埼玉県立皆野高等学校は、秩父の豊かな自然に囲まれた場所にある、地域に根ざした歴史ある専門高校です。創立から60年、多くの卒業生を社会に送り出してきました。残念ながら、皆野高等学校は令和5年度の入学生を最後に生徒募集を停止し、令和8年3月をもって閉校、埼玉県立秩父高等学校と統合することが決まっています。

この記事では、現在学んでいる生徒たちがどのような学校生活を送っているのか、また、これまで皆野高校がどのような教育を行ってきたのか、その魅力や特色を詳しくお伝えします。

地域との強いつながりを活かした実践的な学びや、アットホームな雰囲気の中で育まれる生徒一人ひとりの個性など、閉校を前にしてもなお輝きを放つ皆野高校の姿を、これから高校選びをする中学生や保護者の皆様に、ぜひ知っていただければと思います。

皆野高等学校の基本情報

項目 内容
正式名称 埼玉県立皆野高等学校
公立/私立の別 公立
共学/男子校/女子校の別 男女共学
所在地 〒369-1623 埼玉県秩父郡皆野町大字大渕19-1
代表電話番号 0494-62-2076
公式サイトURL https://minano-h.spec.ed.jp/

皆野高等学校に設置されている学科・コース

皆野高等学校では、入学時には学科を決めず、1年間商業の基礎を共通で学んだ後、生徒一人ひとりの興味や関心、将来の希望に応じて2年生から学科を選択する「くくり募集」というユニークな制度を導入していました。

  • 商業科: 流通やマーケティング、簿記など、ビジネスの基本を幅広く学びます。地域企業と連携した商品開発など、実践的な授業が魅力です。将来、販売や事務、企画などの仕事に就きたい人におすすめです。

  • 情報処理科: プログラミングやデータベース、Webデザインなど、コンピュータに関する専門的な知識と技術を学びます。IT社会で活躍できるスキルを身につけたい人におすすめの学科です。

皆野高等学校の特色・校風

皆野高等学校は、「地域に根ざしたアットホームな学校」という言葉がぴったりの校風です。生徒数が少ないため、先生と生徒の距離が近く、一人ひとりへのきめ細やかな指導が行き届いているのが大きな特徴です。

  • 校風・雰囲気: 「誠実・勤勉・協力・奉仕」を校訓に掲げ、落ち着いた雰囲気の中で、生徒たちはのびのびと学校生活を送っているようです。地域との連携を重視しており、地元のイベントやボランティア活動に積極的に参加する文化があります。

  • 宿題の量: 専門高校ということもあり、資格取得に向けた課題などが出されることがあるようですが、量は標準的という声が見られます。

  • 校則: 他の高校と比較すると、服装や頭髪に関する指導は比較的しっかりしているという意見があります。月曜日を除いて、昇降口で服装のチェックがあるようです。スマートフォンの持ち込みは許可されていますが、校内での使用にはルールが定められています。

  • 生徒たちの雰囲気: 真面目で落ち着いた生徒が多い印象です。少人数教育のため、学年を超えて生徒同士の仲が良いという声も聞かれます。

  • アルバイト: アルバイトは許可制となっている場合が多いようです。

  • 制服: 紺色のブレザーが基調の、シンプルで落ち着いたデザインです。女子はチェック柄のスカートにリボン、男子はスラックスにネクタイを合わせます。

皆野高等学校の部活動・イベント

部活動

皆野高等学校は、少人数ながらも部活動が盛んで、多くの部が県大会やそれ以上の大会で活躍してきました。

  • 運動部: 特にホッケー部は全国大会出場の経験もある伝統ある強豪として知られています。そのほか、剣道部、弓道部、卓球部なども活発に活動しています。

  • 文化部: 商業研究部は、商品開発や販売実習など、商業高校ならではの特色ある活動を行っています。美術部や書道部も、各種コンクールで入賞するなどの実績があります。

イベント

生徒主体で作り上げる、アットホームなイベントが魅力です。

  • 体育祭(5月): 近隣の小学生を招待して一緒に競技を行うなど、地域との交流が深まるユニークな体育祭です。卒業生が参加することもあり、世代を超えて盛り上がります。

  • 秋桜祭(文化祭・10月): 「秋桜祭(しゅうおうさい)」と呼ばれる文化祭は、クラスや部活動ごとに工夫を凝らした展示や模擬店が並びます。 生徒が開発した商品の販売なども行われ、毎年多くの地域住民で賑わいます。

  • 修学旅行(9月・2年生): 学習の目的に合わせて、日本の各地を訪れ、地域の文化や自然に触れる貴重な体験となります。

皆野高等学校の進学実績

皆野高等学校は、就職から大学進学まで、生徒一人ひとりの多様な進路希望に対応した手厚いサポート体制が特徴です。

  • 進路決定率: 1学年から計画的な進路ガイダンスが行われ、卒業生の進路決定率は毎年100%を達成しています。

  • 就職: 秩父地域を中心とした地元企業への就職に強みを持っています。サービス業、販売業、製造業など、幅広い業種で内定を得ています。

  • 進学: 専門学校への進学者が多い傾向にありますが、国士舘大学や跡見学園女子大学などへの四年制大学合格実績もあります。 多くの大学・短大・専門学校から指定校推薦枠が寄せられています。

  • サポート体制: 2年生全員を対象としたインターンシップ(就業体験)や、卒業生を招いての進路懇談会などを通じて、生徒が早い段階から職業観を育み、明確な目的意識を持って進路選択に臨めるよう指導しています。

皆野高等学校の特長・アピールポイント

閉校を控えた今も、皆野高等学校が地域で果たしてきた役割と教育の特色は色褪せません。

  • 地域連携による商品開発: 地元企業と協力し、「激推イノシカバーガー」や「なんちゃって!?みそぽてサブレ」など、数々のヒット商品を開発してきました。 企画から販売までを生徒が手がける実践的な学びは、大きな魅力です。

  • くくり募集とユニット制: 入学後に自分の適性を見極めてから専門学科を選べる「くくり募集」は、生徒のミスマッチを防ぐ画期的なシステムでした。

  • 手厚い少人数教育: 生徒一人ひとりに先生の目が行き届き、学習面でも生活面でもきめ細やかなサポートを受けられる環境です。

  • 豊富な資格取得チャンス: 在学中に日商簿記検定や情報処理検定、ビジネス文書実務検定など、社会で役立つ多くの資格に挑戦できます。

  • 地域に開かれた学校行事: 体育祭や文化祭に地域の小学生や住民が参加するなど、学校全体が地域コミュニティの一部として機能しています。

  • 伝統ある部活動: ホッケー部をはじめ、全国大会や関東大会への出場経験を持つ部活動が複数あり、文武両道を実践してきました。

  • 100%の進路決定率: 地元就職から大学進学まで、一人ひとりの希望を叶える手厚い進路指導も大きな強みです。

皆野高等学校の口コミ・評判のまとめ

在校生や卒業生からは、学校のアットホームな雰囲気や先生方の手厚いサポートに対する肯定的な声が多く聞かれます。

  • 良い点:

    • 「先生方が親身になって相談に乗ってくれる」

    • 「少人数なので、クラスの団結力が強く、みんな仲が良い」

    • 「商品開発など、他の高校ではできない貴重な体験ができた」

    • 「資格がたくさん取れるので、就職に有利だと感じた」

  • 気になる点:

    • 「校則が少し厳しいと感じることがあった」

    • 「駅から少し距離があり、坂道なので通学が大変」

    • 「施設の古さが少し気になる」という意見もあるようです。

アクセス・通学

自然豊かな環境に位置する皆野高等学校へのアクセス方法は以下の通りです。

  • 最寄り駅: 秩父鉄道「皆野駅」または「親鼻駅」

    • 皆野駅、親鼻駅からそれぞれ徒歩で約25分〜30分です。

    • 皆野駅から町営バスを利用し、「長生荘(皆高入口)」で下車、そこから徒歩約3分というルートもあります。

  • 通学エリア: 主に皆野町、長瀞町、秩父市など、秩父地域から通学する生徒が多いようです。

※最新かつ正確な情報は、必ず高校の公式サイトや学校説明会で確認してください。