東京科学大学附属科学技術高等学校は、未来の科学者や技術者を夢見る君にとって、最高のスタートラインとなる場所です。2024年10月に東京工業大学と東京医科歯科大学が統合して「東京科学大学」が誕生したことに伴い、校名が変更されました。この統合により、理工学系だけでなく医歯学系との連携も始まり、学びの可能性はさらに大きく広がっています。

この学校の最大の魅力は、なんといっても国内唯一の国立大学附属の科学技術高校であることです。大学レベルの本格的な実験設備を使い、第一線で活躍する大学の先生から直接指導を受けられる機会も豊富に用意されています。高校の枠を超えた専門的な知識や技術に触れられる環境は、君の知的好奇心を存分に満たしてくれるでしょう。

「好き」を「専門性」へと高め、同じ志を持つ仲間たちと切磋琢磨できる3年間は、きっと一生の宝物になるはずです。この記事では、そんな東京科学大学附属科学技術高等学校の魅力を、さまざまな角度から詳しく紹介していきます。未来のイノベーターを目指す君の挑戦を、心から応援しています。

東京科学大学附属科学技術高等学校の基本情報

以下に学校の基本的な情報をまとめました。

項目 内容
正式名称 東京科学大学附属科学技術高等学校
公立/私立の別 国立
共学/男子校/女子校の別 男女共学
所在地 〒108-0023 東京都港区芝浦三丁目3番6号
代表電話番号 03-3453-2251
公式サイトURL https://www.hst.sci.hokudai.ac.jp/

なお、2027年4月には現在の田町キャンパスから、東京科学大学大岡山キャンパス(東京都目黒区)へ移転が予定されています。

東京科学大学附属科学技術高等学校の偏差値・難易度・併願校

東京科学大学附属科学技術高等学校は、都内でもトップクラスの学力が求められる、非常に難易度の高い学校です。最難関の国立高校の一つとして、受験生からの人気も非常に高くなっています。

  • 偏差値: 科学・技術科 72

この偏差値は、都立の進学指導重点校や、難関私立高校に匹敵するレベルです。合格のためには、中学校の学習内容を完璧に理解していることはもちろん、応用力や思考力を問う問題に対応できる高い学力が必要となります。

合格に必要な内申点の明確な基準は公表されていませんが、合格者の多くは非常に高い内申点を取得していると考えられます。主要5教科だけでなく、技能4教科においても優秀な成績を収めていることが望ましいでしょう。

主な併願校としては、以下のような難関私立高校が挙げられることが多いようです。

  • 早稲田大学高等学院

  • 慶應義塾高等学校

  • 市川高等学校

  • 栄東高等学校

  • 城北高等学校

東京科学大学附属科学技術高等学校に設置されている学科・コース

東京科学大学附属科学技術高等学校には「科学・技術科」の1学科のみが設置されています。 1年生のうちは全員が共通のカリキュラムで、科学技術の幅広い分野の基礎を学びます。 そして、1年間の学びを通して自分の興味や適性を見極め、2年生から以下の5つの専門分野に分かれて、より高度で専門的な学習に進んでいきます。

  • 応用化学分野

    材料科学、環境科学、バイオ技術など、化学を基礎とした最先端分野を学びます。新しい物質の開発や、環境問題の解決に貢献したい人におすすめです。

  • 情報システム分野

    コンピュータサイエンスやプログラミング、情報通信ネットワークなどについて探究します。AI開発やシステムエンジニアなど、情報社会の未来を創りたい人に最適です。

  • 機械システム分野

    ロボットの設計・製作や、機械システムの制御などを学びます。ものづくりが好きで、自分のアイデアを形にしたいという情熱のある人に向いています。

  • 電気電子分野

    エレクトロニクス、エネルギー、通信技術といった、現代社会に不可欠な技術を学びます。私たちの生活を支える電気の仕組みや、最先端の電子機器に興味がある人におすすめです。

  • 建築デザイン分野

    快適で美しい空間を創造するための建築デザインや、立体造形、デジタルデザインなどを学びます。建築家やデザイナーとして、人々の暮らしを豊かにしたいと考える人にぴったりです。

東京科学大学附属科学技術高等学校の特色・校風

東京科学大学附属科学技術高等学校は、「自主自律」を重んじる自由な校風で知られています。 生徒一人ひとりの主体性が尊重され、自分の興味や関心を深く追求できる環境が整っています。

  • 校風: 自主自律、探究心、自由闊達

  • 宿題・課題: レポートや研究課題が多く、主体的な学習が求められます。 普通科の高校とは異なり、実験や実習に伴うレポート作成が多いのが特徴で、一夜漬けで終わるような簡単なものではないようです。

  • 校則: 校則は比較的緩やかで、制服はありません。 服装や髪型も、高校生としての品位を保つ範囲で自由とされています。 スマートフォンの持ち込みも許可されており、校内での使用も常識の範囲内で認められているようです。

  • 生徒の雰囲気: 科学技術への探究心が強く、知的好奇心旺盛な生徒が多いようです。 自分の好きな分野に没頭している個性的な仲間が多く、互いに刺激し合える環境だという声が多く聞かれます。

  • アルバイト: アルバイトは原則として禁止されていませんが、学業との両立が求められます。

  • 制服: 制服はなく、私服での通学となります。

  • 土曜授業: 希望者向けの補習授業などが行われることがあります。

東京科学大学附属科学技術高等学校の部活動・イベント

部活動

東京科学大学附属科学技術高等学校では、科学技術系の学校ならではのユニークな部活動が活発に活動しています。 特に「ものづくり」に関連する部活動が充実しており、全国レベルの大会で優秀な成績を収めている部も少なくありません。

  • マイコン制御部: ロボットの製作やプログラミングを行い、様々なコンテストに出場しています。 自主的な活動が中心で、生徒たちが主体となってロボットを仕上げていくのが特徴です。

  • 科学部: 物理、化学、生物など、幅広い分野で興味のあるテーマについて日々研究活動を行っています。大学の研究室のような本格的な設備を使って、高度な実験に取り組むことができます。

  • アマチュア無線同好会: 無線技術を学び、国内外の無線家との交信を楽しむなど、専門的な活動を行っています。

もちろん、運動部も活発です。陸上部、サッカー部、ラグビー部、バスケットボール部などが熱心に活動しています。 また、文化部では吹奏楽部なども盛んに活動しています。

イベント

生徒が主体となって企画・運営するイベントが多く、学校全体が一体となって盛り上がります。

  • 蒼陵祭(文化祭): 毎年秋に開催される文化祭は「弟燕祭(ていえんさい)」とも呼ばれ、各クラスや部活動が日頃の研究成果を発表する貴重な機会です。 科学技術高校ならではの実験や展示、作品発表が多く、毎年多くの来場者で賑わいます。

  • 蒼陵祭(体育祭): 全学年が縦割りでチームを組み、優勝を目指して競い合います。 生徒会が中心となってユニークな競技が企画されることもあり、借り人競走のお題が専門的な実験器具の名前になるなど、この学校ならではの工夫が見られます。

  • 修学旅行: 2年生の時に実施されます。行き先は生徒へのアンケートを基に決定されることが多く、過去には沖縄などが選ばれています。

  • 課題研究発表会: 3年間の探究活動の集大成として、3年生が各自の研究成果を発表します。 大学の先生方から直接指導や講評を受けながら研究を進めることができ、そのレベルの高さは国内外で評価されています。

東京科学大学附属科学技術高等学校の進学実績

東京科学大学附属科学技術高等学校の卒業生のほとんどが、理系の大学・学部に進学します。特に、内部進学制度を利用して東京科学大学へ進学する生徒が多いのが大きな特徴です。

2024年の卒業生の実績を見ると、3割以上の生徒が学校推薦型選抜や総合型選抜で大学に合格しています。

  • 国公立大学:

    東京科学大学への内部進学者が多いほか、東京大学をはじめ、北海道大学、東北大学、名古屋大学などの旧帝国大学や、その他の国公立大学にも合格者を輩出しています。 2024年度は旧帝大+一工に9名、その他の国公立大学に20名が合格しています。

  • 難関私立大学:

    早稲田大学、慶應義塾大学、上智大学、東京理科大学などの難関私立大学にも多数の合格者を出しています。2024年度は早慶上理ICUに85名、GMARCHに45名が合格しています。

  • その他の進路:

    海外の大学へ進学する生徒もおり、ブリティッシュ・コロンビア大学(カナダ)やシドニー工科大学(オーストラリア)などへの合格実績もあります。

進学実績に結びつく取り組みとして、東京科学大学と連携した高度な教育プログラムが挙げられます。 大学教員による授業や「課題研究」での指導、大学の施設利用など、高校にいながら大学レベルの学びに触れる機会が豊富にあります。 こうした探究活動を通して身につけた高い専門性や問題解決能力が、推薦入試やAO入試で高く評価されています。

東京科学大学附属科学技術高等学校の特長・アピールポイント

東京科学大学附属科学技術高等学校には、他の高校にはないユニークな魅力がたくさんあります。

  • 東京科学大学との強力な高大連携: 国内唯一の国立大学附属の科学技術高校として、大学との連携教育が非常に充実しています。大学の先生による最先端技術に関する授業や、研究室訪問、3年間の集大成である「課題研究」での直接指導など、本物の科学技術に触れる機会が豊富です。

  • スーパーサイエンスハイスクール(SSH)としての高度な探究活動: 文部科学省からSSHの指定を受け、先進的な科学技術教育を実践しています。 課題研究を中心とした探究活動を通して、未知の課題に挑戦し、科学的に考え、技術的に問題を解決する力を養います。

  • 興味関心に合わせて選べる5つの専門分野: 2年生から「応用化学」「情報システム」「機械システム」「電気電子」「建築デザイン」の5分野に分かれ、専門性を深めます。 普通科高校では学べない、大学レベルの本格的な実験や実習に取り組むことができます。

  • 充実した実験・研究設備: 各専門分野には、大学の研究室に匹敵するような高度な実験・実習設備が整っています。最先端の環境で、自分の探究したいテーマに思う存分打ち込むことができます。

  • 生徒が主役となって創り上げる「蒼陵祭(文化祭)」: 日頃の研究成果を発表する文化祭は、科学技術高校ならではの展示や実験企画が満載で、地域でも評判のイベントです。生徒が主体となって企画・運営します。

  • 世界に視野を広げる国際交流プログラム: タイやフィリピンの提携校との交換留学や共同研究など、国際交流が盛んです。 科学技術という世界共通の言語をベースに、グローバルな舞台で活躍するためのコミュニケーション能力を養います。

  • 2027年に実現する新キャンパス: 現在の田町から、東京科学大学の大岡山キャンパス内に移転が決定しています。 大学のキャンパス内に立地するメリットを最大限に活かし、高大連携をさらに強化した新時代の科学技術教育がスタートします。

東京科学大学附属科学技術高等学校の口コミ・評判のまとめ

在校生や卒業生からは、その専門性の高い教育環境と自由な校風を評価する声が多く寄せられています。

  • 良い点:

    • 「大学レベルの実験設備が整っていて、自分の好きな研究に没頭できる」

    • 「レポート作成は大変だが、論理的思考力や表現力が鍛えられる」

    • 「校則が緩く自由な雰囲気なので、自分のやりたいことに何でも挑戦できる」

    • 「同じ分野に興味を持つ、知的で個性的な仲間がたくさんいて刺激になる」

    • 「先生方はそれぞれの分野の専門家で、質問に行くと親身に教えてくれる」

    • 「普通の高校では体験できない貴重な経験ができる」

  • 気になる点:

    • 「実験や実習のレポート課題が多く、勉強はかなり大変」

    • 「専門分野の学習が中心なので、文系科目が好きな人には向かないかもしれない」

    • 「女子生徒の割合がまだ少ない」

    • 「JR田町駅からは近いが、通学に時間がかかる生徒もいる」

    • 「体育の授業が厳しいという声が一部にある」

アクセス・通学

東京科学大学附属科学技術高等学校は、交通の便が非常に良い都心に位置しています。

  • 最寄り駅からのアクセス:

    • JR山手線・京浜東北線「田町駅」芝浦口(東口)から徒歩約2〜4分

    • 都営三田線・浅草線「三田駅」A4出口から徒歩約5〜6分

駅から非常に近く、雨の日でも通いやすい立地です。東京都内全域はもちろん、神奈川県、埼玉県、千葉県など、広範囲から生徒が通学しています。

東京科学大学附属科学技術高等学校受験生へのワンポイントアドバイス

東京科学大学附属科学技術高等学校は、「科学や技術が大好きで、高校から専門的なことを深く学びたい!」という強い探究心を持つ君に、まさにうってつけの学校です。この学校を本気で目指すなら、中学校の教科書レベルの知識を完璧にすることはもちろん、一歩進んで、科学ニュースにアンテナを張ったり、興味のある分野の入門書を読んでみたりと、知的好奇心をどんどん行動に移していくことが大切です。

入試では、思考力や応用力を問う難易度の高い問題が出題される傾向があります。特に数学や理科では、単なる暗記ではなく、「なぜそうなるのか」という原理原則からの深い理解が求められます。過去問にしっかりと取り組み、問題の傾向を掴んで対策を進めましょう。

東京科学大学附属科学技術高等学校での3年間は、君の「好き」という情熱を、未来を切り拓くための確かな力に変えてくれるはずです。同じ夢を持つ仲間たちと、最高の環境で学べる日を楽しみに、受験勉強を頑張ってください。応援しています!

※最新かつ正確な情報は、必ず高校の公式サイトや学校説明会で確認してください。