三重県立四日市高等学校は、県内トップクラスの学力と、生徒の自主性を最大限に尊重する自由な校風を両立させている、県内屈指の進学校です。単に偏差値が高いだけでなく、勉強も、部活動も、学校行事も、すべてに全力で打ち込む「文武両道」の精神が根付いています。この学校で過ごす3年間は、高いレベルで切磋琢磨できる仲間たちと共に、自分自身を大きく成長させる貴重な時間となるでしょう。

この記事では、そんな四日市高等学校の魅力を、進学アドバイザーの視点から、中学生とその保護者の皆さんに向けて分かりやすく、そして詳しく解説していきます。「四高生」としての誇りを胸に、充実した高校生活を送りたいと考えているあなたのためのガイドです。

四日市高等学校の基本情報

まずは、学校の基本的な情報を確認しておきましょう。

項目 内容
正式名称 三重県立四日市高等学校
公立/私立の別 公立
共学/男子校/女子校の別 男女共学
所在地 三重県四日市市富田四丁目1番43号
代表電話番号 059-365-8221
公式サイトURL https://www.shiko.ed.jp/

四日市高等学校の偏差値・難易度・併願校

四日市高校は、三重県内で最難関の公立高校として知られています。合格を勝ち取るためには、非常に高い学力が求められます。

学科・コースごとの偏差値の目安は以下の通りです。複数の模擬試験機関のデータを参考にすると、その難易度がより明確になります。

  • 普通科 国際科学コース: 偏差値

  • 普通科: 偏差値

この偏差値は、三重県内の高校の中でトップに位置しており、合格するには中学校で常に上位の成績を維持していることが前提となります。

難易度をより具体的にイメージするために、合格に必要な内申点の目安も見てみましょう。内申点は中学時代の学習への取り組みを示す重要な指標です。

  • 普通科を目指す場合、内申点は最低でも40〜41程度が一つの目安とされています。例えば内申点が41あれば当日点は210点程度、36の場合は225点程度と、内申点によって求められる当日点が変わってくる傾向があります。

  • 国際科学コースはさらに高いレベルが求められ、内申点は44〜45と、ほぼ満点に近い成績が必要です。それに加えて、当日点も230〜240点という高得点が目安となります。

同じくらいの偏差値を持つ他の高校としては、桑名高校(理数科)、四日市南高校(数理科学コース)、津西高校(国際科学科)などが挙げられます。これらの高校も県内トップレベルの進学校であり、四日市高校を目指す受験生にとっての比較対象となるでしょう。

三重県の公立高校入試では、原則として他の公立高校を併願することはできません。そのため、四日市高校を受験する生徒の多くは、滑り止めとして私立高校を併願します。主な併願校としては、高い進学実績を誇る以下の私立高校が選ばれることが多いです。

  • 暁高等学校

  • 高田高等学校

  • 海星高等学校

  • 津田学園高等学校

これらの私立高校も難易度が高いため、併願校対策もしっかりと行う必要があります。

四日市高等学校に設置されている学科・コース

四日市高等学校には、生徒一人ひとりの進路希望や興味関心に応えるための2つのコースが設置されています。

  • 普通科

    • どんなことを学ぶ場所か: 幅広い教養と高い学力を身につけ、国公立大学や難関私立大学への進学を目指すコースです。2年次から文系・理系に分かれ、それぞれの進路に合わせた専門的な学習を深めていきます。

    • どんな生徒におすすめか: 高いレベルの学習環境で、自分の可能性を幅広く探りたい生徒や、特定の分野に絞らず総合的な学力を伸ばしたい生徒におすすめです。

  • 普通科 国際科学コース

    • どんなことを学ぶ場所か: スーパーサイエンスハイスクール(SSH)の指定を受け、理数系科目に重点を置いた高度な探究活動や課題研究を行うコースです。科学的な思考力と国際的な視野を養います。

    • どんな生徒におすすめか: 科学や数学が大好きで、将来は研究者や医師、技術者など、専門的な分野で世界を舞台に活躍したいという強い意志を持つ生徒に最適です。

四日市高等学校の特色・校風

四日市高校の最大の特色は、その校風にあります。キーワードで表現するならば、「自由闊達」「文武両道」「自主・自立」といった言葉がぴったりです。

  • 宿題の量と授業のペース

    在校生や卒業生から最も多く聞かれる声の一つが、「宿題の量が非常に多く、授業の進度が速い」という点です。特に数学の進度は圧倒的で、他の高校に通う友人と比べるとその差に驚くほどだと言われています。この厳しい学習環境についていくためには、日々の予習・復習が欠かせません。

  • 校則(スマホ、服装など)

    厳しい学習環境とは対照的に、校則は「驚くほど緩やか」という評判です。スマートフォンの使用は授業中以外は自由で、服装や頭髪に関する厳しい検査もほとんど行われないようです。学校行事の際には、メイクや髪型なども比較的自由が認められており、生徒の自主性が尊重されています。この自由さは、生徒が自らを律する力を養うための土壌となっています。

  • 生徒たちの雰囲気

    生徒たちは「何事にも全力で取り組む」という共通の価値観を持っているようです。勉強する時は真剣に、遊ぶ時や行事の時は思い切り楽しむ、というメリハリのついた生活を送っています。いじめはほとんど見られず、互いを尊重し、高め合える仲間が多い最高の環境だと評価されています。

  • アルバイト

    アルバイトは原則として禁止されています。ただし、家庭の事情などでやむを得ない場合は、学校に申請し許可を得ることで可能になる場合があります。

  • 制服の評判

    制服は、特に水色のシャツが爽やかで、男女ともに「オシャレで人気がある」と評判です。県内トップ校である四日市高校の制服を着ることに、誇りを感じている生徒も少なくありません。

  • 土曜授業

    毎週の土曜授業はありません。しかし、定期試験前などには「土曜学習会」という自主参加の学習会が開かれたり、模試が実施されたりすることがあります。

  • 施設について

    歴史ある学校のため、校舎が古いという点は多くの生徒が指摘しています。特にトイレなどの一部設備については、改善を望む声が見られます。

四日市高等学校の部活動・イベント

部活動

四日市高等学校が掲げる「文武両道」の精神は、活発な部活動に色濃く表れています。運動部16、文化部15と非常に多くの部があり、ほとんどの生徒が部活動に加入しています。特に1年生は部活動への加入が必須となっており、新しい仲間との絆を深める良い機会となっています。

運動部、文化部ともに充実していますが、中でも特に実績があり有名な部活動をいくつか紹介します。

  • 放送部: 全国大会の常連校として知られ、非常にレベルが高いことで有名です。アナウンスや番組制作など、専門的なスキルを磨くことができます。

  • テニス部: 男女ともに強豪として知られ、県内でもトップクラスの実績を誇ります。高いレベルで競技に打ち込みたい生徒に最適な環境です。

  • 将棋部: 全国レベルで活躍する生徒もおり、文化部の中でも強豪として知られています。

  • SSH関連部活動: スーパーサイエンスハイスクールの指定校ならではの、科学、生物、電気といった探究活動を行う部活動も盛んです。大学レベルの研究に触れる貴重な経験ができます。

イベント

四日市高校の学校生活を彩るイベントは、生徒たちの手で創り上げられ、その熱気と盛り上がりは格別です。

  • 四高祭(文化祭): 9月に行われる文化祭「四高祭」は、四日市高校で最も盛り上がるイベントと言っても過言ではありません。在校生からは「どこの高校にも負けないくらいすごい盛り上がり」という声が上がるほど、クラスや部活動単位での展示、ステージ発表、模擬店などに全校生徒が全力を注ぎます。3日間にわたって開催され、準備期間も含めてクラスの団結力が一気に高まる、最高の思い出となるイベントです。

  • 体育大会・クラスマッチ: 5月には体育大会、そして年に数回クラスマッチ(球技大会)が開催されます。これらのイベントでも生徒たちは勝負にこだわり、学業で見せる真剣さと同じ熱量で競技に臨みます。

これらの行事を通じて、生徒たちは勉強だけではない多様な経験を積み、人間的に大きく成長していきます。

四日市高等学校の進学実績

四日市高等学校の最大の強みの一つは、その圧倒的な大学進学実績です。卒業生のほとんどが4年制大学へ進学し、特に国公立大学や難関私立大学、医学部への進学者が非常に多いのが特徴です。

以下に、近年の主な大学合格実績(既卒生含む)を示します。

  • 国公立大学

    • 東京大学: 6〜10名

    • 京都大学: 14〜18名

    • 名古屋大学: 30名以上(地理的な近さもあり、非常に多くの生徒が進学します)

    • 大阪大学、北海道大学、東北大学、九州大学など旧帝国大学にも多数合格

    • 国公立大学医学部医学科: 12〜17名(特に地元の三重大学医学部への進学者が多いのが特徴です)

  • 難関私立大学

    • 早稲田大学、慶應義塾大学などにも多数合格。

    • 関西圏では同志社大学、立命館大学に合わせて50名以上が合格することが多く、人気の高さがうかがえます。

    • 中部圏の南山大学、名城大学、中京大学などにも多くの生徒が進学しています。

この高い進学実績を支えているのが、学校独自の手厚い進学サポート体制です。

  • 65分授業: 1コマの授業時間を65分とし、1日5限制にすることで、深い学びと放課後の時間の両方を確保しています。これにより、部活動や予習・復習の時間を十分に取ることができます。

  • 難関大ガイダンス: 東京大学、京都大学、名古屋大学、医学部医学科といった最難関大学・学部を目指す生徒を対象に、入試問題を分析し、対策を指導するガイダンスを年2〜3回実施しています。

  • 課外授業: 夏休み中には約20日間の課外授業が行われるほか、放課後にも希望者向けの講座が開かれ、受験に向けた学力向上を強力にバックアップしています。

四日市高等学校の特長・アピールポイント

他の高校にはない、四日市高校ならではの強みやユニークな取り組みをまとめました。

  • 圧倒的な自由を尊重する校風

    スマホや服装に関する校則が非常に緩やかで、生徒の自主性を最大限に尊重します。この自由な環境が、自己管理能力と責任感を育みます。

  • スーパーサイエンスハイスクール(SSH)としての高度な探究学習

    SSH指定校として、大学レベルの課題研究や探究活動に取り組む機会が豊富にあります。科学的な思考力やプレゼンテーション能力を実践的に鍛えることができます。

  • 65分授業による深い学びと時間の創出

    独自の65分×5限授業により、じっくりと考える深い学びを実現しつつ、放課後の時間を確保。部活動や自主学習との両立を可能にしています。

  • 日本有数の盛り上がりを誇る「四高祭」

    生徒が主体となって創り上げる文化祭「四高祭」は、学校生活最大のイベントです。その熱気と一体感は、一生の思い出と強い絆を育みます。

  • 鉄壁の進学サポート体制

    難関大学に特化したガイダンスや、充実した課外授業など、生徒の「行きたい大学」への進学を全力で後押しする手厚いサポート体制が整っています。

  • 高い目標を共有する仲間と切磋琢磨できる環境

    県内トップレベルの学力と高い志を持つ仲間が集まるため、日常的に互いを刺激し、高め合える理想的な学習環境があります。

  • 抜群のアクセスを誇る立地

    近鉄富田駅から徒歩1分、JR富田駅からも徒歩7分という交通至便な立地です。四日市市内はもちろん、桑名市や鈴鹿市など広い範囲から通学しやすいのも大きな魅力です。

四日市高等学校の口コミ・評判のまとめ

在校生や卒業生からのリアルな声を、良い点と気になる点に分けて公平にご紹介します。

  • 良い点

    • 「自由な校風が最高。先生方も生徒を大人として扱ってくれるので、自分で考えて行動する力が身についた」という声が多数あります。

    • 「周りのレベルが高いので、自然と勉強へのモチベーションが上がる。分からないところを教え合える友達がいるのは心強い」といった、学習環境を評価する意見が多いです。

    • 「四高祭をはじめとする行事が本当に楽しい。勉強は大変だけど、楽しいイベントがあるから頑張れる」という声も、この学校の特色をよく表しています。

    • 「先生方は質問に行けば熱心に教えてくれる。進路相談にも親身に乗ってくれるので頼りになる」など、サポートの手厚さを評価する声も見られます。

  • 気になる点

    • 良い点の裏返しとして、「自由すぎて、自己管理ができない生徒は落ちこぼれてしまう。自主性がなければ厳しい」という指摘は非常に多いです。

    • 「とにかく課題の量が多く、授業のペースも速いので、ついていくのが大変。部活動との両立に苦労した」という意見も目立ちます。

    • 「校舎や設備が古いのが残念。特にトイレは改善してほしい」といった、施設面に関する不満の声が挙げられています。

    • 「周りが難関大学を目指すのが当たり前という雰囲気なので、プレッシャーを感じることもある」という声もあります。

アクセス・通学

四日市高等学校は、公共交通機関でのアクセスが非常に便利な場所にあります。

  • 最寄り駅からのアクセス

    • 近鉄名古屋線「富田」駅下車、徒歩約1分

    • JR関西本線「富田」駅下車、徒歩約7分

近鉄富田駅のすぐ隣に位置しているため、電車通学の生徒にとっては最高の立地と言えるでしょう。学校独自のスクールバスはありませんが、その必要がないほどアクセスは良好です。

通学エリアとしては、地元の四日市市や、電車でアクセスの良い桑名市、鈴鹿市といった北勢地区から通う生徒が中心です。特に、三重大附属中学校や桑名市の陵成中学校、光陵中学校など、毎年多くの合格者を輩出している中学校があります。近鉄やJRの沿線であれば、津市方面など、より遠方からの通学も可能です。

四日市高等学校受験生へのワンポイントアドバイス

ここまで読んでくれてありがとうございます。最後に、進学アドバイザーとして、四日市高校を目指す君にエールを送ります。

四日市高等学校は、「やらされる勉強」ではなく「自ら学ぶ」意欲に満ちた生徒にこそ、最高の環境を提供してくれる学校です。高い目標を持つ仲間と切磋琢磨し、自由な雰囲気の中で自分の可能性を試したい、そんな君にこそ挑戦してほしい場所です。受験勉強においては、まず中学校の授業を大切にし、高い内申点を確保することが合格への第一歩となります。

その上で、入試本番で高得点を取るために、過去問などを活用して応用力や思考力を徹底的に鍛えましょう。特に数学と英語は高いレベルが求められます。大変な道のりですが、四日市高校での3年間は、君を大きく成長させてくれるかけがえのない宝物になるはずです。頑張ってください!

※最新かつ正確な情報は、必ず高校の公式サイトや学校説明会で確認してください。