大阪府立四條畷高等学校は、1903年創立という120年以上の豊かな歴史と、常に未来を見据えた先進的な教育が共存する、府内屈指の進学校です。地元では親しみを込めて「畷高(なわこう)」と呼ばれ、多くの受験生が憧れる存在です。単に学力が高いだけでなく、生徒一人ひとりが自らの学びと高校生活の主役となることを奨励する文化が、この学校の最大の魅力と言えるでしょう。

この学校の根底に流れるのは、「自主・自律・自由」という三つの基本理念です。これは単なるスローガンではなく、日々の学校生活のあらゆる場面で体現されています。しかし、畷高が提供する「自由」は、厳しい自己管理と高い学問的責任感を伴うものです。この自由と責任のバランスをどう乗りこなすかが、充実した高校生活を送るための鍵となります。

この記事では、そんな大阪府立四條畷高等学校が、あなたにとって本当に「行きたい」と思える場所なのか、その魅力を余すところなくお伝えします。府内でも特に盛り上がると評判の学校行事を楽しみながら、最難関大学を目指すという挑戦に、あなたはワクワクしますか?さあ、一緒に畷高の扉を開けてみましょう。

四條畷高等学校の基本情報

まずは、学校の基本的な情報を確認しておきましょう。

項目 内容
正式名称 大阪府立四條畷高等学校
公立/私立の別 公立
共学/男子校/女子校の別 男女共学
所在地 〒575-0035 大阪府四條畷市雁屋北町1-1
代表電話番号 072-877-0004
公式サイトURL https://www.osaka-c.ed.jp/shijonawate/

四條畷高等学校の偏差値・難易度・併願校

大阪府トップクラスの進学校である四條畷高等学校。その難易度を、偏差値や内申点の観点から具体的に見ていきましょう。

偏差値・難易度

四條畷高等学校に設置されているのは「文理学科」で、その偏差値は各種模試や塾によって多少の差はありますが、おおむね69から71前後とされています。これは大阪府内の公立高校の中でも最上位グループに位置し、非常に高い学力が求められることを示しています。

合格を勝ち取るためには、入試当日の学力検査で高得点を取ることはもちろん、中学校での成績、つまり「内申点」も極めて重要になります。合格者のデータを見ると、内申点の目安は450点満点換算で440点以上、9教科の5段階評定で言えば、ほぼオール5に近い成績が必要です。換算後の内申点(270点満点)では265点から270点が目標となり、まさに中学校での日々の学習の積み重ねが合否を分けると言えるでしょう。

このように、四條畷高校の入試は、高い偏差値が示す「学力検査での得点力」と、ほぼ満点が求められる「内申点」という、二つの高いハードルをクリアする必要がある、非常に厳しい戦いとなります。

同じくらいの偏差値の高校としては、春日丘高等学校(普通科)や寝屋川高等学校(普通科)などが挙げられます。

主な併願校

四條畷高校は公立高校のため、受験生は滑り止めとして私立高校を併願するのが一般的です。学力レベルや校風などを考慮して、以下のような私立高校がよく選ばれる傾向にあります。

  • 近畿大学附属高等学校(Super文理コース)

  • 大阪桐蔭高等学校(I類コース)

  • 開明高等学校

  • 清風高等学校

  • 桃山学院高等学校

  • 関西創価高等学校

四條畷高等学校に設置されている学科・コース

現在の四條畷高等学校は、新入生が選択できる学科として以下のコースを設置しています。

  • 文理学科

    • どんなことを学ぶ場所なのか:最難関の国公立大学や私立大学への進学を目標に、高度で探究的な学びを実践する学科です。単なる知識の暗記にとどまらず、物事の本質を深く考える思考力や、課題を解決する能力を養うことに重点が置かれています。

    • どんな生徒におすすめか:知的好奇心が旺盛で、難しい学問にも臆することなく挑戦したい生徒に最適です。将来、大学で専門的な研究をしたいと考えている人や、自ら課題を見つけて主体的に学習を進められる人におすすめです。

四條畷高等学校の特色・校風

畷高の魅力を語る上で欠かせないのが、その独特の校風と生徒たちの雰囲気です。

学校の雰囲気

キーワードで表現するなら、「自主・自律・自由」「文武両道」「質実剛健」といった言葉がぴったりです。生徒の主体性を最大限に尊重する校風が、学校全体の活気を生み出しています。

中学生が知りたいリアルな情報

  • 宿題の量は多いか少ないか

    • 「非常に多い」という声が多数です。授業の進度が速く、予習を前提に進められる科目も多いため、日々の学習負担はかなり大きいようです。部活や行事との両立には、高い自己管理能力が求められます。

  • 校則は厳しいか緩やかか

    • 表面的な校則は比較的緩やかです。特に服装とスマートフォンの扱いがその象徴です。

    • 服装:標準服はありますが着用義務はなく、ほとんどの生徒が私服で通学しています。この自由さが、大学のキャンパスのような開放的な雰囲気を作り出しています。ただし、髪染めやピアスは認められていないようです。

    • スマホ:校内への持ち込みは許可されており、授業中以外は使用可能です。ただし、授業中は電源を切るか通知オフにするのがルールです。

    • 一方で、「校則に書かれていない暗黙のルールがある」「自由なようでいて、勉強面でのプレッシャーは強い」と感じる生徒もおり、自由には責任が伴うという学校の姿勢がうかがえます。

  • 生徒たちの雰囲気

    • 基本的には真面目で、学習意欲の高い生徒が多いです。しかし、ただ勉強ばかりしているわけではなく、行事や部活動には全力で打ち込む活発な一面も持っています。互いに切磋琢磨し合える、知的な刺激に満ちた環境です。

  • アルバイトは可能か

    • 校則で明確に禁止されているわけではありませんが、学業や部活動が非常に忙しいため、実際にアルバイトをしている生徒は少ないようです。学校生活に集中することが推奨される雰囲気があります。

  • 制服の評判はどうか

    • 前述の通り、ほとんどの生徒が私服で通学するため、制服が話題に上ることはあまりありません。むしろ、「私服で通えること」が学校の大きな魅力の一つと捉えられています。

  • 土曜授業はあるか

    • 毎週の土曜授業はありません。ただし、月に1回程度の補習や、希望者向けの講習が土曜日に開かれることがあります。

畷高の自由な校風は、単に校則が緩いということではありません。それは、生徒一人ひとりが成熟した個人として扱われ、自らの行動に責任を持つことを求められる環境であることの表れです。この「自由という名のフィルター」が、高い目標を持ち、自らを律することのできる生徒を自然と集め、育んでいるのです。

四條畷高等学校の部活動・イベント

部活動

「文武両道」を掲げる四條畷高校では、部活動が非常に盛んで、多くの生徒が学業と両立させながら活動に打ち込んでいます。進学校らしく「短時間で集中した練習」をモットーにする部が多いのも特徴です。

  • 運動部

    • 運動部は、広いグラウンドや新しい体育館といった恵まれた設備の中で活発に活動しています。

    • 山岳部:近畿大会で上位入賞の実績を持つ強豪です。夏合宿では3,000m級の山々に挑戦するなど、本格的な活動を行っています。

    • 男子ソフトテニス部:団結力が高く、2年連続で近畿大会に出場するなど、安定した強さを誇ります。

    • 卓球部:特に女子が強く、団体戦・個人戦ともに近畿大会出場の常連です。

  • 文化部

    • 文化部も多種多様で、ユニークな活動を行う部が揃っています。

    • ギターマンドリン部:公立高校では珍しい部活で、マンドリンやギター、コントラバスが織りなす美しいアンサンブルが魅力です。

    • 理化部:SSH指定校ならではの活動として、高度な実験はもちろん、小学生向けの実験教室を企画・開催するなど、科学の魅力を地域に発信しています。

    • 合氣道部:勝ち負けを競うのではなく、心身の鍛錬を目的とする珍しい武道部です。卒業までに初段取得を目指します。

イベント

畷高の学校生活を最も彩るのは、生徒が主役となって創り上げるエネルギッシュな学校行事です。

  • 畷高祭(文化祭)

    • 毎年6月に開催される文化祭は、畷高の代名詞とも言える一大イベントです。企画から運営まで、そのほとんどが生徒会主導で行われます。

    • 最大の見どころは、3年生が体育館の「大劇場」で上演する演劇です。『レ・ミゼラブル』や『オリバー・ツイスト』といった本格的なミュージカルや劇が、高校生のレベルを超えたクオリティで披露され、毎年多くの観客に感動を与えています。

    • 2年生は小劇場でユーモアあふれる劇を、1年生は各教室で趣向を凝らした展示やカフェを運営し、学校全体が熱気に包まれます。

  • 体育祭

    • 9月に行われる体育祭も、畷高祭に負けない盛り上がりを見せます。特に、2年生が中心となって組織する応援団のパフォーマンスは圧巻で、クラスや団の誇りをかけた熱い応援合戦が繰り広げられます。

  • 修学旅行

    • 2年生の10月に実施されます。仲間との絆を深める貴重な機会となっています。

四條畷高等学校の進学実績

大阪府内でもトップクラスの進学校として、四條畷高校は毎年輝かしい大学進学実績を誇ります。ここでは最新の2024年度の合格実績を中心に紹介します。

2024年度 主要大学合格実績(抜粋)

国公立大学、難関私立大学ともに、非常に多くの合格者を輩出しています。

大学分類 主な大学名 合格者数(2024年度)
最難関国公立大学 京都大学 7名
大阪大学 30名
神戸大学 22名
北海道大学 3名
九州大学 1名
その他国公立大学 大阪公立大学 46名
国公立大学 合計 179名
難関私立大学 関西大学 237名
(関関同立) 関西学院大学 102名
同志社大学 121名
立命館大学 225名
関関同立 合計 685名

注意点として、私立大学の合格者数は、一人の生徒が複数の大学・学部に合格した場合もそれぞれカウントされる「延べ人数」であるため、実際の進学者数とは異なります。それでも、これだけの合格実績は、生徒たちの学力の高さと努力の証です。

進学サポート体制

この高い進学実績を支えているのが、学校の手厚いサポート体制です。

  • 1年生の段階から進路に関するガイダンスが始まり、早期から大学受験を意識した指導が行われます。

  • 土曜日や夏休みなどの長期休暇中には、受験対策の補習や講習が数多く開講され、生徒の学力向上を後押ししています。

  • 先生方は非常に熱心で、授業で分からないことがあれば、放課後などに質問に行くといつでも親身になって対応してくれます。個々の生徒に合わせた丁寧な進路相談も、畷高の強みの一つです。

四條畷高等学校の特長・アピールポイント

他の高校にはない、四條畷高校ならではの強みやユニークな取り組みをまとめました。

  • スーパーサイエンスハイスクール(SSH)としての高度な探究学習

    • 文部科学省からSSHの指定を受け、全校生徒が「探究チャレンジ」という課題研究に取り組みます。これは理系の生徒だけでなく、文系の生徒も全員が参加するプログラムで、自ら問いを立て、仮説を検証し、論文やポスターで発表する一連のプロセスを学びます。この経験は、大学での学びに直結する本質的な思考力を育てます。

  • 「自主・自律・自由」を尊重する校風と私服通学

    • 私服での通学が認められていることは、生徒への信頼の証です。自分で服装を選ぶことを通じて、TPOをわきまえる力や自己表現力が養われます。この自由な雰囲気が、生徒の主体性を育む土壌となっています。

  • 生徒が主役の圧倒的に盛り上がる学校行事

    • 「畷高祭」の3年生の劇は、もはや高校の文化祭のレベルを超えていると評判です。脚本、演出、衣装、大道具まで、すべて生徒たちの手で創り上げられます。行事を通じて得られる達成感や仲間との絆は、一生の宝物になります。

  • 歴史と風格のある美しい校舎

    • 本館は国の登録有形文化財に指定されており、歴史の重みを感じさせる趣のある学び舎です。また、屋上にプールがあるのも珍しい特徴の一つです。このようなユニークな環境が、生徒の感性を豊かにします。

  • トップクラスの大学を目指せる高い進学実績と手厚いサポート

    • 京都大学、大阪大学をはじめとする最難関国公立大学や、関関同立などの難関私立大学へ、毎年多数の合格者を輩出しています。熱心な先生方による補習や個別指導など、万全のサポート体制が整っています。

  • 個性豊かで珍しい部活動の数々

    • 定番のスポーツだけでなく、公立高校では珍しい「ギターマンドリン部」や、試合がなく心身の鍛錬を目的とする「合氣道部」など、多様な選択肢があります。自分の興味や個性に合った活動がきっと見つかります。

四條畷高等学校の口コミ・評判のまとめ

在校生や卒業生の声から、畷高のリアルな姿を探ってみましょう。

良い点

  • 「とにかく行事が楽しい。特に畷高祭は一生の思い出になるし、クラスの団結力がすごい」

  • 「自由な校風で、自分次第で何でもできる。私服で通えるのが最高だし、大学みたいで楽しい」

  • 「周りの生徒のレベルが高く、自然と勉強する習慣がつく。尊敬できる良い友達にたくさん出会えた」

  • 「先生たちが本当に熱心で、質問に行けばいつでも丁寧に教えてくれる。進路相談にも親身に乗ってくれる」

  • 「SSHの探究活動は大変だけど面白い。自分でテーマを決めて研究する経験は、他ではできないと思う」

気になる点

  • 「『自称進学校』だと感じる部分がある。自由なようで、課題の多さや授業の進度の速さなど、勉強のプレッシャーはかなり強い」

  • 「課題や予習が多くてとにかく忙しい。勉強と部活と行事で、毎日があっという間に過ぎていく」

  • 「自分から積極的に行動しないと、自由な校風の中で置いていかれてしまう可能性がある。受け身の姿勢だと厳しいかもしれない」

  • 「校舎は歴史がある分、施設が少し古いと感じる場所もある」

  • 「駅から少し歩くのが難点。特に夏は大変」

アクセス・通学

四條畷高校への通学方法と、主な通学エリアについてです。

最寄り駅からのアクセス

  • JR学研都市線(片町線)「四条畷駅」から徒歩約8分~11分

    • 駅の西口を出て、線路沿いを少し進み、商店街を抜けていくルートが一般的です。

  • 京阪本線「大和田駅」からバスを利用

    • 京阪バス「四条畷駅行き」または「清滝団地行き」に乗車し、「国道中野」バス停で下車、そこから徒歩約7分です。

主な通学エリア

四條畷高校は大阪府の第四学区に属しており、四條畷市、大東市、寝屋川市、枚方市、門真市、交野市など、北河内エリアから通学する生徒が中心です。また、JR学研都市線は京橋駅まで快速で約13分とアクセスが良いため、大阪市内やその他の地域から通う生徒もいます。

四條畷高等学校受験生へのワンポイントアドバイス

ここまで読んでくれてありがとう。最後に、進学アドバイザーとして、四條畷高等学校を目指す君にエールを送ります。

この学校は、誰かに指示されるのを待つのではなく、自分で考えて行動するのが好きな人にぴったりの場所です。高い目標に向かって努力することを楽しめる人、そして、勉強だけでなく行事や部活にも全力で青春を燃やしたいと願う人。そんな君にとって、四條畷高等学校は最高の舞台になるはずです。自由な環境で、自分をどこまで高められるか挑戦してみませんか?

合格を掴むためには、二つの壁を乗り越える必要があります。一つは、中学校での日々の授業を大切にし、最高の「内申点」を確保すること。そしてもう一つは、大阪府の公立高校入試で最も難しいとされる「C問題」を解ききるための応用力を身につけることです。基礎を固めた上で、発展的な問題に数多く挑戦し、初見の問題にも対応できる思考力を鍛えてください。畷高生になるための道は険しいですが、その先には、かけがえのない3年間が待っています。応援しています!

※最新かつ正確な情報は、必ず高校の公式サイトや学校説明会で確認してください。