岡山工業高等学校、通称「岡工(おかこう)」は、1901年(明治34年)に創立された、120年以上の歴史と伝統を誇る工業高校です。長い歴史の中で、数多くの卒業生がものづくりのプロフェッショナルとして社会に羽ばたき、日本の産業を支えてきました。ただ古いだけではなく、常に時代のニーズに合わせて進化を続けているのが岡山工業高等学校の大きな魅力です。

校訓である「誠実勤勉」のもと、生徒一人ひとりが専門的な知識と技術の習得に励んでいます。機械科やデザイン科など、特色ある7つの専門学科が設置されており、自分の興味や将来の夢に合わせて、専門分野をとことん探究できる環境が整っています。緑豊かな広大なキャンパスには充実した実習設備が備わり、理論だけでなく実践的なスキルを磨くことができます。

この記事では、そんな岡山工業高等学校の偏差値や気になる口コミ、学校生活の様子などを、進学アドバイザーの視点から詳しく解説していきます。ものづくりに興味がある人、専門的なスキルを身につけて将来活躍したいと考えている中学生の皆さんにとって、きっと魅力的な選択肢の一つになるはずです。

岡山工業高等学校の基本情報

項目 内容
正式名称 岡山県立岡山工業高等学校
公立/私立の別 公立
共学/男子校/女子校の別 男女共学
所在地 〒700-0013 岡山県岡山市北区伊福町4丁目3-92
代表電話番号 086-252-5231
公式サイト https://www.okako.okayama-c.ed.jp/

岡山工業高等学校の偏差値・難易度・併願校

岡山工業高等学校の偏差値は、学科による違いはなく、全体で「51」程度とされています。これは岡山県内の公立高校の中では中堅レベルに位置します。

難易度を具体的にイメージするために補足すると、同じくらいの偏差値の高校としては、岡山市内では岡山東商業高校(情報処理科など)や東岡山工業高校などが挙げられます。合格に必要な内申点の目安としては、中学3年間の成績がおおむね「3」と「4」が中心で、5段階評価の合計が30〜33あたりが一つの目標となりそうです。ただし、これはあくまで目安であり、当日の学力検査の得点も重要になります。

岡山県では公立高校の併願ができないため、岡山工業高等学校を第一志望とする場合、併願校は私立高校から選ぶことになります。主な併願校としては、同じく工業系の学科を持つ岡山理科大学附属高等学校(機械科、電気情報科など)や、関西高等学校(電気科)などが多く選ばれる傾向にあります。自分の興味や学力に合わせて、これらの私立高校のオープンスクールにも参加してみると良いでしょう。

岡山工業高等学校に設置されている学科・コース

岡山工業高等学校には、それぞれに特色のある7つの専門学科が設置されています。自分の「好き」や「得意」を仕事に繋げられる学科がきっと見つかるはずです。

  • 機械科 – ものづくりの基本である機械の設計や製作、制御について学びます。乗り物やロボットが好きな人におすすめです。

  • 電気科 – 電気エネルギーの作り方から利用法、コンピュータ制御まで幅広く学習します。私たちの生活に欠かせない電気のプロを目指したい人に最適です。

  • 情報技術科 – コンピュータのハードウェアやソフトウェア、プログラミング、通信技術などを学びます。 IT分野で活躍したいと考えている人におすすめです。

  • 化学工学科 – 物質の変化を利用して新しい素材や製品を開発する化学技術を学びます。環境問題や新エネルギーに興味がある人に向いています。

  • 土木科 – 道路や橋、ダムなど、人々の生活を支える社会基盤(インフラ)の設計や測量、施工技術を学びます。地図に残る大きな仕事がしたい人におすすめです。

  • 建築科 – 快適で安全な建物のデザイン(設計)や、実際に建てるための技術(施工)を学びます。自分の考えた家や建物を形にしてみたい人にぴったりです。

  • デザイン科 – ポスターや製品パッケージなどのグラフィックデザインから、家具や雑貨などのプロダクトデザインまで、デザインの基礎から応用までを学びます。絵を描いたり、ものを作ったりすることが好きな人におすすめです。

岡山工業高等学校の特色・校風

岡山工業高等学校は、「誠実勤勉」の校訓と120年以上の歴史に裏打ちされた、落ち着いた雰囲気の中で専門知識をとことん学べる学校です。校風を表すキーワードとしては、「質実剛健」「専門性の追求」「落ち着いた雰囲気」などが挙げられます。

中学生が気になる学校生活のリアルな部分については、以下のような口コミや評判が多く見られます。

  • 宿題の量:専門科目に関するレポートや作品制作などの課題はありますが、普通科の高校と比べて特別に多いという声は少ないようです。計画的に取り組む姿勢が大切になります。

  • 校則:他の高校と比較して、特に厳しいという意見はあまり見られません。しかし、頭髪や服装については、工業高校として就職活動なども見据え、きちんとした身だしなみが求められる場面が多いようです。

  • スマホの扱い:校内での使用は原則として許可されていないようですが、実際には休み時間などに使用している生徒もいるという声があります。ルールとマナーを守った使用が求められます。

  • 生徒たちの雰囲気:ものづくりという共通の目標を持った生徒が集まっているため、全体的に真面目で落ち着いた雰囲気があるようです。特に各学科では、専門分野について熱心に語り合える仲間が見つかりやすい環境です。

  • アルバイト:原則として禁止されているようですが、家庭の事情などにより許可を得て行っている生徒もいるとの情報があります。学校への確認が必要です。

  • 制服の評判:伝統的な学生服(学ラン)とセーラー服で、特に目立つデザインではありませんが、落ち着いていて良いという意見が見られます。

  • 土曜授業:基本的に土曜授業はないようです。

岡山工業高等学校の部活動・イベント

部活動

岡山工業高等学校は部活動が非常に盛んで、20の運動部、7つの文化部、11の同好会が活動しています。多くの部が全国大会に出場するなど、輝かしい実績を誇っています。

  • 特に有名な部活動としては、インターハイで何度も優勝している自転車競技部や、全国大会の常連である弓道部、ボクシング部、山岳部などが挙げられます。

  • 文化部では、各種コンクールで高い評価を得ているデザイン部や美術部、写真部などがあります。また、工業高校ならではの機械研究同好会や電気研究同好会、マイコン同好会など、専門知識をさらに深められる活動も充実しています。

運動部、文化部ともに種類が豊富で、多くの生徒が部活動に参加し、勉強と両立しながら充実した高校生活を送っています。

イベント

岡工の学校行事は、生徒たちが主体となって盛り上げるものが多く、クラスの団結力を高める良い機会となっています。

  • 文化祭(発輝祭):毎年6月上旬に開催される学校最大のイベントです。各学科が専門知識を活かした展示や体験コーナー(例えば、機械科のミニSL乗車体験や建築科の模型展示など)は、工業高校ならではの見どころで、毎年多くの来場者で賑わいます。

  • 体育祭:学科対抗で競い合うのが大きな特徴です。各科のシンボルカラーを身にまとった生徒たちが、優勝を目指して熱い戦いを繰り広げます。

  • 修学旅行:例年、2年生の時に実施されます。行き先は年度によって異なりますが、仲間との絆を深める貴重な思い出となるでしょう。

岡山工業高等学校の進学実績

岡山工業高等学校の卒業後の進路は、就職と進学が大きな二つの柱となっています。長年にわたる企業との信頼関係から、就職に非常に強いのが最大の特長です。

  • 就職:例年、卒業生の約半数が就職を選びます。県内・県外の大手企業から地元優良企業まで、数多くの求人が寄せられ、就職率は非常に高い水準を誇っています。

  • 進学:国公立大学や難関私立大学への進学者もいます。特に、工業系の知識を活かせる大学への進学が多く見られます。

    • 主な国公立大学:岡山県立大学、香川大学、愛媛大学など

    • 主な私立大学:岡山理科大学、広島工業大学、大阪工業大学、川崎医療福祉大学など

    • その他:専門学校に進学し、さらに高度な技術を身につける生徒も多くいます。

学校としても、進学希望者向けの補習授業を行うなど、生徒一人ひとりの進路希望に合わせたサポート体制を整えています。

岡山工業高等学校の特長・アピールポイント

岡山工業高等学校には、他の高校にはないユニークな強みがたくさんあります。

  • 120年以上の歴史と伝統:卒業生のネットワークは産業界の至る所に広がっており、社会に出てからも大きな力となります。

  • 7つの多彩な専門学科:機械、電気、化学、建築、デザインなど、幅広い工業分野を網羅しており、自分の興味に合った専門性を深く追求できます。

  • 圧倒的な就職実績:大手企業から地元優良企業まで、学校に寄せられる求人の数は膨大で、高い就職率を誇ります。

  • 充実した施設・設備:広大な敷地内に、各学科の専門的な実習を行うための本格的な機械や設備が整っています。

  • 数多くの資格取得が可能:在学中に、危険物取扱者や工事担任者、各種技能検定など、将来に役立つ多くの国家資格や検定に挑戦できます。

  • 全国レベルで活躍する部活動:自転車競技部や弓道部をはじめ、多くの部活動が全国の舞台で輝かしい成績を収めています。

  • 岡山駅からのアクセスの良さ:岡山駅から徒歩圏内という通いやすい立地も魅力の一つです。

岡山工業高等学校の口コミ・評判のまとめ

在校生や卒業生からは、岡山工業高等学校での学校生活について、様々な声が寄せられています。

  • 良い点:

    • 「専門的な知識や技術が身につき、将来の目標が明確になった」という声が非常に多いです。

    • 「就職にとても強く、先生方のサポートも手厚い」と、進路指導への満足度が高いようです。

    • 「同じ趣味や目標を持つ仲間と出会え、充実した3年間を過ごせた」という意見も多く見られます。

    • 「資格をたくさん取れるので、自信につながるし、進学や就職で有利になる」といった声もあります。

    • 「部活動が盛んで、勉強以外にも打ち込めるものが見つかる」という点も高く評価されています。

  • 気になる点:

    • 「工業高校なので、どうしても男子生徒の比率が高い」という声はあります。しかし、近年は女子生徒も増える傾向にあるようです。

    • 「専門科目の勉強は、興味がないとついていくのが大変かもしれない」という意見もあります。

    • 「施設や校舎が部分的に古いと感じるところがある」といった声も一部で見られます。

    • 先生によっては指導方法に個人差がある、という趣旨の口コミも見られました。

アクセス・通学

岡山工業高等学校は、交通の便が非常に良い場所にあります。

  • 最寄り駅:

    • JR「岡山駅」西口から徒歩約15〜20分

    • JR「備前三門駅」から徒歩約16分

  • バス:

    • 岡電バス・中鉄バス「岡工前」バス停から徒歩約1分

    • 岡電バス・中鉄バス「岡工口」バス停から徒歩約2分

学区は岡山県全域となっており、岡山市内だけでなく、倉敷市や赤磐市、総社市など、県内の様々なエリアから多くの生徒が電車やバスを利用して通学しています。

岡山工業高等学校受験生へのワンポイントアドバイス

岡山工業高等学校を目指す君へ。進学アドバイザーとして、最後に応援メッセージを送ります。

この学校は、ただ勉強するだけでなく、「ものづくりが好き」「何かを創り出すことにワクワクする」という気持ちを、将来の仕事に直結する「技術」や「知識」へと育ててくれる場所です。もし君が、自分の手で何かを生み出すことに喜びを感じるなら、岡山工業高等学校は最高の環境になるでしょう。7つもの専門学科があるので、自分の興味を深く掘り下げられる分野がきっと見つかります。

受験勉強においては、中学校の基礎学力を固めることはもちろんですが、「なぜ岡工で学びたいのか」「どの学科で、どんなことに挑戦したいのか」を具体的に考えておくことがとても大切です。面接では、その熱意や探求心を自分の言葉で伝えることが合格への大きな一歩となります。岡山工業高等学校で専門的なスキルを身につけ、社会で活躍する未来の自分の姿を想像しながら、日々の勉強を頑張ってください。応援しています!

※最新かつ正確な情報は、必ず高校の公式サイトや学校説明会で確認してください。