山梨県立都留高等学校は、120年以上の歴史と伝統を誇る、県内屈指の進学校です。「質実剛健」「自学進取」を校訓に掲げ、学問と部活動の両方で高いレベルを目指す「文武両道」を実践しています。生徒一人ひとりが持つ無限の可能性を引き出し、地域社会だけでなく、世界を舞台に活躍できる人材の育成を目指しているのが、この都留高等学校です。

スーパーサイエンスハイスクール(SSH)指定校としての先進的な理数教育や、国際的な視野を育む探究活動など、他の高校にはない特色ある学びが充実しています。勉強はもちろん、学校行事や部活動にも全力で打ち込める環境が整っており、充実した3年間を送りたいと考える中学生にとって、非常に魅力的な選択肢となるでしょう。

この記事では、そんな都留高等学校について、偏差値や校風、進学実績から在校生のリアルな口コミまで、受験生と保護者の皆さんが本当に知りたい情報を、進学アドバイザーの視点から分かりやすく解説していきます。あなたの高校選びの参考に、ぜひ最後まで読み進めてみてください。

都留高等学校の基本情報

都留高等学校の基本的な情報を以下の表にまとめました。

項目 内容
正式名称 山梨県立都留高等学校
公立/私立の別 公立
共学/男子校/女子校の別 共学
所在地 〒401-0013 山梨県大月市大月2-11-20
代表電話番号 0554-22-3125
公式サイト https://www.turu-h.ed.jp/

都留高等学校の偏差値・難易度・併願校

都留高等学校の偏差値は、学科によって異なりますが、山梨県内でも上位に位置します。自分の学力と照らし合わせ、目標設定の参考にしてください。

  • 普通科:54

  • 探究科(旧理数科):データなし(※普通科にSAクラスという選抜クラスがあります)

偏差値54というのは、学年全体の上位約35%以内に入るレベルです。合格のためには、中学校の内申点も重要となり、5段階評価でおおむね「4」を中心に、主要5教科では「4」以上が安定して取れていることが望ましいでしょう。同じくらいの偏差値の高校としては、近隣の都留興譲館高等学校などが挙げられます。

山梨県の公立高校入試では、基本的に公立高校同士の併願はできません。そのため、都留高等学校を第一志望とする場合、併願校は私立高校から選ぶことになります。主な併願校としては、以下のような高校が挙げられることが多いようです。

  • 日大明誠高等学校

  • 富士学苑高等学校

  • 山梨英和高等学校

都留高等学校に設置されている学科・コース

伝統ある都留高等学校には、生徒一人ひとりの進路希望や興味関心に応えるための学科・コースが設置されています。

  • 全日制課程 普通科

    • 幅広い学問分野をバランス良く学び、国公立大学や難関私立大学への進学を目指します。2年次から文系・理系に分かれ、それぞれの進路に合わせた専門的な学習を深めていきます。

  • SAクラス

    • 普通科の中に設置されている選抜クラスで、Super Advanced & Academic Classの略です。難関大学への進学を強く希望する生徒を対象に、より高度で発展的な内容を学びます。

都留高等学校の特色・校風

都留高等学校の校風は、「質実剛健」や「文武両道」といった言葉で表現されることが多いです。落ち着いた雰囲気の中で、生徒たちは学習にも部活動にも真剣に取り組んでいます。

  • 宿題の量

    • 週末課題や長期休暇中の課題など、量は「多い」と感じる生徒が多いようです。特に予習・復習を習慣づけるための小テストが頻繁に行われるため、日々の学習が非常に重要になります。

  • 校則

    • 全体的には標準的ですが、スマートフォンの使用に関しては厳しいという声が見られます。校内での使用は原則禁止で、朝のHRで預ける決まりになっているようです。服装検査も定期的に行われ、スカート丈や頭髪については細かくチェックされる傾向があります。

  • 生徒たちの雰囲気

    • 真面目で落ち着いた生徒が多く、学習意欲の高い環境です。一方で、文化祭などの行事では非常に盛り上がるなど、オンとオフの切り替えが上手な生徒が多い印象です。

  • アルバイト

    • 原則として禁止されています。

  • 制服の評判

    • 女子は伝統的なセーラー服、男子は学ランです。 特に女子のセーラー服は、山梨県内では採用している高校が少ないため、珍しく可愛いと評判のようです。

  • 土曜授業

    • 「土曜学習会」という形で、自主学習や課題に取り組む時間が設けられています。

都留高等学校の部活動・イベント

部活動

都留高等学校では、全校生徒の約9割が部活動に加入しており、非常に活発です。 高いレベルで文武両道を目指せる環境が整っています。

  • 運動部

    • 水泳部や陸上部、バドミントン部などが関東大会や全国大会に出場する強豪として知られています。 特に水泳部は専用の温水プールがあり、年間を通して練習に打ち込める恵まれた環境です。過去には野球部が21世紀枠で春の選抜高校野球大会(甲子園)に出場した実績もあります。

  • 文化部

    • 吹奏楽部や放送部、合唱部などがコンクールで優秀な成績を収めています。 珍しい部活動としては、箏曲部や囲碁・将棋部などがあります。

運動部・文化部ともに種類が豊富で、自分に合った部活動を見つけやすい環境と言えるでしょう。

イベント

都留高校の学校生活は、多彩なイベントによって彩られています。

  • 桂樹祭(けいじゅさい)

    • 毎年秋に開催される文化祭は「桂樹祭」と呼ばれ、最大の盛り上がりを見せます。クラスごとの展示やステージ発表、文化部の発表など、生徒が主体となって創り上げるイベントです。

  • 体育祭・球技大会

    • クラス対抗で様々な競技に熱中します。クラスの団結力が深まる重要な行事です。

  • 強歩大会

    • 学校の伝統行事で、男子は約20km、女子は約15kmのコースを歩きます。体力だけでなく、精神力も鍛えられます。

  • 修学旅行

    • 例年、沖縄などを訪れ、平和学習や文化体験を行います。仲間との絆を深める貴重な機会となっています。

都留高等学校の進学実績

山梨県内有数の進学校である都留高等学校は、国公立大学や難関私立大学へ多数の合格者を輩出しています。

  • 国公立大学

    • 京都大学(1名)、東北大学、筑波大学、一橋大学、山梨大学、都留文科大学など、全国の国公立大学に合格者を出しています。

  • 難関私立大学

    • 早稲田大学、青山学院大学、法政大学、津田塾大学など、MARCHや早慶上理といった難関私立大学にも多くの生徒が進学しています。

  • その他の進路

    • 大学進学が最も多いですが、専門学校への進学や就職を選ぶ生徒もいます。

進学実績を支える取り組みとして、放課後や長期休暇中の課外授業(補習)や、自習室(自学研鑽室)の開放、大学の先生を招いての出前授業など、手厚いサポート体制が整っています。

都留高等学校の特長・アビールポイント

他の高校にはない、都留高等学校ならではの強みやユニークな取り組みを紹介します。

  • スーパーサイエンスハイスクール(SSH)指定校

    • 文部科学省からSSHの指定を受け、先進的な理数系教育を実践しています。大学や研究機関と連携した高度な課題研究に取り組むことができます。

  • WWL(ワールド・ワイド・ラーニング)コンソーシアム構築支援事業の拠点校

    • 国際的に活躍できる人材を育てるための先進的な教育プログラムに取り組んでいます。海外の高校生との共同研究やオンライン交流などを通して、グローバルな視点を養います。

  • 充実した探究活動「つる探」

    • 1、2年次の全生徒が取り組む課題研究活動です。自らテーマを設定し、調査や実験、フィールドワークを通して探究する力を身につけます。

  • 難関大学を目指す「SAクラス」

    • 普通科内に設置された選抜クラスで、より高度で学究的な学びを通して、東京大学や京都大学などの最難関大学への進路実現を目指します。

  • 活発な高大連携

    • 東京都立大学や都留文科大学などと連携協定を結び、大学の授業を体験したり、大学生と交流したりする機会が豊富に用意されています。

  • 120年以上の歴史と伝統

    • 1900年創立の伝統校であり、県内外で活躍する多くの卒業生を輩出しています。歴史の中で培われた校風や地域からの信頼が、生徒たちの学びを支えています。

都留高等学校の口コミ・評判のまとめ

在校生や卒業生から寄せられる声を、良い点と気になる点に分けてまとめました。

  • 良い点

    • 「先生方が熱心で、質問にも丁寧に対応してくれる」

    • 「進学実績が良く、周りの生徒の学習意欲も高いので、良い刺激になる」

    • 「文武両道が実践できる環境。部活動に打ち込みながら大学進学を目指せる」

    • 「桂樹祭(文化祭)などの行事がとても楽しく、クラスの団結力が強まる」

    • 「SSHやWWLなど、他の高校ではできない貴重な経験ができる」

  • 気になる点

    • 「課題や小テストが多く、勉強はかなり大変」

    • 「校則が少し厳しいと感じる。特にスマホの扱いはもっと自由にしてほしい」

    • 「最寄り駅から少し歩くので、アクセスが少し不便」

    • 「施設が全体的に古いと感じる部分がある」

アクセス・通学

都留高等学校へのアクセス方法と、主な通学エリアは以下の通りです。

  • 最寄り駅

    • JR中央本線「大月駅」から徒歩約7分

    • 富士急行線「上大月駅」から徒歩約3分

電車でのアクセスが非常に便利な立地です。大月市内だけでなく、富士吉田市、都留市、上野原市など、郡内地域を中心に広いエリアから生徒が通学しています。

都留高等学校受験生へのワンポイントアドバイス

ここまで読んでくれてありがとう。進学アドバイザーとして、最後に都留高等学校を目指す君へ応援メッセージを送ります。

都留高等学校は、「高いレベルで勉強も部活も頑張りたい!」という強い意志を持った君にこそ、ぴったりの学校です。SSHや探究活動など、知的好奇心を満たしてくれるプログラムが豊富なので、「なぜ?」「どうして?」を突き詰めて考えるのが好きな生徒には、最高の環境でしょう。伝統校ならではの落ち着いた雰囲気の中で、同じ目標を持つ仲間たちと切磋琢磨できる3年間は、君を大きく成長させてくれるはずです。

受験勉強では、まず中学校の授業内容を完璧に理解し、基礎力を固めることが何よりも大切です。その上で、応用問題にも積極的にチャレンジし、思考力を鍛えていきましょう。高い目標に向かって努力を続ける君を、都留高等学校は温かく迎え入れてくれるはずです。頑張ってください!

※最新かつ正確な情報は、必ず高校の公式サイトや学校説明会で確認してください。