福岡市立博多工業高等学校は、創立80年以上の歴史と伝統を誇る、福岡市で唯一の市立工業高校です。「質実剛健」を校訓に、「Challenge博工」をスローガンとして、ものづくりや資格取得、部活動に生徒と先生が一丸となって取り組んでいます。将来、専門的な技術や知識を身につけて社会で活躍したいと考えている中学生にとって、博多工業高等学校は非常に魅力的な選択肢の一つと言えるでしょう。

この学校の最大の特長は、なんといってもその専門性の高さにあります。自動車、建築、インテリア、機械、画像工学、電子情報という6つの専門学科が設置されており、それぞれの分野で即戦力となる人材を育成するための充実した設備とカリキュラムが整っています。卒業後の進路も、約6割が専門性を活かした就職、約4割が大学や専門学校への進学と、多様な未来を描けるのが博多工業高等学校の強みです。

この記事では、そんな博多工業高等学校の偏差値や気になる口コミ、学校生活の様子などを、進学アドバイザーの視点から詳しく、そして分かりやすく解説していきます。この記事を読めば、きっと博多工業高等学校の魅力が具体的にイメージできるはずです。ぜひ、あなたの高校選びの参考にしてください。

博多工業高等学校の基本情報

博多工業高等学校の基本的な情報を表にまとめました。

項目 内容
正式名称 福岡市立博多工業高等学校
公立/私立の別 公立
共学/男子校/女子校の別 共学
所在地 〒814-0155 福岡市城南区東油山4-20-1
代表電話番号 092-862-6575
公式サイトURL https://www.fuku-c.ed.jp/schoolhp/j-hakata/

博多工業高等学校の偏差値・難易度・併願校

博多工業高等学校への進学を考える上で、偏差値や難易度は重要なポイントになります。ここでは、最新のデータに基づいて詳しく見ていきましょう。

学科・コースごとの偏差値

博多工業高等学校の偏差値は、全ての学科で「47」程度とされています。

  • 機械科:47

  • 自動車工学科:47

  • インテリア科:47

  • 建築科:47

  • 画像工学科:47

  • 電子情報科:47

偏差値47は、福岡県内の公立高校の中では中堅レベルに位置します。同じくらいの偏差値の高校としては、福岡市立福翔高等学校や福岡県立武蔵台高等学校などが挙げられます。合格に必要な内申点の目安は、30前後(9教科合計)が一つの基準となりそうですが、年度や学科によって変動するため、中学校の先生や塾の先生とよく相談することが大切です。

主な併願校

福岡県の公立高校入試では、原則として公立高校同士の併願はできません。そのため、博多工業高等学校を第一志望とする受験生の多くは、私立高校を併願校として受験します。

主な併願校としては、以下のような高校が挙げられます。

  • 福岡大学附属大濠高等学校

  • 九州産業大学付属九州高等学校

  • 東福岡高等学校

  • 福岡舞鶴高等学校

  • 中村学園三陽高等学校

これらの私立高校は、それぞれ特色のある教育を行っているため、万が一の場合に備えるだけでなく、自分の興味や進路希望に合わせて慎重に選ぶことをおすすめします。

博多工業高等学校に設置されている学科・コース

博多工業高等学校には、社会のニーズに応える6つの専門学科が設置されています。 それぞれの学科でどんなことが学べるのか、どんな人におすすめなのかを見ていきましょう。さらに、令和元年度からは各学科に大学進学を目指す「進学コース」も設置され、より多様な進路選択が可能になっています。

  • 機械科

    あらゆる産業の基礎となる機械について、設計から製造、制御まで幅広く学びます。 ものづくりが好きで、最新の技術にも興味がある人におすすめです。

  • 自動車工学科

    自動車の構造や整備、デザインなどを総合的に学びます。 卒業時には三級自動車整備士の受験資格(実技試験免除)が得られるのが大きな特長です。 車が好きで、将来は自動車業界で活躍したい人に最適です。

  • インテリア科

    木材加工やデザイン、設計などを通して、快適な住空間を創造する技術を学びます。 家具や雑貨のデザイン、ものづくりに興味がある人におすすめです。

  • 建築科

    建物の設計や施工、管理に関する知識と技術を基礎から学びます。 将来、建築士や施工管理技士として、地図に残る仕事がしたい人にぴったりです。

  • 画像工学科

    DTPやWebデザイン、印刷技術など、情報をデザインし発信するスキルを学びます。 ポスター制作やWebサイト作成など、クリエイティブな分野に興味がある人におすすめです。

  • 電子情報科

    電気・電子回路やプログラミング、通信技術など、現代社会を支えるIT技術を学びます。 ロボットやコンピュータの仕組みに興味があり、未来のテクノロジーを創造したい人に最適です。

博多工業高等学校の特色・校風

博多工業高等学校は、「質実剛健」という校訓が示すように、真面目で落ち着いた雰囲気の中で、ものづくりに打ち込める環境が整っています。

  • 校風を一言で表すと

    「真面目」「実践重視」「資格取得に積極的」といったキーワードが当てはまるでしょう。生徒たちはそれぞれの専門分野の学習に熱心に取り組んでいます。

  • 宿題の量

    専門教科に関するレポートや実習が多く、決して少なくはないようです。しかし、計画的に取り組めば十分にこなせる量であり、専門知識を深める上で欠かせないものとなっています。

  • 校則

    校則は、他の高校と比較するとやや厳しいという声が見られます。特に頭髪や服装に関する指導は定期的(2ヶ月に1回程度)に行われるようです。 スマートフォンの校内での使用については、一定のルールが定められています。アルバイトは原則として禁止されていますが、家庭の事情などにより許可される場合もあるようです。

  • 生徒たちの雰囲気

    専門的な目標を持った生徒が多く、お互いに切磋琢磨しながら学校生活を送っているようです。男子生徒の比率が高いですが、女子生徒も各学科で活躍しており、男女共に過ごしやすい雰囲気があります。

  • 制服の評判

    制服は、男女ともにブレザースタイルです。 落ち着いたデザインで、生徒からの評判は概ね良好のようです。エンブレムには油山の椿と6つの学科を表す花弁がデザインされています。

  • 土曜授業

    土曜授業の有無については、公式情報では明記されていませんが、資格取得のための補習や部活動は土曜日にも活発に行われています。

博多工業高等学校の部活動・イベント

博多工業高等学校は、専門知識の習得だけでなく、部活動や学校行事にも力を入れています。

部活動

体育部・文化部ともに多くの部が活動しており、中でも工業高校ならではの部活動が全国レベルで活躍しています。

  • モータースポーツ部

    省エネカーを自作し、燃費を競う大会で全国優勝の実績を誇る、博多工業を象徴する部活動の一つです。

  • ロボット部

    マイコンカーラリーなどの競技会で、毎年全国大会に出場する強豪です。 プログラミングや機械工作の技術を駆使して、オリジナルのロボットを製作します。

  • ものづくり専門部

    旋盤や溶接、家具工芸など、各学科の専門技術を競う「ものづくりコンテスト」で、県大会や九州大会で優秀な成績を収めています。

  • 野球部

    過去には甲子園に4度出場した実績を持つ伝統ある部です。

  • 陸上部

    インターハイ出場経験もあり、活発に活動しています。

この他にも、多くの運動部、文化部があり、生徒たちはそれぞれの興味に合わせて活動を楽しんでいます。

イベント

生徒たちの団結力が高まる学校行事も、博多工業高等学校の魅力の一つです。

  • 油山祭(文化祭)

    毎年秋に開催される文化祭は、各学科が日頃の学習成果を発表する貴重な機会です。 専門的な展示や体験コーナーは、工業高校ならではの見どころです。

  • 体育祭

    学科対抗で行われる体育祭は、非常に盛り上がります。 クラスや学科のプライドをかけた熱い戦いが繰り広げられます。

  • 修学旅行

    行き先は年度によって異なりますが、仲間との絆を深める大切な思い出となる行事です。

博多工業高等学校の進学実績

博多工業高等学校の卒業生は、専門知識を活かして社会の様々な分野で活躍しています。就職率の高さが大きな特長ですが、大学や専門学校への進学の道も開かれています。

  • 進路の内訳

    卒業生の約6割が就職、約4割が進学(大学、短期大学、専門学校)という割合です。

  • 主な就職先

    大手自動車メーカーやその関連企業、地元の優良企業など、毎年多くの企業から求人があり、高い就職率を誇っています。 学校のきめ細やかな進路指導や、PTAによる模擬面接などのサポートも充実しています。

  • 主な進学先

    進学を希望する生徒は、工業系の知識をさらに深めるため、国公立大学や私立大学の理工系学部に進学しています。福岡工業大学や九州産業大学などへの進学者が多い傾向があります。また、より専門的な技術を身につけるために、専門学校へ進学する生徒も多数います。

  • 進学サポート

    各学科に設置されている「進学コース」では、理工系大学への進学に特化したカリキュラムが組まれ、進学希望者を手厚くサポートしています。

博多工業高等学校の特長・アピールポイント

他の高校にはない、博多工業高等学校ならではの強みやユニークな取り組みを紹介します。

  • ギネス世界記録™認定の実績

    自動車工学科の生徒が課題研究で制作した「空気駆動自転車」が、世界最速としてギネス世界記録に認定されたことがあります。 これは、生徒たちの高い技術力と探究心を示す輝かしい実績です。

  • 充実した専門設備

    各学科に、企業で使われているような本格的な機械やソフトウェアが揃っています。 3DプリンタやVR、大型印刷機など、最新の設備を使って実践的なスキルを身につけることができます。

  • 高い資格取得率

    在学中に多くの生徒が国家資格や各種検定に挑戦し、合格しています。 自動車整備士、電気工事士、建築CAD検定など、将来に直結する資格を取得できるのは大きな強みです。

  • 全国レベルで活躍する部活動

    モータースポーツ部やロボット部など、工業高校の特色を活かした部活動が全国の舞台で活躍しています。

  • 大学との高大連携

    福岡工業大学などと連携し、大学の教授から直接指導を受けたり、大学の施設を利用したりする機会があります。

  • 確かな就職実績

    長年にわたる産業界との強いパイプにより、毎年高い就職率を維持しています。 卒業生は即戦力として社会で高く評価されています。

  • 進学にも対応できる「進学コース」

    専門知識を学びながら、理工系の大学進学を目指せる「進学コース」が各学科に設置されており、多様な進路希望に対応しています。

博多工業高等学校の口コミ・評判のまとめ

在校生や卒業生からの声をまとめました。学校選びの参考にしてください。

  • 良い点

    • 「就職に非常に強く、先生方のサポートも手厚い」という声が最も多く聞かれます。

    • 「専門的な知識や技術が身につき、将来の目標が明確になった」という意見も多数あります。

    • 「資格がたくさん取れるので、自信につながる」といった、資格取得へのサポートを評価する声も多いです。

    • 「同じ目標を持つ仲間と出会え、充実した学校生活が送れる」という口コミも見られます。

  • 気になる点

    • 「校則が少し厳しいと感じる」という声があります。特に頭髪や服装については、定期的な検査があるようです。

    • 「学校が坂の上にあるため、通学が少し大変」という意見も見られます。

    • 「専門教科の勉強は、予習・復習が欠かせず、楽ではない」といった、学習内容に関する声もあります。

    • 「男子生徒の割合が高いので、入学前は少し不安だった」という女子生徒からの意見も少数ですが見受けられます。

アクセス・通学

博多工業高等学校へのアクセス方法です。

  • 最寄りバス停

    • 西鉄バス「油山」バス停より徒歩約7分

  • 主なアクセス方法

    福岡市地下鉄七隈線「福大前駅」や「金山駅」などから、西鉄バスに乗り換えて通学する生徒が多いようです。

  • 通学エリア

    福岡市内全域から生徒が通学していますが、特に城南区、早良区、中央区、南区など、学校周辺のエリアから通う生徒が多い傾向があります。

博多工業高等学校受験生へのワンポイントアドバイス

博多工業高等学校を目指す皆さんへ、進学アドバイザーとして最後に応援メッセージを送ります。

もしあなたが、「何かを自分の手で作り出すのが好き」「特定の分野をとことん追求したい」「将来役立つ専門的なスキルを高校生のうちから身につけたい」と考えているなら、博多工業高等学校は最高の環境です。この学校には、あなたの「好き」や「得意」を本格的な「技術」へと育ててくれる先生、設備、そして仲間が揃っています。普通科の高校とは一味違う、実践的な学びを通して、社会で即戦力として活躍できる力を手に入れることができるでしょう。

受験勉強においては、まずは中学校の基礎・基本を徹底的に固めることが大切です。特に、数学や理科は工業の専門科目を学ぶ上での土台となりますので、苦手意識がある人は今のうちから克服しておきましょう。そして、ぜひ一度オープンスクールや学校見学会に参加してみてください。博多工業高等学校の活気ある雰囲気や、生徒たちの真剣な眼差しを直接感じることで、あなたの「ここで学びたい」という気持ちは、きっと揺るぎないものになるはずです。夢への挑戦を、心から応援しています!

※最新かつ正確な情報は、必ず高校の公式サイトや学校説明会で確認してください。