岩手県立大迫高等学校は、花巻市大迫町にある、豊かな自然と地域文化に抱かれた歴史ある学校です。1948年の開校以来、70年以上にわたって多くの卒業生を送り出してきました。大迫高等学校のスローガンは「地域とともに歩む 一人ひとりが主役になれる学校」。この言葉通り、生徒一人ひとりに寄り添ったきめ細やかな教育と、地域との深いつながりを活かしたユニークな学びが最大の魅力です。

ぶどうと神楽の町として知られる大迫町ならではの体験活動は、他の高校では決して味わえない貴重な経験となるでしょう。例えば、ユネスコ無形文化遺産にも登録されている「早池峰神楽」の継承活動や、地域の特産品であるぶどうの栽培体験など、実践的な学びを通して地域を愛し、社会に貢献する力を育みます。

この記事では、そんな岩手県立大迫高等学校について、偏差値や難易度、学校生活の様子、ユニークな取り組みや進路実績まで、受験生や保護者の皆さんが知りたい情報を詳しくご紹介します。自然豊かな環境で、自分らしくのびのびと高校生活を送りたい、地域に根ざした学びで自分を成長させたい、そんなあなたにぴったりの学校かもしれません。

大迫高等学校の基本情報

岩手県立大迫高等学校の基本的な情報をまとめました。

項目 内容
正式名称 岩手県立大迫高等学校
公立/私立の別 公立
共学/男子校/女子校の別 男女共学
所在地 〒028-3203 岩手県花巻市大迫町大迫第9地割19-1
代表電話番号 0198-48-3228
公式サイトURL https://www2.iwate-ed.jp/ooh-h/

大迫高等学校の偏差値・難易度・併願校

岩手県立大迫高等学校の入試に関する情報です。自分の学力や目標と照らし合わせて、参考にしてください。

大迫高等学校に設置されているのは普通科のみです。偏差値に関する明確な公表データは見当たりませんでしたが、岩手県内の高校の中では比較的入学しやすい難易度とされています。大切なのは、入学後に何を学びたいか、どんな高校生活を送りたいかという目的意識です。

岩手県の公立高校入試は2025年度から制度が変わり、推薦入試が廃止され、「特色入学者選抜」と「一般入学者選抜」が3月上旬にまとめて実施されるようになります。出願は原則1校に限られるため、公立高校同士の併願はできません。そのため、大迫高等学校を第一志望とする場合、併願校は私立高校から選ぶことになります。

主な併願校としては、花巻市や近隣の市町村にある私立高校が考えられます。具体的な高校名については、中学校の先生や塾の先生とよく相談して、自分の学力や進路希望に合った学校を選ぶようにしましょう。

大迫高等学校に設置されている学科・コース

岩手県立大迫高等学校には、普通科が設置されています。

  • 普通科:進学から就職まで、生徒一人ひとりの多様な進路希望に対応できるカリキュラムが組まれています。基礎学力の定着を重視しながら、興味や関心、進路に合わせて選択できる科目が豊富に用意されているのが特徴です。特に、地域について深く学ぶ学校設定科目があり、大迫高等学校ならではの学びを体験できます。

大迫高等学校の特色・校風

岩手県立大迫高等学校は、「地域とともに歩む」「一人ひとりが主役」という言葉に象徴される、アットホームで地域とのつながりが非常に強い校風です。

口コミなどによると、生徒たちは落ち着いた雰囲気の中で、のびのびと学校生活を送っているようです。少人数制のメリットを活かし、先生との距離が近く、一人ひとりへのサポートが手厚いという声が見られます。

校則については、特に厳しいという情報はなく、社会のルールやマナーを守るという一般的な内容のようです。制服は令和5年度から新しいデザインに変更されています。アルバイトについては、特別な規定に関する情報は見当たりませんでしたが、学業との両立を前提に、学校に相談するのが良いでしょう。土曜授業に関する情報は見当たりませんでした。

大迫高等学校の部活動・イベント

部活動

大迫高等学校では、運動部5つ、文化部3つが活動しており、少人数ながらも活気があります。兼部をしている生徒も多く、自分の興味に合わせて様々な活動にチャレンジできる環境です。

  • 自転車競技部:起伏に富んだ大迫の地形を活かして日々練習に励んでおり、全国大会への出場経験もある実力派です。

  • 学芸部 神楽班:ユネスコ無形文化遺産である「早池峰大償神楽」の継承活動を行っています。地元の保存会から直接指導を受け、地域のイベントや「高校生の神楽甲子園」などで成果を披露しています。神楽をやるために県外から留学してくる生徒もいるほど、特色ある部活動です。

  • その他の部活動:弓道部、バドミントン部、柔道部などの運動部のほか、吹奏楽部、JRC部、学芸部(美術班・書道班)といった文化部も充実しています。

イベント

大迫高等学校では、地域と一体となったユニークなイベントや学校行事が数多く行われています。

  • 体育祭・迫高祭(文化祭):生徒が主体となって企画・運営し、学校全体で盛り上がる行事です。

  • ぶどう栽培体験:全校生徒で地域の特産品であるぶどうの栽培に取り組みます。収穫したぶどうはワインに醸造され、2年生の時に「二十歳のワイン」として早池峰ダムに貯蔵し、二十歳になった時に届けられるという夢のあるプロジェクトも行われています。

  • 地域ボランティア:大迫クロスカントリー大会や宿場のひな祭りなど、地域のイベントにボランティアとして積極的に参加し、地域住民との交流を深めています。

  • 修学旅行:2年生の時に実施され、仲間との絆を深める貴重な機会となっています。

大迫高等学校の進学実績

岩手県立大迫高等学校は、少人数教育の強みを活かし、生徒一人ひとりの希望に合わせた丁寧な進路指導を行っています。その結果、大学進学から専門学校、就職まで、多様な進路を実現しています。

近年の主な進路状況を見ると、以下のような実績があります。

  • 大学・短大:北海道情報大学、盛岡大学、岩手県立大学短期大学部などへの進学実績があります。

  • 専門学校:大原簿記情報ビジネス医療福祉専門学校盛岡校、北上コンピュータ・アカデミー、盛岡ペットワールド専門学校など、多様な分野の専門学校へ進学しています。

  • 就職:トヨタ自動車東日本株式会社や花巻温泉株式会社など、地元の優良企業への就職実績が多数あります。

また、花巻市からの支援により、大学進学希望者を対象とした塾やオンライン教育の受講費用補助(上限60万円)や、模擬試験の受験料半額補助といった手厚いサポート制度も整えられています。

大迫高等学校の特長・アピールポイント

他の高校にはない、岩手県立大迫高等学校ならではの魅力を5つのポイントにまとめました。

  • 地域と一体となった探究学習:ユネスコ無形文化遺産「早池峰神楽」の継承活動や、特産品であるぶどう栽培体験など、大迫町ならではの資源を活かした実践的な学びが豊富です。

  • 一人ひとりが主役になれる少人数教育:全校生徒数が比較的少ないため、先生の目が行き届きやすく、個々の学力や特性に応じたきめ細やかな指導を受けられます。

  • 全国から生徒が集まる「高校生おおはさま留学」制度:花巻市が支援する留学制度があり、全国から意欲ある生徒を受け入れています。留学生は学校から徒歩3分のホテルを寮として利用でき、充実したサポート体制のもとで学校生活を送ります。

  • 手厚い進学・就職サポート:花巻市と連携し、大学進学のための塾費用全額補助(上限あり)や模擬試験受験料の補助など、生徒の進路実現を強力にバックアップする制度が整っています。

  • 夢のある「二十歳のワイン」プロジェクト:2年生の時に、自分たちで栽培に関わったぶどうから作られたワインをタイムカプセルとしてダムに貯蔵。二十歳の自分へ贈るという、ロマンあふれるユニークな取り組みです。

大迫高等学校の口コミ・評判のまとめ

岩手県立大迫高等学校に関する口コミや評判をまとめました。

  • 良い点:

    • 「先生方が親身になって相談に乗ってくれる」「少人数なので、生徒一人ひとりへのサポートが手厚い」といった、教員の熱心さや面倒見の良さを評価する声が多いようです。

    • 「神楽やぶどう栽培など、他ではできない貴重な体験ができる」「地域の人たちとの交流が盛んで、視野が広がる」など、地域連携活動の充実ぶりを魅力に感じる意見が見られます。

    • 「アットホームな雰囲気で、自分のペースで学校生活を送れる」「自然豊かな環境で落ち着いて勉強に集中できる」といった、穏やかな校風や学習環境をポジティブに捉える声もあります。

  • 気になる点:

    • 「全校生徒の人数が少ないため、部活動の種類が限られる」という意見があります。ただし、兼部が可能なため、複数の活動にチャレンジすることはできます。

    • 「最寄り駅からは距離があり、バスを利用する必要がある」など、交通の便に関する指摘が見られます。ただし、花巻市街地などからの通学タクシー・バス制度があり、多くの生徒が利用しています。

アクセス・通学

岩手県立大迫高等学校への主なアクセス方法は以下の通りです。

  • バスでのアクセス:

    • JR花巻駅、新花巻駅、石鳥谷駅前から「大迫バスターミナル」行きのバスに乗車し、終点で下車。

    • 大迫バスターミナルから学校までは徒歩約20分です。

  • 自動車でのアクセス:

    • 花巻インターチェンジから約20分です。

花巻市街地や石鳥谷町、東和町などから通学する生徒のために、花巻市の補助を受けた「通学タクシー・通学バス」が運行されており、生徒の約7割が利用しています。また、石鳥谷駅からの路線バス利用者には、通学定期券の補助制度もあります。

大迫高等学校受験生へのワンポイントアドバイス

岩手県立大迫高等学校を目指す皆さんへ。この学校は、ただ勉強するだけでなく、地域という大きなフィールドの中で自分を成長させたい、主体的に様々なことにチャレンジしたい、と考えている人に特におすすめの学校です。少人数だからこそ、一人ひとりが主役になれるチャンスがたくさんあります。

受験勉強においては、まずは中学校の授業内容をしっかりと理解し、基礎学力を固めることが最も重要です。2025年度から始まる新しい入試制度では、調査書(内申点)も合否の重要な判断材料となります。1年生の時から毎日の授業を大切にし、定期テストで着実に点数を取ること、そして提出物をきちんと出すことを心がけましょう。

大迫高等学校は、地域の文化や産業に興味を持ち、積極的に活動に参加したいという意欲のある生徒を求めています。学校説明会などに参加して、先生方や在校生の雰囲気を肌で感じてみてください。そして、大迫高校でどんな3年間を過ごしたいか、自分の言葉で語れるように準備しておくと、きっと良い結果につながるはずです。応援しています!

※最新かつ正確な情報は、必ず高校の公式サイトや学校説明会で確認してください。