順天高等学校は、1834年創立の非常に長い歴史と伝統を持つ、東京都北区に位置する私立の共学校です。 勉学はもちろん、グローバル教育や探究学習に力を入れており、これからの社会で活躍するために必要な力を伸ばせる環境が整っています。最寄り駅の王子駅から徒歩約3分というアクセスの良さも、順天高等学校が多くの受験生から人気を集める理由の一つです。

「英知をもって国際社会で活躍できる人間を育成する」という教育目標のもと、生徒一人ひとりの可能性を最大限に引き出す教育が実践されています。 また、2026年度からは北里大学の附属校となり、「北里大学附属順天中学校・高等学校」に校名を変更予定で、内部進学制度も開始される見込みです。 この大きな変化は、これからの順天高等学校の教育にさらなる深みと広がりをもたらすことでしょう。

この記事では、そんな魅力あふれる順天高等学校について、偏差値やコース、学校生活の様子から進学実績まで、中学生や保護者の皆さんが知りたい情報を詳しく、そして分かりやすく解説していきます。あなたの高校選びの参考に、ぜひ最後まで読んでみてください。

順天高等学校の基本情報

項目 内容
正式名称 順天高等学校 (2026年度より北里大学附属順天高等学校に校名変更予定)
公立/私立の別 私立
共学/男子校/女子校の別 共学
所在地 〒114-0022 東京都北区王子本町一丁目17番13号
代表電話番号 03-3908-2966
公式サイト https://www.junten.ed.jp/

順天高等学校の偏差値・難易度・併願校

順天高等学校は、進学指導にも力を入れている人気の高い学校です。そのため、入試の難易度も高めの水準にあると言えるでしょう。自分の学力と照らし合わせながら、目標設定をすることが大切です。

学科・コースごとの偏差値の目安は以下の通りです。

  • 普通科理数選抜類型: 63

  • 普通科英語選抜類型: 62

  • 普通科特進選抜類型: 61

同じくらいの偏差値の高校としては、都内では駒込高校(理系先進・Sコース)、淑徳巣鴨高校(特進選抜コース)、日本大学第二高等学校などが挙げられます。合格に必要な内申点の目安については、併願優遇制度を利用する場合、5教科の評定合計が22〜23あたりが一つの基準となるようです。ただし、これらの数値はあくまで目安であり、年度によって変動する可能性があるため、必ず学校説明会などで最新の情報を確認してください。

順天高等学校を第一志望とする受験生が併願校として選ぶことが多いのは、都内の私立高校が中心です。例えば、駒込高校、東洋大学京北高校、淑徳巣鴨高校、桜丘高校などが主な併願先として挙げられます。

順天高等学校に設置されている学科・コース

順天高等学校には、生徒一人ひとりの興味や進路希望に合わせて専門性を深められるよう、特色ある3つの類型(コース)が設置されています。

  • 理数選抜類型(Sクラス)

    最難関国公私立大学の理系学部や医学部への進学を目指すコースです。 高度な理数教育に加え、独自の科目「理数探究」を通じて、科学的な課題研究に取り組みます。 将来、研究者や医療従事者として活躍したい人におすすめです。

  • 英語選抜類型(Eクラス)

    難関国公私立大学の文系学部や海外大学への進学を目指すコースです。 ネイティブ教員による授業や海外研修プログラムが充実しており、実践的な英語力を徹底的に鍛えます。 グローバルな舞台で自分の力を試したい人にぴったりのコースです。

  • 特進選抜類型(Tクラス)

    最難関国公私立大学や難関私立大学への進学を目指す、文理選択が可能なコースです。 探究学習では、文理横断的なテーマに取り組むことも可能で、幅広い進路に対応できる学力を養成します。 まだ将来の夢が明確に決まっていないけれど、高いレベルの大学を目指したいという人におすすめです。

順天高等学校の特色・校風

180年以上の歴史を持つ順天高等学校は、落ち着いた雰囲気の中で、生徒の自主性を重んじる校風が特徴です。 スーパーグローバルハイスクール(SGH)に指定されていた経験もあり、グローバルな視点を育む教育が根付いています。

  • 宿題の量と校則

    宿題の量は、コースや学年にもよりますが、日々の予習復習をしっかり行っていればこなせる量という声が多いようです。校則は、私立高校としては標準的か、やや厳しめと感じる生徒もいるようです。特に頭髪や服装に関する指導は比較的しっかりしているとの口コミが見られます。スマートフォンの使用は校内では原則禁止ですが、登下校時は許可されているようです。アルバイトは原則として禁止されています。

  • 生徒たちの雰囲気

    生徒たちは真面目で落ち着いている雰囲気があり、学習意欲の高い生徒が多いようです。 いじめは少ないという声が多く、安心して学校生活を送れる環境と言えそうです。

  • 制服と土曜授業

    制服は、伝統的で落ち着いたデザインで、特に女子の冬服は可愛いと評判のようです。 一方で、夏服のデザインについては好みが分かれる意見も見られます。土曜日は、授業やワークショップ、部活動などが行われることがあり、週6日制が基本となっています。

順天高等学校の部活動・イベント

部活動

順天高等学校は、勉学だけでなく部活動も非常に盛んで、文武両道を実践している生徒が多くいます。運動部、文化部ともに多種多様なクラブがあり、自分に合った活動を見つけることができるでしょう。

特に、陸上競技部、バトン部、ダンス部は全国大会に出場するなどの輝かしい実績を誇っています。 ダンス部は「成龍(シェンロン)」をテーマにした独創的なパフォーマンスで注目を集めたこともあります。 また、社会福祉部が地域の清掃活動などのボランティアに積極的に取り組んでいるのも特色の一つです。 多くの部活動は、体育の授業や運動部が活動する「新田キャンパス」と、HR教室などがある「王子キャンパス」の2つのキャンパスを利用して活動しています。

イベント

順天高等学校では、生徒が主体となって創り上げる学校行事が年間を通して数多く開催され、学校生活を彩ります。

最大のイベントは、6月に行われる体育祭と9月に行われる文化祭で、これらは合わせて「北斗祭」と呼ばれています。 体育祭ではクラス対抗で熱い戦いが繰り広げられ、文化祭では各クラスや部活動が趣向を凝らした展示や発表を行い、大変な盛り上がりを見せるようです。

また、高校2年生の夏には海外研修が実施され、オーストラリア、ニュージーランド、カナダ、台湾、タイなど複数の選択肢から行き先を選べるのが大きな特徴です。 この研修を通して、異文化に触れ、国際感覚を養う貴重な体験ができます。

順天高等学校の進学実績

順天高等学校は、生徒一人ひとりの進路実現に向けた手厚いサポート体制が整っており、高い大学進学実績を誇っています。卒業生の約95%が現役で4年制大学に合格しており、その進学力の高さがうかがえます。

2024年度の主な大学合格実績を見ると、国公立大学では東京大学1名をはじめ、旧帝大+一工(一橋大学、東京工業大学)に3名が合格しています。

難関私立大学への進学も非常に好調で、早稲田大学、慶應義塾大学、上智大学、東京理科大学、ICUを合わせた「早慶上理ICU」に60名、学習院大学、明治大学、青山学院大学、立教大学、中央大学、法政大学からなる「GMARCH」には201人もの合格者を出しています。 卒業生の半数以上が国公立、難関私立大学、医歯薬系の大学に進学しているというデータもあります。

これらの高い進学実績を支えているのが、充実した進学教育プログラムです。放課後や夏休みなどの長期休暇中には、進学講座や補習が数多く開講されています。 また、2026年度からは北里大学への内部進学制度が開始される予定で、生徒たちの進路選択の幅はさらに広がることになります。

順天高等学校の特長・アピールポイント

順天高等学校には、他の高校にはない独自の魅力がたくさんあります。ここでは、その中でも特に注目すべきポイントをいくつかご紹介します。

  • 2026年度から「北里大学附属校」へ

    2026年4月から北里大学の附属校となり、校名も「北里大学附属順天中学校・高等学校」に変更されます。 これにより、医学部をはじめとする理系学部が充実している北里大学への内部進学の道が開かれ、高大連携の教育プログラムが一層強化される見込みです。

  • 探究学習プログラム「SGH」のレガシー

    文部科学省からスーパーグローバルハイスクール(SGH)に指定されていた経験を活かし、生徒の主体的な学びを促す探究学習に力を入れています。 「探求から研究へ」をスローガンに、社会貢献を目的とした課題研究に取り組み、その成果を発表する機会も豊富に用意されています。

  • 多彩な行き先から選べる海外研修

    高校2年生で実施される海外研修は、オーストラリア、ニュージーランド、カナダ、台湾、タイなど、複数の国・地域から自分の興味に合わせて選択できるのが大きな魅力です。 事前・事後学習も充実しており、異文化理解を深める貴重な機会となっています。

  • 都心にありながら充実した2つのキャンパス

    HR教室や特別教室が集まる王子駅から徒歩3分の「王子キャンパス」と、体育館やグラウンド、武道館などを備えた「新田キャンパス」の2つのキャンパスがあります。 用途に応じて使い分けることで、充実した学習環境とスポーツ施設の両方を享受できます。

  • 180年以上の歴史と伝統

    1834年創立の「順天堂塾」を起源とする、非常に長い歴史を持つ学校です。 幕末から続く伝統の中で培われてきた「順天求合(自然の摂理にしたがって真理を探求する)」という建学の精神が、今も教育の根幹に息づいています。

  • 国際交流が盛んな環境

    外国人教員や留学生が常に校内にいる環境で、日常的に異文化に触れることができます。 海外の大学とも多数提携しており、グローバルな視野を広げるチャンスに恵まれています。

順天高等学校の口コミ・評判のまとめ

実際に通っている生徒や卒業生、保護者からは、順天高等学校について様々な声が寄せられています。ここでは、ポジティブな口コミと、少し気になる点として挙げられている口コミを公平にご紹介します。

  • 良い点:

    「先生方のサポートが手厚く、親身になって相談に乗ってくれる」という声が多く見られます。 また、「探究学習が本当に楽しく、自分の興味をとことん追求できる」「落ち着いた環境で勉強に集中できる」「駅から近くて通いやすいのが魅力」といった意見も目立ちます。 グローバル教育に力を入れている点や、行事を通じてクラスの団結力が強まる点を評価する声も多いようです。

  • 気になる点:

    一方で、「校則が少し厳しいと感じる」という声、特に頭髪やスマートフォンの使用に関するルールについての意見が見られます。 また、「施設が少し古い部分もある」「運動部は別のキャンパスへの移動が少し大変」といった口コミも一部でありました。制服のデザインに関しては、特に夏服について好みが分かれるようです。

アクセス・通学

順天高等学校は、交通の便が非常に良い場所にあります。メインとなる王子キャンパスは、複数の路線が利用できる王子駅のすぐ近くです。

  • JR京浜東北線「王子駅」(北口)から徒歩約3分

  • 東京メトロ南北線「王子駅」(3番出口)から徒歩約3分

  • 東京さくらトラム(都電荒川線)「王子駅前停留場」から徒歩約3分

このアクセスの良さから、東京都内だけでなく、埼玉県や千葉県など、広い範囲から多くの生徒が通学しています。

順天高等学校受験生へのワンポイントアドバイス

ここまで読んでくれてありがとう。順天高等学校の魅力は伝わったでしょうか。最後に、進学アドバイザーとして、順天高等学校を目指す君にメッセージを送ります。

この学校は、「将来、国際的な舞台で活躍したい」「自分の好きなことを深く探究してみたい」「高いレベルの大学に進学したい」といった、知的好奇心と高い目標を持っている君に特におすすめです。落ち着いた環境で、同じ志を持つ仲間たちと切磋琢磨しながら、充実した3年間を送ることができるでしょう。

受験勉強では、まず基礎を徹底的に固めることが何よりも大切です。その上で、順天高等学校の入試問題は、思考力や表現力を問う問題も出題される傾向があります。過去問をしっかりと研究し、単に答えを出すだけでなく、「なぜそうなるのか」を自分の言葉で説明できるように練習しておきましょう。特に英語は、長文読解やリスニングの配点も大きいので、日頃から英語に触れる機会を増やすことを意識してください。順天高等学校で、君の夢への第一歩を踏み出せるよう、心から応援しています!

※最新かつ正確な情報は、必ず高校の公式サイトや学校説明会で確認してください。