トキワ松学園高等学校は、東京都目黒区の閑静な住宅街に佇む、100年以上の歴史を持つ私立の女子高等学校です。創立者である三角錫子先生の「鋼鉄に一輪のすみれの花を添えて」という建学の精神のもと、芯の強さとしなやかな優しさを兼ね備えた女性の育成を目指しています。

近年、トキワ松学園高等学校が特に力を入れているのが「探究学習」です。生徒一人ひとりが自ら課題を見つけ、情報を集め、仲間と協力しながら解決策を探っていくプロセスを重視しています。この探究活動を通して、これからの社会で必要とされる思考力や表現力、協働する力を養います。

この記事では、そんな魅力あふれるトキワ松学園高等学校について、偏差値やコース、学校生活の様子から進学実績、そして在校生や卒業生のリアルな口コミまで、進学アドバイザーの視点から詳しく、そして分かりやすく解説していきます。あなたの高校選びの参考に、ぜひ最後まで読み進めてみてください。

トキワ松学園高等学校の基本情報

項目 内容
正式名称 トキワ松学園高等学校
公立/私立の別 私立
共学/女子校の別 女子校
所在地 〒152-0003 東京都目黒区碑文谷4-17-16
代表電話番号 03-3713-8161
公式サイト https://www.tokiwamatsu.ac.jp/

トキワ松学園高等学校の偏差値・難易度・併願校

トキワ松学園高等学校の受験を考える上で、偏差値や難易度は気になるところですよね。ここでは、コースごとの偏差値や、同じくらいのレベルの高校、そして併願校について具体的に見ていきましょう。

学科・コースごとの最新の偏差値は以下の通りです。

  • 普通科文理探究コース(英語アドバンスクラス): 56

  • 普通科文理探究コース(英語スタンダードクラス): 52

  • 普通科美術デザインコース: 50

偏差値50台前半から半ばが中心となり、東京都内の私立女子校の中では中堅レベルに位置します。同じくらいの偏差値の高校としては、文京学院大学女子高等学校や立正大学付属立正高等学校などが挙げられます。合格に必要な内申点の目安としては、5段階評価で3科(国数英)で11〜13、9科で30〜34あたりが一つの基準となりそうですが、受験方法によって異なるため、必ず学校説明会などで確認してください。

主な併願校としては、トキワ松学園高等学校の落ち着いた校風や面倒見の良さを好む生徒さんが多いためか、同じような雰囲気を持つ学校が選ばれる傾向があります。具体的には、駒澤大学高等学校、日本大学櫻丘高等学校、多摩大学目黒高等学校などがよく名前の挙がる併願校です。

トキワ松学園高等学校に設置されている学科・コース

トキワ松学園高等学校には、生徒一人ひとりの興味や進路希望に合わせて選べる、特色ある3つのコースが設置されています。

  • 普通科 文理探究コース(英語アドバンスクラス)

    高いレベルの英語力を身につけ、難関大学への進学を目指すコースです。将来、国際的な舞台で活躍したい人や、英語をとことん学びたい人におすすめです。

  • 普通科 文理探究コース(英語スタンダードクラス)

    文系・理系の枠にとらわれず、幅広い分野の学習と探究活動を両立させるコースです。自分の興味関心がまだ定まっていない人や、様々な可能性の中から進路を考えたい人にぴったりです。

  • 普通科 美術デザインコース

    併設されている横浜美術大学との連携を活かし、専門的な美術・デザインの知識と技術を学べるコースです。将来、美術系の大学に進学したい、クリエイティブな仕事に就きたいという強い意志を持つ生徒におすすめです。

トキワ松学園高等学校の特色・校風

トキワ松学園高等学校の校風は、「落ち着いた雰囲気」「面倒見が良い」「探究女子」といったキーワードで表現できます。100年以上の伝統を持つ女子校ならではの、品があり穏やかな空気が流れています。

  • 宿題の量:口コミを見ると、「多い」と感じる生徒と「適量」と感じる生徒がいるようです。特に探究活動に関する課題など、自主的に取り組むものが多いため、計画的に学習を進める習慣が身につきそうです。

  • 校則:私立の女子校としては標準的という声が多いですが、スマートフォンや携帯電話は校内での使用が原則禁止など、一部厳しい面もあるようです。服装や頭髪に関する指導も行われており、全体的にきちんとした雰囲気が保たれています。

  • 生徒たちの雰囲気:真面目で落ち着いた生徒が多いと言われています。少人数制のため、生徒同士や先生との距離が近く、アットホームな雰囲気の中で学校生活を送ることができます。

  • アルバイト:原則として禁止されています。学業に専念することが求められます。

  • 制服の評判:紺を基調としたブレザータイプの制服で、品があり清楚なデザインは生徒からも人気が高いようです。リボンやスカートのデザインが複数あり、多少のアレンジが楽しめる点も好評です。

  • 土曜授業:土曜日の授業は基本的にありませんが、行事や講習などが行われることがあります。

トキワ松学園高等学校の部活動・イベント

部活動

トキワ松学園高等学校では、多くの生徒が部活動に参加し、充実した学校生活を送っています。運動部、文化部ともに活発に活動しており、特に全国レベルで活躍する部も複数あります。

  • ダンス部:全国大会の常連で、表現力豊かなパフォーマンスで高い評価を得ています。校内にあるボルダリング施設を使ったユニークな演出を取り入れるなど、常に新しい挑戦を続けています。

  • 写真部:こちらも「文化部のインターハイ」と称される全国高等学校総合文化祭に毎年出場している強豪です。個性豊かな作品が多く、数々のコンテストで入賞しています。

  • 美術部やデッサン部:美術デザインコースがある学校ならではの特色ある部活動です。併設の横浜美術大学の施設を利用できるなど、恵まれた環境で創作活動に打ち込めます。

この他にも、吹奏楽部、硬式テニス部、ラクロス部など様々な部活動があり、生徒たちは自分の興味に合わせて活動を楽しんでいます。

イベント

学校生活を彩るイベントもトキワ松学園の魅力の一つです。生徒たちが主体となって企画・運営する行事が多く、クラスや学年の団結力を高める良い機会となっています。

  • ときわ祭(文化祭):毎年秋に開催される最大のイベントです。各クラスや部活動が趣向を凝らした展示や発表、パフォーマンスを披露し、多くの来場者で賑わいます。日頃の探究活動の成果を発表する場としても重要な役割を担っています。

  • 体育祭:クラス対抗で様々な競技に熱中します。女子校ならではの華やかさと、勝利を目指す真剣な表情が印象的です。

  • 修学旅行:高校2年生の時に九州を訪れます。平和学習や自然体験などを通して、見聞を広め、仲間との絆を深めます。

  • イングリッシュ・デー:英語劇の上演など、一日を通して英語に親しむイベントです。楽しみながら英語でのコミュニケーション能力を高めることができます。

トキワ松学園高等学校の進学実績

トキワ松学園高等学校は、生徒一人ひとりの希望進路の実現に向けた手厚いサポート体制が整っており、安定した進学実績を上げています。特に、指定校推薦やAO・総合型選抜での進学に強みを持っています。

最新の大学進学実績(2024年度)の主なものは以下の通りです。

  • 国公立大学:横浜市立大学など

  • 難関私立大学(GMARCHなど):学習院大学、明治大学、青山学院大学、立教大学、中央大学、法政大学など、多数の合格者を出しています。

  • 女子大学:津田塾大学、東京女子大学、日本女子大学など、伝統的な女子大学への進学者も多いのが特徴です。

  • 芸術系大学:併設の横浜美術大学をはじめ、多摩美術大学、武蔵野美術大学など、美術デザインコースからの進学者が多数います。

これらの実績を支えているのが、充実した進学サポートプログラムです。放課後や長期休暇中に行われる受験対策講座や、個別の進路相談、面接指導など、生徒のニーズに合わせたきめ細やかな指導が行われています。また、自習スペースとして「スタディ・ラウンジ」が開放されており、集中して学習に取り組める環境が整っています。

トキワ松学園高等学校の特長・アピールポイント

他の高校にはない、トキワ松学園高等学校ならではの強みやユニークな取り組みを7つのポイントにまとめました。

  • 探究学習プログラム「思考と表現」:中学1年から高校2年まで続く独自の探究プログラムです。図書館の活用法から始まり、企業と連携した商品開発やアプリ開発、個人テーマでの研究など、段階的に探究する力を養います。

  • 充実した美術教育:美術デザインコースはもちろん、全校生徒が芸術に触れる機会が豊富です。校内にアートギャラリーがあり、日常的に質の高い作品に触れることができます。

  • 併設大学との連携:横浜美術大学が併設されており、高校生が高大連携授業を受けたり、大学の施設を利用したりすることが可能です。芸術系の進路を考えている生徒にとっては非常に恵まれた環境です。

  • 豊富な蔵書を誇る図書館:約4万2千冊の蔵書があり、生徒の探究活動を支える情報センターとしての役割を担っています。毎月100冊ほどの新刊が入り、常に新しい知識に触れることができます。

  • グローバル教育プログラム:希望者対象のイギリス研修や、外国人ゲストを招いた授業など、国際的な視野を広げる機会が多く設けられています。

  • 人間形成を目的とした「プロジェクトアドベンチャー」:冒険的なプログラムを通して、コミュニケーション能力や課題解決能力、他者への信頼感を育むユニークな取り組みです。

  • 安心のセキュリティ体制:警備員が常駐しているほか、最寄りの警察署も近くにあり、安全な学校生活を送ることができます。

トキワ松学園高等学校の口コミ・評判のまとめ

実際に通っている生徒や卒業生からの声は、学校選びの重要な参考になります。ここでは、トキワ松学園高等学校に関する様々な口コミを、良い点と気になる点に分けてご紹介します。

  • 良い点:

    • 「先生方がとても親身で、勉強のことはもちろん、進路や学校生活の悩みにも丁寧に乗ってくれる」という声が非常に多いです。

    • 「少人数制なので、生徒同士の仲が良く、アットホームな雰囲気で過ごしやすい」と感じている生徒が多いようです。

    • 「探究学習を通して、自分で考える力やプレゼンテーション能力が身についた」といった、教育内容への満足度の高い口コミが見られます。

    • 「図書館がとてもきれいで蔵書も多く、調べ学習や自習に集中できる」と、施設の充実を評価する声もあります。

    • 「制服が可愛くて気に入っている」という意見も多く聞かれます。

  • 気になる点:

    • 「校則が少し厳しいと感じることがある。特にスマホの使用ルールはもう少し緩和してほしい」という声が一部で見られます。

    • 「駅から学校まで少し歩くのが大変」という意見もあります。坂道があるため、夏場などは特に負担に感じる生徒もいるようです。

    • 「国公立大学や最難関私立大学への一般受験を目指すには、塾のサポートが必要かもしれない」という進学に関する口コミも一部にあります。

    • 「体育館などの施設が少し古い部分もある」という指摘も聞かれます。

アクセス・通学

トキワ松学園高等学校へのアクセス方法です。

  • 東急東横線「都立大学駅」北口より徒歩約8分

  • 東急東横線「学芸大学駅」東口より徒歩約14分

都立大学駅から学校までは、緑の多い落ち着いた住宅街を通ります。通学している生徒は、目黒区、世田谷区、大田区など東急東横線沿線のエリアが中心ですが、渋谷駅からのアクセスも良いため、神奈川県や埼玉県から通う生徒もいます。

トキワ松学園高等学校受験生へのワンポイントアドバイス

ここまで読み進めていただき、ありがとうございました。最後に、進学アドバイザーとして、トキワ松学園高等学校を目指す皆さんへの応援メッセージをお届けします。

トキワ松学園高等学校は、「落ち着いた環境で、自分の興味や関心をじっくりと探究したい」と考えている生徒さんに特におすすめの学校です。先生方のサポートが手厚く、アットホームな雰囲気の中で、安心して自分の「好き」を追求することができます。特に、探究学習や美術・デザイン分野に力を入れたいと考えている人にとっては、最高の環境が整っていると言えるでしょう。

トキワ松学園高等学校の入試では、基礎的な学力がしっかりと身についているかが重視される傾向にあります。日々の授業内容を大切にし、特に苦手科目を作らないよう、中学校3年間の学習内容をまんべんなく復習することが合格への近道です。自分と真剣に向き合い、未来を切り拓く力を育むこの学校で、充実した3年間を送ってみませんか。心から応援しています。

※最新かつ正確な情報は、必ず高校の公式サイトや学校説明会で確認してください。