青森県立三本木農業恵拓高等学校は、120年以上の歴史と伝統を誇る三本木農業高等学校を前身とし、2021年に十和田西高校、六戸高校と統合して誕生した新しい学校です。「未来拓創(みらいたくそう)」という校是を掲げ、生徒が自らの道を切り拓き、地域や日本の未来を創造する人材の育成を目指しています。広大な敷地と充実した施設を活かし、農業の専門知識や技術を深く学べるだけでなく、普通科も設置されており、多様な進路希望に対応できるのが三本木農業恵拓高等学校の大きな魅力です。

農業系の学科では、動物の飼育や作物の栽培、食品加工、環境工学など、実践的な学びが豊富に用意されています。一方で、普通科では大学進学を目指す学習はもちろん、地域の特色を活かした観光に関する学びも取り入れられています。このように、三本木農業恵拓高等学校は、専門性を高めたい生徒から、幅広い知識を身につけて進学を目指す生徒まで、一人ひとりの「やりたい」が見つかる場所と言えるでしょう。

この記事では、そんな魅力あふれる三本木農業恵拓高等学校について、偏差値や学科の特色、部活動、学校生活の様子などを詳しく紹介していきます。この記事を読めば、きっとあなたも三本木農業恵拓高等学校で充実した高校生活を送る自分の姿をイメージできるはずです。

三本木農業恵拓高等学校の基本情報

三本木農業恵拓高等学校の基本的な情報を表にまとめました。

項目 内容
正式名称 青森県立三本木農業恵拓高等学校
公立/私立の別 公立
共学/男子校/女子校の別 男女共学
所在地 〒034-8578 青森県十和田市相坂字高清水78-92
代表電話番号 0176-23-5341
公式サイトURL https://www.sanbongi-ah.asn.ed.jp/

三本木農業恵拓高等学校の偏差値・難易度・併願校

三本木農業恵拓高等学校の偏差値は、学科によって異なりますが、おおむね48程度です。これは青森県内の公立高校の中では中堅レベルに位置します。

  • 偏差値:

    • 普通科:48

    • 植物科学科:48

    • 動物科学科:48

    • 環境工学科:48

    • 食品科学科:48

同じくらいの偏差値の他の高校としては、十和田工業高等学校や三沢商業高等学校などが挙げられます。合格に必要な内申点の目安としては、5段階評価で平均3〜3.5程度が一つの基準となりそうですが、これはあくまで目安です。入試本番の学力検査の得点ももちろん重要になります。

青森県の公立高校入試制度では、基本的に他の公立高校を併願することはできません。そのため、三本木農業恵拓高等学校を第一志望とする受験生の多くは、私立高校を併願校として検討することになります。主な併願校としては、八戸工業大学第一高等学校や八戸学院光星高等学校などが考えられます。

三本木農業恵拓高等学校に設置されている学科・コース

三本木農業恵拓高等学校には、普通科と4つの農業に関する専門学科が設置されており、生徒一人ひとりの興味や関心、将来の夢に合わせた多様な学びが可能です。

  • 普通科

    • どんなことを学ぶ?:大学進学など幅広い進路に対応するため、国語・数学・英語などの普通教科を中心に学びます。2年生からは文理総合コースと地域・観光コースに分かれ、より専門性を高めます。

    • どんな生徒におすすめ?:将来、大学や専門学校への進学を考えている人や、地域の活性化に貢献したいという意欲のある人におすすめです。

  • 植物科学科

    • どんなことを学ぶ?:野菜や草花、水稲などの栽培技術や、農業経営について実践的に学びます。 3年生からは農業経営コースと施設園芸コースに分かれます。

    • どんな生徒におすすめ?:植物を育てることが好きな人や、将来、農業経営者やフラワーコーディネーターなどを目指したい人におすすめです。

  • 動物科学科

    • どんなことを学ぶ?:牛や豚などの産業動物の飼育から、犬や猫といった社会動物(ペット)の管理・活用まで、動物に関する幅広い知識と技術を学びます。 3年生からは産業動物コースと社会動物コースに分かれます。

    • どんな生徒におすすめ?:動物が大好きで、畜産業やペット業界で活躍したいと考えている人におすすめです。

  • 環境工学科

    • どんなことを学ぶ?:農業機械の操作・整備技術や、農地や水路の設計・施工など、農業を支える基盤づくりと自然環境の保全について学びます。

    • どんな生徒におすすめ?:機械いじりが好きな人や、環境問題に関心があり、地域社会のインフラ整備に貢献したい人におすすめです。

  • 食品科学科

    • どんなことを学ぶ?:パンやジャム、乳製品などの製造・加工技術、食品の衛生管理、新商品の開発などを学びます。 地域の食材を活用した商品開発にも取り組んでいます。

    • どんな生徒におすすめ?:食べることが好きな人、料理やお菓子作りに興味がある人、将来、食品開発や品質管理の仕事に就きたい人におすすめです。

三本木農業恵拓高等学校の特色・校風

三本木農業恵拓高等学校は、「自主・創造・敬愛」を校訓に掲げ、生徒の主体性を尊重する校風です。農業高校ならではの実習が多く、のびのびとした雰囲気の中で専門的な知識や技術を身につけることができます。

  • 校風のキーワード: 実践重視、地域密着、自主創造

  • 宿題の量: 専門的な実習やレポート作成などがあるため、決して少なくはないようですが、計画的に取り組めば十分にこなせる量という声が多いです。

  • 校則: 他の高校と比較すると、特に服装や頭髪に関する規定は厳しいという意見が見られます。例えば、スカート丈は膝が隠れる程度と定められています。スマートフォンの校内での使用については、一定のルールが設けられているようです。

  • 生徒たちの雰囲気: 動物や植物が好きで、目標を持って入学してくる生徒が多いため、真面目で落ち着いた雰囲気があるようです。実習などを通してクラスメイトと協力する機会が多く、団結力が強いという特徴もあります。

  • アルバイト: 原則として禁止されているようですが、家庭の事情などにより許可される場合もあるようです。学校への確認が必要です。

  • 制服の評判: 伝統的なデザインのブレザーで、特に女子生徒の夏服は爽やかで人気があるようです。

  • 土曜授業: 基本的に土曜授業はありません。

三本木農業恵拓高等学校の部活動・イベント

部活動

三本木農業恵拓高等学校は、運動部・文化部ともに活発に活動しており、特に全国レベルで活躍する部活動も少なくありません。

  • 全体の様子: 運動部は馬術部や相撲部、ラグビー部、アーチェリー部などが強豪として知られています。文化部も吹奏楽部や書道部、写真部など多彩な部があり、専門高校ならではの「農業クラブ」の活動も盛んです。

  • ピックアップ部活動:

    • 馬術部: 全国大会の常連であり、校内に充実した馬術練習場があります。馬の世話から乗馬技術の習得まで、本格的に取り組むことができます。

    • 農業クラブ: 農業に関する研究発表や技術を競う大会(プロジェクト発表、意見発表、農業鑑定競技会など)に参加し、毎年優れた成績を収めています。全校生徒が加入し、日々の学習の成果を発揮する場となっています。

    • 相撲部・アーチェリー部: これらの部活動も全国大会に出場するなど、高い実績を誇っています。

イベント

三本木農業恵拓高等学校では、農業高校ならではのユニークなイベントから、一般的な高校のイベントまで、年間を通して多彩な行事が開催され、学校生活を彩ります。

  • 全校田植え: 毎年5月に行われる伝統行事で、全校生徒が泥だらけになりながら田植えを体験します。学校全体の一体感が生まれる人気のイベントです。

  • 三農祭(文化祭): 毎年秋に開催される文化祭は「三農祭」と呼ばれ、地域住民も多く訪れる一大イベントです。各クラスや文化部による展示・発表はもちろん、生徒たちが育てた新鮮な野菜や草花、手作りの加工品(パン、ジャム、ジュースなど)の販売会は毎年大盛況となります。

  • 体育祭: 7月に行われ、クラス対抗で様々な競技に熱戦を繰り広げます。

  • 収穫感謝祭: 11月に行われ、一年間の実習で得られた収穫に感謝するイベントです。

  • 修学旅行: 近年では、関西方面(京都・奈良・大阪など)を訪れることが多いようです。

三本木農業恵拓高等学校の進学実績

三本木農業恵拓高等学校は、農業系の専門知識を活かした就職から、国公立大学や私立大学への進学まで、非常に幅広い進路実績を誇っています。

  • 国公立大学: 弘前大学、岩手大学、秋田県立大学など、地域の国公立大学へ進学する生徒がいます。特に農学部や生命科学部への進学が目立ちます。

  • 私立大学: 日本大学、東京農業大学、北里大学、八戸工業大学など、全国の様々な私立大学に合格者を出しています。

  • 専門学校・就職など: 農業大学校や各種専門学校への進学のほか、農業法人、食品関連企業、公務員(農業・林業職)など、学校で学んだ専門知識を直接活かせる分野への就職が非常に多いのが特徴です。大手企業から地元の優良企業まで、多様な求人が寄せられています。

進路実現に向け、各学科で専門資格の取得を強力にサポートしています。例えば、危険物取扱者、ボイラー技士、フォークリフト運転者、日本農業技術検定など、将来に役立つ多くの資格に挑戦できる環境が整っています。

三本木農業恵拓高等学校の特長・アピールポイント

他の高校にはない、三本木農業恵拓高等学校ならではの強みやユニークな取り組みをまとめました。

  • 広大なキャンパスと充実した専門施設: 東京ドーム約6個分とも言われる広大な敷地には、水田、畑、果樹園、ガラス温室、牛舎、豚舎、馬場、演習林など、本格的な実習を行うための施設が揃っています。

  • 動物とのふれあいを通した学び: 動物科学科では、牛や豚、鶏などの産業動物に加え、犬や猫、馬など多種多様な動物を飼育しており、日常的に動物と触れ合いながら命の大切さや飼育管理技術を学べます。

  • 「志岳寮」での共同生活: 植物科学科と動物科学科の1年生は、原則として1年間の寮生活を送ります。仲間との共同生活を通して、規律や協調性を学び、深い絆を育むことができます。

  • 地域と連携した実践的な学び: 地元の道の駅で生徒が企画したフードイベントを開催したり、地域の課題解決に取り組む探究活動を行ったりと、地域社会と密接に関わりながら実践的に学ぶ機会が豊富にあります。

  • 普通科と専門学科の併置による多様性: 専門的な学びを深める生徒と、大学進学を目指す生徒が同じキャンパスで学ぶことで、互いに刺激し合い、多様な価値観に触れることができます。

  • 豊富な資格取得サポート: 危険物取扱者やフォークリフト運転技能講習など、将来の進学や就職に直結する多様な資格取得を学校全体でバックアップしています。

  • 生徒が生産した農産物や加工品の販売: 実習で生徒たちが丹精込めて作った野菜や花、パン、ジャムなどの加工品は、文化祭や地域のイベントで販売され、毎回大人気です。

三本木農業恵拓高等学校の口コミ・評判のまとめ

在校生や卒業生から寄せられる口コミをまとめました。学校選びの参考にしてください。

  • 良い点:

    • 「専門的な知識や技術が身につき、将来の夢に直結する学びができる」という声が非常に多いです。

    • 「実習が多く、座学だけでは得られない貴重な体験ができるのが楽しい」

    • 「動物や植物が好きなら、毎日が楽しくて最高の環境」

    • 「先生方が専門分野に詳しく、熱心に指導してくれる」

    • 「寮生活を通して、一生付き合える仲間ができた」

    • 「就職に強く、多くの企業から求人が来ているので安心感がある」

  • 気になる点:

    • 「校則が他の高校に比べて厳しいと感じることがある」

    • 「広大な敷地のため、校内の移動が大変なことがある」

    • 「学科によっては実習着で過ごす時間が長く、制服を着る機会が少ない」

    • 「最寄り駅から少し距離があるため、アクセスが不便に感じる人もいる」

    • 「虫が苦手な人や、動物の匂いが気になる人には少し厳しい環境かもしれない」

アクセス・通学

三本木農業恵拓高等学校へのアクセス方法です。

  • 最寄りバス停:

    • 十和田観光電鉄バス「三農校前」バス停から徒歩約1分

  • 自動車でのアクセス:

    • 百石道路「下田百石IC」から約20分

    • みちのく有料道路「十和田IC」から約30分

十和田市内から自転車やバスで通学する生徒が多いですが、近隣の三沢市、六戸町、おいらせ町、七戸町など、上北郡全域から生徒が通っています。また、寮があるため、青森県内全域から生徒が集まっています。

三本木農業恵拓高等学校受験生へのワンポイントアドバイス

三本木農業恵拓高等学校は、将来、農業や食品、環境、動物に関わる仕事に就きたいという明確な目標を持っている人に特におすすめの学校です。また、普通科も設置されているため、自然豊かな環境で学びながら大学進学を目指したいという人にも最適な環境と言えるでしょう。この学校が求めているのは、何よりも「学ぶ意欲」と「主体性」です。

受験勉強においては、中学校での基礎学力を定着させることが最も重要です。特に専門学科を志望する場合は、理科や技術・家庭科など、自分の興味のある分野に関連する教科に力を入れておくと、入学後の学びにスムーズに繋がります。また、面接試験も重視される傾向にあるため、「なぜ三本木農業恵拓高校で学びたいのか」「高校でどんなことに挑戦したいのか」を自分の言葉でしっかりと伝えられるように準備しておきましょう。日々の実習や寮生活など、仲間と協力して取り組む場面が多い学校です。中学校時代に部活動や生徒会活動、ボランティア活動などに積極的に参加した経験も、きっと大きなアピールポイントになります。あなたの「好き」を専門的な学びに変え、夢への第一歩を踏み出せる三本木農業恵拓高等学校で、充実した3年間を過ごしてみませんか。

※最新かつ正確な情報は、必ず高校の公式サイトや学校説明会で確認してください。