愛知県立長久手高等学校は、緑豊かな学園都市、長久手市に位置する、活気あふれる男女共学の公立高校です。通称「長高(ながこう)」として親しまれ、多くの生徒が充実した学校生活を送っています。「生きて働く知性・豊かな心と礼節・たくましい気力と体力」を校訓に掲げ、学業と部活動、学校行事のすべてに全力で取り組む「文武両道」の精神が根付いています。

この学校の大きな魅力は、生徒一人ひとりの自主性を尊重し、のびのびと成長できる環境が整っている点です。特に、学校祭や体育祭などの行事は生徒が主体となって企画・運営し、毎年大変な盛り上がりを見せます。また、普通科の中に「医療・看護コース」を設置しているのも、愛知県立長久手高等学校ならではの特色と言えるでしょう。

この記事では、そんな愛知県立長久手高等学校について、偏差値や難易度、気になる校風や口コミ、そして部活動や進学実績に至るまで、受験生と保護者の皆さんが本当に知りたい情報を、進学アドバイザーの視点から分かりやすく、そして詳しく解説していきます。あなたの高校選びの参考に、ぜひ最後までご覧ください。

長久手高等学校の基本情報

まずは、学校の基本的な情報を確認しておきましょう。

項目 内容
正式名称 愛知県立長久手高等学校
公立/私立の別 公立
共学/男子校/女子校の別 男女共学
所在地 〒480-1103 愛知県長久手市岩作高山38
代表電話番号 (0561) 62-0016
公式サイト https://nagakute-h.aichi-c.ed.jp/

長久手高等学校の偏差値・難易度・併願校

偏差値・難易度

長久手高等学校の偏差値は、多くの進学情報サイトで53〜55前後とされています。愛知県内の公立高校の中では中堅レベルに位置づけられます。

合格を勝ち取るためには、内申点と学力検査(当日点)の合計で判断されます。愛知県の公立高校入試では、内申点が非常に重要になります。長久手高等学校を目指すのであれば、内申点は30以上、できればオール4に近い32〜34あたりを目標にすると良いでしょう。

学力検査の当日点の目安としては、内申点が30の場合、60点台前半がボーダーラインになることが多いようです。もちろん、これはあくまで目安であり、その年の入試問題の難易度や倍率によって変動します。日頃から基礎を固め、苦手科目を作らないバランスの取れた学習が合格への鍵となります。

同じくらいの偏差値の高校としては、名古屋市内の昭和高校、熱田高校、日進市の進西高校などが挙げられます。これらの高校も視野に入れながら、自分の学力や通学の便などを総合的に考えて志望校を決めると良いでしょう。

主な併願校

愛知県の公立高校入試は、同じグループ内の高校を2校まで受験できます。長久手高等学校は尾張第2群のAグループに属しており、同じグループのBグループに属する高校と併願することが可能です。伝統的に、瀬戸高校と併願する受験生が多い傾向にあります。

私立高校の併願校としては、以下のような高校がよく選ばれています。

  • 名城大学附属高等学校

  • 中京大学附属中京高等学校

  • 愛知工業大学名電高等学校

  • 椙山女学園高等学校

  • 高蔵高等学校

  • 栄徳高等学校

これらの私立高校は、長久手高等学校の合格発表前に結果が出ることが多いので、安心して公立高校の受験に臨むためにも、自分の実力に合った併願校をしっかりと選んでおくことが大切です。

長久手高等学校に設置されている学科・コース

長久手高等学校に設置されているのは普通科のみです。しかし、その普通科の中に、特色あるコースが設けられています。

  • 普通科(一般コース)

    • 2年生から文系と理系に分かれ、それぞれの進路希望に応じた学習を進めます。国公立大学や難関私立大学を目指す生徒から、専門学校や就職を考える生徒まで、幅広い進路に対応できるカリキュラムが組まれています。

  • 普通科(医療・看護コース)

    • 将来、医師や看護師、理学療法士など、医療系の道に進みたいと考えている生徒に特におすすめのコースです。近隣にある愛知医科大学と連携し、大学教授による特別講義や医療現場での実習など、専門的な知識や心構えを高校生のうちから学べる貴重な機会が用意されています。

長久手高等学校の特色・校風

長久手高等学校の校風をキーワードで表すなら、「文武両道」「自主自律」「活気」といった言葉がぴったりです。

生徒たちは勉強だけでなく、部活動や学校行事にも非常に熱心に取り組んでいます。口コミなどを見ると、「自分次第でいくらでも楽しめる学校」という声が多く、生徒の自主性を重んじる自由な雰囲気が感じられます。

  • 宿題の量:宿題の量は、他の進学校と比較すると「標準的」または「やや少なめ」という意見が多いようです。ただし、日々の予習・復習は欠かせません。

  • 校則:校則は、以前に比べて少しずつ緩やかになっているという声もありますが、全体的には「標準的」と言えるでしょう。スマートフォンの使用は、校内では基本的に電源を切り、カバンの中にしまうのがルールのようです。服装や頭髪に関する指導はありますが、常識の範囲内であれば厳しすぎることはないという印象です。

  • 生徒たちの雰囲気:真面目で落ち着いた生徒が多い一方で、行事や部活動では非常に活発でエネルギッシュな一面を見せます。いじめなどの話はほとんど聞かれず、全体的に穏やかで平和な雰囲気のようです。

  • アルバイト:原則として禁止されていますが、家庭の事情など、特別な理由がある場合は許可されることもあるようです。

  • 制服の評判:制服は、男女ともに紺色のブレザースタイルです。デザインについては「可愛い」「かっこいい」というポジティブな意見と、「普通」という意見の両方がありますが、比較的評判は良いようです。夏服はネクタイやリボンを着用せず、少しラフな着こなしになります。

  • 土曜授業:基本的に土曜授業はありません。

長久手高等学校の部活動・イベント

部活動

長久手高等学校は部活動が非常に盛んで、多くの生徒が加入し、活気にあふれています。運動部、文化部ともに充実しており、自分の興味や目標に合わせて活動を選ぶことができます。

  • 運動部

    • 特に、サッカー部、ラグビー部、陸上競技部、野球部などは、県内でも強豪として知られ、熱心に活動しています。グラウンドやテニスコートなどの施設も整っており、思い切り練習に打ち込める環境です。

  • 文化部

    • 吹奏楽部はコンクールで優秀な成績を収めるなど、高いレベルで活動しています。その他にも、文芸部、美術部、茶華道部、科学部など、多様な文化部があり、それぞれが活発に活動しています。

部活動への加入は強制ではありませんが、多くの生徒が参加しており、学年やクラスを超えた仲間との絆を深める良い機会となっています。

イベント

長久手高等学校の学校生活を彩るイベントは、生徒たちの手で作り上げられ、毎年大きな盛り上がりを見せます。

  • 長高祭(文化祭・体育祭)

    • 最大のイベントは、文化祭と体育祭を合わせて行われる「長高祭」です。文化祭では、1年生は教室での展示、2年生はダンス発表、3年生は演劇と、学年ごとに特色ある出し物を行います。どのクラスも数ヶ月前から準備を始め、そのクオリティの高さは圧巻です。体育祭は、学年を超えたブロック対抗で行われ、応援合戦や競技に全校生徒が熱狂します。

  • 修学旅行

    • 2年生の秋に実施されます。行き先は年によって異なりますが、最近では岡山・広島方面や、関西方面などを訪れています。班別での自主研修の時間も多く、友人との絆を深めるかけがえのない思い出となるでしょう。

  • 球技大会

    • 学期末に行われる球技大会も、クラス対抗で大変盛り上がるイベントの一つです。

これらの行事を通して、生徒たちは自主性や協調性を育み、充実した高校生活を送っています。

長久手高等学校の進学実績

長久手高等学校は、生徒一人ひとりの進路希望に合わせた手厚いサポート体制が整っており、国公立大学から私立大学、専門学校まで、幅広い進路実績を誇ります。

主な大学進学実績

最新の合格実績を見ると、地元の国公立大学や有名私立大学に多くの合格者を出していることがわかります。

  • 国公立大学

    • 愛知教育大学、名古屋工業大学、愛知県立大学、三重大学、信州大学、静岡大学、岐阜大学など、東海地方を中心とした国公立大学に安定して合格者を出しています。過去には名古屋大学や京都大学への合格実績もあります。

  • 難関私立大学

    • 地元の南山大学には毎年50名以上の合格者を輩出しており、非常に強いつながりを持っています。その他、名城大学、中京大学、愛知大学といった「愛愛名中」と呼ばれる地元有力私立大学にも、それぞれ70名〜100名近い合格者を出しています。

    • 関東のGMARCH(学習院、明治、青山学院、立教、中央、法政)や、関西の関関同立(関西、関西学院、同志社、立命館)といった全国区の難関私立大学にも、毎年合格者を送り出しています。

進路サポート

放課後や長期休暇中には、進学希望者向けの補習や講習が数多く開かれています。また、キャリア教育にも力を入れており、大学の模擬授業や社会で活躍する卒業生を招いての講演会などを通して、生徒が早期から自分の将来について考える機会を提供しています。

長久手高等学校の特長・アピールポイント

他の高校にはない、長久手高等学校ならではの魅力を5つのポイントにまとめました。

  1. 医療・看護コースの設置

    • 将来、医療従事者を目指す生徒にとって、高校時代から専門的な学びを体験できるのは大きな強みです。愛知医科大学との高大連携プログラムは、夢への大きな一歩となるでしょう。

  2. 生徒が主役の学校行事

    • 文化祭や体育祭は、企画から運営まで生徒会や実行委員会が中心となって行います。自分たちの手で学校を創り上げる達成感と、仲間との一体感は格別です。

  3. 活発で実績豊富な部活動

    • 勉強と両立しながら、部活動にも本気で打ち込みたい生徒に最適な環境です。多くの部が県大会以上で活躍しており、高い目標を持って活動できます。

  4. 緑豊かで落ち着いた学習環境

    • 市の中心部から少し離れた、自然に囲まれた静かな環境で、日々の学習に集中することができます。広々としたグラウンドも魅力の一つです。

  5. 面倒見の良い先生方のサポート

    • 口コミでは、「先生方が親身になって相談に乗ってくれる」「質問しやすい雰囲気がある」といった声が多く見られます。学習面でも進路面でも、手厚いサポートが期待できます。

長久手高等学校の口コミ・評判のまとめ

在校生や卒業生からの声をまとめると、長久手高等学校のリアルな姿が見えてきます。

  • 良い点

    • 「行事が本当に楽しくて、最高の思い出が作れる」

    • 「部活動が盛んで、勉強との両立がしやすい」

    • 「真面目で優しい友達が多く、いじめなどもなく安心して過ごせる」

    • 「先生が進路相談に熱心に乗ってくれる」

    • 「医療・看護コースは、同じ目標を持つ仲間と学べるので刺激になる」

  • 気になる点

    • 「最寄り駅から少し距離があり、坂道も多いので、通学が少し大変」

    • 「校舎や施設が全体的に少し古いと感じる部分がある」

    • 「良くも悪くも『自称進学校』。上位の大学を目指すには、塾のサポートや個人の努力がかなり必要」

    • 「スマホの校内使用が禁止なのが少し不便」

全体的に、学校行事や部活動、友人関係といった「高校生活の楽しさ」に対する満足度は非常に高いようです。一方で、通学のアクセス面や、より高いレベルの大学進学を目指す上での学習環境については、いくつかの課題を指摘する声も見られました。

アクセス・通学

長久手高等学校へのアクセスは、主にリニモ(愛知高速交通東部丘陵線)と名鉄バスを利用します。

  • リニモ

    • 「はなみずき通」駅下車、徒歩約25分

  • 名鉄バス

    • 地下鉄東山線「藤が丘」駅から:「長久手高校北」バス停下車すぐ

    • 名鉄瀬戸線「尾張旭」駅から:「長久手高校北」バス停下車すぐ

    • リニモ「長久手古戦場」駅から:「長久手高校東門」バス停下車すぐ

多くの生徒が、最寄り駅や自宅から自転車で通学しています。通学エリアとしては、地元の長久手市、日進市、尾張旭市、瀬戸市、名古屋市名東区などから通う生徒が多いようです。

長久手高等学校受験生へのワンポイントアドバイス

ここまで読んでくれてありがとう。長久手高等学校の魅力は伝わったでしょうか。

最後に、進学アドバイザーとして、この高校を目指す君にメッセージを送ります。長久手高等学校は、「勉強も部活も行事も、全部に全力で取り組みたい!」というエネルギッシュな君にぴったりの学校です。また、「将来は医療の道に進みたい」という明確な目標を持っている君にとっても、夢を叶えるための最高の環境が用意されています。

受験勉強では、まず内申点をしっかり確保することが何よりも大切です。中学3年生の成績はもちろん、2年生のうちから定期テストで高得点を狙い、提出物をきちんと出すなど、日々の積み重ねを大切にしてください。学力検査では、特定の科目に偏らず、5教科をバランス良く得点できる基礎学力が求められます。苦手な分野をなくすことを意識して、計画的に学習を進めていきましょう。

長久手高等学校での3年間は、きっと君を大きく成長させてくれるはずです。充実した高校生活を思い描きながら、最後まで諦めずに頑張ってください。応援しています!

※最新かつ正確な情報は、必ず高校の公式サイトや学校説明会で確認してください。