1906年(明治39年)創立という1世紀以上の長い歴史と伝統を誇る新潟県立巻高等学校。豊かな自然に囲まれた閑静な環境のなかで、生徒たちは日々勉学や部活動に励んでいます。通称「巻高(まきこう)」として、地域に親しまれている進学校です。

巻高等学校の大きな魅力は、「文武両道」の精神が今もなお息づいていること。学習と部活動、そして学校行事のすべてに全力で打ち込むことで、心身ともにバランスの取れた豊かな人間性を育むことを目指しています。単位制の特色を活かしたきめ細やかな指導も、生徒一人ひとりの進路実現を力強くサポートしています。

この記事では、そんな巻高等学校について、偏差値や校風、進学実績から在校生のリアルな口コミまで、受験生や保護者の皆さんが本当に知りたい情報を、進学アドバイザーの視点から分かりやすく、そして詳しく解説していきます。この記事を読んで、あなたの高校選びの参考にしてください。

新潟県立巻高等学校の基本情報

巻高等学校の基本的な情報を以下の表にまとめました。

項目 内容
正式名称 新潟県立巻高等学校
公立/私立の別 公立
共学/男子校/女子校の別 男女共学
所在地 〒953-0044 新潟県新潟市西蒲区巻乙30-1
代表電話番号 0256-72-2351
公式サイトURL http://www.maki-h.nein.ed.jp/

新潟県立巻高等学校の偏差値・難易度・併願校

新潟県内でも人気の高い巻高等学校の偏差値や難易度について見ていきましょう。

偏差値・難易度

2025年度の巻高等学校の偏差値は「58〜59」程度とされています。これは新潟県内の公立高校の中では上位に位置し、しっかりとした学力が求められるレベルと言えるでしょう。

合格に必要な内申点の目安は一概には言えませんが、日頃の授業態度や定期テストの成績が重要になることは間違いありません。合格者の平均的な当日点は380点前後という情報もありますが、まずは基礎を固め、苦手科目をなくすことが合格への近道です。

同じくらいの偏差値の高校としては、三条高校や新潟江南高校などが挙げられます。これらの高校と比較検討してみるのも良いでしょう。

主な併願校

新潟県の公立高校入試では、基本的に公立高校を複数併願することはできません。そのため、巻高等学校を第一志望とする受験生の多くは、私立高校を併願校として選択します。

主な併願校としては、以下のような高校が挙げられます。

  • 北越高等学校

  • 東京学館新潟高等学校

  • 日本文理高等学校

  • 新潟第一高等学校

これらの私立高校はそれぞれ特色あるコースを設置しているため、万が一の場合の進学先としてだけでなく、自分の興味や目標に合わせて選ぶことが大切です。

新潟県立巻高等学校に設置されている学科・コース

巻高等学校は、多様な進路希望に対応できる柔軟な教育課程が魅力です。

  • 全日制課程 普通科(単位制)

    • 自分の興味・関心や進路希望に合わせて、多種多様な科目の中から時間割を作成できるのが大きな特長です。少人数での授業も多く、一人ひとりの学力をきめ細かく伸ばす環境が整っています。文系・理系といった大枠にとらわれず、幅広い分野を学びたい生徒や、早くから明確な目標を持っている生徒におすすめです。

新潟県立巻高等学校の特色・校風

巻高等学校の雰囲気や生徒たちの日常について、口コミなどを基に詳しくご紹介します。

学校全体の雰囲気を示すキーワードは「文武両道」「自主自律」「落ち着いた雰囲気」です。100年以上の伝統校らしい風格と、生徒の主体性を尊重する自由な校風が共存しているようです。

  • 宿題の量:口コミでは「多い」という声が目立ちます。特に、数学の小テストや英単語テストが毎週のように行われるなど、日々の学習習慣が身につくような仕組みがあるようです。自称進学校と評されることもありますが、これは手厚い学習サポートの裏返しとも言えるでしょう。

  • 校則:他の高校と比較して「厳しすぎず、緩すぎず」という意見が多いようです。「頭髪は常に清潔に」「装身具は認めない」といった基本的な規定はありますが、スマートフォンの持ち込みは許可されており、校内での使用もマナーを守れば可能なようです。服装検査は定期的に行われるものの、常識の範囲内であれば厳しく指導されることは少ないとの声が見られます。

  • 生徒たちの雰囲気:全体的に「穏やかで優しい人が多い」という評判です。真面目に学習に取り組む生徒が多い一方で、行事などでは一丸となって盛り上がる活気も持ち合わせているようです。

  • アルバイト:原則として禁止されていますが、家庭の事情など、やむを得ない場合は許可制で可能となるようです。

  • 制服の評判:伝統的なデザインの制服です。女子の制服は、冬服が紺色のスーツスタイルで、夏服は白のブラウスに紺色のスカートとリボンです。

  • 土曜授業:基本的には土曜授業はありませんが、模試などが実施されることはあるようです。

新潟県立巻高等学校の部活動・イベント

部活動

「文武両道」を掲げる巻高等学校は、部活動が非常に盛んです。運動部、文化部ともに多くの部が活発に活動しています。

  • 運動部:特にホッケー部は男女ともに全国大会の常連として知られています。野球部やサッカー部、バレーボール部なども強豪として県内で有名です。珍しい部活動としては、ラグビー部があります。

  • 文化部:放送部が全国大会に出場するなど、高い実績を誇っています。その他にも、吹奏楽部や書道部、文芸部、理科・天文部など、多彩な文化部が活動しており、生徒たちは自分の興味に合わせて活動を楽しんでいます。

イベント

巻高等学校では、生徒たちが主体となって創り上げる学校行事が年間を通して数多く開催され、学校生活を彩ります。

  • 白楊祭(はくようさい):巻高で最も盛り上がるイベントの一つです。6月に行われる「体育の部(体育祭)」と9月に行われる「文化の部(文化祭)」の二部構成になっています。体育祭ではクラス対抗で様々な競技に熱中し、文化祭では各クラスや文化部が趣向を凝らした展示や発表、ステージパフォーマンスを繰り広げます。

  • クラスマッチ:7月に開催される球技大会です。クラスの団結力を高める絶好の機会となっています。

  • 修学旅行:2年次の12月に関西方面へ3泊4日で訪れることが多いようです。仲間との絆を深める貴重な思い出となります。

  • ロードレース:秋には体力づくりを目的としたロードレース(マラソン大会)も実施されます。

新潟県立巻高等学校の進学実績

伝統的に国公立大学への進学に強い巻高等学校ですが、最新の進学実績を見ていきましょう。

主な大学進学実績(2024年)

  • 国公立大学:新潟大学に38名が合格しているのをはじめ、山形大学6名、長岡技術科学大学6名など、合計で100名以上の国公立大学合格者を輩出しています。旧帝大クラスの難関大学にも合格者が出ています。

  • 難関私立大学:GMARCH(学習院、明治、青山学院、立教、中央、法政)には6名、日本大学、東洋大学、駒澤大学といった大学にも多数の合格者を出しています。

  • その他:地元の新潟医療福祉大学や新潟薬科大学、新潟国際情報大学などへの進学者も多い傾向があります。

進路サポート

進学実績を支える取り組みとして、入学直後から大学受験を見据えた授業展開や、夏季・冬季休業中の講習が充実しています。また、「総合的な探究の時間(白楊クエスト)」を通じて、様々な分野で活躍する社会人の話を聞く機会や、大学訪問などが設けられており、生徒が早期から自分の進路と向き合うきっかけ作りを大切にしています。

新潟県立巻高等学校の特長・アピールポイント

他の高校にはない、巻高等学校ならではの魅力を5つのポイントにまとめました。

  1. 100年以上の歴史と伝統:卒業生は約3万人にのぼり、社会の様々な分野で活躍しています。この歴史が、落ち着いた校風と地域からの信頼を育んでいます。

  2. 進学重視型単位制:生徒一人ひとりの興味や進路希望に合わせたオーダーメイドの時間割が作成可能です。これにより、得意分野を伸ばし、苦手分野を克服するための効率的な学習ができます。

  3. 独自の探究学習「白楊クエスト」:「自分研究」や「進路探究学習」を通して、将来の目標を明確にし、社会で活躍するための力を養います。

  4. 全国レベルで活躍する部活動:特にホッケー部は全国的な強豪として知られ、高いレベルでスポーツに打ち込みたい生徒にとって非常に魅力的な環境です。

  5. 豊かな自然に囲まれた学習環境:角田山の麓に位置し、校地の脇を西川が流れるなど、四季の移ろいを感じられる美しい自然環境の中で、落ち着いて学習に取り組むことができます。

新潟県立巻高等学校の口コミ・評判のまとめ

在校生や卒業生から寄せられた口コミを、良い点と気になる点に分けて公平にご紹介します。

良い点

  • 「先生方のサポートが手厚い」という声が多く聞かれます。質問に行くと親身になって教えてくれる、進路相談に熱心に乗ってくれるといった評判です。

  • 「行事がとても楽しい」「クラスの団結力が強い」といった、学校生活の充実度に関するポジティブな意見が多数あります。

  • 「文武両道が実現できる環境」であることが高く評価されています。勉強も部活も本気で取り組みたい生徒にとって、最高の環境だという声が多いです。

  • 「生徒が穏やかで、いじめなどもなく安心して過ごせる」という口コミも見られます。

気になる点

  • 「課題が多い」「小テストが頻繁にある」など、学習面での負担を指摘する声があります。自主的に学習を進める習慣がないと、少し大変に感じるかもしれません。

  • 「駅から少し歩く」という意見があります。JR巻駅から徒歩で約15分ほどの距離です。

  • 周辺に娯楽施設が少ないため、放課後に遊ぶ場所は限られる、という声もありますが、その分「学習に集中できる」というメリットと捉えることもできます。

アクセス・通学

巻高等学校へのアクセス方法と、通学エリアについてです。

  • 最寄り駅:JR越後線「巻駅」から徒歩約15分です。

  • バスでのアクセス:「巻高校前」バス停で下車すると、目の前が学校です。

  • 通学エリア:新潟市西蒲区内からの通学者が最も多いですが、隣接する新潟市西区、南区、燕市、弥彦村など、広い範囲から生徒が通学しています。

新潟県立巻高等学校受験生へのワンポイントアドバイス

ここまで読んでくれてありがとう。歴史と伝統の中で、落ち着いて高校生活を送りたい、そして勉強にも部活動にも全力で打ち込みたい、そんなあなたに巻高等学校はぴったりの学校です。先生方のサポートも手厚く、仲間と切磋琢磨しながら自分の夢に向かって大きく成長できる3年間が待っています。

巻高等学校の入試では、中学校3年間の学習内容が幅広く問われます。まずは教科書レベルの基礎知識を完璧にすることが何よりも大切です。特に、日々の積み重ねが重要な英語と数学は、今のうちから苦手分野をなくしておきましょう。自主性を重んじる校風なので、「やらされる勉強」ではなく、「自ら学ぶ姿勢」を今から身につけておくことが、合格、そして入学後の充実した高校生活につながります。あなたの挑戦を心から応援しています!

※最新かつ正確な情報は、必ず高校の公式サイトや学校説明会で確認してください。