100年以上の歴史を誇る三田学園高等学校は、甲子園球場のグラウンド約12個分という広大で緑豊かなキャンパスに佇む、伝統と革新が共存する学び舎です。「質実剛健(飾り気がなく心身ともに強くたくましいこと)」と「親愛包容(思いやりの心ですべてを包み込むこと)」という建学の精神のもと、確かな学力だけでなく、豊かな人間性を育む教育を創立以来ずっと大切にしています。

ここでは、勉強も部活動も学校行事も、すべてに全力で打ち込める環境が整っています。世界レベルで活躍する物理部や全国大会常連の運動部が活気にあふれる一方で、毎年多くの生徒が難関大学への進学という夢を叶えています。三田学園は、生徒一人ひとりが持つ無限の可能性を信じ、それを最大限に引き出すための舞台を用意してくれているのです。

この記事では、そんな三田学園高等学校の魅力を、進学アドバイザーの視点から余すところなくお伝えします。「どんな高校生活を送りたいだろう?」そんな期待に胸を膨らませながら、あなたにぴったりの学校かどうか、一緒に見ていきましょう。

三田学園高等学校の基本情報

まずは、学校の基本的な情報を確認しておきましょう。

項目 内容
正式名称 三田学園高等学校
公立/私立の別 私立
共学/男子校/女子校の別 男女共学
所在地 〒669-1535 兵庫県三田市南が丘2-13-65
代表電話番号 079-564-2291
公式サイトURL https://www.sandagakuen.ed.jp/

三田学園高等学校の偏差値・難易度・併願校

三田学園高等学校の学力レベルは、兵庫県内でも上位に位置します。しかし、数字だけで判断するのではなく、多角的に難易度を理解することが大切です。

偏差値

  • 普通科:

これはあくまで目安の数値です。模試の種類や受験する年によって多少変動はありますが、合格するためには高い学力が求められることは間違いありません。

難易度・内申点の目安

偏差値が同じくらいの高校としては、公立では北摂三田高校や三田祥雲館高校、私立では報徳学園高校や関西学院高等部などが挙げられます。これらの学校と並んで検討されることが多いことからも、三田学園のレベルの高さがうかがえます。

合格に必要な内申点の目安ですが、兵庫県の私立高校は公立高校のように明確な計算式があるわけではありません。しかし、推薦入試(専願)の基準の一つに「9教科5段階評定の合計が32以上」という項目があります。これを参考にすると、一般入試で合格を目指す場合、主要5教科を中心に通知表で「4」を安定して取りつつ、得意科目では「5」を目指すレベル、具体的には9教科の合計で36〜38点あたりが一つの目標となるでしょう。

主な併願校

多くの受験生が、公立高校と併願して三田学園を受験します。特に、地域のトップレベルの公立高校である北摂三田高校を第一志望とする生徒が、質の高い教育環境を求めて併願先に選ぶケースが非常に多いようです。これは、三田学園が単なる「滑り止め」ではなく、第一志望に匹敵する魅力的な選択肢として認識されていることの表れです。

その他、私立高校では報徳学園高校、滝川第二高校、仁川学院高校などが併願校としてよく名前が挙がります。

三田学園高等学校に設置されている学科・コース

三田学園高等学校の学科は「普通科」のみですが、その中で生徒一人ひとりの興味や進路に合わせた多様な学びが展開されています。

  • 普通科

    • 高校2年生から文系・理系に分かれ、それぞれの進路目標に特化したカリキュラムで学習を進めます。学力に応じたクラス編成も行われるため、自分のペースで着実に力を伸ばすことができます。将来、国公立大学や難関私立大学を目指す生徒におすすめです。

また、学科という枠組みとは別に、以下のような三田学園独自の教育プログラムが存在し、実質的な専門コースのように機能しています。

  • GCP (Global Competency Program)

    • 中学1年から高校2年までの5年間、週に1時間、ネイティブ教員の指導のもとオールイングリッシュで学ぶプログラムです。生徒が主体となってディスカッションなどを進めることで、世界で通用する思考力やコミュニケーション能力を養います。将来、海外での活躍や国際系の大学進学を考えている人に最適です。

  • STREAM教育

    • 理数教育(STEM)に、ものづくり(Robotics)の要素を加えた三田学園独自のプログラムです。特に中学時代にロボットの組み立てやプログラミングを体験的に学ぶことで、論理的思考力や創造力を育みます。このプログラムが、世界レベルで活躍する物理部の土台となっていることからも、将来エンジニアや研究者を目指す生徒にとって最高の環境と言えるでしょう。

三田学園高等学校の特色・校風

三田学園の最大の魅力の一つは、その独特の校風と素晴らしい環境にあります。

校風を表現するキーワード

自由闊達、文武両道、落ち着いた雰囲気、自然豊か

生徒たちのリアルな声

  • 宿題の量

    • 「進学校なので当然」と感じる生徒が多く、量は決して少なくはないようです。しかし、「授業にしっかりついていければ塾は不要」という声もあり、日々の学習習慣が身についていれば十分にこなせる量と質が両立されていると言えます。

  • 校則(スマホ、服装など)

    • 「校則は緩い」という評判が非常に多く、生徒の自主性を尊重する校風がうかがえます。髪型やアクセサリーもよほど奇抜でなければ注意されることは少ないようです。スマートフォンは授業中はもちろん使用禁止ですが、休み時間などの使用は認められており、自由な雰囲気です。

  • 生徒たちの雰囲気

    • 「みんないい子すぎる」「おおらかな人が多い」といった口コミが目立ち、穏やかで落ち着いた生徒が多いようです。中高一貫校のため、高校から入学する生徒は最初少し壁を感じることもあるようですが、行事などを通じてすぐに打ち解け、強い団結力が生まれるとのことです。

  • アルバイト

    • 校則で明確に禁止されているかどうかの情報はありませんが、学業や部活動が非常に盛んなため、アルバ涜をしている生徒は少ない傾向にあるようです。希望する場合は、必ず学校に確認しましょう。

  • 制服の評判

    • 伝統的なデザインですが、評判は少し分かれるようです。「少し古風なデザインが気になる」という声もあれば、「伝統校らしくて良い」という意見もあります。

  • 土曜授業

    • 基本的に土曜日も授業があります。ただし、4時間授業で、月に一度ほど休みになることが多いようです。

三田学園高等学校の部活動・イベント

「文武両道」を掲げる三田学園では、部活動も学校行事も生徒が主役となって全力で楽しみます。

部活動

運動部、文化部ともに非常に活発で、全国レベルで活躍する部が数多く存在します。多くの生徒が部活動に加入し、学業と両立しながら青春を謳歌しています。

  • 物理部

    • 三田学園を象徴する部活動の一つ。自律型ロボットを制作してサッカー競技を行う「ロボカップ」という大会で、なんと日本大会優勝、さらには世界大会で総合2位という輝かしい実績を誇ります。STREAM教育で培った知識を実践する場で、未来のエンジニアやプログラマーたちが日々切磋琢磨しています。

  • 弓道部

    • 男女ともに全国大会常連の強豪です。個人でもインターハイ優勝者を輩出するなど、その実力は折り紙付き。部員のほとんどが高校から弓道を始めるため、初心者でも安心してスタートでき、高いレベルを目指せる環境が整っています。

  • 野球部

    • 100年以上の歴史を誇る伝統ある部です。過去には春の選抜高校野球大会(甲子園)に4回出場した実績を持ち、現在も県大会上位の常連として、常に甲子園を目指して厳しい練習に励んでいます。

  • サッカー部

    • 高校の部員数は100名を超える大所帯で、非常に活気があります。県大会で優勝経験もあり、強豪校として知られています。広大な人工芝のグラウンドで、高いレベルのサッカーに打ち込むことができます。

イベント

  • 桜陵祭(文化祭)

    • 毎年秋に開催される学校最大のイベントです。企画・運営の多くを生徒会が中心となって行い、クラスごとの展示や演劇、ステージでのダンスやバンド演奏、模擬店など、キャンパス中が熱気に包まれます。準備期間から本番まで、クラスの仲間との絆が深まる最高の思い出になるでしょう。

  • 体育大会

    • こちらも生徒が主体となって作り上げるイベントです。一般的な競技だけでなく、「学年ぶち抜きリレー」のようなユニークな種目も多く、学年を超えて盛り上がります。生徒も先生も一体となって本気で勝負に挑む姿は、まさに青春そのものです。

三田学園高等学校の進学実績

三田学園の大きな強みは、その高い大学進学実績です。生徒一人ひとりの夢を実現するための手厚いサポート体制が、素晴らしい結果に繋がっています。

2025年の主な大学合格実績

以下は2025年春の大学入試における、主な合格実績です(既卒生を含む場合があります)。

分類 主な大学名と合格者数
国公立大学 合計 124名 (京都大学 10名、大阪大学 15名、神戸大学 12名、大阪公立大学 15名、九州大学 1名、北海道大学 1名 など)
難関私立大学 早稲田大学 6名、慶應義塾大学 3名、上智大学 1名 関関同立 合計 427名 (関西学院大学 207名、同志社大学 95名、関西大学 74名、立命館大学 51名)
その他 産近甲龍 合計 227名 国公立・私立大学の医学部医学科にも多数の合格者を輩出しています。

進学実績を支える取り組み

  • 充実した補習・講習

    • 長期休暇中には、苦手科目の克服から得意科目の応用力強化まで、多彩な講習が開かれます。生徒は自分の目的に合わせて自由に選択し、効率的に学力を向上させることができます。

  • 放課後自習支援室

    • 大手個別指導塾「スクールTOMAS」と提携し、校内に夜8時まで利用可能な自習支援室を開設しています。部活動が終わった後でも、集中できる環境で学習に取り組める、非常に心強いサポートです。

  • 手厚い進路指導とOBとの交流

    • 専門の教員が進路指導室に常駐し、いつでも相談に乗ってくれます。また、三田学園の強みは、社会の第一線で活躍する卒業生との強いつながりです。「先輩を囲む会」などのイベントでは、様々な職業の先輩から直接話を聞くことができ、自分の将来を具体的に考える貴重な機会となっています。

三田学園高等学校の特長・アピールポイント

他の高校にはない、三田学園ならではの強みやユニークな取り組みをまとめました。

  • 広大な自然に囲まれた、大学のようなキャンパス

    • 約16万平方メートルもの広大な敷地は、まさに圧巻。四季折々の自然を感じながら、のびのびとした学校生活を送ることができます。この恵まれた環境が、生徒たちの豊かな感性を育んでいます。

  • 未来を切り拓く、独自の探究学習プログラム

    • ロボット製作やプログラミングに取り組む「STREAM教育」や、世界で活躍するための力を養う「GCP」など、単なる受験勉強にとどまらない、将来に生きる力を育む先進的な学びが充実しています。

  • 本物の「文武両道」を実現できる環境

    • 全国レベルの部活動に打ち込みながら、国公立大学や難関私立大学を目指せる環境は、三田学園最大の魅力です。どちらも中途半端に終わらせない、本気で両立を目指す生徒を全力で応援する風土があります。

  • 生徒の自主性を尊重する「自由」な校風

    • 緩やかな校則や、生徒主体で運営される学校行事は、生徒一人ひとりの自主性と責任感を育みます。自由な雰囲気の中で、自分らしさを大切にしながら成長することができます。

  • プロが支える万全の学習・進路サポート体制

    • 夜8時まで利用できる専門家常駐の自習室や、社会で活躍する卒業生との交流会など、生徒の「学びたい」という意欲と将来の夢を、学校全体で力強くバックアップする体制が整っています。

  • 全員にタブレットを貸与する最先端のICT環境

    • 全生徒にタブレット端末が貸与され、日々の授業や小テスト、先生への質問など、あらゆる場面で活用されています。ICTを使いこなすスキルは、これからの社会で必須の力となります。

三田学園高等学校の口コミ・評判のまとめ

在校生や卒業生からのリアルな声を集めました。良い点だけでなく、気になる点も知ることで、より深く学校を理解できるはずです。

良い点

  • とにかく自由でのびのびしている

    • 「自由度が高くて良い学校」という声が圧倒的に多く、生徒の自主性を重んじる校風が高く評価されています。

  • キャンパスが広くて自然が豊か

    • 「綺麗で広くて自然がいっぱい!」と、恵まれた学習環境を魅力に感じる生徒が多数います。美しいキャンパスで過ごす3年間は、かけがえのないものになるようです。

  • 先生のサポートが手厚い

    • 「先生方の面倒見がとても良い」「親身に相談に乗ってくれる」など、生徒一人ひとりに寄り添う丁寧な指導が評判です。

  • 勉強と部活を本気で両立できる

    • 「文武両道ができる学校」という口コミ通り、学業と部活動のどちらにも真剣に取り組める環境が整っています。

  • 一生の友達ができる

    • 「人間関係が本当に充実する」「一生付き合える友達ができる」といった声が多く、生徒同士の仲が良く、強い絆で結ばれていることがうかがえます。

気になる点

  • 施設の一部が古い

    • 100年以上の歴史があるため、「ところどころ古びた設備が気になる」という意見もあります。ただし、ICT環境の整備など、新しい投資も積極的に行われています。

  • 先生の考え方が少し古いと感じることも

    • 伝統校ならではの面として、「先生の頭が固い」「古い体制」といった、一部の教員に対する厳しい意見も少数ながら見られます。

  • 国公立大学への進学を重視する傾向

    • 進学指導において、「国公立大学合格しか評価していないのでは」と感じる生徒もいるようです。私立大学を第一志望に考えている場合は、その点を理解しておく必要があるかもしれません。

  • 制服のデザインの好みが分かれる

    • 「制服のデザインが少し残念」という声が一定数あり、好みが分かれるようです。

アクセス・通学

三田学園は、非常に交通の便が良い場所にあります。

  • 最寄り駅からのアクセス

    • 神戸電鉄「横山駅」:下車すぐ、徒歩約1分。駅の目の前が校門なので、雨の日でも安心です。

    • 神姫バス「市立図書館前」停留所:徒歩約2〜4分

    • 神姫バス「三田学園」停留所:徒歩約3分

  • 主な通学エリア

    • 最寄り駅が非常に近いため、三田市内はもちろん、神戸市、西宮市、宝塚市、さらには大阪方面など、広範囲から多くの生徒が通学しています。

    • 主な駅からの所要時間の目安は、JR・阪急「宝塚駅」から約20分、各線「三宮駅」から約40分、阪急「西宮北口駅」から約45分となっており、阪神間の主要都市からのアクセスも良好です。

三田学園高等学校受験生へのワンポイントアドバイス

ここまで読んでくれてありがとうございます。最後に、進学アドバイザーとして、三田学園を目指す君にメッセージを送ります。

もし君が、「勉強も部活も趣味も、何一つ諦めたくない」「自由な環境で、自分の可能性を思い切り試してみたい」と願うなら、三田学園は最高の舞台になるはずです。ここは、やらされるのではなく、自ら学び、考え、行動する生徒を心から応援してくれる場所。好奇心旺盛で、自分の頭で考えて行動するのが好きな君にこそ、ぴったりの学校だと思います。

受験勉強では、まずは全教科の基礎を固めることを徹底してください。三田学園高等学校は、バランスの取れた生徒を求めています。苦手科目から逃げず、コツコツと向き合う姿勢が大切です。そして、学校の成績である内申点も、君の日々の努力を示す重要な指標になります。一日一日の授業を大切にしましょう。高校生活は、君が主役の物語です。三田学園高等学校という素晴らしい舞台で、君だけの最高の物語を紡いでいく姿を、心から応援しています。

※最新かつ正確な情報は、必ず高校の公式サイトや学校説明会で確認してください。