岩田高等学校は、ただ大学進学のためだけの3年間ではなく、その先の未来を自分自身の手で描き、実現するための力を育む場所です。大分県内でも有数の進学校として知られ、難関大学への高い合格実績を誇る一方で、生徒一人ひとりの個性を尊重し、自主性を育む自由な校風が大きな魅力となっています。将来、医療の道に進みたい、あるいは世界を舞台に活躍したい、そんな明確な夢を持つ生徒にとって、岩田高等学校は最高の環境を提供してくれるでしょう。
この学校の最もユニークな点は、二つの異なる、しかしどちらも高みを目指す教育コースが存在することです。一つは、医学部をはじめとする最難関大学への現役合格を目標に掲げる伝統の「IWATAコース」。もう一つは、立命館アジア太平洋大学(APU)との強力な連携のもと、グローバルな視点と実践的なスキルを磨く「APU・立命館コース」です。この二つの道は、岩田高等学校が多様な才能を受け入れ、それぞれの目標に合わせて最適化された教育を提供していることの証と言えます。
この記事では、偏差値や進学実績といったデータはもちろん、学校生活のリアルな様子が伝わる校風や部活動、在校生たちの声に至るまで、岩田高等学校の魅力を余すところなくお伝えします。この記事を読み終える頃には、あなたがこの学校でどんな高校生活を送り、どんな未来を掴むことができるのか、きっと具体的にイメージできるようになっているはずです。自分に合った高校選びの、確かな一歩としてください。
岩田高等学校の基本情報
まずは、学校の基本的な情報を確認しておきましょう。
項目 | 内容 |
正式名称 | 学校法人 岩田学園 岩田高等学校 |
公立/私立の別 | 私立 |
共学/男子校/女子校の別 | 共学 |
所在地 | 〒870-0936 大分県大分市岩田町1丁目1番1号 |
代表電話番号 | 097-558-3007 |
公式サイトURL | http://www.iwata.ed.jp/ |
岩田高等学校の偏差値・難易度・併願校
岩田高等学校の難易度を把握するために、偏差値や併願校について見ていきましょう。
偏差値
岩田高等学校の偏差値は、コースによって異なると考えられています。一般的には「60」前後とされており、これは大分県内の私立高校の中ではトップクラスに位置します。この数値は、特に医学部や難関国公立大学を目指す「IWATAコース」の学力レベルを反映していると考えられます。
一方で、「APU・立命館コース」については、一部の模試情報で「50〜54」という偏差値が示されています。これは、単純な学力試験のスコアだけでなく、グローバルな事柄への関心や英語でのコミュニケーション能力など、多角的な視点で選抜が行われるためと推測されます。このように、岩田高等学校の難易度は、どのコースを目指すかによって大きく変わるのが特徴です。
難易度と内申点の目安
合格に必要な内申点の明確な基準は公表されていませんが、偏差値60レベルの高校を目指す場合、中学校での成績は主要5教科はもちろん、全教科で高いレベルを維持していることが望ましいでしょう。
難易度を具体的にイメージするためには、同じくらいの偏差値の高校と比較するのが有効です。大分県内の私立高校では、東九州龍谷高校(特進)や大分高校(特進)などが学力的に近いレベルの学校として挙げられます。これらの高校と岩田高等学校を比較検討することで、自身の学力レベルと目標がより明確になります。
主な併願校
岩田高等学校は私立高校であるため、大分県内の公立トップ校を目指す受験生の併願先として選ばれることが多いです。具体的には、大分上野丘高校や大分舞鶴高校などの受験生が、安心して第一志望に挑戦するための併願校として選択する傾向があります。
また、私立高校同士で併願する場合、前述の大分高校や東九州龍谷高校などが候補となるでしょう。自分の学力や将来の目標に合わせて、最適な併願パターンを組むことが合格への鍵となります。
岩田高等学校に設置されている学科・コース
岩田高等学校の教育の核となるのが、特色豊かな二つのコースです。それぞれのコースがどんな場所で、どんな生徒におすすめなのかを見ていきましょう。
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IWATAコース
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どんなことを学ぶ場所か:主に岩田中学校からの内部進学生を対象とした、医学部や東大・京大などの最難関国公立大学への現役合格を目指すハイレベルなコースです。中学3年次からは「医進クラス」「理系特進クラス」「文系特進クラス」に分かれ、高校範囲の先取り学習など、目標に特化したカリキュラムで学びを深めます。
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どんな生徒におすすめか:将来、医師や研究者など、高度な専門知識が求められる分野に進みたいという強い意志を持っている人。仲間と切磋琢磨しながら、高いレベルで学問を究めたい人におすすめです。
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APU・立命館コース
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どんなことを学ぶ場所か:高校からの入学者を対象とした、立命館アジア太平洋大学(APU)・立命館大学との7年間一貫教育を前提としたコースです。APUの学生がティーチング・アシスタントとして参加する探究学習や、高校3年次に大学の単位を先取り取得できる制度、英語での卒業論文作成など、大学での学びに直結するユニークなプログラムが満載です。
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どんな生徒におすすめか:国際関係や異文化コミュニケーションに強い関心があり、将来は世界を舞台に活躍したいと考えている人。受け身の授業ではなく、ディベートやプレゼンテーションなどを通して主体的に学ぶスタイルが好きな人におすすめです。
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岩田高等学校の特色・校風
岩田高等学校の雰囲気や文化を理解することは、学校選びにおいて非常に重要です。キーワードは「自主性の尊重」「自由闊達」「グローバル」です。
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校風
学校全体に流れているのは、生徒を子ども扱いせず、一人の人間として信頼し、その自主性を最大限に尊重するという文化です。校則がほとんどないと言われるほど自由な雰囲気があり、生徒自らが考えて行動することが求められます。これは、大学や社会に出てから必要となる自己管理能力を、高校生活の中で自然に身につけさせるための教育方針と言えるでしょう。
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宿題の量
自由な校風の一方で、学習面での要求は高いようです。口コミによれば、宿題を忘れると居残りを求められることもあるなど、学業に対する責任は厳しく問われます。特にIWATAコースでは、高い目標を達成するために相応の学習量が求められると考えられます。
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校則(スマホ、服装など)
校則は非常に緩やかで、生徒の自主性に委ねられている部分が大きいです。特に制服は、その自由さを象徴しています。ネクタイやリボン、ポロシャツ、ハーフパンツなどを自由に組み合わせることができ、そのコーディネートは約800種類にも及ぶと言われています。ジェンダーニュートラルな考え方も取り入れられており、自分らしいスタイルで学校生活を送ることができます。スマートフォンの使用に関しても、厳しい規則よりはマナーを重視する運用がされているようです。
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生徒たちの雰囲気
生徒は、医学部を目指して真摯に勉強に打ち込む生徒から、国際問題について活発に議論する生徒まで、非常に多様です。他県から寮に入って学んでいる生徒も多く、様々なバックグラウンドを持つ仲間と交流することで、互いに良い刺激を受け合える環境です。ただし、一部の口コミでは、内部進学のIWATAコースと高校から入学するAPU・立命館コースの生徒間に、少し壁があると感じる声も見られます。
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アルバイト
アルバイトに関する明確な情報はありませんが、学業や部活動のレベルの高さを考えると、基本的には推奨されていない可能性が高いです。許可制となっている場合が多いので、希望する場合は学校に確認が必要です。
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土曜授業
2025年度から、岩田高等学校は正式に週休2日制を導入します。これにより、土曜日の正規授業はなくなります。生徒たちは週末の時間を、部活動や自主学習、希望者向けの模試、あるいは休息など、自身の判断で有効に使えるようになります。これは、生徒の自主性を重んじ、心身の健やかな成長をサポートするという、学校の現代的な教育姿勢の表れです。
岩田高等学校の部活動・イベント
勉強だけでなく、学校生活を彩る部活動やイベントも岩田高等学校の大きな魅力です。
部活動
岩田高等学校では、学業との両立を重視した部活動運営が行われています。活動時間は原則として午後5時50分までとし、考査前には活動を停止するなど、学習時間を確保するための配慮がなされています。難関大学に進学した先輩たちの多くが、部活動に打ち込みながら合格を勝ち取っています。
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特に有名な部活動
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フェンシング部:全国レベルの強豪として知られ、インターハイで個人2位に輝くなどの輝かしい実績を誇ります。
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箏曲部(そうきょくぶ):大分県内の高校で唯一の部活動です。日本の伝統文化に触れられる貴重な機会があり、放課後の教室から聞こえる美しい音色が学校の風物詩となっています。
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珍しい部活動
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ギター部や将棋部など、文化系のユニークな部活動も活動しています。自分の興味や趣味を突き詰められる環境が整っています。
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運動部、文化部ともに、生徒が主体的に活動できる環境が提供されており、加入して高校生活をより充実させている生徒が多いようです。
イベント
岩田高等学校のイベントは、生徒が主役となって創り上げるのが最大の特色です。
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学園祭
学校最大のイベントであり、岩田の生徒主体の文化を最も象徴する行事です。文化祭と芸術祭を合わせて、なんと4日間にわたって開催されます。企画から運営まで、そのすべてを生徒会や実行委員が中心となって行います。過去には、生徒たちが企画して花火を打ち上げたこともあり、その際には必要な許可取りなども自分たちで行ったというから驚きです。クラスや部活動の発表、有志によるステージなど、学校中が一体となって盛り上がり、最終日には全校生徒で肩を組んで校歌を合唱する、感動的なフィナーレを迎えます。
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修学旅行
修学旅行は、所属するコースの教育目標に沿った、特色ある内容となっています。
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IWATAコース:高校1年次にオーストラリアを訪れ、国際感覚を養います。
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APU・立命館コース:より探究学習の色合いが濃く、高校1年次に台湾、2年次にマレーシアへ渡航します。現地でのフィールドリサーチなど、実践的な学びの機会が豊富に用意されています。
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その他のイベント
体育大会や芸術鑑賞会など、年間を通して多彩な行事が計画されており、生徒たちの学校生活を豊かにしています。
岩田高等学校の進学実績
岩田高等学校の教育の成果は、その卓越した大学進学実績に明確に表れています。特に、卒業生の人数を考えると、その合格実績の質の高さは際立っています。2024年3月の卒業生は、IWATAコース61名、APUコース28名の合計89名でした。
2024年度の主な大学合格実績
最新の進学実績は、二つのコースそれぞれの強みが発揮された結果となっています。(過年度生を含む場合があります)
大学分類 | 主な合格大学と人数 | 備考 |
医学部医学科 | 合計24名 (うち国公立4名) | 卒業生61名のIWATAコースから多数の合格者を輩出。驚異的な合格率を誇ります。 |
国公立大学 | 東京大学、京都大学、九州大学、筑波大学、広島大学、熊本大学、大分大学(14名)など | IWATAコースから23名が合格。 |
難関私立大学 | 早稲田大学、慶應義塾大学、上智大学、東京理科大学、GMARCH、関関同立など | 早慶上理に25名、関関同立に23名が合格(IWATAコース)。 |
立命館・APU | 立命館大学、立命館アジア太平洋大学(APU) | APU・立命館コースからの進学者が多く、高大連携プログラムの成果を示しています。 |
進学実績を支える取り組み
この高い進学実績は、学校の強力なサポート体制によって支えられています。
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IWATAコースでは、中学段階から設置される「医進クラス」が、医学部合格の原動力です。目標を同じくする仲間たちと、専門性の高いカリキュラムで集中的に学ぶことができます。
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APU・立命館コースでは、大学の授業を先取り履修したり、大学のTAから直接指導を受けたりすることで、大学進学後もスムーズに学業に取り組める力が養われます。
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口コミでは、熱意ある先生方が生徒一人ひとりに親身になって対応してくれるという声が多く、手厚い進路指導も岩田高等学校の強みです。
岩田高等学校の特長・アピールポイント
他の高校にはない、岩田高等学校ならではの強みやユニークな取り組みをまとめました。
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独自のデュアル教育システム
医学部や最難関大学を目指す伝統的な進学校としての側面(IWATAコース)と、グローバル人材を育成する革新的な側面(APU・立命館コース)を併せ持ち、生徒は自分の夢に最適な道を選ぶことができます。
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国内トップクラスの医学部進学実績
「医進クラス」を中心とした手厚い指導により、全国でも屈指の医学部合格実績を誇ります。医師を目指す生徒にとっては、九州でも有数の恵まれた環境です。
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APUとの高次元な高大連携
単なる提携に留まらず、大学の単位取得や大学教員・学生との共同学習など、高校にいながら大学レベルの学びに触れることができる、非常に中身の濃いプログラムが魅力です。
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「自主性」を育む自由な校風
厳しい校則で縛るのではなく、生徒を信頼し、自由な環境を与えることで、真の自己管理能力と責任感を育むという教育哲学が貫かれています。
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生徒が主役の壮大な学園祭
4日間にわたる学園祭は、企画から運営まで生徒自身が行う、まさに「生徒が創る」イベントです。この経験を通して得られるリーダーシップや協調性は、学力だけでは測れない大きな財産となります。
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2025年度からの完全週休2日制
時代の変化に対応し、生徒の学びの質と心身の健康を第一に考えた、完全週休2日制を導入します。これにより、生徒はより主体的でバランスの取れた高校生活を送ることが可能になります。
岩田高等学校の口コミ・評判のまとめ
在校生や卒業生からのリアルな声は、学校選びの貴重な参考になります。良い点と気になる点を公平に見ていきましょう。
良い点
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先生のサポートが手厚い
「熱意には熱意で応えてくれる先生がたくさんいる」「生徒一人ひとりに丁寧に対応してくれる」といった声が多く、親身な指導が高く評価されています。
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人間的に成長できる環境
「学力だけでなく人間力、個性も育まれる」「海外との交流が多いので価値観が変わった」など、多様な経験を通して視野が広がり、人として成長できる環境であると感じている生徒が多いようです。
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多様な仲間からの刺激
寮生を含め、様々な地域から高い志を持った生徒が集まるため、「同じ志を持った友達と、切磋琢磨して勉強する環境であること」が良い点として挙げられています。
気になる点
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コース間の壁を感じることがある
「高校から入学するのは本当におすすめしない」「岩田コースや先生から冷たい目で見られ悪い噂を立てられる」といった、内部進学のIWATAコースと高校から入学するAPU・立命館コースとの間に、温度差や壁を感じるという厳しい意見が一部で見られます。
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自主性がなければ厳しい環境
自由な校風は、裏を返せば「自分で考えて行動できないと置いていかれる」ということでもあります。「本気で勉強を頑張りたいと思っている方にはいい」一方で、「途中で気が抜けてしまう生徒も決して少なくありません」という声もあり、高い自己管理能力が求められます。
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一部の先生との相性
多くの先生が高く評価される一方で、「先生からの贔屓や差別があるのは事実」といった、一部の教員との人間関係に関する指摘も見られます。
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勉強第一の雰囲気
「勉学が第一の学校」という口コミもあり、アカデミックな雰囲気が合う生徒にとっては最高の環境ですが、そうでない生徒にとっては少し窮屈に感じられる可能性もあるようです。
アクセス・通学
毎日のことだからこそ、通学のしやすさは重要なポイントです。
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最寄り駅からのアクセス
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JR日豊本線「牧駅」で下車し、徒歩約10〜13分です。
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バスでのアクセス
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JR「大分駅」方面からは、大分バスが便利です。
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鶴崎方面行きのバスに乗車し、「舞鶴橋」バス停で下車(乗車時間約15分)、そこから徒歩約5分です。
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岩田循環バスに乗車し、「岩田学園」バス停で下車(乗車時間約20分)。バス停は学校の目の前です。
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通学エリア
大分市内を中心に、県内広域から生徒が通学しています。また、男子寮と女子寮が完備されているため、県外から入学する生徒も少なくありません。
岩田高等学校受験生へのワンポイントアドバイス
これまで岩田高等学校の様々な側面を見てきましたが、最後にアドバイザーとして皆さんへのメッセージをお伝えします。
岩田高等学校は、「自分の目標」がはっきりしている生徒の力を最大限に引き出してくれる学校です。「IWATAコース」、特に医進クラスを目指すあなたは、中学レベルの数学と理科の盤石な基礎を築くことに全力を注いでください。その努力が、未来の自分への最高の贈り物になります。「APU・立命館コース」に惹かれているあなたは、今から世界で起きている出来事にアンテナを張り、自分の考えを言葉にする練習を始めてみましょう。岩田高等学校が何よりも大切にしているのは、主体的に学ぼうとする姿勢です。自由と責任の環境で成長したいというあなたの熱意を、試験で、そして面接で、思い切りぶつけてください。応援しています!
※最新かつ正確な情報は、必ず高校の公式サイトや学校説明会で確認してください。