愛媛県立八幡浜高等学校は、明治34年に県下初の商業学校として創設された、120年以上の長い歴史と輝かしい伝統を誇る学校です。地域社会からの厚い信頼を寄せられ、多くの卒業生が社会の様々な分野で活躍しています。高校選びは、皆さんの未来を形作る大切な一歩です。このページが、皆さんと保護者の方にとって、八幡浜高等学校の魅力を深く知るための、心強い味方になればと願っています。
この学校の根幹にあるのは、「文武両道」という精神です。学業に真摯に取り組み、高い進学実績を誇る一方で、部活動への加入率は99%を超え、多くの部が全国大会や四国大会で活躍しています。生徒一人ひとりが勉強と部活動、そして学校行事に全力で打ち込むことで、人間的に大きく成長できる環境がここにはあります。仲間と切磋琢磨しながら、充実した3年間を送りたいと考える君に、八幡浜高等学校は最高の舞台を提供してくれるでしょう。
さらに、現在の八幡浜高等学校は、大きな変革の時を迎えています。八幡浜工業高校、川之石高校との統合により、新しい歴史を歩み始めるのです。伝統を受け継ぎながら、未来に向かって進化を続けるこの学校で、皆さんが新しい歴史の1ページを刻む主役になるかもしれません。さあ、一緒にその魅力の扉を開けてみましょう。
八幡浜高等学校の基本情報
まずは、学校の基本的な情報を確認しておきましょう。進路を考える上で、所在地や連絡先は大切な情報です。
項目 | 内容 |
正式名称 | 愛媛県立八幡浜高等学校 |
公立/私立の別 | 公立 |
共学/別学 | 男女共学 |
所在地 | 〒796-0010 愛媛県八幡浜市松柏丙654番地 |
代表電話番号 | 0894-22-2570 |
公式サイトURL | https://yawatahama-h.esnet.ed.jp/ |
八幡浜高等学校の偏差値・難易度・併願校
高校選びで気になるのが、やはり偏差値や難易度ですよね。ここでは、八幡浜高等学校の学力的なレベルについて、具体的に見ていきましょう。
学科・コースごとの偏差値
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普通科: 63
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商業科: 53
難易度のイメージと内申点の目安
八幡浜高等学校の偏差値を見ると、普通科と商業科で10ポイントの差があることが分かります。これは、二つの学科がそれぞれ異なる学力層や目標を持つ生徒に対応していることを示しています。普通科は、地域の進学校として高い学力が求められる一方、商業科は専門的なスキル習得に意欲のある生徒を幅広く受け入れています。
偏差値だけでなく、合格の目安としてより重要なのが「内申点」です。愛媛県の県立高校入試では、中学3年間の成績が大きく影響します。
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普通科の合格に必要な内申点の目安: 3年間合計で110点程度。これは、9教科の成績がおおむねオール4以上であることを意味します。
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商業科の合格に必要な内申点の目安: 3年間合計で95点程度。こちらは、平均してオール3.5以上が一つの目標となります。
このことからも分かるように、八幡浜高等学校への合格を勝ち取るためには、中学1年生の時からコツコツと真面目に授業に取り組み、定期テストで安定した成績を収めることが何よりも大切です。一夜漬けの勉強ではなく、日々の積み重ねが合格への一番の近道と言えるでしょう。
主な併願校
愛媛県の公立高校入試では、原則として一つの高校しか受験できません。そのため、八幡浜高等学校を第一志望とする受験生の多くは、滑り止めとして私立高校を併願します。南予地区の受験生が併願校として選ぶことが多いのは、帝京第五高等学校などです。自分の学力や将来の目標に合わせて、私立高校の研究も早めに進めておくと安心です。
八幡浜高等学校に設置されている学科・コース
八幡浜高等学校には、大きく分けて二つの学科があります。自分の興味や将来の夢に合わせて、どちらの道に進むかじっくり考えてみましょう。
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普通科
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どんなことを学ぶ場所? 大学進学を目指し、国語、数学、英語、理科、社会といった主要5教科を中心に、基礎から応用まで幅広く学びます。2年次からは文系と理系に分かれ、それぞれの進路希望に合わせた、より専門的な学習が始まります。
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どんな生徒におすすめ? 学問を深く探究するのが好きな人、将来は国公立大学や難関私立大学への進学を考えている人におすすめです。
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商業科
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どんなことを学ぶ場所? 簿記や情報処理、ビジネス実務など、社会に出てすぐに役立つ専門的な知識と技術を学びます。地元企業と連携した商品開発やインターンシップなど、実践的な学びの機会が豊富なのも大きな特長です。多くの生徒が、在学中に国家資格や検定の取得に挑戦します。
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どんな生徒におすすめ? 実践的なスキルを身につけたい人、将来は企業への就職や公務員、専門学校への進学などを考えている人におすすめです。
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八幡浜高等学校の特色・校風
学校の雰囲気、つまり「校風」は、3年間の高校生活を大きく左右する大切な要素です。ここでは、口コミなどを基に、八幡浜高等学校のリアルな姿に迫ります。
校風を表すキーワード
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文武両道
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伝統と革新
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地域との連携
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メリハリのある学校生活
生徒たちのリアルな声
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宿題の量: 「鬼の量」という声があるほど、課題は多めのようです。特に普通科では、授業についていくために予習が欠かせないという意見が多く見られます。日によって量は変動するものの、毎日コツコツと学習する習慣が求められます。
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校則: 全体的に「厳しい」と感じる生徒が多いようです。特に、スマートフォンの校内での使用は禁止されており、見つかると3週間没収といった厳しい罰則があります。また、前髪が眉毛にかからないように、服装をきちんと整えるなど、身だしなみに関する指導も徹底されています。一部の生徒からは「前時代的だ」という意見も出ています。
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生徒たちの雰囲気: 「みんな仲が良くて明るい」「男女の壁がない」といったポジティブな声が非常に多く、友人関係に恵まれた楽しい学校生活を送っている生徒が多いことがうかがえます。一方で、一部には「息苦しさを感じる」という意見もあり、真面目な校風が合うか合わないかは、個人の性格による部分も大きいようです。
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先生について: 「熱心でレベルの高い授業をしてくれる」という評価がある一方で、「先生によって当たり外れが激しい」「事なかれ主義の先生もいる」といった厳しい意見も少なくありません。やる気のある生徒にはとことん付き合ってくれる先生が多いという声もあり、自分から積極的に関わっていく姿勢が大切かもしれません。
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アルバイト: 原則として禁止されています。学業や部活動に集中してほしいという学校の方針がうかがえます。
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制服の評判: 残念ながら、「ダサい」「現代的ではない」という声が多く聞かれます。ただし、今後の学校統合に伴い、制服が新しくなる可能性も示唆されており、期待が寄せられています。
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土曜授業・授業時間: 通常は1日6時間授業ですが、火曜日と木曜日は7時間授業が基本となっています。土曜授業についての明確な情報はありませんが、週末には模試などが実施されることがあるようです。
八幡浜高等学校の部活動・イベント
八幡浜高等学校の学校生活を語る上で欠かせないのが、非常に活発な部活動と、生徒が主役となって盛り上がる学校行事です。
部活動
部活動加入率が99.1%という驚異的な数字が示す通り、この学校ではほとんどの生徒が部活動に所属し、まさに「文武両道」を実践しています。
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運動部: 何と言っても有名なのが、女子駅伝部です。県大会で15連覇以上を達成するなど、全国にその名を轟かせる強豪校です。その他にも、陸上競技部、水泳部、柔道部、弓道部などが全国大会や四国大会の常連として活躍しています。野球部も過去に春夏の甲子園出場経験があり、伝統的に力のある部です。
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文化部: 文化部も運動部に負けず劣らず活発です。特に商業研究部は、県の大会で15連覇を達成し、地域の課題解決を目指すソーシャルビジネスコンペで最優秀賞を受賞するなど、目覚ましい活躍を見せています。他にも、ビジネス部、美術部、文芸新聞部などが全国レベルの大会やコンクールで高い評価を得ています。
イベント
生徒たちの口コミで、特に評価が高いのが学校行事です。企画から運営まで生徒が主体的に関わるため、クラスや学校全体の一体感が非常に高まります。
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文化祭(八宝祭)・体育祭: これらは八高生活最大のハイライトと言っても過言ではありません。クラス一丸となって準備に取り組み、夜遅くまで作業をすることも少なくないようです。その分、本番の盛り上がりと達成感は格別で、最高の思い出になると多くの生徒が語っています。
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修学旅行: 2年生の時に実施されます。行き先は選択制で、過去には関東方面や北海道といったコースが設定されており、生徒たちにとって大きな楽しみの一つとなっています。
八幡浜高等学校の進学実績
地域の進学校として、八幡浜高等学校は優れた大学進学実績を誇ります。ここでは、最新の公式データを基に、卒業生の進路を見ていきましょう。
国公立大学
令和6年度の入試では、現役・既卒合わせて69名が国公立大学に合格しています。
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主な合格大学と人数(令和6年度実績):
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難関国立大学: 神戸大学(3)、九州大学(4)、大阪大学(1)、名古屋大学(2)など、トップレベルの大学にも合格者を輩出しています。
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中四国地区: 愛媛大学(9)、岡山大学(3)、広島大学(2)、香川大学(5)、徳島大学(5)など、地元の主要大学に多くの生徒が進学しています。
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その他全国: 筑波大学(1)、千葉大学(1)、横浜市立大学(2)など、全国の国公立大学に幅広く合格しています。
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難関私立大学
関西・関東の有名私立大学にも、毎年多くの合格者を出しています。
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主な合格大学と人数(令和6年度実績):
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早慶上理: 早稲田大学(1)、立教大学(5)
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GMARCH: 明治大学(1)、法政大学(4)
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関関同立: 同志社大学(11)、立命館大学(9)、関西学院大学(8)、関西大学(2)
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その他: 近畿大学(27)、松山大学(64)など。
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その他の進路
普通科の生徒の多くは大学進学を目指しますが、商業科の生徒はより多様な進路を選びます。簿記や情報処理などの専門資格を活かして、地元の優良企業へ就職する生徒や、公務員、専門学校へ進学する生徒も多くいます。
進学実績を支える取り組み
学校では、進学希望者を対象とした補習や講習、模試などが実施されています。しかし、卒業生からは「進学は結局、個人の取り組み次第」「塾や自習で頑張った結果」という声も多く聞かれます。八幡浜高等学校は、高い目標を目指せる環境を提供してくれますが、その環境を最大限に活かせるかどうかは、生徒自身の強い意志と努力にかかっていると言えるでしょう。
八幡浜高等学校の特長・アピールポイント
数ある高校の中で、八幡浜高等学校ならではの強みや魅力はどこにあるのでしょうか。特に注目すべきポイントを5つに絞ってご紹介します。
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新しい歴史の創造者になれるチャンス
2026年4月の3校統合により、「新しい八幡浜高等学校」が誕生します。今入学する皆さんは、新しい校歌と校章のもとで学ぶ、記念すべき第一期生の一員となることができます。これは他では決して味わえない、特別な経験です。
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地域を舞台にした、生きた学び
教科書の中だけにとどまらない、実践的な学びが豊富です。地域の課題を科学的に探究する「チーム探究」や、実際のビジネスプランを競う「ソーシャルビジネスチャレンジコンペ」など、社会とつながるユニークなプログラムが用意されています。
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参加率99%超!学校生活の核となる部活動
ほぼ全ての生徒が部活動に参加し、仲間と共に目標に向かって汗を流しています。この圧倒的な参加率が、学校全体に活気と一体感を生み出しており、充実した高校生活の源となっています。
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全国レベルで輝く文武両道
女子駅伝部や商業研究部のように、全国の頂点を争うトップレベルの部活動があります。高いレベルで何かに打ち込みたい生徒にとって、最高の環境が整っています。
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多様な未来へつながる二つの道
難関大学を目指す「普通科」と、社会で即戦力となるスキルを磨く「商業科」。この二つのコースがあることで、生徒は自分の興味や適性に合わせて最適な進路を選ぶことができます。どちらの道も、確かな実績に裏打ちされています。
八幡浜高等学校の口コミ・評判のまとめ
最後に、在校生や卒業生から寄せられた様々な声を、公平な視点でまとめてみました。良い点も気になる点も、どちらも学校を知るための大切な情報です。
良い点
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一生の友達ができる、強い絆
最も多く聞かれるのが、「友達に恵まれた」「クラスの団結力が強い」という声です。男女問わず仲が良く、和気あいあいとした雰囲気の中で、かけがえのない友人関係を築けるようです。
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最高の思い出になる学校行事
文化祭や体育祭は、生徒が主体となって作り上げるため、非常に盛り上がると評判です。「とにかく楽しい」「一生の思い出になった」という声が多数寄せられており、学校生活の大きな魅力となっています。
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やる気に応えてくれるサポート
「自分から動けば、先生はとことん付き合ってくれる」という声もあります。明確な目標を持つ生徒にとっては、先生方の存在が大きな支えになるようです。
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勉強も遊びも全力投球できる
「やるときはやる、楽しむときは楽しむ」というメリハリのついた校風を評価する声も多いです。勉強に集中する時間と、行事や部活で盛り上がる時間のバランスが良いと感じる生徒が多いようです。
気になる点
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厳しく、少し古いと感じる校則
スマホの使用禁止や頭髪・服装に関する厳しい規則について、「時代に合っていない」「窮屈に感じる」という不満の声が最も多く見られます。
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先生の質にばらつきがある?
「熱心な良い先生もいるが、そうでない先生もいる」という、教員の質やサポート体制のばらつきを指摘する声が少なくありません。生徒との相性も大きく影響するようです。
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施設の古さ
校舎が古いという意見があります。近年、プロジェクターやホワイトボードが導入されるなど、少しずつ改善は進んでいるようですが、全体的な古さは否めないようです。
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「自称進学校」との厳しい声も
高い進学実績の一方で、「学校のサポートというより、個人の努力や塾のおかげ」と感じる卒業生も多いようです。手厚いサポートを期待すると、ギャップを感じる可能性があるかもしれません。
アクセス・通学
毎日のことだから、通学のしやすさも重要なポイントです。八幡浜高等学校へのアクセス方法を確認しておきましょう。
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最寄り駅
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JR予讃線「八幡浜駅」から徒歩約9分
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最寄りのバス停
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伊予鉄南予バス、宇和島自動車など
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「八高前」バス停から徒歩約1分
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「八幡浜高校前」バス停から徒歩約2分
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JRの駅からも近く、バス停は目の前にあるため、公共交通機関での通学は非常に便利です。通学エリアは、愛媛県の「南予学区」が基本となり、八幡浜市内はもちろん、大洲市、西予市、伊方町など、広い範囲から生徒が通っています。JRを利用して、さらに遠方から通学する生徒もいるようです。
八幡浜高等学校受験生へのワンポイントアドバイス
ここまで読んでくれて、本当にありがとう。八幡浜高等学校の魅力や特色、そして少し気になる点も、リアルに感じてもらえたでしょうか。
最後に、進学アドバイザーとして、皆さんへ応援メッセージを送ります。八幡浜高等学校は、何事にも主体的に、全力で取り組みたい君にこそ、ぴったりの学校です。仲間と協力して何かを成し遂げるのが好きな人、高い目標に向かって自分を律することができる人、そして伝統ある学校の新しい歴史を創る一員になりたいと考える人には、最高の3年間が待っているはずです。
受験勉強では、何よりも中学3年間の「内申点」を大切にしてください。日々の授業を大切にし、提出物をきちんと出し、定期テストで一点でも多く点数を取る。その地道な努力が、八幡浜高等学校への道を切り拓きます。入学試験では、奇問・難問よりも、基本的な問題を確実に解ける力が求められます。苦手分野をなくし、基礎を完璧に固めることを意識して学習を進めてください。皆さんの挑戦を、心から応援しています!
※最新かつ正確な情報は、必ず高校の公式サイトや学校説明会で確認してください。