福井県立藤島高等学校は、福井県内でトップクラスの学力と輝かしい進学実績を誇る、多くの受験生が憧れる伝統校です。その名は、単に「勉強ができる学校」というだけでなく、勉強と部活動を両立させる「文武不岐」の精神が深く根付いていることで知られています。
さらに、文部科学省からスーパーサイエンスハイスクール(SSH)の指定を受け、探究的な学びを通して未来のリーダーを育成する先進的な教育にも力を入れています。
この記事では、そんな福井県立藤島高等学校がどのような学校なのか、その魅力とリアルな姿を、中学生の皆さんや保護者の方々にも分かりやすく、詳しく解説していきます。
福井県立藤島高等学校の基本情報
まずは、学校の基本的な情報を確認しておきましょう。
項目 | 内容 |
正式名称 | 福井県立藤島高等学校 |
公立/私立の別 | 公立 |
共学/男女別 | 男女共学 |
所在地 | 〒910-0017 福井県福井市文京2丁目8番30号 |
代表電話番号 | 0776-24-5171 |
公式サイトURL | https://www.fujishima-h.ed.jp/ |
福井県立藤島高等学校の偏差値・難易度・併願校
福井県立藤島高等学校への進学を考える上で、最も気になるのが学力レベルでしょう。ここでは、偏差値や併願校について具体的に見ていきます。
偏差値は普通科で「72」とされており、福井県内の高校では最も高い数値です。これは全国的に見ても非常に高いレベルであり、合格するためには中学校でのトップクラスの成績が求められます。
難易度を具体的にイメージするために、他の高校と比較してみましょう。福井県内の上位校である高志高等学校(探究創造科)の偏差値が68、武生高等学校(探究進学科)が67であることからも、福井県立藤島高等学校の学力的な位置づけが分かります。合格のためには、中学校の定期テストで常に高得点を維持することはもちろん、内申点も非常に重要になります。具体的な内申点の目安は公表されていませんが、主要5教科だけでなく、全ての教科で高い評価を得ておく必要があるでしょう。
福井県の高校入試では、公立高校は1校しか受験できません。そのため、藤島高校を第一志望とする受験生の多くは、万が一の場合に備えて、私立高校を併願します。この併願校選びは非常に重要です。主な併願校としては、県内のトップクラスの私立高校の、特に学力が高いコースが選ばれる傾向にあります。
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北陸高等学校(普通科特別進学コース)
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仁愛女子高等学校(普通科グローバル・サイエンスコース、特別進学コース)
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福井工業大学附属福井高等学校(特別進学科)
これらの私立高校の入試を先に受け、「併願合格」を得た上で、本命である藤島高校の入試に挑むのが一般的な流れとなります。
福井県立藤島高等学校に設置されている学科・コース
福井県立藤島高等学校に設置されている学科は「普通科」のみです。1年生のうちは全員が同じカリキュラムで学び、2年生に進級する際に、それぞれの希望進路に合わせて「文系」と「理系」のコースに分かれます。
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普通科(文系コース):将来、法学部、経済学部、文学部、教育学部など、人文科学・社会科学系の大学進学を目指す生徒におすすめです。国語、地理歴史、公民、英語などの科目を重点的に学びます。
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普通科(理系コース):将来、医学部、薬学部、理学部、工学部など、自然科学系の大学進学を目指す生徒におすすめです。数学、理科の専門的な内容を深く掘り下げて学びます。
そして、藤島高校の学びを特徴づけるのが、文系・理系を問わず全生徒が3年間を通して取り組む学校設定教科「研究」です。これはスーパーサイエンスハイスクール(SSH)事業の中核をなすプログラムで、生徒が自ら課題を設定し、仮説を立て、調査・実験を行い、論文にまとめて発表するという一連の探究活動を行います。この活動を通して、大学での研究や社会に出てからも役立つ、論理的思考力や問題解決能力を養うことを目指しています。
福井県立藤島高等学校の特色・校風
藤島高校には、160年以上の歴史の中で培われてきた独特の文化と校風があります。キーワードで表すなら、「文武不岐」「自由闊達」「質実剛健」といった言葉がぴったりです。
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宿題の量は多いか少ないか
口コミを見ると、「宿題の量はそれほど多くない」という声がある一方で、「長期休暇の課題など、計画的に進めなければならないものが多い」という意見も見られます。日々の宿題の量というよりは、一つひとつの課題に求められる質の高さや、自主的な学習計画を立てる力が問われるようです。
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校則は厳しいか緩やかか
校則は、他の公立進学校と比較して標準的か、やや厳しい面もあるようです。特に「校内でのスマートフォンの使用は一切禁止」というルールは徹底されており、見つかった場合は数日間没収され、反省文を書くこともあるようです。これは、生徒が学習に集中し、友人との直接的なコミュニケーションを大切にするという、学校の教育方針の表れと捉えることができます。服装については、制服の着こなしや白靴下の指定など、基本的な決まりはありますが、厳しく注意されることは少ないという声もあります。アルバイトは原則として禁止されています。
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生徒たちの雰囲気
「真面目で落ち着いている」「個性的で面白い人が多い」「勉強を頑張ることを笑う人がいない」といった声が多数聞かれます。県内全域から高い志を持った生徒が集まるため、互いに良い刺激を与え合いながら高め合える環境です。中学時代には少し変わっていると思われていたような生徒も、ここでは「個性」として尊重される雰囲気があるようです。
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制服の評判はどうか
制服のデザインに関する具体的な評判は、調査した資料の中ではあまり見られませんでした。伝統的な学生服・セーラー服のスタイルです。
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土曜授業はあるか
生徒手帳の規定によると、休日の学校使用は原則として認められておらず、平常の土曜授業は実施されていないようです。
福井県立藤島高等学校の部活動・イベント
「文武不岐」を掲げる藤島高校では、勉強だけでなく部活動や学校行事にも全力で打ち込む生徒が非常に多いのが特徴です。
部活動
運動部19、文化部20、さらに同好会も複数あり、非常に充実しています。多くの生徒が部活動に加入し、活気にあふれています。
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特に有名な部活動
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弓道部:常に県大会で上位の成績を収めており、全国大会への出場経験も豊富な強豪として知られています。
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SSH研究クラブ:藤島高校ならではの部活動で、数学・情報、生物、化学、物理・地学といった分野に分かれています。授業の「研究」をさらに深化させたい生徒たちが集い、本格的な研究活動に取り組んでいます。
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珍しい部活動
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ジャグリング同好会やかるた同好会など、ユニークな活動もあり、生徒の多様な興味に応えています。
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イベント
藤島高校の学校生活を彩るイベントは、どれも生徒が主体となって作り上げる大規模なものです。
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学校祭(藤高祭)
藤島高校で最も盛り上がる行事と言っても過言ではありません。例年8月下旬に3日間にわたって開催されます。1日目は市のホール(福井フェニックス・プラザなど)を借り切って行われる文化部のステージ発表、2日目は校内でのクラス企画や展示、有志によるパフォーマンス、そして最終日の後夜祭まで、熱気に満ちあふれています。後夜祭で行われる部活動対抗リレーやビンゴ大会は、全校生徒が一体となる瞬間です。
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球技大会
クラス対抗で様々な球技を競い合います。受験勉強で忙しい3年生にとっても、クラスの団結力を高める大切な息抜きの場となっています。
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修学旅行
仲間との絆を深める貴重な機会です。行き先は年度によって異なりますが、生徒にとって忘れられない思い出となります。
福井県立藤島高等学校の進学実績
福井県内トップの進学校として、その大学進学実績は全国レベルで非常に高い評価を得ています。多くの生徒が国公立大学や難関私立大学への進学を実現しています。
以下は、2024年度入試の主な大学合格実績です。
大学分類 | 主な大学名 | 合格者数(既卒生含む) |
最難関国公立大学 | 東京大学 | 6名 |
京都大学 | 7名 | |
旧帝大+一橋・東工大 | 合計 46名 | |
国公立大学医学部 | 32名 | |
国公立大学合計 | 231名 | |
難関私立大学 | 早慶上理ICU | 67名 |
関関同立 | 300名 |
この輝かしい実績を支えているのが、手厚い進路サポート体制です。職員室の前には質問用の机と椅子が常設されており、授業後に先生に質問するために生徒が列を作る光景も珍しくありません。また、夏休みなどを利用して、東京大学や京都大学を実際に訪問し、卒業生の先輩と交流したり、大学の模擬講義を体験したりする「東大セミナー・ラボ」「京大セミナー・ラボ」といった独自のプログラムも実施されています。こうした取り組みが、生徒たちの学習意欲を刺激し、高い目標の実現へと繋がっています。
福井県立藤島高等学校の特長・アピールポイント
他の高校にはない、藤島高校ならではの強みや魅力をまとめました。
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全生徒が取り組むSSH探究学習
文系・理系に関わらず、全員が3年間かけて一つのテーマを研究する「研究」の授業は、藤島高校の教育の核です。ここで培われる探究心や論理的思考力は、大学受験はもちろん、その先の人生においても大きな財産となります。
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県内トップレベルの学力と高い進学実績
東京大学、京都大学をはじめとする最難関大学へ、毎年多くの合格者を輩出しています。高いレベルの授業と手厚い進路指導により、生徒一人ひとりの進路目標の実現を力強くサポートします。
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「文武不岐」を体現する活気ある学校生活
勉強だけに偏らず、部活動や学校行事にも全力で取り組むのが藤島生のスタイルです。特に学校祭の盛り上がりは圧巻で、学校全体が一体となる熱気を体験できます。
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互いに高め合える、個性的で優秀な仲間
福井県内全域から、高い志と豊かな個性を持った仲間が集まります。「勉強を頑張るのが当たり前」という雰囲気の中で、互いに刺激し合い、切磋琢磨できる環境は、何物にも代えがたい魅力です。
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生徒の主体性を育む大規模な学校行事
学校祭や球技大会などの行事は、企画から運営まで生徒が中心となって行われます。仲間と協力して一つのものを創り上げる経験を通して、自主性や協調性が育まれます。
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手厚い進路サポートと独自の大学連携
気軽に質問できる先生方の存在や、過去の入試問題が揃った資料室はもちろん、東京大学や京都大学を訪問するセミナーなど、生徒の夢を後押しする独自の取り組みが充実しています。
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160年以上の歴史と伝統
江戸時代の福井藩の藩校「明道館」を源流とする長い歴史を持ちます。卒業生の絆も強く、全国に広がる同窓会組織「明新会」は、卒業後も大きな支えとなります。
福井県立藤島高等学校の口コミ・評判のまとめ
在校生や卒業生の声から、藤島高校のリアルな姿を探ってみましょう。
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良い点
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「周りの生徒のレベルが非常に高いので、自分も頑張ろうと自然に思える環境です。勉強することを誰も馬鹿にしません。」
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「先生方はとても熱心で、質問に行くと分かるまで丁寧に教えてくれます。進路相談にも親身に乗ってくれるので心強いです。」
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「学校祭などの行事が本当に楽しくて、一生の思い出になります。勉強ばかりではない、充実した高校生活が送れます。」
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「個性的な人が多く、いろいろな考え方に触れることができて面白いです。友人の幅が広がります。」
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気になる点
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「授業の進度がとても速いので、予習・復習を毎日しっかりやらないと、すぐについていけなくなります。」
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「校内でのスマホ使用が完全に禁止されているのは、少し厳しいと感じることがあります。」
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「お昼休みの食堂やパンの販売は、生徒が多くてとても混雑します。」
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「自主的に勉強する習慣がないと、せっかくの環境を生かしきれないかもしれません。受け身の姿勢では厳しい学校です。」
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アクセス・通学
福井市の文教地区にあり、交通の便は比較的良い場所にあります。
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鉄道でのアクセス
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えちぜん鉄道 三国芦原線、福井鉄道 福武線「田原町駅」から徒歩約7〜9分
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バスでのアクセス
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京福バス「藤島高校前」バス停から徒歩約1分
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県内トップ校であるため、福井市内に限らず、嶺北地方の広域から多くの生徒が電車やバスを利用して通学しています。遠方から通う生徒も少なくありません。
福井県立藤島高等学校受験生へのワンポイントアドバイス
福井県立藤島高等学校は、知的好奇心が旺盛で、高い目標に向かって仲間と共に努力することを楽しめる生徒にとって、最高の学び舎です。勉強はもちろん、部活動や学校行事にも全力で打ち込み、一生ものの経験と友情を育みたいと考える君に、最高の環境が待っています。
受験勉強においては、難しい応用問題に挑戦する前に、まずは中学校3年間で学ぶ全教科の基礎を完璧に固めることを最優先してください。福井県立藤島高等学校の授業はハイレベルでペースも速いため、盤石な基礎力がなければ、入学後の学びで苦労することになります。日頃から計画を立ててコツコツと学習を進める習慣を、今のうちから身につけておくことが合格への一番の近道です。高い目標ですが、挑戦する価値は十分にあります。自分を信じて、最後まで頑張ってください。応援しています!
※最新かつ正確な情報は、必ず高校の公式サイトや学校説明会で確認してください。