高校選びは、自分の未来を考える大切な一歩ですね。今回は、長い歴史を持ちながら、生徒一人ひとりの「自分だけの未来」を応援するユニークな教育で注目を集める山形県立天童高等学校をご紹介します。この学校の最大の特徴は、自分の興味や目標に合わせて時間割を組み立てられる「総合学科」。まさに、自分の可能性を探求するための場所と言えるでしょう。
天童高等学校は、ただ勉強するだけの場所ではありません。全国レベルで活躍する部活動に打ち込んだり、地域のお祭りに参加して天童市を盛り上げたりと、たくさんの経験を通して大きく成長できる環境が整っています。文武両道と地域貢献を大切にする校風の中で、かけがえのない仲間たちと充実した3年間を過ごすことができます。
この記事では、偏差値や学科の詳しい情報はもちろん、校則や学校行事、先輩たちのリアルな口コミまで、皆さんが本当に知りたい情報を余すところなくお伝えします。天童高等学校が、あなたの夢を叶えるための最高の舞台になるかどうか、一緒に見ていきましょう。
天童高等学校の基本情報
まずは、学校の基本的な情報を確認しておきましょう。学校見学や問い合わせの際に役立ててください。
項目 | 内容 |
正式名称 | 山形県立天童高等学校 |
公立/私立の別 | 公立 |
共学/男子校/女子校の別 | 男女共学 |
所在地 | 〒994-0021 山形県天童市大字山元850番地 |
代表電話番号 | 023-653-6121 (職員室) / 023-653-6120 (事務室) |
公式サイトURL | https://www.tendo-h.ed.jp/htdocs/ |
天童高等学校の偏差値・難易度・併願校
高校選びで気になるのが、やはり偏差値と難易度。天童高等学校を目指す上で、自分の学力と合っているかを確認するための目安にしてください。
偏差値
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総合学科: 44 – 52
天童高等学校の偏差値は、調査機関によって40台半ばから50台前半と幅広く提示されています。これは、模試の種類やデータ収集の方法が異なるためです。おおよそ偏差値50前後が、県内の公立高校の中での一つの目安と考えると良いでしょう。基礎をしっかりと固め、苦手科目をなくすことが合格への鍵となります。
難易度と内申点の目安
偏差値が同じくらいの他の高校としては、鶴岡中央高等学校(普通科)、山形工業高等学校(建築科)、新庄南高等学校(普通科)などがあります。これらの高校と比較することで、天童高等学校の学力的な位置づけがより具体的にイメージできるはずです。
また、山形県の公立高校入試では、中学校での成績をまとめた「内申点」も非常に重要です。推薦入試などを考えている場合、学校が示す出願要件の一つに「評定合計が27以上」という基準があります。これは9教科の5段階評価の合計なので、平均してオール3以上が求められることになります。日々の授業態度や提出物を大切にし、定期テストで着実に点数を取ることが合格に繋がります。
主な併願校
山形県の高校入試では、公立高校を複数同時に受験することはできません。そのため、万が一に備えて私立高校を併願校として受験するのが一般的です。天童高等学校を受験する生徒が多く選ぶ併願校としては、以下のような私立高校が挙げられます。
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東海大学山形高等学校
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日本大学山形高等学校
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惺山高等学校
これらの高校は、コースによって難易度が異なるため、自分の学力や挑戦したいレベルに合わせて選ぶことが大切です。
天童高等学校に設置されている学科・コース
天童高等学校の最大の特徴は、ユニークな「総合学科」にあります。ここでは、その仕組みと魅力について詳しく解説します。
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総合学科
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どんなことを学ぶ場所か: 1年生で基礎を学んだ後、2年生から「文理総合」「ビジネス総合」「保健福祉」の3つの系列(コースのようなもの)に分かれ、自分の興味や進路希望に合わせて専門的な科目を自由に選択し、自分だけの時間割を作ります。
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どんな生徒におすすめか: 「まだ将来の夢が決まっていないから、色々な分野を学んでみたい」「大学進学、専門学校、就職など、幅広い選択肢の中から自分に合った道を見つけたい」という生徒に最適です。
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3つの「系列」紹介
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文理総合系列
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内容: 国公立大学や私立大学への進学を目指し、文系・理系の枠にとらわれず、受験に必要な科目を深く学びます。幅広い選択科目から、自分の目標に合わせて学習計画を立てられるのが魅力です。
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おすすめな人: 4年制大学への進学を考えている人や、高校生活を通してじっくりと自分の進路を考えたい人。
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ビジネス総合系列
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内容: 簿記や情報処理といった資格取得に直結する知識や、地域活性化を考える「観光ビジネス」など、社会で即戦力となる実践的なスキルを学びます。
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おすすめな人: 商業系の専門学校や大学への進学、または卒業後に地元企業などで活躍したい人。
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保健福祉系列
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内容: 看護師や介護福祉士、保育士などを目指すための専門的な系列です。福祉施設での実習や、短期大学と連携した授業など、現場で役立つ知識と技術を体験的に学びます。
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おすすめな人: 将来、医療・看護・福祉・保育の分野で働くという明確な目標を持っている人。
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この「自分で選べる」システムは、主体的に学ぶ力を育む大きな長所ですが、一方で注意点もあります。国公立大学の一般入試など、非常に高いレベルの学力が求められる進路を目指す場合、進学校のような特化したカリキュラムではないため、自分自身で強い意志を持って学習を進める必要があります。口コミでは「就職や専門学校には強いが、難関大学を目指すには少し物足りないかも」という声も見られます。自分の目標と学校の特性が合っているかを考えることが重要です。
天童高等学校の特色・校風
どんな雰囲気の学校で、どんな毎日を送ることになるのか、気になりますよね。ここでは、天童高校の特色や校風を、口コミなどを基に詳しく見ていきましょう。
キーワード:文武両道、地域貢献、自分探し、あいさつ日本一
リアルな学校生活のQ&A
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宿題の量は多い?少ない?
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進路によって差があるようです。大学進学を目指す文理総合系列の生徒は、課題や講習が多く、しっかりと勉強する環境が整っています。一方、専門的な学習が中心の系列では、資格取得に向けた勉強が主になります。
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校則は厳しい?緩やか?
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県立高校として標準的か、やや厳しいと感じる生徒もいるようです。特に服装や頭髪に関する規定はしっかりしており、パーマや染髪、化粧、アクセサリーは禁止されています。社会人として必要なマナーを身につけることを重視していると言えるでしょう。スマホの校内での使用については、多くの学校と同様に授業中の使用は禁止など、一定のルールが定められていると考えられます。
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生徒たちの雰囲気は?
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「明るい生徒が多い」という声が聞かれます。総合学科という特性上、大学進学を目指す生徒から、専門職や就職を目指す生徒まで多様な目標を持った生徒が集まっています。そのため、一部の口コミでは「真面目な生徒とそうでない生徒の差がある」という指摘もありますが、全体的には和気あいあいとした雰囲気のようです。
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アルバイトは可能?
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原則として禁止されています。ただし、特別な事情がある場合は、保護者と連名で学校に願い出て許可を得る必要があります。学業や部活動に専念してほしいという学校の方針がうかがえます。
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制服の評判は?
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男女ともにブレザースタイルです。男子はネクタイ、女子はリボンを着用します。白シャツと青シャツ、それぞれに合わせたネクタイ・リボンがあり、季節や好みに合わせて選べるようです。落ち着いたデザインで、着こなしやすいと評判です。
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土曜授業はある?
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平常の授業は土曜日にはないようですが、模試や進学希望者向けの講習などが行われることはあります。
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学校全体としては、「あいさつ日本一」を目指しており、礼儀やマナーを大切にする文化が根付いています。また、口コミでよく指摘される点として「校舎が古い」という意見があります。最新の設備を期待していると、少しギャップを感じるかもしれません。
天童高等学校の部活動・イベント
部活動
天童高等学校の大きな魅力の一つが、非常に活発な部活動です。多くの部が全国大会で輝かしい成績を収めており、高校で何かに本気で打ち込みたい生徒にとって最高の環境と言えるでしょう。
全国レベルで活躍する強豪部!
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弓道部: 2019年にインターハイで女子団体が全国優勝を果たすなど、全国屈指の強豪校として知られています。静寂の中、集中力を高めて的を射る姿は圧巻です。
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なぎなた部: 他の高校ではあまり見られない珍しい部活動ですが、こちらも全国大会の常連。団体戦で全国5位に入るなど、高い実力を誇ります。礼儀作法も身につきます。
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空手道部: 29年連続で全国大会に出場したという驚異的な記録を持つ伝統ある部です。心身ともに鍛えたい生徒に人気です。
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ダンス部: 近年、特に目覚ましい活躍を見せている部です。全国のダンスドリル大会で3位や5位に入賞するなど、キレのあるパフォーマンスで高い評価を得ています。
これらの部活動は、天童高等学校の顔とも言える存在です。本気で日本一を目指したいという高い志を持つ生徒にとっては、この上ない環境が整っています。
その他にも多彩な部活動が充実
運動部は野球部、サッカー部、女子バレーボール部など、文化部は吹奏楽部、演劇部、美術部などが活発に活動しています。特にユニークなのが「総合文化部」で、書道、華道、茶道、報道といった様々な文化活動を体験できます。部活動への加入率も高く、多くの生徒が勉強と両立させながら、仲間と共に汗を流し、充実した日々を送っています。
イベント
天童高等学校の学校生活を彩るイベントは、生徒たちの手で作り上げられ、毎年大きな盛り上がりを見せます。
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天高祭(文化祭): 毎年8月末から9月頃に開催される学校最大のイベントです。3年生が中心となって運営する模擬店は、食べ物から飲み物までバラエティ豊か。2年生は縁日やお化け屋敷、1年生はクラス発表など、学年ごとに工夫を凝らした企画が満載です。文化部の展示やステージ発表も見どころの一つで、一般公開日には多くの地域住民も訪れ、活気に満ちあふれます。
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クラスマッチ(体育祭): 年に数回、球技を中心に行われます。冬にはバスケットボールやバレーボールで熱戦が繰り広げられ、クラスの団結が一気に高まります。学年の垣根を越えた応援合戦も、大きな盛り上がりを見せます。
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修学旅行: 2年生の秋に実施される一大イベントです。行き先は年によって異なりますが、仲間と過ごす数日間は、高校生活で最も忘れられない思い出の一つになるでしょう。
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地域との交流イベント: 天童市ならではのユニークな活動も魅力です。春の「天童桜まつり」では、生徒が甲冑を身につけて将棋の駒になる「人間将棋」に参加。夏の「天童夏まつり」では、「花笠おどりパレード」に参加するなど、地域の一員としてお祭りを盛り上げます。
天童高等学校の進学実績
卒業後の進路は、生徒一人ひとりの目標に応じて多岐にわたります。総合学科の特性を活かし、多様な未来を実現しているのが天童高等学校の強みです。
進路状況の全体像
卒業生のうち、約8割が進学し、約2割が就職します。進学先の内訳を見ると、4年制大学、短期大学、そして専門学校がバランス良く含まれていますが、特に看護・医療系や公務員などを目指せる専門学校への進学者が多いのが特徴です。
最新の大学進学実績(2024年3月卒業生)
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4年制大学進学:31名
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短期大学進学:16名
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専修・各種学校進学:52名
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就職・その他:33名
主な進学先
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国公立大学: 地元の山形大学や山形県立保健医療大学をはじめ、福島大学など、東北地方の国公立大学への合格実績があります。数は多くありませんが、文理総合系列から着実に合格者を出しています。
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難関私立大学: 駒澤大学や日本大学といった全国的に有名な私立大学への合格実績もあります。
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その他、進学者が多い大学・短大: 東北学院大学、東北福祉大学、東北文教大学といった宮城県や山形県内の私立大学への進学が目立ちます。また、羽陽学園短期大学や東北文教大学短期大学部など、地元の短期大学へも多数進学しています。
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専門学校・就職: 天童高等学校の大きな強みです。看護・医療系では、山形厚生看護学校や山形医療技術専門学校などへ多数進学。就職では、県警や市役所、消防といった公務員や、地元の優良企業への就職実績が豊富です。
進路実現を支える取り組み
大学進学希望者向けの夏期・冬期講習や、公務員試験対策講座など、生徒一人ひとりの目標に合わせたきめ細やかな進路指導が行われています。推薦入試やAO入試を活用して進学する生徒も多く、部活動やボランティア活動での頑張りが評価されるケースも多いようです。
天童高等学校の特長・アピールポイント
他の高校にはない、天童高等学校ならではの魅力を5つのポイントにまとめました。
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未来を自分でデザインできる「総合学科」
1年生でじっくり自分の適性を見極め、2年生からは興味のある分野の授業を自由に選択できます。大学進学、資格取得、就職など、どんな目標にも対応できる柔軟なカリキュラムが最大の強みです。
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全国で輝く、本気の部活動
弓道部、なぎなた部、空手道部、ダンス部など、全国大会で優勝や上位入賞を果たす強豪部が揃っています。高校生活を何かに懸けたい、高いレベルで挑戦したいという生徒にとって、最高の環境が待っています。
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多様な進路を叶える手厚いサポート体制
大学進学だけでなく、看護・医療系の専門学校や公務員、地元企業への就職にも非常に強い実績を持っています。一人ひとりの夢に寄り添い、実現まで力強くサポートしてくれるのが魅力です。
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地域に根ざしたユニークな学校行事
将棋の駒になる「人間将棋」や、夏祭りの「花笠おどりパレード」への参加など、天童市という地域と深く関わる他では体験できないイベントが豊富です。地域への愛着と誇りを育むことができます。
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社会で役立つ「人間力」を育む校風
学校全体で「あいさつ日本一」を目指すなど、礼儀やマナーを重んじる指導に力を入れています。部活動や地域貢献活動を通して、社会人として必要な協調性や責任感を自然と身につけることができます。
天童高等学校の口コミ・評判のまとめ
ここでは、在校生や卒業生から寄せられたリアルな声を、良い点と気になる点に分けて公平にご紹介します。
良い点
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「自分のやりたいことを見つけられる学校」
総合学科で色々な授業を受けられるので、将来の目標が明確になったという声が多いです。特に専門職を目指す生徒からの評価が高いようです。
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「部活動が本当に盛んで、やりがいがある」
全国レベルの部活で本気で打ち込める環境や、仲間との一体感を魅力に感じる声が多数あります。文武両道を実践できる点が評価されています。
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「天高祭などの行事が楽しく、クラスの団結力が強い」
生徒が主体となって作り上げるイベントが多く、学年を超えて仲良くなれる機会が豊富です。最高の思い出が作れたという卒業生の声が聞かれます。
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「就職や専門学校へのサポートが手厚い」
先生方が親身に進路相談に乗ってくれる、公務員対策講座などが充実しているなど、就職・専門学校志望者からの信頼が厚いようです。
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「あいさつや礼儀が身についた」
社会に出てから、高校時代に教わったマナーの大切さを実感したという声も多く、人間的な成長ができる場所として評価されています。
気になる点
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「校舎や施設が少し古い」
これは多くの口コミで指摘されている点です。最新のきれいな校舎をイメージしていると、少しがっかりするかもしれません。
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「難関大学の一般入試を目指すには、少し物足りないかも」
総合学科の特性上、進学校と比べると大学受験に特化した雰囲気ではないという意見があります。高い目標を持つ生徒は、塾などを活用しながら、自分で学習を進める努力が必要になりそうです。
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「生徒間の学習意欲に差があるように感じる」
様々な目標を持つ生徒が集まるため、クラスによっては授業の雰囲気にばらつきがある、という声も一部で見られます。
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「駅から遠くて通学が少し大変」
最寄り駅から徒歩で30分近くかかるため、特に遠方から通う生徒にとっては少し不便に感じるかもしれません。
アクセス・通学
天童高等学校への主な通学方法です。自宅からのルートを確認しておきましょう。
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最寄り駅からのアクセス
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JR奥羽本線「乱川駅」から徒歩で約25分~33分
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JR奥羽本線「天童駅」から徒歩で約30分~33分
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バスでのアクセス
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「熊野神社前」バス停から徒歩で約15分~18分
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駅から少し距離があるため、駅から自転車を利用する生徒や、近隣から自転車で直接通学する生徒が多いようです。通学エリアとしては、天童市内はもちろん、東根市、村山市、寒河江市など、周辺の市町村から通う生徒が中心です。
天童高等学校受験生へのワンポイントアドバイス
ここまで読んでくれてありがとうございます。最後に、進学アドバイザーとして、天童高等学校を目指す皆さんへ応援メッセージを送ります。
天童高等学校は、「高校で何か一つのことに本気で打ち込みたい!」という情熱を持つ君に特におすすめの学校です。それが全国レベルの部活動でも、専門分野の資格取得でも、地域を盛り上げるボランティア活動でも、君の「やりたい」という気持ちを全力で応援してくれる場所です。まだ夢が見つかっていなくても大丈夫。総合学科の多様な学びの中で、きっと心から熱中できる何かに出会えるはずです。
受験勉強では、5教科の基礎を固めることが何よりも大切です。苦手な分野から逃げずに、一つひとつ着実に克服していきましょう。そして、天童高等学校は面接や作文も重視します。「高校で何を学びたいか」「将来どんな自分になりたいか」を自分の言葉で語れるように、今からじっくり考えてみてください。君の挑戦を心から応援しています!
※最新かつ正確な情報は、必ず高校の公式サイトや学校説明会で確認してください。