桃山学院高等学校での3年間は、あなたの未来にとってどのような時間になるでしょうか。高校選びは、これからの自分を形作る大切な一歩。だからこそ、偏差値や進学実績といった数字だけでなく、その学校が持つ空気感や文化、そこで過ごす毎日を具体的にイメージすることが重要です。多くの受験生が憧れ、目標とするこの学校には、長い歴史の中で育まれた確固たる教育理念があります。

この記事では、進学アドバイザーとして、中学生の皆さんと保護者の方々が本当に知りたい情報を一つひとつ丁寧に解説していきます。勉強のこと、部活動のこと、そして何より「自由な校風」で知られる桃山学院高等学校のリアルな姿をお伝えします。偏差値の高さの裏にある手厚い学習サポートや、生徒が主役となって創り上げる学校行事など、その魅力の核心に迫ります。

さあ、一緒に桃山学院高等学校の扉を開けてみましょう。この情報が、あなたの高校選びという大切な旅の、信頼できる地図となることを願っています。自分にぴったりの場所かどうか、じっくりと考えながら読み進めてください。

桃山学院高等学校の基本情報

まずは、学校の基本的な情報を確認しておきましょう。

項目 内容
正式名称 桃山学院高等学校
公立/私立の別 私立
共学/男子校/女子校の別 男女共学
所在地 大阪府大阪市阿倍野区昭和町3-1-64
代表電話番号 06-6621-1181
公式サイトURL https://www.momoyamagakuin-h.ed.jp/senior/

桃山学院高等学校の偏差値・難易度・併願校

桃山学院高等学校は、大阪府内でもトップクラスの難易度を誇る私立高校です。コースによって求められる学力レベルが大きく異なるため、自分の目標に合ったコースの偏差値をしっかりと確認しましょう。

コースごとの最新の偏差値は以下の通りです。

  • 普通科S英数コース:73

  • 普通科英数コース:70

  • 普通科国際コースB:64

  • 普通科国際コースA:62

  • 普通科文理コース:62

  • 普通科文理コース(アスリート):50

S英数コースや英数コースは、大阪府の公立トップ校である文理学科設置校と肩を並べる非常に高いレベルです。合格するには、中学校で常にトップクラスの成績を維持していることが求められます。内申点については、大阪の私立高校は入試当日の点数を重視する傾向が強いですが、高いレベルのコースを目指すのであれば、主要5教科でオール5に近い成績が目安となるでしょう。

この高い学力レベルから、桃山学院高等学校は多くのトップレベルの公立高校を目指す受験生の併願校として選ばれています。実際に、入学した生徒が併願していた公立高校は、三国丘、高津、生野、天王寺、大手前といった最難関校が中心です。興味深いのは、桃山学院高等学校の合格を確保できたことで、「自信を持ってワンランク上の公立高校に挑戦できた」という声があることです。つまり、この学校は単なる滑り止めではなく、受験生の挑戦を後押しする「心強いお守り」のような存在にもなっているのです。

主な併願校の例は以下の通りです。

  • 同じくらいの偏差値の公立高校:三国丘高校、天王寺高校、大手前高校、高津高校、生野高校、岸和田高校、泉陽高校

  • 併願されることが多い私立高校:四天王寺高校、清風南海高校、大阪桐蔭高校、近畿大学附属高校、清教学園高校、帝塚山高校

桃山学院高等学校に設置されている学科・コース

桃山学院高等学校では、生徒一人ひとりの夢や目標に合わせて、個々の能力を最大限に引き出すための多彩なコースが設置されています。自分の興味や目指す進路に最適なコースを選びましょう。

  • S英数コース

    • どんなことを学ぶ場所か:京都大学、大阪大学などの超難関国公立大学や医歯薬系大学への現役合格を目指す、学内最上位のコースです。授業の進度も速く、非常に高いレベルの学習環境が提供されます。

    • どんな生徒におすすめか:最高の環境で学力を極め、日本のトップ大学を目指したい人。

  • 英数コース

    • どんなことを学ぶ場所か:神戸大学などの難関国公立大学への現役合格を目標とします。S英数コースと同じ学習環境で、高いレベルの学力伸長を図ります。

    • どんな生徒におすすめか:高い目標を持ち、仲間と切磋琢磨しながら難関大学合格を目指したい人。

  • 文理コース(文理クラス)

    • どんなことを学ぶ場所か:勉強と部活動を高いレベルで両立させながら、国公立大学や関関同立などの難関私立大学への現役合格を目指します。

    • どんな生徒におすすめか:学習もクラブも全力で取り組み、充実した高校生活を送りたい人。

  • 文理コース(アスリートクラス)

    • どんなことを学ぶ場所か:特定の強化クラブに所属する男子生徒のみで構成され、スポーツで培った強みを活かして希望大学への進学を目指します。

    • どんな生徒におすすめか:全国レベルの舞台で活躍しながら、大学進学の夢も叶えたい男子生徒。

  • 国際コース

    • どんなことを学ぶ場所か:全員がカナダへの短期(約1ヶ月)または長期(約1年)の留学を経験します。実践的な英語力と国際感覚を養い、難関私立大学文系や海外大学を目指します。

    • どんな生徒におすすめか:英語が好きで、海外での経験を通じて視野を広げ、グローバルに活躍したい人。

  • S選抜コース

    • どんなことを学ぶ場所か:高校2年生から、S英数・英数・文理コースの成績上位者から選抜されて編成される特別コースです。東大・京大・医学部など、最難関への合格を目標に特化した指導が行われます。

    • どんな生徒におすすめか:学年のトップ層の中でさらに上を目指し、日本の最難関大学に挑戦したい人。

桃山学院高等学校の特色・校風

桃山学院高等学校の雰囲気を知るためのキーワードは、「自由と責任」「自主自律」「文武両道」です。キリスト教の精神に基づく「生徒への信頼」が教育の根幹にあり、それがユニークな校風を生み出しています。

  • 宿題の量は多いか少ないか

    • 口コミによると、コースによって大きく異なります。特に「S英数コース」と「英数コース」は、「感情が無くなるくらいやらされる」「課題が多すぎて眠れないこともある」といった声があるほど、課題の量が非常に多いようです。一方で、その厳しい環境が実力を伸ばしてくれるという意見もあります。文理コースは、部活動との両立も考慮されており、比較的 manageable な量のようです。

  • 校則は厳しいか緩やかか

    • 学校の最大の特色として「服装の自由」が挙げられます。1971年から続く伝統で、制服はなく、生徒は私服で通学します。ただし、何でもありというわけではなく、「桃高生らしい良識ある服装」が求められ、スカート丈は膝の中心、髪の染⾊やパーマ、化粧、ピアスは禁止されています。最近は、以前より指導が厳しくなったと感じる生徒もいるようです。

    • スマホの持ち込みは許可されていますが、授業中は電源を切り、カバンにしまうのがルールです。

  • 生徒たちの雰囲気

    • コースによってカラーが異なりますが、全体的には明るく活発な生徒が多いようです。S英数や英数コースには真面目に勉強に打ち込む生徒が多く、文理コースや国際コースは部活や行事に積極的に参加する生徒が多いなど、多様な生徒が集まっています。

  • アルバイトは可能か

    • 原則として禁止されています。ただし、家庭の経済的な事情など、やむを得ない場合は学校の許可を得て行うことが可能です。

  • 制服の評判はどうか

    • 制服はありませんが、選択肢として「標準服」と呼ばれるブレザータイプの制服が用意されています。デザインの評判は良く、「可愛い」という声もあります。購入や着用は自由(国際コースは留学時に着用するため購入必須)で、私服と組み合わせたり、いわゆる「なんちゃって制服」でファッションを楽しんだりする生徒も多くいます。

  • 土曜授業はあるか

    • はい、毎週土曜日に4時限の授業があります。これにより、豊富な授業時間を確保し、質の高い教育を実現しています。

桃山学院高等学校の部活動・イベント

部活動

桃山学院高等学校は、勉強だけでなく部活動も非常に盛んです。多くのクラブが活発に活動しており、文武両道を実践できる環境が整っています。「強化クラブでなくても、しっかりとした顧問とコーチがいて良い指導が受けられる」という口コミもあり、学校全体で部活動をサポートする体制がうかがえます。

運動部は、アスリートクラスが設置されていることからも分かるように、特にサッカー部やバスケットボール部、ラグビー部などが高いレベルで活動していることで知られています。全国大会を目指すクラブから、仲間との時間を楽しむクラブまで、様々なレベルで活動できます。

文化部も多種多様なクラブがあり、活気に満ちています。特に吹奏楽部や放送部などは、コンクールでの実績も豊富です。珍しい部活動としては、ディベート部や模擬国連部など、知的な活動を行うクラブもあり、生徒の多様な興味に応えています。

イベント

桃山学院高等学校の学校行事は、生徒の自主性を重んじる校風を象徴するように、その多くが生徒会(自治会)によって企画・運営されるのが大きな特徴です。生徒が「学校の主人公」であるという意識が、行事を一層盛り上げています。

  • 文化祭

    • 「桃山祭」として知られる文化祭は、学校最大級のイベントです。かつては大阪城ホールを貸し切って開催されたこともあるほど、その規模と熱気は圧倒的です。クラスごとの展示やステージ発表、文化部の公演など、多彩なプログラムで構成され、生徒たちの創造性とエネルギーが爆発します。

  • 体育祭

    • 6月に行われる体育祭は、クラス対抗で様々な競技に挑みます。学年やコースの垣根を越えてクラスが一つになり、応援にも熱が入る一日です。

  • 修学旅行

    • 2年生の時に実施されます。国際コースの生徒は、カリキュラムの一環としてカナダへ留学しますが、他のコースの生徒も国内外の様々な場所を訪れ、見聞を広め、仲間との絆を深めます。

  • その他のユニークなイベント

    • キリスト教学校ならではの行事として、11月には大きなツリーにイルミネーションを灯す「クリスマスツリー点灯式」があります。また、「プロヴィデンスデイ」と呼ばれるユニークな取り組みも特徴的です。これは、先生方が専門教科の枠を超えて、自身の趣味や研究などについて90以上もの講座を開講し、生徒が興味のある講座を自由に選択して受講するというものです。知的好奇心を大いに刺激される機会となっています。

桃山学院高等学校の進学実績

桃山学院高等学校は、大阪府内屈指の進学校として、毎年非常に高い大学進学実績を誇っています。生徒たちの努力と、それを支える学校の手厚いサポート体制が見事に結果として表れています。

2025年の最新の大学合格実績(既卒生含む)は以下の通りです。

  • 国公立大学:合計 183名

    • 主な大学名と人数:

      • 京都大学:5名

      • 大阪大学:16名

      • 神戸大学:合格者あり(人数は資料により変動)

      • 大阪公立大学:38名

      • その他、北海道大学、九州大学、大阪教育大学、和歌山大学など多数の国公立大学に合格者を出しています。

  • 難関私立大学:

    • 関関同立(関西大学、関西学院大学、同志社大学、立命館大学):合計 421名

    • 産近甲龍(京都産業大学、近畿大学、甲南大学、龍谷大学):合計 505名(特に近畿大学は412名と非常に多い)

    • 早慶上理(早稲田大学、慶應義塾大学、上智大学、東京理科大学):合計 11名

  • その他の進路

    • 医学部医学科にも7名の合格者を出すなど、最難関学部への道も開かれています。また、桃山学院大学への内部推薦制度や、関関同立や早稲田大学など多くの大学からの指定校推薦枠も充実しています。海外大学への進学者もおり、多様な進路選択が可能です。

この高い進学実績を支えているのが、学校独自の学習サポート体制です。週6日・39時間という豊富な授業時間に加え、放課後には「自習ステージ」と呼ばれる学習習慣を確立するための時間が設けられています。さらに、応用力を鍛える希望制の「M1ゼミ」や、基礎を固めるための「Rゼミ」、夏休みなどの長期休暇中に行われる講習など、生徒一人ひとりの学力と目標に合わせたきめ細やかなサポートが、難関大学合格へと繋がっています。

桃山学院高等学校の特長・アピールポイント

他の高校にはない、桃山学院高等学校ならではの強みやユニークな取り組みをまとめました。

  • 「自由と責任」を学ぶ、信頼に基づいた校風

    • 1971年から続く「服装の自由」に象徴されるように、学校が生徒を信頼し、自主性を尊重する文化が根付いています。この環境が、生徒の自律心と責任感を育みます。

  • 目標別に最適化された多彩なコース設定

    • 最難関国公立を目指す「S英数コース」から、全員が留学を経験する「国際コース」、文武両道を極める「アスリートクラス」まで、多様な目標に対応する専門的なコースが用意されています。

  • 圧倒的な学習時間を確保する手厚いサポート体制

    • 週6日制授業や土曜授業、放課後の「自習ステージ」や各種ゼミなど、学力を徹底的に伸ばすための仕組みが整っており、学習に集中できる環境が魅力です。

  • 「英語の桃山」の伝統を体現するグローバル教育

    • 国際コースのカナダ留学だけでなく、ハーバード大学の学生とオンラインで議論するワークショップや、交換留学制度など、世界とつながる機会が豊富に用意されています。

  • 生徒が主役となって創り上げる学校行事

    • 文化祭や体育祭など、多くの行事が生徒会(自治会)主体で企画・運営されます。これにより、リーダーシップや協調性など、社会で生きる力を実践的に学ぶことができます。

  • 最新のICT環境と充実した施設

    • 全生徒がタブレットPCを活用した授業を受けられるほか、蔵書数の多い図書館、リニューアルされた綺麗な食堂、室内温水プールなど、快適で学習効果の高い施設が整っています。

  • 知的好奇心を刺激する独自の教養講座「プロヴィデンスデイ」

    • 先生方が専門分野を超えて開講する90以上の多彩な講座から、生徒が自分の興味で選んで受講できるユニークな取り組みです。受験勉強だけではない、学ぶことの本当の楽しさに触れることができます。

桃山学院高等学校の口コミ・評判のまとめ

在校生や卒業生からのリアルな声を集めました。良い点と気になる点の両方を知ることで、より深く桃山学院高等学校を理解できるはずです。

  • 良い点:

    • 「先生方のサポートが手厚い」という声が非常に多いです。授業が面白く分かりやすいだけでなく、進路相談にも親身に乗ってくれる先生方が多いようです。

    • 「大学進学への意識が高い環境」であるため、周りの友人たちと切磋琢磨しながら自然と勉強に向かうことができる、という意見も目立ちます。

    • 「施設が綺麗で充実している」点は、多くの生徒が満足しているポイントです。特にリニューアルされた食堂や図書館、室内プールは評判が高いです。

    • 「行事が本当に楽しく、一生の友達ができた」という声も多数あります。生徒主体のイベントが多く、クラスの団結力が強いようです。

    • 「自由な校風のおかげで、自分で考えて行動する力がついた」と、学校の教育方針が自己成長に繋がったと感じる卒業生もいます。

  • 気になる点:

    • 最も多く聞かれるのが、「S英数・英数コースは課題の量が非常に多く、授業の進度も速い」という点です。高い学力をつけるためには仕方ない部分ですが、ついていくのが大変だと感じる生徒もいるようです。

    • 「コースによって学校の雰囲気が全く違う」という意見もあります。S英数コースの勉強中心の生活と、文理コースの文武両道の生活では、求められるものや時間の使い方が大きく異なるため、入学前にコースの特性をよく理解しておく必要があります。

    • 伝統的に自由な校風ですが、「最近は校則の運用が少し厳しくなった」と感じる声も一部で見られます。

    • 大きな学校なので、「先生の当たり外れがある」と感じる生徒もいるようです。ほとんどの先生は熱心ですが、中には授業が分かりにくいと感じる先生もいる、という意見がありました。

アクセス・通学

桃山学院高等学校は、大阪市内の交通の便が良い場所にあり、広い範囲から生徒が通学しています。

  • 最寄り駅からのアクセス:

    • Osaka Metro 御堂筋線「昭和町」駅 3号出口より徒歩約5分

    • Osaka Metro 谷町線「文の里」駅 4号出口より徒歩約7分

    • JR 阪和線「南田辺」駅より徒歩約10分

  • 通学エリアの傾向:

    • 大阪市内全域はもちろん、堺市や泉州地域、河内地域など大阪府の広範囲から生徒が通っています。また、交通の便の良さから、奈良県や兵庫県、和歌山県など、隣接する県から通学している生徒も少なくありません。

桃山学院高等学校受験生へのワンポイントアドバイス

桃山学院高等学校を目指す君へ。ここまで読んでくれてありがとう。この学校は、ただ偏差値が高いだけの学校ではありません。「自由」という言葉の本当の意味を、日々の生活の中で学び、自分で自分を律する強さを身につける場所です。高い目標に向かって仲間と本気で努力したい人、そして、与えられた自由の中で自分らしさを見つけ、責任ある行動ができる人にとって、桃山学院高等学校は最高の環境になるでしょう。

受験勉強では、特に英語と数学の基礎を徹底的に固めることが合格への鍵となります。特に上位コースを目指すなら、応用問題に対応できる思考力が問われます。過去問(赤本)を繰り返し解き、出題形式に慣れておくことが非常に重要です。桃山学院高等学校の入試問題は、君がこれまで積み重ねてきた努力をしっかりと見てくれます。自分を信じて、最後まで諦めずに頑張ってください。応援しています!

※最新かつ正確な情報は、必ず高校の公式サイトや学校説明会で確認してください。