杜の都仙台、その市街地と太平洋を一望できる国見の丘に、仙台市立仙台高等学校はあります。1940年の創立以来の長い歴史と伝統を誇り、「自主自立」の教育理念のもと、多くの卒業生を社会に送り出してきました。「仙高(せんたか)」の愛称で親しまれ、生徒一人ひとりの個性を尊重する自由な校風が最大の魅力です。

この自由な雰囲気の中で、生徒たちは勉学はもちろん、部活動や学校行事に全力で打ち込み、充実した高校生活を送っています。特に、生徒が主体となって企画・運営する学校行事は、仙高ならではの盛り上がりを見せ、一生の思い出になることでしょう。

この記事では、そんな仙台市立仙台高等学校について、偏差値や難易度、学校生活のリアルな様子、そして卒業後の進路まで、進学アドバイザーの視点から詳しく、そして分かりやすく解説していきます。仙高が持つ本当の魅力を知って、あなたの高校選びの参考にしてください。

仙台市立仙台高等学校の基本情報

まずは、仙台市立仙台高等学校の基本的な情報を確認しておきましょう。

項目 内容
正式名称 仙台市立仙台高等学校
公立/私立の別 公立
共学/男子校/女子校の別 男女共学
所在地 〒981-8502 宮城県仙台市青葉区国見六丁目52番1号
代表電話番号 022-271-4471
公式サイト http://www.sendai-c.ed.jp/~sendaihs/

仙台市立仙台高等学校の偏差値・難易度・併願校

仙台市立仙台高等学校を目指す上で気になる偏差値や難易度について見ていきましょう。

  • 普通科:55

仙台市立仙台高等学校の偏差値は55前後とされています。宮城県内の公立高校の中では中堅上位に位置づけられます。

合格するためには、宮城県の公立高校入試において、調査書点(内申点)と学力検査点(当日点)の合計で判断されます。学力検査点と調査書点の比重は「6:4」と、学力検査がやや重視される傾向にあります。合格に必要な内申点の目安としては、195点満点中155点〜160点あたりが一つの目標となりそうです。もちろん、当日の学力検査で高得点を取れれば逆転も可能です。

同じくらいの偏差値の高校としては、仙台南高校や泉館山高校、宮城野高校などが挙げられます。これらの高校も視野に入れながら、自分の学力や希望する校風に合った志望校を選んでいくと良いでしょう。

併願校としては、私立の東北学院高校、東北学院榴ケ岡高校、仙台育英学園高校(特進コースなど)、常盤木学園高校などが選ばれることが多いようです。

仙台市立仙台高等学校に設置されている学科・コース

仙台市立仙台高等学校に設置されているのは普通科のみですが、その教育課程には大きな特徴があります。

  • 普通科(進学重視型単位制)

    • どんなことを学ぶ場所なのか:平成21年度から「進学重視型単位制」を導入しており、大学進学を中心とした多様な進路希望に対応できるカリキュラムが組まれています。1・2年次で基礎学力を固め、3年次には自分の進路希望に合わせて多くの選択科目の中から授業を選ぶことができます。

    • どんな生徒におすすめか:国公立大学や私立大学への進学を考えていて、自分の興味や目標に合わせて学習計画を立てたい生徒におすすめです。

仙台市立仙台高等学校の特色・校風

仙台市立仙台高等学校の最大の魅力ともいえる特色や校風について、口コミなどを基に詳しく見ていきましょう。

学校全体の雰囲気は「自主自立」「自由闊達」「文武両道」といったキーワードで表されます。生徒の自主性を重んじる校風が根付いており、多くの場面で生徒が主体的に活動しています。

  • 宿題の量:週末課題などが定期的に出されるようですが、「多い」と感じるか「少ない」と感じるかは個人差があるようです。計画的に学習を進める習慣が大切になります。

  • 校則:校則は比較的緩やかで、特に制服がないことが大きな特徴です。生徒は学校生活にふさわしい服装を自分で判断し、個性豊かな私服で通学しています。メイクや頭髪に関しても、常識の範囲内であれば厳しく指導されることは少ないという声が多いようです。

  • 生徒たちの雰囲気:明るく活発な生徒が多く、男女問わず仲が良いようです。行事などではクラス一丸となって盛り上がる、エネルギッシュな雰囲気があります。

  • アルバイト:アルバイトは原則として禁止されていませんが、学業との両立が求められます。

  • 制服:前述の通り制服はありません。自由な服装で学校生活を送れることに魅力を感じる生徒が多いようです。

  • 土曜授業:土曜授業は基本的にありません。

仙台市立仙台高等学校の部活動・イベント

部活動

仙台市立仙台高等学校は部活動が非常に盛んで、運動部17、文化部16と多くの部が活発に活動しています。

  • 特に有名な部活動

    • フェンシング部:県内では設置している高校が少なく、常に上位の成績を収めている強豪です。

    • なぎなた部:こちらも珍しい部活動の一つで、全国大会に出場するなどの実績があります。

    • 演劇部:コンクールで最優秀賞を受賞し、東北大会に出場するなど、高いレベルで活動しています。

    • ダンス部:文化祭(仙高祭)のステージ発表などでは中心的な存在で、非常に人気があります。

  • 全体の様子:運動部、文化部ともに充実しており、多くの生徒が部活動に加入し、文武両道を目指して日々練習に励んでいます。中学校にはない珍しい部活動も多く、新しいことに挑戦できる環境が整っています。

イベント

生徒が主体となって作り上げるイベントは、仙高の学校生活を彩る大きな魅力です。

  • 仙高祭(文化祭):夏休み明けの8月下旬から9月上旬に開催される最大のイベントです。3年生のクラスごとの出店や文化部の発表、有志によるステージ企画などで大変な盛り上がりを見せます。特に、生徒たちの募金によって打ち上げられる後夜祭の花火は仙高祭の名物となっており、地域住民も楽しみにしている恒例行事です。

  • 体育祭:7月に2日間にわたって開催されます。3年生はクラスごとにオリジナルTシャツを作成し、デザインコンクールも行われるなど、クラスの団結力が試されるイベントです。

  • ホームルーム研修旅行(修学旅行):2年生の12月に行われる、他校にはないユニークなイベントです。なんと、行き先や日程、活動内容などを全てクラスの生徒たちの話し合いで決めます。この手作りの修学旅行を通して、生徒たちの自主性や協調性が育まれます。

仙台市立仙台高等学校の進学実績

進学重視型単位制高校として、仙台市立仙台高等学校は国公立大学をはじめ、多くの大学への進学実績を誇っています。

  • 国公立大学:東北大学、宮城教育大学、山形大学、岩手大学など、地元の東北地方の大学を中心に合格者を出しています。

  • 難関私立大学:東北学院大学への進学者が非常に多く、それに次いで東北福祉大学などへの進学者も多数います。

  • その他:大学進学以外にも、看護系の専門学校などへ進む生徒や、宮城県警などに就職する生徒もいます。

進路指導も手厚く、1クラス35人という少人数編成を活かして、担任がきめ細やかなサポートを行っています。また、総合的な探究の時間「鵬(フェニックス)プラン」では、SDGsなどのテーマに基づいた3年間の体系的なキャリア教育が行われ、生徒一人ひとりの進路意識を高めています。

仙台市立仙台高等学校の特長・アピールポイント

他の高校にはない、仙台市立仙台高等学校ならではの強みやユニークな取り組みをまとめました。

  • 「自主自立」を育む自由な校風:制服がなく私服で通学できるなど、生徒の自主性を尊重する文化が根付いています。

  • 生徒が主役の学校行事:文化祭の後夜祭で打ち上げられる花火や、クラスごとに行き先を決める手作りの修学旅行など、生徒が主体となって作り上げるイベントが充実しています。

  • 進学重視型単位制:自分の進路希望に合わせて3年次に多くの科目を選択できるため、効率的に受験勉強を進めることができます。

  • 独自のキャリア教育「鵬(フェニックス)プラン」:3年間を通して計画的に探究活動を行い、自らの生き方を考えることで、進路実現につなげています。

  • 充実した部活動:フェンシング部やなぎなた部といった珍しい部活動をはじめ、多種多様な部活動が活発に活動しており、文武両道を実践できる環境です。

  • 「仙台高校基金留学」制度:独自の留学資金補助制度があり、国際交流に興味がある生徒をサポートする体制が整っています。

  • 恵まれた学習環境:太平洋まで一望できる国見の丘にあり、CALLシステムやトレーニングマシンなど、施設・設備も充実しています。

仙台市立仙台高等学校の口コミ・評判のまとめ

在校生や卒業生からのリアルな声を集めてみました。

  • 良い点

    • 「自由な校風で、のびのびと高校生活を送れる」という声が最も多く聞かれます。

    • 「仙高祭や体育祭などの行事が本当に楽しく、クラスの団結が深まる」といった、イベントへの満足度が非常に高いようです。

    • 「制服がないので、自分らしい服装で過ごせるのが良い」という意見も多数あります。

    • 「面白い先生が多く、授業が分かりやすい」という声もあります。

  • 気になる点

    • 「校舎が古く、特にロッカーなどが汚れている」という施設面での不満がいくつか見られます。

    • 「最寄り駅から坂道を10分以上歩く必要があり、アクセスが少し大変」という意見もあります。

    • 「ジャージのデザインが独特」という声も一部であるようです。

アクセス・通学

仙台市立仙台高等学校へのアクセス方法です。

  • 電車でのアクセス

    • JR仙山線「東北福祉大前駅」から徒歩約10〜13分

    • JR仙山線「国見駅」から徒歩約11〜14分

  • バスでのアクセス

    • 仙台市営バス「仙台高校・福祉大ウェルコム21前」バス停下車すぐ

    • 仙台市営バス「仙台高校南」バス停下車

仙台市内全域から通学者がいますが、特に青葉区や泉区、太白区などJR仙山線やバス路線が利用しやすいエリアから通う生徒が多い傾向があります。

仙台市立仙台高等学校受験生へのワンポイントアドバイス

ここまで読んでくれてありがとう。仙台市立仙台高等学校の魅力は伝わったでしょうか。自主性を重んじる自由な校風の中で、勉強も、部活も、行事も、すべてに全力で取り組みたい。そんなエネルギッシュな君に、仙台市立仙台高等学校は最高の舞台を用意してくれるはずです。

受験勉強においては、学力検査と内申点のバランスが大切になります。特に比重の高い学力検査でしっかりと得点できるよう、中学3年間の学習内容、特に苦手分野を今のうちから復習しておきましょう。そして、学校の定期テストや提出物にも真面目に取り組み、内申点を一つでも多く積み上げていくことが合格への近道です。仙高で待っている充実した高校生活を思い描きながら、日々の勉強を頑張ってください。応援しています!

※最新かつ正確な情報は、必ず高校の公式サイトや学校説明会で確認してください。