鶴丸高等学校は、鹿児島県内でトップクラスの学力を誇る、歴史と伝統のある進学校です。1894年の設立以来、「好学愛知」「自律敬愛」「質実剛健」を建学の理念に掲げ、多くの優秀な人材を社会に送り出してきました。高いレベルの授業や、生徒の自主性を重んじる校風は、真剣に学びたい生徒にとって最高の環境と言えるでしょう。

しかし、鶴丸高等学校の魅力は勉強だけではありません。体育祭や文化祭などの学校行事は生徒が主体となって大いに盛り上がり、部活動も非常に活発です。まさに「文武両道」を地で行く学校生活が、ここ鶴丸高等学校にはあります。

この記事では、そんな鶴丸高等学校の偏差値や気になる口コミ、学校生活のリアルな姿を、進学アドバイザーの視点から分かりやすく解説していきます。憧れの高校生活を具体的にイメージしながら、読み進めてみてください。

鶴丸高等学校の基本情報

鶴丸高等学校の基本的な情報を表にまとめました。公式サイトへのリンクも掲載していますので、さらに詳しい情報を知りたい方はぜひアクセスしてみてください。

項目 内容
正式名称 鹿児島県立鶴丸高等学校
公立/私立の別 公立
共学/男子校/女子校の別 男女共学
所在地 〒890-8502 鹿児島県鹿児島市薬師2丁目1-1
代表電話番号 099-251-7387
公式サイト http://www.edu.pref.kagoshima.jp/sh/Tsurumaru/

鶴丸高等学校の偏差値・難易度・併願校

鹿児島県を代表する進学校である鶴丸高等学校は、県内最難関の高校の一つです。合格するためには、非常に高い学力が求められます。

  • 偏差値:

    • 普通科:73

鶴丸高等学校の偏差値は73と、九州地方全体で見てもトップクラスに位置します。同じ鹿児島県内の公立高校では、甲南高等学校(偏差値68程度)や鹿児島中央高等学校(偏差値66程度)が比較対象として挙げられますが、鶴丸高等学校の難易度はそれらを上回る水準です。合格には、中学校での成績がトップクラスであることが前提となり、内申点も非常に高いレベルが求められるでしょう。入試本番では、5教科合計で8割から8割5分以上の得点が一つの目安とされています。

鹿児島県の公立高校入試では、基本的に1つの高校しか受験できません。そのため、鶴丸高等学校を受験する場合、併願校は私立高校となります。主な併願先としては、全国的にも有名なラ・サール高等学校や、鹿児島実業高等学校、樟南高等学校などの特進コースを選ぶ生徒が多いようです。

鶴丸高等学校に設置されている学科・コース

鶴丸高等学校に設置されているのは「普通科」のみです。1学年は8クラスで構成されています。

  • 普通科:

    • どんなことを学ぶ場所か:1年次では全員が共通の科目を学び、基礎学力を徹底的に固めます。2年次から文系と理系に分かれ、それぞれの進路希望に応じた専門的な学習に進んでいきます。生徒のほとんどが国公立大学への進学を目指しており、授業のレベルは非常に高く、進度も速いのが特徴です。

    • どんな生徒におすすめか:高い目標を持ち、自主的に学習に取り組める生徒、将来、難関大学や医学部への進学を考えている生徒に最適な環境です。

鶴丸高等学校の特色・校風

鶴丸高等学校の校風は、「質実剛健」や「文武両道」という言葉で表現されることが多いです。生徒の自主性を重んじる自由な雰囲気が特徴ですが、その自由には責任が伴うことを生徒一人ひとりが自覚しています。

  • 宿題の量: 多くの口コミで「課題は多い」という声が見られます。 授業の予習・復習に加えて、長期休暇中にもかなりの量の課題が出されるようです。しかし、これを計画的にこなすことで、高い学力が維持されています。

  • 校則: 他の高校と比較すると、校則は比較的緩やかで、生徒の自主性に任されている部分が多いようです。ただし、スマートフォンの校内での使用は原則禁止されており、厳しい指導が行われることもあるようです。 服装に関しても、制服の着こなしについてはある程度の指導があるようです。

  • 生徒の雰囲気: 真面目で知的好奇心が旺盛な生徒が多く、互いに切磋琢磨できる環境です。 勉強だけでなく、行事や部活動にも全力で取り組む活発な生徒が多いのも特徴です。

  • アルバイト: 原則として禁止されています。

  • 制服: 伝統的な詰襟(男子)とセーラー服(女子)で、特に女子生徒のスカーフの色が学年によって異なるのが特徴です。落ち着いたデザインで、評判は概ね良好のようです。

  • 土曜授業: 月に1〜2回、「土曜悠学講座」という形で土曜授業が実施されています。

鶴丸高等学校の部活動・イベント

部活動

鶴丸高等学校は部活動が非常に盛んで、多くの生徒が加入し、文武両道を実現しています。運動部・文化部ともに数多くの部・同好会があり、その数は合計で50を超えます。

  • 運動部: 野球部、サッカー部、ラグビー部、陸上部、テニス部、水泳部、剣道部、弓道部など、多くの部が県大会で上位の成績を収めています。特に山岳部は、九州大会や全国大会に出場する実績を持っています。

  • 文化部: スーパーサイエンスハイスクール(SSH)の指定校であることから、物理部や化学部、生物部といった科学系の部の活動が活発です。また、百人一首かるた部や放送部、書道部なども全国大会に出場するレベルです。 吹奏楽部は定期演奏会を開催するなど、地域に根差した活動も行っています。

イベント

鶴丸高等学校の学校生活は、勉強や部活動だけでなく、生徒が主体となって作り上げる多彩なイベントで彩られています。特に以下の行事は、鶴丸生にとって忘れられない思い出となるようです。

  • 甲南鶴丸スポーツ交歓会(甲鶴戦): ライバル校である甲南高校と毎年4月に行われる伝統のスポーツ定期戦です。 全校生徒が一体となって応援し、大変な盛り上がりを見せます。

  • 体育祭: 9月に行われる体育祭は、鶴丸高校の三大行事の一つです。特に応援団による演舞は圧巻で、夏休みをかけて練習に打ち込みます。クラス対抗の競技も白熱し、学校全体が熱気に包まれます。

  • 文化祭: 10月に開催される文化祭も、生徒たちの創造性が発揮される大きなイベントです。 各クラスや文化部が趣向を凝らした展示や発表、ステージパフォーマンスを繰り広げます。

  • クラスマッチ: 7月と12月の年2回、球技を中心としたクラスマッチが開催されます。 クラスの団結力を高める絶好の機会となっています。

  • 修学旅行: 2年生の時に行われ、例年、関東方面を訪れます。 班別自主研修のほか、鶴丸高校の卒業生(OB・OG)が働く企業や官公庁を訪問する「GO鶴セミナー」が組み込まれており、将来のキャリアを考える貴重な機会となっています。

鶴丸高等学校の進学実績

鶴丸高等学校は、県内屈指の進学校として、毎年非常に高い大学進学実績を誇っています。生徒のほとんどが国公立大学への進学を希望し、その夢を実現しています。

  • 国公立大学:

    • 東京大学、京都大学といった最難関大学に毎年コンスタントに合格者を出しています。2024年度は東京大学に6名、京都大学に7名が合格しました。

    • 九州大学には特に多くの合格者を輩出しており、2024年度は42名が合格しています。

    • 地元の鹿児島大学へは、例年80名前後が合格しています。

    • その他、大阪大学(12名)、広島大学(16名)、熊本大学(15名)など、全国の主要な国公立大学に多数の合格実績があります。

    • 特筆すべきは医学部医学科への進学実績で、国公立大学医学部医学科に毎年30名以上が合格しています。

  • 難関私立大学:

    • 早稲田大学、慶應義塾大学、上智大学、東京理科大学を合わせた「早慶上理」には、2024年度に合計37名が合格しています。

    • MARCH(明治、青山学院、立教、中央、法政)や関関同立(関西、関西学院、同志社、立命館)にも、それぞれ58名、79名が合格するなど、多くの生徒が難関私立大学への進学も果たしています。

このような高い進学実績を支えているのが、質の高い授業に加えて、充実した進路指導体制です。朝や放課後の補習は行わず、生徒の自主的な学びを促す方針ですが、卒業生を招いての「合格体験を聞く会」や、大学教授による出前授業、現役大学生の先輩から話を聞く「学部・学科説明会」など、生徒の学習意欲を高め、進路意識を育むための様々なプログラムが用意されています。

鶴丸高等学校の特長・アピールポイント

鶴丸高等学校には、他の高校にはない独自の魅力がたくさんあります。ここでは、その中でも特に注目すべきポイントをいくつかご紹介します。

  • スーパーサイエンスハイスクール(SSH)指定校: 文部科学省からSSHの指定を受けており、先進的な理数系教育を受けることができます。大学や研究機関と連携した課題研究など、高度で専門的な学びの機会が豊富に用意されています。

  • 圧倒的な大学進学実績: 東京大学や京都大学、九州大学などの難関国立大学や、国公立大学医学部へ県内トップクラスの合格実績を誇ります。優秀な仲間たちと切磋琢磨できる環境が、高い進学実績につながっています。

  • 生徒の自主性を尊重する自由な校風: 校則は比較的緩やかで、生徒の自主性が重んじられています。学校行事や部活動も生徒主体で運営されており、リーダーシップや協調性を育むことができます。

  • 伝統の三大行事と甲鶴戦: 体育祭、文化祭、クラスマッチの三大行事や、ライバル校・甲南高校とのスポーツ交歓会(甲鶴戦)は、学校全体が一体となって盛り上がります。これらの行事を通して、一生の思い出と固い絆を育むことができます。

  • 充実した進路指導と卒業生のネットワーク: 現役大学生や社会で活躍する卒業生から直接話を聞く機会が数多く設けられています。 歴史と伝統のある鶴丸高校ならではの強固な卒業生のネットワークは、生徒たちの視野を広げ、将来の夢を後押ししてくれます。

  • 質の高い授業: 多くの在校生や卒業生が、鶴丸高校の魅力として「授業の質の高さ」を挙げています。 経験豊富な教師陣による分かりやすく、知的好奇心を刺激する授業が展開されています。

鶴丸高等学校の口コミ・評判のまとめ

ここでは、在校生や卒業生から寄せられた鶴丸高等学校に関する様々な口コミを、良い点と気になる点に分けて公平にご紹介します。

  • 良い点:

    • 「周りの生徒のレベルが高く、常に刺激を受けながら勉強できる環境が良い」という声が非常に多いです。

    • 「先生方の授業が分かりやすく、質問にも熱心に答えてくれる」といった、教師の質の高さを評価する意見も目立ちます。

    • 「体育祭や文化祭などの行事が本当に楽しく、最高の思い出になった」という口コミも多数寄せられています。

    • 「自由な校風で、のびのびと高校生活を送ることができた」と、自主性を重んじる校風を肯定的に捉える声が多いようです。

    • 「部活動と勉強を両立している人が多く、文武両道が実践できる学校だと思う」という評価もあります。

  • 気になる点:

    • 「とにかく課題の量が多くて大変だった」という声は、多くの卒業生から聞かれます。 計画的に学習を進める自己管理能力が求められるようです。

    • 「校舎や体育館などの施設が少し古い」という意見もあります。

    • 「授業の進度が速く、一度つまずくと追いつくのが大変」という声も聞かれます。自主的な予習・復習が欠かせないようです。

    • 「校則は自由だと思っていたが、スマホの使用など意外と厳しい面もある」と感じる生徒もいるようです。

アクセス・通学

鶴丸高等学校へのアクセス方法と、通学エリアについてまとめました。

  • 最寄り駅からのアクセス:

    • JR「鹿児島中央駅」から徒歩約10分〜15分

    • 鹿児島市電「高見橋電停」から徒歩約15分

    • 鹿児島市電「加治屋町電停」から徒歩約16分

  • 最寄りバス停からのアクセス:

    • 鹿児島交通「鶴丸高校前」バス停から徒歩約2分

鹿児島市内の中心部に位置しているため、交通の便は非常に良いです。鹿児島市内全域から多くの生徒が通学していますが、JRや新幹線を利用して、霧島市、薩摩川内市、指宿市といった市外や、県外から通学している生徒もいます。

鶴丸高等学校受験生へのワンポイントアドバイス

鶴丸高等学校を目指す皆さん、こんにちは!進学アドバイザーとして、最後に皆さんへ応援メッセージを送ります。

鶴丸高等学校は、ただ偏差値が高いだけの学校ではありません。高い志を持つ仲間たちと出会い、勉強はもちろん、部活動や学校行事に全力で打ち込むことで、人間的に大きく成長できる場所です。もしあなたが、「高いレベルで自分を試したい」「何事にも主体的にチャレンジしたい」「一生の仲間と出会いたい」と強く願うなら、鶴丸高等学校は最高の選択肢となるでしょう。

受験勉強は、決して楽な道のりではありません。特に鶴丸高等学校に合格するためには、5教科すべてで高いレベルが求められます。苦手科目を作らず、基礎を完璧に固めた上で、応用問題に粘り強く取り組む思考力を養うことが重要です。最後まで諦めずに努力を続ければ、道は必ず開けます。皆さんの挑戦を心から応援しています!

※最新かつ正確な情報は、必ず高校の公式サイトや学校説明会で確認してください。