週土曜日に、3時間の授業が実施されています。これにより、公立高校に比べて多くの授業時間を確保し、手厚い指導を実現しています。
-
鶯谷高等学校の部活動・イベント
勉強第一のイメージが強い鶯谷高等学校ですが、部活動や学校行事も個性的で充実しています。
部活動
運動部、文化部ともに多彩なクラブがあり、生徒たちは限られた時間の中で熱心に活動しています。特に、他の学校にはないユニークな部活動や、全国レベルで活躍する部活動が鶯谷高等学校の大きな特色です。
-
ビームシューティング部
-
聞き慣れない名前かもしれませんが、光線銃を使って的を撃つライフル競技の部活です。その実力は全国トップクラスで、全国大会で優勝経験もあるなど、学校を代表する部活動の一つです。
-
-
囲碁部・将棋部
-
知のスポーツとも言える囲碁・将棋部は、まさに鶯谷高等学校の「お家芸」です。男女ともに全国大会の常連で、数々の輝かしい実績を誇ります。静かな情熱を燃やしたい生徒にぴったりの部活です。
-
-
女子ソフトテニス部・柔道部
-
これらの運動部も伝統的に強く、県大会や東海大会で常に上位の成績を収めています。文武両道を高いレベルで実践しています。
-
-
その他のユニークな部活動
-
「畳の上の格闘技」と呼ばれる「競技かるた部」や、数学の難問に挑む「数学部」、パソコン制作や3Dプリンターを駆使する「UINC.」など、知的好奇心を満たしてくれる文化部が揃っています。
-
イベント
鶯谷高等学校の学校行事は、勉強の合間のリフレッシュになるだけでなく、クラスの絆を深める大切な機会となっています。
-
オリエンテーション(4月)
-
新入生が最初に参加するビッグイベントです。学校の裏山にある「学生会館」という宿泊施設にクラス全員で泊まり込み、親睦を深めます。このユニークな伝統行事を通して、高校生活の第一歩を最高の仲間たちとスタートできます。
-
-
球技大会(5月・10月)
-
年に2回開催される、学校全体が熱くなるイベントです。校内に広いグラウンドがないため、岐阜メモリアルセンターなどの本格的な施設を借り切って行われます。バレーボール、バスケットボール、フットサル、卓球など種目も多彩で、運動が得意な生徒もそうでない生徒も一緒に楽しめます。
-
-
文化祭「鶯花爛漫」(9月)
-
2日間にわたって開催される文化の祭典です。各クラスや文化部が趣向を凝らした展示や発表を行い、特に茶道部のお茶会は毎年大人気だそうです。
-
-
研修旅行(高2の5月)
-
2年生のメインイベントで、現在の主な研修先は長崎です。平和学習などを通して、見聞を広める貴重な機会となります。
-
鶯谷高等学校の進学実績
鶯谷高等学校を選ぶ多くの生徒や保護者にとって、最も関心が高いのが大学進学実績でしょう。その期待に応えるように、毎年素晴らしい結果を出し続けています。
最新の2024年度大学入試では、国公立大学に95名以上が合格しています。この数字は、学校の教育力の高さを明確に示しています。
-
国公立大学
-
旧帝国大学をはじめとする最難関大学に多数合格しています。
-
東京大学:1名
-
大阪大学:1〜3名
-
名古屋大学:8〜13名
-
東北大学:2名
-
北海道大学:1名
-
九州大学:2名
-
-
地元の岐阜大学には毎年多くの合格者を輩出しており、2024年度は15名が合格しました。
-
特筆すべきは医学部医学科への強さで、国公立・私立合わせて16名以上の合格者を出しています。これは、医療系に特化した指導が充実していることの証明です。
-
-
難関私立大学
-
早稲田大学、慶應義塾大学に合わせて5名以上が合格。
-
MARCH(明治、青山学院、立教、中央、法政)には合計33名。
-
関関同立(関西、関西学院、同志社、立命館)には合計102名と、西日本の難関私大にも圧倒的な強さを見せています。
-
-
その他
-
中部地方の南山大学(44〜50名)や名城大学(51〜66名)にも、毎年非常に多くの生徒が進学しています。
-
これらの輝かしい進学実績は、決して偶然生まれるものではありません。平日7限授業や土曜授業による豊富な授業時間、夏休みや冬休みに開かれる講座制の補習、そして「理系小論文講座」や「難関大学数学講座」といった、特定の目標に特化したハイレベルな有料講座など、手厚く、そして戦略的な進学サポート体制が背景にあります。生徒の「合格したい」という強い気持ちに、学校が全力で応える。それが鶯谷高等学校の進路指導の神髄です。
鶯谷高等学校の特長・アピールポイント
他の高校にはない、鶯谷高等学校ならではの強みやユニークな取り組みを7つのポイントにまとめました。
-
現役合格へ導く徹底した進学サポート体制
-
公立高校の約1.3倍とも言われる豊富な授業時間に加え、長期休暇中の補習や志望校別の特別講座など、第一志望校現役合格を確実にするためのプログラムが非常に充実しています。
-
-
先進のICT教育環境
-
全生徒にiPadが配布され、全教室に電子黒板プロジェクターが設置されています。単なる機材の導入にとどまらず、日々の授業や自宅学習でテクノロジーを主体的に活用する環境が整っています。
-
-
生徒と先生の距離が近い「総合学習センター」
-
職員室がオープンスペースになっており、生徒が自由に出入りできます。分からない問題を質問したり、進路相談をしたりと、先生とのコミュニケーションが取りやすいユニークな空間です。
-
-
全国レベルで活躍するユニークな部活動
-
ビームシューティング部や囲碁・将棋部など、全国の頂点を狙える部活動があります。勉強だけでなく、自分の得意な分野で輝ける舞台が用意されています。
-
-
目標別の三段階「英進コース」システム
-
入学時の学力や目標に合わせたクラス編成で、一人ひとりに最適な学びを提供します。学年進級時のコース変更の可能性もあり、常に高い目標を持って学習に取り組めます。
-
-
クラスの絆を深める名物「宿泊オリエンテーション」
-
入学直後に行われる、学校の宿泊施設でのオリエンテーションは鶯谷ならではの伝統行事。新しい仲間との絆を深め、スムーズに高校生活をスタートできます。
-
-
100年以上の歴史が育んだ「真心教育」
-
創立者の「我ら真心もて教えの任に当らん」という言葉が、今も教育理念として生きています。生徒一人ひとりの人格と個性を尊重する、親身な指導が受けられます。
-
鶯谷高等学校の口コミ・評判のまとめ
ここでは、在校生や卒業生から寄せられた様々な声を、良い点と気になる点に分けて公平にご紹介します。学校選びのリアルな参考情報としてください。
-
良い点
-
「先生方が親身になって質問や相談に乗ってくれる」という声が非常に多いです。特に「総合学習センター」で気軽に質問できる環境が高く評価されています。
-
「周りの生徒の学習意欲が高く、自分も頑張ろうと思える」という意見も目立ちます。真面目に勉強することが当たり前の雰囲気なので、集中して学びたい人には最高の環境です。
-
「校舎が綺麗で、自習室などの学習設備が整っている」点も好評です。特に、個別ブースのある自習室は受験生にとって心強い味方です。
-
「行事が独特で楽しい思い出になる」という声もあります。特に球技大会や宿泊オリエンテーションは、多くの生徒の心に残っているようです。
-
-
気になる点
-
最も多く聞かれるのが「校則が厳しい」という意見です。特にスマートフォンを校内で使えないルールに不満を感じる生徒は少なくないようです。
-
「課題が多くて大変」「勉強についていくのがやっと」という声もあります。自主的に学習する習慣がないと、厳しいと感じる場面が多いかもしれません。
-
「先生によって授業の分かりやすさや指導方針に差がある」という指摘も見られます。これはどの学校にも言えることですが、自分に合わない先生にあたる可能性も考慮しておく必要はあります。
-
「駅から遠くて通学が少し不便」という物理的なデメリットを挙げる声もあります。
-
「いわゆる『キラキラした高校生活』をイメージしているとギャップを感じるかもしれない」という意見は、この学校の性格をよく表しています。
-
アクセス・通学
鶯谷高等学校は岐阜市の中心部に位置していますが、最寄りの鉄道駅からは少し距離があります。多くの生徒はバスを利用して通学しています。
-
JR岐阜駅・名鉄岐阜駅からのアクセス
-
最も一般的な通学方法です。駅前のバスターミナルから岐阜バスの「長良橋経由」路線や「市内ループ線(左回り)」などに乗車し、「市役所・鶯谷高校口」バス停で下車します。バス停からは徒歩約5分です。駅からの所要時間は、バスの待ち時間を含めて15分程度を見ておくと良いでしょう。
-
-
徒歩でのアクセス
-
名鉄岐阜駅から歩くと、約23分から30分かかります。体力に自信のある生徒は徒歩で通学している場合もありますが、毎日のことなのでバス利用が現実的かもしれません。
-
通学エリアは岐阜県内全域に及びますが、その高い進学実績から愛知県の一宮市や犬山市などから時間をかけて通学してくる生徒も珍しくありません。
鶯谷高等学校受験生へのワンポイントアドバイス
ここまで読んでくれてありがとうございます。最後に、進学アドバイザーとして、鶯谷高等学校を目指す君たちにエールを送ります。
鶯谷高等学校は、「本気で学びたい」「高い目標を達成したい」と強く願う生徒にとって、最高の環境を提供してくれる学校です。もし君が、将来の夢や目標が明確で、その実現のために3年間ひたむきに努力する覚悟があるなら、この学校は君を力強く後押ししてくれるでしょう。周りも同じ志を持つ仲間ばかりです。そんな環境で自分を磨きたいと考える君に、鶯谷高等学校を心からおすすめします。
受験勉強では、5教科をバランスよく学習し、苦手科目を作らないことが合格への鍵です。そして、忘れてはいけないのが、日々の授業を大切にすること。鶯谷高等学校は、ペーパーテストの点数だけでなく、君が中学校で積み重ねてきた真面目な努力(内申点)もしっかりと評価してくれます。今からできる一番の受験対策は、目の前の授業に集中し、提出物を丁寧に行うことです。
高校選びは、君の未来を形作る大切な一歩です。この情報が、君の素晴らしい決断の助けになることを願っています。頑張ってください!
※最新かつ正確な情報は、必ず高校の公式サイトや学校説明会で確認してください。