函館工業高等専門学校、通称「函館高専」は、中学校を卒業した後の5年間、専門的な技術者を育てるための国立の高等教育機関です。普通高校とは少し違い、大学のように専門分野を深く、そして早くから学べるのが大きな特徴。ロボットコンテスト(ロボコン)など、テレビで見たことがある人もいるかもしれませんね。
函館工業高等専門学校の基本情報
函館工業高等専門学校の偏差値・難易度・併願校
学科ごとの偏差値 生産システム工学科: 64 物質環境工学科: 64 社会基盤工学科: 63
難易度のイメージ
偏差値63〜64というのは、北海道内の高校の中でも上位に位置します。同じくらいの偏差値の高校としては、函館中部高等学校(理数科)、札幌月寒高等学校、北見北斗高等学校などが挙げられます。合格に必要な内申点の目安としては、Cランク(内申点265点)からDランク(内申点245点)あたりが一つの目安となりそうですが、函館高専の入試では学力検査の比重が大きいのが特徴です。特に数学と理科の得点が2倍に換算されるため、これらの科目が得意な生徒に有利な試験となっています。 主な併願校
函館高専を第一志望とする受験生の多くは、併願校として地域の私立高校を選ぶ傾向があります。 函館ラ・サール高等学校 遺愛女子高等学校 函館白百合学園高等学校
函館工業高等専門学校に設置されている学科・コース
生産システム工学科 何を学ぶ?:機械、電気電子、情報の3つのコースがあり、ロボットやコンピュータ、エネルギーなど、現代社会を支えるものづくりの根幹を学びます。 こんな人におすすめ!:ロボット開発やプログラミング、電子工作に興味がある人。
物質環境工学科 何を学ぶ?:化学や生物の知識をベースに、新しい材料の開発や地球環境問題の解決に取り組むための技術を学びます。 こんな人におすすめ!:環境問題や新素材、バイオテクノロジーに関心がある人。
社会基盤工学科 何を学ぶ?:人々が安全で快適に暮らすための社会インフラ(道路、橋、ダム、まちづくりなど)を計画・設計・維持管理する技術を学びます。 こんな人におすすめ!:地図に残るような大きな仕事や、地域の防災、まちづくりに貢献したい人。
函館工業高等専門学校の特色・校風
校風キーワード :自主自律、専門性の追求、自由な雰囲気宿題の量 :専門科目が多く、レポートや課題は普通高校に比べて多いという声が多いようです。しかし、自分の興味のある分野なので、楽しみながら取り組んでいる生徒も少なくありません。校則 :校則は他の高校と比べて非常に緩やかです。制服はなく私服での通学が認められており、髪型や髪色も自由です。アルバイトも届出をすれば可能で、多くの生徒が学業と両立させているようです。スマートフォンの持ち込みや使用についても特に厳しい制限はないようです。生徒たちの雰囲気 :専門分野への探究心が旺盛で、真面目で落ち着いた生徒が多い印象です。共通の興味を持つ仲間と深く語り合える環境があります。制服の評判 :制服がないため、生徒は思い思いの服装で学校生活を楽しんでいます。土曜授業 :土曜授業は基本的にありません。
函館工業高等専門学校の部活動・イベント
部活動
運動部・文化部 :陸上、野球、サッカー、バスケなどの運動部から、吹奏楽、軽音楽などの文化部まで約40のクラブ・愛好会があり、活発に活動しています。高専ならではの部活動 :ロボット研究会 :高専の代名詞とも言える「アイデア対決・全国高等専門学校ロボットコンテスト(ロボコン)」への出場を目指し、日々ロボット製作に励んでいます。ものづくりが好きな生徒にとっては、最高の環境です。プロコン研究会 :「全国高等専門学校プログラミングコンテスト(プロコン)」に出場し、全国のライバルとプログラミングの技術を競い合います。e-sports愛好会 :近年注目を集めるeスポーツに本格的に取り組む愛好会もあり、イベント開催なども行っています。
イベント
高専祭 :毎年秋に開催される文化祭で、最大のイベントです。各クラスや部活動が出店する模擬店や、学科ごとの専門知識を活かした展示、ステージ企画などで大変盛り上がります。地域住民も多く訪れ、学生たちの学びの成果を発表する貴重な機会となっています。体育祭 :学科対抗で様々な競技が行われ、クラスや学科の団結力が深まります。修学旅行 :行き先は年によって異なりますが、国内外の文化や技術に触れる貴重な体験となります。
函館工業高等専門学校の進学実績
主な進路 :卒業生の約半数が就職し、残りの半数が大学への編入や専攻科への進学を選びます。進学・就職率はほぼ100%です。国公立大学への編入 :
高専の5年間を卒業すると、4年制大学の3年次に編入することができます。これは、高専で学んだ専門知識が大学レベルに相当すると認められているからです。 主な編入先:北海道大学、東北大学、長岡技術科学大学、豊橋技術科学大学、室蘭工業大学、北見工業大学など、全国の国公立大学へ多数の合格者を出しています。
就職 :
就職希望者の就職率は非常に高く、多くの有名企業から求人が寄せられます。 主な就職先:北海道電力、JR北海道、東京ガス、国土交通省北海道開発局など、インフラを支える企業や官公庁、その他にも製造業や情報通信業など、幅広い分野で卒業生が活躍しています。
専攻科への進学 :
函館高専には、本科5年間の教育の上にさらに2年間の高度な教育を行う「専攻科」が設置されています。専攻科を修了すると、4年制大学卒業と同じ「学士」の学位が授与され、大学院への進学も可能になります。
函館工業高等専門学校の特長・アピールポイント
5年間の一貫教育で専門性を極める
中学卒業後すぐに専門分野の学習をスタートでき、5年間かけてじっくりと知識と技術を深めることができます。大学受験に左右されず、自分の好きなことに没頭できる環境です。 驚異的に高い就職率と質の高い就職先
企業からの評価が非常に高く、毎年多くの求人が寄せられます。大手企業や官公庁への就職実績も豊富で、安定した将来を描きやすいのが魅力です。 国公立大学への編入という選択肢
5年間学んだ後、さらに学びを深めたい学生のために、全国の国公立大学への編入の道が広く開かれています。高専からの編入は、一般入試よりも有利な場合が多いと言われています。 自由で大学のような校風
校則が緩やかで、生徒の自主性を尊重する校風です。私服通学やアルバイトも可能で、のびのびとした雰囲気の中で学生生活を送ることができます。 ロボコンやプロコンなど、実践的な学びの場が豊富
授業で学んだ知識を活かして、ロボットコンテストやプログラミングコンテストなどの全国規模の大会に挑戦できます。仲間と協力して一つのものを作り上げる経験は、何物にも代えがたい財産になります。
函館工業高等専門学校の口コミ・評判のまとめ
良い点 「専門的なことを早くから学べるので、将来の夢が決まっている人には最高の環境。」 「就職にも進学にも強く、将来の選択肢が広がるのが良い。」 「校則が自由で、大学のような雰囲気。先生との距離も近く、質問しやすい。」 「同じ趣味や目標を持つ仲間がたくさんいるので、話が合って楽しい。」 「設備が充実していて、実験や実習が面白い。」
気になる点 「専門科目の勉強は難しく、レポートや課題が多いので、楽ではない。」 「興味がない分野だと、5年間勉強を続けるのは少し大変かもしれない。」 「駅から少し距離があり、坂の上にあるので通学が少し大変という声もある。」 「女子生徒の割合が学科によっては少ないことがある。」
アクセス・通学
最寄り駅・バス停からのアクセス JR函館駅から函館バス(82系統 滝沢町行き)に乗車、「高専前」下車(所要時間約35分)。 函館市電「湯の川」電停から徒歩約20分。
通学エリア
函館市内からの通学生が最も多いですが、北斗市や七飯町など近隣の市町からも多くの生徒が通学しています。また、遠方からの生徒のために学生寮(春潮寮)も完備されています。
函館工業高等専門学校受験生へのワンポイントアドバイス