青森県立八戸水産高等学校は、県内で唯一の水産・海洋系の専門高校です。 目の前に広がる雄大な太平洋を望む丘の上に校舎を構え、海のスペシャリストを目指す生徒たちが日々学んでいます。 八戸水産高校では、普通教科に加えて、航海や食品製造、機械工学といった専門的な知識と技術を、実習を通して実践的に学ぶことができます。

この学校の最大の魅力は、なんといっても最新鋭の実習船「青森丸」を使った乗船実習です。 ハワイへの遠洋航海など、実際の現場でしか得られない貴重な体験は、将来の夢を叶えるための大きな力となるでしょう。八戸水産高等学校は、ただの高校ではありません。海と共に生き、社会で活躍するための羅針盤を与えてくれる場所なのです。

この記事では、そんな八戸水産高等学校の偏差値や気になる口コミ、学校生活の様子などを、進学アドバイザーの視点から詳しく解説していきます。海や船、魚が好きな中学生の皆さん、そしてその保護者の皆さん、ぜひ最後まで読んで、未来の選択肢の一つとして考えてみてください。

青森県立八戸水産高等学校の基本情報

八戸水産高等学校の基本的な情報を表にまとめました。

項目 内容
正式名称 青森県立八戸水産高等学校
公立/私立の別 公立
共学/男子校/女子校の別 男女共学
所在地 〒031-0822 青森県八戸市白銀町人形沢6-1
代表電話番号 0178-33-0023
公式サイト http://www.hachinohe-fh.asn.ed.jp/

青森県立八戸水産高等学校の偏差値・難易度・併願校

八戸水産高等学校への進学を考える上で、偏差値や難易度は気になるところでしょう。ここでは、具体的なデータと共に、合格の目安について解説します。

各学科の偏差値の目安は以下の通りです。

  • 海洋生産科:42

  • 水産食品科:42

  • 水産工学科:42

偏差値42は、青森県内の公立高校の中では比較的入学しやすいレベルと言えます。同じくらいの偏差値の高校としては、青森商業高等学校(偏差値45)や、むつ工業高等学校(偏差値40)などが挙げられます。

合格に必要な内申点の目安としては、中学3年間の成績にもよりますが、240点前後が一つの基準となるようです。 ただし、これはあくまで目安であり、当日の学力検査の点数も重要になります。日々の授業を大切にし、基礎学力をしっかりと身につけておくことが合格への近道です。

青森県の公立高校入試では、基本的に他の公立高校を併願することはできません。そのため、八戸水産高校を第一志望とする場合、併願校は私立高校から選ぶことになります。主な併願校としては、八戸工業大学第一高等学校や八戸学院光星高等学校などが考えられます。

青森県立八戸水産高等学校に設置されている学科・コース

八戸水産高等学校には、海のプロフェッショナルを育成するための特色ある3つの学科が設置されています。 それぞれの学科で学べる内容や、どんな生徒におすすめかを紹介します。

  • 海洋生産科

    • どんなことを学ぶ?:漁船や商船の船長・航海士になるための知識や技術、魚を獲る方法などを学びます。最新の航海シミュレーターなどを使った実践的な授業が特徴です。

    • どんな生徒におすすめ?:将来、船乗りとして世界中の海で活躍したい人や、漁業の仕事に興味がある人におすすめです。

  • 水産食品科

    • どんなことを学ぶ?:缶詰や練り製品といった水産加工品の製造技術や、食品の衛生管理、流通について学びます。 商品開発にも挑戦できます。

    • どんな生徒におすすめ?:食品開発や品質管理に興味がある人、食を通して人々を笑顔にしたい人におすすめです。

  • 水産工学科

    • どんなことを学ぶ?:船のエンジンや冷凍機、電気設備など、機械全般の操作や整備について幅広く学びます。 多くの資格取得が目指せます。

    • どんな生徒におすすめ?:機械いじりが好きな人、船の心臓部であるエンジンを動かすエンジニアになりたい人におすすめです。

さらに、高校卒業後には、より高度な海技士の免許取得を目指すための「専攻科(漁業科・機関科)」も設置されており、2年間でさらに専門性を高めることができます。

青森県立八戸水産高等学校の特色・校風

八戸水産高等学校は、専門的な知識と技術を実践的に学ぶことを重視する、活気のある学校です。

校風をキーワードで表すと、「質実剛健」「実践重視」「資格取得に強い」といった言葉が当てはまるでしょう。海の仕事は時に厳しく、危険も伴います。そのため、心身を鍛え、真面目に物事に取り組む姿勢が大切にされています。

  • 宿題の量:専門教科の実習やレポートが多く、一般的な普通高校に比べると課題は多いと感じる生徒が多いようです。

  • 校則:服装や頭髪に関する指導は、他の高校に比べて厳しいという声があります。 特に、実習や乗船時には安全確保の観点から厳格なルールが定められています。スマートフォンの校内での使用は原則禁止されているようです。

  • 生徒たちの雰囲気:海や船が好きという共通の目標を持った生徒が集まっているため、専門分野については真面目で熱心な生徒が多いようです。一方で、やんちゃな生徒もいるという口コミも見られます。

  • アルバイト:アルバイトは原則として許可制となっている場合が多いようです。学業や実習に支障が出ない範囲で行う必要があります。

  • 制服:男子は伝統的な黒の詰襟学生服、女子はブレザーです。特に珍しいデザインではありませんが、きちんとした着こなしが求められます。

  • 土曜授業:土曜授業の有無については、年度によって異なる可能性があるため、学校に直接確認することをおすすめします。

青森県立八戸水産高等学校の部活動・イベント

部活動

八戸水産高等学校では、専門高校ならではの特色ある部活動と、一般的な運動部・文化部が共に活動しています。

特に有名なのが、海の高校ならではの「カッター部」です。 チームで力を合わせて手漕ぎボートを操るカッター競技は、体力だけでなく協調性も養われます。また、全国レベルの実績を誇る「ウェイトリフティング部」や、地域のイベントでも活躍する「八水大漁太鼓」なども盛んです。

運動部は陸上競技部、野球部、サッカー部など一通り揃っており、文化部も囲碁部やボランティア部などがあります。 生徒たちはそれぞれの興味に合わせて部活動に参加し、高校生活を充実させています。

イベント

八戸水産高等学校の学校生活を彩るイベントの中でも、最も特徴的なのが実習船「青森丸」による乗船実習です。 特に海洋生産科と水産工学科の生徒が参加するハワイへの遠洋航海は、数週間にわたって船上生活を送りながら、航海術や漁業、機関の運転などを学ぶ、この学校でしかできない貴重な体験です。

また、秋に開催される文化祭「水高祭」は、地域住民も楽しみにしている一大イベントです。生徒たちが実習で製造したイカの缶詰やサバの味噌煮缶などの水産加工品は、毎年長蛇の列ができるほどの人気ぶりです。 その他、体育祭やクラスマッチなど、生徒たちの団結力を高める行事も盛んに行われています。

青森県立八戸水産高等学校の進学実績

八戸水産高等学校の卒業生の進路は、就職と進学が大きな柱となっています。特に、専門知識と技術を活かした就職に強いのが最大の特長です。

  • 就職

    卒業生の多くは、海運会社、漁業会社、水産加工会社、船舶のエンジンメーカーなど、学校で学んだ専門分野に直結する企業へ就職しています。 また、海上自衛隊や海上保安庁といった公務員になる生徒も少なくありません。 高い専門性を持つため、求人も多く、就職率は非常に高い水準を誇ります。

  • 進学

    進学を希望する生徒は、水産大学校や東京海洋大学といった水産・海洋系の大学や、八戸工業大学などの地元の大学に進学するケースが見られます。 また、より高度な海技士資格の取得を目指して、八戸水産高校に設置されている2年制の専攻科へ進む生徒も多数います。 その他、各種専門学校へ進学し、それぞれの夢を追いかける生徒もいます。

青森県立八戸水産高等学校の特長・アピールポイント

他の高校にはない、八戸水産高等学校ならではの強みやユニークな取り組みをまとめました。

  • 最新鋭の実習船「青森丸」での本格的な乗船実習

    日本でもトップクラスの設備を誇る実習船で、ハワイへの遠洋航海など、実際の現場と同じ環境で学ぶことができます。

  • 豊富な資格取得のチャンス

    小型船舶操縦士、潜水士、危険物取扱者、フォークリフト運転者など、在学中に多くの国家資格や専門資格に挑戦でき、将来のキャリアに直結します。

  • 専門性を活かした高い就職率

    海運、漁業、食品、機械など、幅広い業界から多くの求人が寄せられ、安定した就職実績を誇ります。

  • 高校卒業後のステップアップも万全な「専攻科」

    高校3年間の学びに加え、さらに2年間専門知識を深めることで、より高度な海技士の国家資格(船長や機関長になるために必要な免許)の取得を目指せます。

  • 地域に愛される「水高祭」での生産物販売

    生徒が実習で心を込めて作った缶詰などの製品は、安くて美味しいと大評判。 ものづくりの喜びと、社会とのつながりを実感できる貴重な機会です。

  • 海を見下ろす最高のロケーション

    八戸港を一望できる丘の上にあり、日々海を感じながら学校生活を送ることができます。

  • 「あおもり創造学」などの探究学習

    企業などと連携し、水産業が抱える課題の解決策を探るなど、主体的に学ぶ力を養うプログラムにも力を入れています。

青森県立八戸水産高等学校の口コミ・評判のまとめ

在校生や卒業生から寄せられる八戸水産高等学校の口コミを、良い点と気になる点に分けて公平にまとめました。

  • 良い点

    • 「専門的な知識や資格が身につき、就職にとても有利」という声が最も多く聞かれます。

    • 「先生方が親身になって指導してくれる」「生徒想いの先生が多い」といった、教員のサポート体制を評価する意見もあります。

    • 「同じ目標を持つ仲間と出会える」「実習などを通してクラスの団結力が強い」など、友人関係の良さを挙げる声も見られます。

    • 「乗船実習は大変だったけど、最高の思い出になった」という、貴重な体験を評価する口コミも多数あります。

  • 気になる点

    • 「校則、特に服装や頭髪の指導が厳しい」という意見は、多くの口コミで見られます。

    • 「実習は体力的にも精神的にも厳しいことがある」という声もあります。

    • 「いじめが全くないわけではない」といった、生徒間のトラブルに関する指摘も一部で見られます。

    • 「専門分野以外の大学進学を目指すには、自分で相当な努力が必要」という意見もあります。

    • 「施設の古さが少し気になる」という声も一部あるようです。

アクセス・通学

八戸水産高等学校への主なアクセス方法は以下の通りです。

  • 鉄道を利用する場合

    • JR八戸線 「鮫駅」から徒歩約5分

  • バスを利用する場合

    • 八戸市営バス 「水産高校前」バス停から徒歩約1分

    • 八戸市営バス 「人形沢」バス停から徒歩約2分

鮫駅からも非常に近く、交通の便は良いと言えるでしょう。通学している生徒は、八戸市内全域のほか、階上町や洋野町など近隣の市町村からも多く集まっています。

青森県立八戸水産高等学校受験生へのワンポイントアドバイス

八戸水産高等学校を目指す君へ。この学校は、ただ勉強するだけの場所ではありません。広大な海を舞台に、自分の未来をその手で切り拓くための知識と技術、そして仲間と出会う場所です。もし君が、「船に乗って世界を旅したい」「美味しい魚をたくさんの人に届けたい」「大きなエンジンを動かしてみたい」そんな夢を持っているなら、八戸水産高校は最高の選択肢になるはずです。

受験勉強では、まず中学校の5教科の基礎を固めることが何よりも大切です。特に、理科や数学は専門教科の土台となるので、苦手意識をなくしておきましょう。そして、面接では「なぜ八戸水産高校で学びたいのか」「将来どんな海のプロになりたいのか」を、自分の言葉で熱く語れるように準備してください。君の海への情熱が、きっと合格への一番の近道になります。応援しています!

※最新かつ正確な情報は、必ず高校の公式サイトや学校説明会で確認してください。