佐賀県立嬉野高等学校は、嬉野の豊かな自然と文化に囲まれた環境で、一人ひとりの個性を伸ばし、未来を切り拓く力を育む学校です。2018年に旧嬉野高等学校と塩田工業高等学校が統合して誕生し、現在は嬉野校舎(総合学科)と塩田校舎(工業科)の2つのキャンパスで、それぞれの専門性を活かした特色ある教育を展開しています。特に、2024年度から嬉野校舎に新設された総合学科では、自分の興味や進路希望に合わせて深く学べる4つの系列が用意され、夢の実現に向けた多様な学びの道が広がっています。

この学校の大きな魅力は、地域社会との強いつながりです。「嬉野学」と呼ばれる探究活動などを通じて、地域が抱える課題の解決に生徒主体で取り組む機会が豊富にあります。こうした実践的な学びは、社会で生きる力を養うだけでなく、ふるさとへの愛着を育むことにも繋がっています。嬉野高等学校は、専門的な知識や技術の習得はもちろん、地域に貢献したい、自分の可能性を広げたいと考えるあなたにとって、最高の学び舎となるでしょう。

この記事では、そんな嬉野高等学校の偏差値や学科の特色、部活動、学校生活の様子などを、進学アドバイザーの視点から詳しく、そして分かりやすく解説していきます。この記事を読めば、きっと嬉野高等学校の魅力が伝わり、あなたの高校選びの大きなヒントになるはずです。

嬉野高等学校の基本情報

嬉野高等学校の基本的な情報を表にまとめました。嬉野校舎と塩田校舎の2つのキャンパスがありますので、学科によって所在地が異なる点に注意してください。

項目 内容
正式名称 佐賀県立嬉野高等学校
公立/私立の別 公立
共学/男子校/女子校の別 男女共学
所在地 嬉野校舎(総合学科)<br>〒843-0301 佐賀県嬉野市嬉野町大字下宿甲700番地<br>塩田校舎(工業科)<br>〒849-1411 佐賀県嬉野市塩田町大字馬場下甲1418
代表電話番号 嬉野校舎(総合学科)<br>0954-43-0107<br>塩田校舎(工業科)<br>0954-66-2044
公式サイトURL https://www.education.saga.jp/hp/ureshinokoukou-n/

嬉野高等学校の偏差値・難易度・併願校

嬉野高等学校を目指す上で気になる偏差値や難易度について解説します。自分の学力と照らし合わせて、目標設定の参考にしてください。

嬉野高等学校の偏差値は、学科によって異なります。

  • 総合学科(嬉野校舎): 43

  • 工業科(塩田校舎): 39 – 40

偏差値40台前半は、佐賀県内の高校の中では比較的入学しやすいレベルと言えます。しかし、油断は禁物です。合格を確実にするためには、中学校の授業内容をしっかりと理解し、基礎学力を定着させることが何よりも大切です。特に、苦手科目がある場合は、早めに克服しておくようにしましょう。内申点については、日々の授業態度や提出物、定期テストの成績が評価されますので、毎日の積み重ねを大切にすることが合格への近道です。

佐賀県の公立高校入試では、原則として他の公立高校を併願することはできません。 そのため、嬉野高等学校を第一志望とする場合、併願校は私立高校から選ぶことになります。嬉野高等学校を受験する生徒が多く併願する私立高校としては、以下のような学校が挙げられます。

  • 龍谷高等学校

  • 佐賀学園高等学校

  • 敬徳高等学校

これらの高校のオープンキャンパスにも参加し、自分に合った併願校を見つけておくと、安心して受験に臨めるでしょう。

嬉野高等学校に設置されている学科・コース

嬉野高等学校は、2つのキャンパスにそれぞれ特色ある学科が設置されています。自分の興味や将来の夢に合わせて、ぴったりの学びを見つけることができるのが、この嬉野高等学校の大きな魅力です。

嬉野校舎(総合学科キャンパス)

2024年度からスタートした新しい学科です。普通科目と専門科目を幅広く学びながら、自分の進路希望に合わせて専門性を深めていくことができます。

  • 総合学科

    • 人文社会系列: 文学、歴史、外国語など、人間や社会について深く探究します。大学の文系学部への進学を目指す人や、公務員、国際関係の仕事に興味がある人におすすめです。

    • 自然科学系列: 数学、理科の知識を深め、実験や観察を通して科学的な思考力を養います。大学の理系・農学系・医療系学部への進学を目指す人におすすめです。

    • 情報ビジネス系列: 簿記や情報処理など、ビジネス社会で即戦力となる知識と技術を学びます。資格取得にも力を入れており、事務職や販売職、IT関連企業への就職や、大学の経済・経営・商学系学部への進学を目指す人におすすめです。

    • 生活福祉系列: 福祉や保育、調理、被服など、人々の生活を豊かにするための知識と技術を学びます。介護福祉士や保育士、栄養士などを目指す人や、福祉・教育系の大学・専門学校への進学を考えている人におすすめです。

塩田校舎(工業科キャンパス)

ものづくりを通して、社会を支える専門技術者を育成します。「ものづくりを通した人づくり」をモットーに、実践的な学びを重視しています。

  • 機械科: 機械の設計・製作・制御に関する知識と技術を学びます。自動車、航空機、ロボットなど、あらゆる「ものづくり」の基本を学びたい人におすすめです。

  • 電気科: 電気エネルギーの発生から利用まで、電気に関する幅広い知識と技術を学びます。電気工事士などの資格取得を目指し、電力会社やメーカーなどで活躍したい人におすすめです。

  • 建築科: 快適で安全な建物を設計・施工するための知識と技術を学びます。建築士やインテリアデザイナーなど、住まいや街づくりに興味がある人におすすめです。

嬉野高等学校の特色・校風

嬉野高等学校は、「躍動」「錬磨」「敬愛」を校訓に掲げ、生徒一人ひとりが主体的に学び、心身を鍛え、他者を敬う心を育むことを目指しています。 校風を表すキーワードとしては、「地域密着」「キャリア教育の充実」「面倒見が良い」などが挙げられます。

生徒たちのリアルな声をもとに、学校生活の気になるポイントをまとめました。

  • 校則: 他の高校と比較して、校則は標準的か、やや厳しいと感じる生徒が多いようです。特に頭髪や服装に関する指導は定期的に行われるとの口コミがあります。スマートフォンの使用については、校内での使用は原則禁止されているようですが、ルールを守って使用している生徒もいるという声もあります。

  • 宿題・課題: 宿題の量は、学科や選択科目によって差があるようですが、全体的には標準的な量という意見が多いです。特に専門学科では、資格取得に向けた課題や実習レポートなどが出されることがあります。

  • 生徒の雰囲気: 嬉野校舎は女子生徒の割合が比較的高く、明るく活気のある雰囲気のようです。 塩田校舎は工業科ということもあり、男子生徒が多く、ものづくりに真剣に取り組む落ち着いた雰囲気があります。両キャンパスの生徒が一緒に活動する学校行事もあり、交流も盛んです。

  • アルバイト: アルバイトは原則として許可制で、長期休暇中などに届出をすれば可能という声が多いです。学業との両立が条件となります。

  • 制服: 制服は2018年の統合時に新しくなり、ブレザースタイルです。 ネクタイやリボンは複数種類から選べるなど、着こなしの幅があるようです。夏場にはカジュアルな半袖・短パンスタイルも導入されており、生徒からは好評を得ています。

  • 土曜授業: 基本的に土曜授業はないようですが、模試や検定試験、部活動の大会などが行われることがあります。

嬉野高等学校の部活動・イベント

嬉野高等学校では、勉強だけでなく、部活動や学校行事にも力を入れており、充実した高校生活を送ることができます。

部活動

嬉野高等学校には、嬉野校舎と塩田校舎に合わせて多くの運動部・文化部があり、生徒たちは日々練習に励んでいます。 両校舎の部活動に加入することができ、放課後には校舎間を移動するための貸し切りバスも運行されています。

  • 運動部: 特にソフトテニス部は男女ともに県内トップレベルの実力を誇り、全国大会にも出場する強豪です。 また、全国的にも珍しい「なぎなた部」があり、心身の鍛錬に励んでいます。野球部、サッカー部、バレーボール部、バスケットボール部なども活発に活動しています。

  • 文化部: 文化部も多彩で、吹奏楽部や美術部、書道部などがコンクールで優秀な成績を収めています。また、工業科の特色を活かした「ものづくり部」や、総合学科の学びにつながる「ビジネス研究部」「ボランティア部」など、専門性を深めることができる部活動も魅力です。

イベント

嬉野高等学校では、生徒たちの手で作り上げる学校行事がたくさんあり、学校全体が一体となって盛り上がります。

  • 学校祭: 文化祭と体育祭を合わせた学校祭は、嬉野高校最大のイベントです。文化部による発表やクラスごとの展示・ステージ、体育祭でのクラス対抗リレーや応援合戦など、見どころが満載です。両校舎の生徒が合同で準備・運営を行い、大きな達成感を味わうことができます。

  • 修学旅行: 2年生の冬には、関西方面(京都・大阪など)への修学旅行が実施されます。 事前学習で歴史や文化を学んだ上で、班別自主研修などを行い、仲間との絆を深めます。

  • クラスマッチ: 年に数回、球技を中心としたクラスマッチが開催され、クラスの団結力を高める良い機会となっています。

  • 嬉野学発表会: 総合的な探究の時間「嬉野学」で取り組んだ研究の成果を発表する場です。地域の方々を招いて行われることもあり、プレゼンテーション能力や表現力を磨くことができます。

嬉野高等学校の進学実績

嬉野高等学校は、多様な進路希望に対応できる手厚いサポート体制が整っており、生徒たちはそれぞれの目標に向かって羽ばたいています。大学進学から専門学校、就職まで、幅広い実績を誇ります。

最新の進路状況(令和5年度)を見ると、以下のような実績があります。

  • 国公立大学: 佐賀大学などへ進学実績があります。

  • 私立大学: 福岡大学、久留米大学、長崎国際大学、西九州大学など、地元の九州を中心とした大学への進学者が多いです。 関西の難関私立大学である同志社大学への合格実績もあります。

  • 短期大学・専門学校: 佐賀女子短期大学や西九州大学短期大学部などの短大や、看護・医療、情報ビジネス、美容、調理など、専門分野のスキルを身につけるための専門学校へも多数進学しています。

  • 就職: 地元嬉野市をはじめ、佐賀県内や近県の優良企業への就職実績が多数あります。特に工業科の生徒は、学校で学んだ専門知識や技術を活かして、製造業を中心に即戦力として活躍しています。

嬉野高等学校では、生徒一人ひとりの進路実現をサポートするために、個別面談や進路ガイダンス、模擬試験などを計画的に実施しています。また、放課後や長期休暇中には、進学希望者向けの補習や講習も開かれており、基礎学力の定着から応用力の育成まで、きめ細やかな指導を受けることができます。

嬉野高等学校の特長・アピールポイント

他の高校にはない、嬉野高等学校ならではの魅力を7つのポイントにまとめました。

  1. 2つのキャンパスと多彩な学科: 総合学科と工業科という全く異なるタイプの学びの場があり、自分の興味・関心に応じて専門性を追求できます。

  2. 地域と深く連携した探究活動「嬉野学」: 嬉野温泉や嬉野茶といった地域の資源をテーマに、課題発見・解決に取り組む探究活動が盛んです。実践的な学びを通して、社会で役立つ力を養います。

  3. 充実したキャリア教育: インターンシップ(就業体験)や上級学校訪問、社会人講師による講演会など、早期から将来の職業について考える機会が豊富に用意されています。

  4. 全国レベルで活躍する部活動: ソフトテニス部やなぎなた部など、全国大会で活躍する部活動があり、高いレベルで文武両道を目指せる環境です。

  5. 新しくて機能的な制服: 2018年にリニューアルされたブレザータイプの制服は、複数のアイテムから選べるなど、生徒からも人気です。夏場のカジュアルスタイルも導入されています。

  6. 最新のICT環境: 生徒一人一台のタブレット端末が整備され、授業や探究活動で活用されています。情報活用能力を効果的に高めることができます。

  7. 新幹線駅からの好アクセス: 嬉野校舎は、2022年に開業した西九州新幹線「嬉野温泉駅」から徒歩圏内という非常に便利な立地にあります。

嬉野高等学校の口コミ・評判のまとめ

嬉野高等学校について、在校生や卒業生からは様々な声が寄せられています。良い点と気になる点を公平にまとめましたので、学校選びの参考にしてください。

  • 良い点:

    • 「先生方が親身になって相談に乗ってくれるので、進路のことも安心して相談できる」という声が多く聞かれます。

    • 「総合学科では自分の好きなことを深く学べるので、毎日が楽しい」「工業科では資格がたくさん取れるので、将来に役立つ」など、専門的な学びに対する満足度は高いようです。

    • 「学校行事が盛り上がり、クラスの団結力が強い」「地域の人と交流する機会が多く、視野が広がった」といった、学校生活の充実度を評価する声も目立ちます。

    • 「部活動が盛んで、目標に向かって頑張れる環境がある」という意見も多くあります。

  • 気になる点:

    • 「校舎や施設が少し古い部分がある」という意見が一部で見られます。

    • 「校則が少し厳しいと感じることがある」特に頭髪や服装に関する指導について、もう少し自由度が欲しいという声もあります。

    • 「塩田校舎は最寄り駅から少し距離があるため、アクセスが不便」という声が聞かれます。

    • 「学科によって男女比に偏りがある」という点を気にする生徒もいるようです。

アクセス・通学

嬉野高等学校は2つのキャンパスがあり、それぞれアクセス方法が異なります。

嬉野校舎(総合学科)

  • 最寄り駅: JR西九州新幹線「嬉野温泉駅」から徒歩約10分

  • バス: 「嬉野高校前」バス停下車、徒歩1分

  • 通学エリア: 嬉野温泉駅が開業したことで、佐賀県内だけでなく長崎県方面からの通学も便利になりました。嬉野市内はもちろん、鹿島市、武雄市、塩田町などから通学している生徒が多いようです。

塩田校舎(工業科)

  • バス: 「嬉野市役所塩田庁舎前」バス停下車、徒歩約6分

  • 通学エリア: 嬉野市塩田町を中心に、鹿島市、武雄市、白石町など広い範囲から生徒が通学しています。JR肥前鹿島駅や武雄温泉駅からバスを利用する生徒もいます。

両校舎間はスクールバスが運行しており、部活動などで校舎を移動する生徒の利便性も確保されています。

嬉野高等学校受験生へのワンポイントアドバイス

嬉野高等学校を目指す中学生の皆さん、こんにちは!進学アドバイザーとして、最後に皆さんへ応援メッセージを送ります。

嬉野高等学校は、自分の「好き」や「得意」を見つけて、それをとことん伸ばしたいと考えている君にぴったりの学校です。総合学科では、幅広い選択肢の中から自分の未来を描くことができますし、工業科では、実践的なものづくりを通して社会で活躍する力を身につけることができます。特に、地域に貢献したい、人との繋がりを大切にしたい、という温かい心を持った生徒にぜひおすすめしたい学校です。

受験勉強においては、まず中学校の授業を大切にし、基礎的な学力をしっかりと固めることが合格への一番の近道です。苦手科目から逃げずに、毎日コツコツと復習する習慣をつけましょう。また、嬉野高等学校の入試では面接も重視されます。 なぜこの学校で学びたいのか、高校に入ってどんなことに挑戦したいのか、自分の言葉でしっかりと伝えられるように、今から自己分析をしておくことも大切です。

高校生活は、あなたの可能性を無限に広げてくれる素晴らしい3年間です。嬉野高等学校という最高の舞台で、夢に向かって大きく羽ばたいてください。応援しています!

※最新かつ正確な情報は、必ず高校の公式サイトや学校説明会で確認してください。