高校選びという、人生の大きな岐路に立っている中学生と保護者の皆さん、こんにちは。経験豊富な進学アドバイザーとして、皆さんの大切な一歩をサポートさせていただきます。今回ご紹介するのは、高知県内でも屈指の歴史と伝統を誇る、高知県立高知追手前高等学校です。140年以上の長きにわたり、高知の教育界をリードしてきた存在であり、その象徴である時計台は、多くの卒業生の心に深く刻まれています。
高知追手前高等学校は、県内トップクラスの学力を誇る進学校として知られています。しかし、その魅力は勉強だけにとどまりません。歴史が育んだ「質実剛健」の精神のもと、学業と部活動を両立させる「文武両道」を本気で目指せる環境がここにはあります。厳しいけれど温かい、そんな独特の校風の中で、一生の仲間と出会い、自分を大きく成長させる3年間が待っています。
この記事では、偏差値や進学実績といったデータはもちろん、在校生や卒業生のリアルな声をもとに、高知追手前高等学校の学校生活の様子を具体的にお伝えします。皆さんが「この学校で高校生活を送る自分」を鮮やかにイメージできるよう、丁寧に解説していきますので、ぜひ最後までご覧ください。
高知追手前高等学校の基本情報
まずは、学校の基本的な情報を確認しましょう。高知市の中心部に位置し、アクセスも非常に便利な学校です。
項目 | 内容 |
正式名称 | 高知県立高知追手前高等学校 |
公立/私立の別 | 公立 |
共学/男子校/女子校の別 | 共学 |
所在地 | 〒780-0842 高知県高知市追手筋2丁目2番10号 |
代表電話番号 | 088-873-6141 |
公式サイトURL | https://www.kochinet.ed.jp/otemae-h/ |
高知追手前高等学校の偏差値・難易度・併願校
高知追手前高等学校への合格を目指す上で、最も気になるのが偏差値や難易度でしょう。県内最難関の一つであり、しっかりとした準備が必要です。
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偏差値:普通科 64~66
複数の教育情報サイトによると、高知追手前高等学校の偏差値は64から66前後とされており、これは高知県内の公立高校でトップクラスに位置します。この数値は、非常に高い学力が求められることを示しています。
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合格に必要な内申点の目安:39前後
偏差値だけでなく、中学校での成績を示す内申点(調査書点)も合否の重要な要素です。合格者の傾向を見ると、5段階評価で平均して39程度が必要とされています。これは、主要5教科だけでなく、技能教科においても高い評価を安定して取ることが求められるレベルです。高知県の公立高校入試では、中学1・2年生の成績も評価対象に含まれるため、早期からの学習習慣が合否を分けます。
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同じくらいの偏差値の他の高校
高知追手前高等学校を検討する受験生は、同じく高いレベルの高校も視野に入れていることが多いです。具体的には、高知小津高等学校の理数科(偏差値60~62)や、高知国際高等学校(偏差値58~60)などが学力的に近い目標校として挙げられます。これらの学校と比較検討することで、自分の目指す方向性がより明確になるでしょう。
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主な併願校
高知県では、公立高校を複数併願することはできません。そのため、高知追手前高等学校を受験する場合、万が一に備えて私立高校を併願するのが一般的です。最も多くの受験生が併願先として選ぶのが、私立の高知学芸高等学校です。こちらも高いレベルの進学校であり、しっかりとした学力が求められます。
高知追手前高等学校に設置されている学科・コース
高知追手前高等学校の学びの最大の特徴は、将来の目標をじっくりと見据えることができるカリキュラム編成にあります。
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普通科
高知追手前高等学校に設置されているのは普通科のみです。しかし、その中で生徒一人ひとりの進路希望に合わせたきめ細やかな指導が行われます。
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1年次:文理共通カリキュラム
入学後すぐは、文系・理系の区別なく、全員が同じカリキュラムで学びます。ここで各教科の基礎学力を徹底的に固めるとともに、自分の興味や適性を見極める期間となります。
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2年次以降:文系・理系コースへの分化
2年生からは、それぞれの進路希望に応じて「文系コース」と「理系コース」に分かれます。国公立大学や難関私立大学への進学を視野に入れ、より専門性の高い科目を重点的に学習していきます。
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どんな生徒におすすめか?
「将来は大学に進学したいけれど、文系か理系かまだ決めきれない」「まずは高校で幅広い分野を学び、自分の可能性を探りたい」と考えている生徒に最適な環境です。
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高知追手前高等学校の特色・校風
140年以上の歴史が育んだ高知追手前高等学校の校風は、一言で表すなら「伝統と革新の融合」です。
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校風を表すキーワード:質実剛健、文武両道、伝統校、進学校
学校が掲げるのは、飾り気がなく心身ともに強くたくましい「質実剛健」と、学業と部活動などを両立させる「文武両道」の精神です。歴史と伝統を重んじる雰囲気があり、卒業生にはアンパンマンの作者やなせたかし氏や元内閣総理大臣の濱口雄幸氏など、数多くの著名人が名を連ねています。
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宿題の量や学習について
「課題や小テストが非常に多い」という声が多くの在校生・卒業生から聞かれます。授業の進度も速く、日々の予習・復習は欠かせません。この厳しい環境が、高い進学実績を支えています。放課後には教室が自習スペースとして開放され、分かるまでとことん付き合ってくれる先生も多く、自分から学ぶ意欲のある生徒にとっては最高の環境と言えるでしょう。
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校則(スマホ、服装、アルバイトなど)
校則は「厳しい」と感じる生徒が多いようです。伝統校らしく、礼儀や規律が重んじられています。
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スマホ: 授業中の使用は厳しく制限されていると考えられます。休み時間や放課後の使用に関しても、学校のルールをしっかり確認する必要があります。
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服装: 制服の着こなしなど、身だしなみに関する指導はきちんとしているようです。清潔・端正であることが求められます。
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アルバイト: 原則として禁止されている可能性が高いです。学業と部活動に専念することが期待される校風です。
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制服の評判: 男子は伝統的な詰襟、女子は黒のブレザースタイルです。特に女子の制服は、胸元で結ぶ紐リボンのような形の形成リボンが特徴的で、落ち着いた品のあるデザインです。
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生徒たちの雰囲気
生徒は「真面目」で学習意欲が高い人がほとんどです。しかし、ただ勉強ばかりしているわけではなく、「面白い人が多く、気が合う」「性格がいい人ばかりで居心地が良い」という声も多数あります。厳しい課題や行事を共に乗り越える中で、一生涯付き合えるような固い絆で結ばれた友人ができるようです。
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土曜授業
毎週ではありませんが、「追手前ゼミナール」といった進学講座などが土曜日に開かれることがあります。生徒の学習意欲に応えるための機会が豊富に用意されています。
高知追手前高等学校の部活動・イベント
部活動
「文武両道」を掲げる高知追手前高等学校では、部活動も非常に盛んです。「中学校より圧倒的に充実している」と感じる生徒もいるほど、活気に満ちています。
運動部、文化部ともに多種多様なクラブがあり、多くの生徒が加入して熱心に活動しています。特に歴史と実績のある部活動や、ユニークな部活動をいくつか紹介します。
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野球部: 旧制中学時代に、高知県勢として初めて夏の甲子園に出場した輝かしい歴史を持ちます。伝統を受け継ぎ、今も活発に活動しています。
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弓道部: 校内に専用の道場はありませんが、近くの県立武道館で本格的な練習を行っており、高いレベルで活動しています。
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吹奏楽部、美術部など文化部も充実: 文化部も非常に活発で、先輩が後輩に丁寧に指導する文化が根付いています。初心者からでも安心して始められ、自分の興味をとことん追求できる環境です。
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清流太鼓部(吾北分校): 本校とは別に、吾北分校には全国高等学校総合文化祭にも出場する実力を持つ「清流太鼓部」があり、地域イベントでも活躍しています。
イベント
高知追手前高等学校の学校生活を彩るイベントは、生徒が主体となって作り上げる熱気が特徴です。特に、文化祭と体育祭は最大の盛り上がりを見せます。
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文化祭(時計台祭): 毎年9月上旬に2日間にわたって開催される文化祭は、学校のシンボルにちなんで「時計台祭」と呼ばれています。各クラスがゲームやクイズ、謎解きなど、趣向を凝らした出し物を用意し、文化部も日頃の活動の成果を発表します。生徒からは「高知で一番の文化祭にしたい」という意気込みが聞かれるほど、学校全体が一体となるイベントです。
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体育祭: 文化祭の直後に行われる体育祭は、まさに熱気の渦です。全校生徒が青・黄・赤の3つの団に分かれ、優勝を目指して競い合います。玉入れやリレーといった定番競技に加え、最大の見どころは全校生徒が参加する「応援合戦」です。夏休みから練習を重ねた迫力あるパフォーマンスは圧巻で、団の垣根を越えて感動を分かち合います。
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その他の行事: クラス対抗で球技などを行う「ホームマッチ」や、芸術鑑賞会など、年間を通して様々な行事が計画されており、充実した学校生活を送ることができます。
高知追手前高等学校の進学実績
高知県トップクラスの進学校である高知追手前高等学校は、その名に恥じない優れた大学進学実績を誇ります。大学進学希望者がほぼ100%で、特に国公立大学への進学に強いのが特徴です。
近年の実績では、卒業生の約半数が国公立大学へ現役で合格しており、非常に高い水準を維持しています。
主な大学進学実績(令和3年度卒業生実績など)
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国公立大学(現役合格者148名など):
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大阪大学、岡山大学、広島大学、神戸市外国語大学といった中国・四国・関西地方の難関大学をはじめ、高知大学、高知県立大学、高知工科大学など地元の大学にも多数進学しています。
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北海道大学や東京学芸大学、横浜市立大学など、全国の国公立大学に合格者を輩出しています。
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難関私立大学:
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関西圏の「関関同立」(関西大学、関西学院大学、同志社大学、立命館大学)や、「産近甲龍」(京都産業大学、近畿大学、甲南大学、龍谷大学)に多数の合格者を出しています。
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首都圏の青山学院大学、中央大学、法政大学などにも合格実績があります。
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進学実績を支える取り組み:
この高い進学実績は、質の高い授業はもちろん、学校独自の取り組みによって支えられています。
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授業第一主義: 「あたり前のことをあたり前にする、そして一流にする」を合言葉に、教員が一丸となって授業の質向上に取り組んでいます。
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レオプロジェクト: 本校出身の濱口雄幸元総理大臣の愛称「ライオン宰相」にちなんだ、3年間のキャリア教育プログラムです。大学訪問や企業研修、探究活動、ディベートなどを通して、単なる学力だけでなく、将来を見据えて主体的に学ぶ「志」を育むことを目的としています。この取り組みが、生徒一人ひとりの進路意識を高め、高い合格実績に結びついています。
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高知追手前高等学校の特長・アピールポイント
他の高校にはない、高知追手前高等学校ならではの魅力を5つのポイントにまとめました。
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圧倒的な歴史と伝統の象徴「時計台」
創立140年を超える歴史は、県内でも随一です。国の登録有形文化財にもなっている美しい時計台校舎は、生徒たちの誇りであり、歴史の重みを感じながら学ぶことができる特別な環境です。
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県内トップクラスの学力と国公立大学への高い進学実績
県内最難関レベルの偏差値を誇り、切磋琢磨できる仲間と共に高いレベルの授業を受けられます。卒業生の約半数が国公立大学へ進学するという実績は、確かな指導力の証です。
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「志」を育む独自の探究学習「レオプロジェクト」
ただ大学に合格するためだけでなく、将来社会で活躍できる人材を育てるための3年間の体系的なキャリア教育プログラム「レオプロジェクト」が大きな特長です。探究活動やプレゼンテーションを通して、思考力や表現力を磨きます。
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生徒が主役となって創り上げる熱狂的な学校行事
「時計台祭」や「体育祭」は、生徒が主体となって企画・運営します。特に体育祭の応援合戦は、学年やクラスを越えた一体感が生まれ、一生の思い出になるほど熱く盛り上がります。
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高知市中心部の優れたアクセス
JR高知駅やとさでん交通の電停から徒歩圏内という抜群の立地です。高知市内の様々なエリアから通学しやすく、放課後の活動にも便利な環境です。
高知追手前高等学校の口コミ・評判のまとめ
ここでは、在校生や卒業生から寄せられたリアルな声を、良い点と気になる点に分けて公平にご紹介します。
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良い点
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最高の友人に出会える: 「勉強は大変だけど、一緒に乗り越える仲間は一生の宝物」「面白くて性格の良い人が多く、毎日が楽しい」といった声が非常に多いです。厳しい環境だからこそ、強い絆が生まれるようです。
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先生のサポートが手厚い: 「自分から質問に行けば、先生は分かるまでとことん教えてくれる」「親身にサポートしてくれる先生が多い」など、意欲的な生徒への支援を評価する声が多数あります。
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勉強する環境が整っている: 「周りの生徒の意識が高く、自然と勉強する雰囲気になる」「放課後に教室で自習する生徒が多い」など、学習に集中できる環境が整っている点が高く評価されています。
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行事が本当に楽しく、達成感が大きい: 「体育祭や文化祭は本気で楽しめ、クラスの団結力が強まる」「大変なことも多いが、卒業してみれば追手前で良かったと心から思える」という意見も目立ちます。
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気になる点
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課題や小テストが非常に多い: 「とにかく課題が多くて大変」「自分の勉強時間がなかなか取れない」という声は、ほぼ全ての生徒から聞かれます。相当な覚悟が必要です。
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授業のペースが速く、ついていくのが大変: 「少しでも気を抜くとすぐにおいていかれる」「勉強ができない生徒は見捨てられると感じることがある」といった、授業の厳しさに関する意見もあります。
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推薦入試に頼らない方針: 「成績が良くても一般入試で受験させられることが多い」という声があります。学校として、生徒に正面から学力で挑戦してほしいという方針が強いようです。
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校舎が古い: 「歴史があるのは良いが、施設が少し古いと感じる」という意見もあります。ただし、耐震工事などは行われています。
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アクセス・通学
高知追手前高等学校は高知市の中心部にあり、公共交通機関でのアクセスが非常に便利です。
交通手段 | 最寄り駅・停留所 | 学校までの所要時間 |
JR | 高知駅 | 徒歩約15分 |
とさでん交通(路面電車) | 堀詰・大橋通・蓮池町通 | 徒歩約5~10分 |
バス | はりまや橋 | 徒歩約15分 |
このアクセスの良さから、高知市内全域はもちろん、市外の比較的広い範囲から多くの生徒が通学しています。
高知追手前高等学校受験生へのワンポイントアドバイス
これまで高知追手前高等学校の様々な魅力や特徴をお伝えしてきましたが、最後に皆さんへの応援メッセージを送ります。この学校は、「高い目標に向かって、自ら努力し続けることができる生徒」に特におすすめです。周りに流されず、自分のペースで学習を進められる強い意志と、困難な課題にも仲間と協力して立ち向かえる柔軟性があれば、これ以上ないほど充実した3年間を送れるでしょう。
高知追手前高等学校の入試を突破するためには、付け焼き刃の知識では通用しません。中学3年間、特に最後の1年間は、5教科すべての基礎を徹底的に固めることが何よりも大切です。苦手分野を作らず、どの科目でも安定して高得点を取れる学力を目指してください。そして、合格の鍵を握る内申点をおろそかにしてはいけません。日々の授業態度や提出物を大切にし、定期テストで着実に結果を出すことが、夢への扉を開きます。
挑戦の道は決して平坦ではありませんが、その先には、歴史と伝統に育まれた学び舎で、最高の仲間たちと共に自分を磨き、大きな夢を追いかける素晴らしい日々が待っています。高知追手前高等学校でしか得られない経験と成長を、ぜひその手で掴み取ってください。応援しています!
※最新かつ正確な情報は、必ず高校の公式サイトや学校説明会で確認してください。