日本工業大学駒場高等学校、通称「日駒(にっこま)」は、115年以上の歴史を持つ、東京都目黒区駒場に位置する私立の共学校です。 かつては工業高校として知られていましたが、時代のニーズに合わせて進化を遂げ、現在は普通科のみを設置する進学校へと転換しました。 駒場東大前駅から徒歩3分という、都心にありながら緑豊かで落ち着いた文教地区にキャンパスを構え、生徒たちは学習に集中できる恵まれた環境で学校生活を送っています。

「高い自己目標の実現」と「楽しい学校生活の調和」を教育理念に掲げ、生徒一人ひとりの可能性を最大限に引き出すための多様な教育プログラムが用意されています。 大学進学に力を入れているのはもちろんのこと、日駒が長年培ってきた「ものづくり教育」の精神を普通科の授業にも取り入れ、柔軟な発想力や表現力を養うユニークな取り組みも行っています。

この記事では、そんな日本工業大学駒場高等学校について、中学生や保護者の方が本当に知りたい偏差値や校風、進学実績などを、経験豊富な進学アドバイザーの視点から分かりやすく、そして魅力が伝わるように詳しく解説していきます。あなたの高校選びの参考に、ぜひ最後までご覧ください。

日本工業大学駒場高等学校の基本情報

以下に日本工業大学駒場高等学校の基本的な情報をまとめました。

項目 内容
正式名称 日本工業大学駒場中学校・高等学校
公立/私立の別 私立
共学/男子校/女子校の別 男女共学
所在地 〒153-8508 東京都目黒区駒場1-35-32
代表電話番号 03-3467-2130
公式サイト https://nit-komaba.ed.jp/

日本工業大学駒場高等学校の偏差値・難易度・併願校

日本工業大学駒場高等学校の大きな特徴は、学力レベルに応じた複数のコースが設置されており、自分の目標に合わせて選択できる点です。それぞれのコースの偏差値と難易度の目安をしっかりと把握して、自分に合ったコースを見つけましょう。

学科・コースごとの最新の偏差値は以下の通りです。

  • 特進コース:60

  • 理数特進コース:57

  • 総合進学コース:53

  • 文理未来コース:49

これらの偏差値はあくまで目安ですが、特進コースは難関国公立大学や早慶上理を目指すレベル、総合進学コースや文理未来コースはGMARCHや日東駒専といった大学への進学を視野に入れたレベルと考えることができます。

合格に必要な内申点の目安としては、例えば総合進学コースの併願優遇(一般入試)では5科目の合計が17程度、特進コースでは21程度が基準となるようです。 もちろん、これはあくまで一例であり、年度によって変動する可能性があるため、必ず学校説明会などで最新の情報を確認してください。

日本工業大学駒場高等学校を第一志望とする受験生は、同じくらいの偏差値帯にある目黒高校、田園調布高校、駒澤大学高校などを併願校として検討するケースが多いようです。

日本工業大学駒場高等学校に設置されている学科・コース

日本工業大学駒場高等学校には、生徒一人ひとりの進路目標や興味・関心に合わせて選べる、特色豊かな4つのコースが設置されています。

  • 特進コース

    国公立大学や早慶上理といった最難関大学への現役合格を目指すコースです。 応用力を重視したハイレベルな授業が展開され、難関大学受験に特化した校内塾「光風塾」も利用できます。 高い目標に向かって仲間と切磋琢磨したい生徒におすすめです。

  • 理数特進コース

    難関大学の理系学部への進学に特化したコースです。数学や理科の授業時間数が多く、実験や演習を豊富に取り入れたカリキュラムが特徴です。将来、研究者や技術者を目指す生徒に適しています。

  • 総合進学コース

    GMARCHや日東駒専といった難関・中堅私立大学への進学を目指します。 2年次からは文系・理系に加え、特に英語教育に力を入れた「英語国際クラス」を選択することも可能です。 部活動と勉強を両立させながら、希望の大学進学を叶えたい生徒にぴったりのコースです。

  • 文理未来コース

    大学進学を目指しながら、日本工業大学駒場高等学校の伝統である「ものづくり」の授業を通して、創造性や表現力を磨くユニークなコースです。 探究的な学びや創作活動に興味があり、文系・理系にとらわれない幅広い分野への進学を考えている生徒におすすめです。

日本工業大学駒場高等学校の特色・校風

日本工業大学駒場高等学校の校風は、「落ち着いた雰囲気」と「面倒見の良さ」というキーワードで表現できます。元々が工業系の男子校だったこともあり、真面目で穏やかな生徒が多いという声が聞かれます。 近年は共学化が進み、女子生徒の割合も増えてきていますが、学校全体としては落ち着いた環境で学習に取り組める雰囲気があるようです。

  • 宿題の量

    宿題の量はコースによって差があるようですが、「多い」と感じる生徒もいれば、「適切」と感じる生徒もいるようです。特に特進コースでは、日々の課題や小テストが多く、家庭学習の習慣化が求められます。

  • 校則

    校則は、私立高校としては標準的か、やや厳しめという意見が多いようです。 スマートフォンの校内での使用は原則禁止ですが、実際には黙認されている場面もあるとの口コミも見られます。 服装や頭髪に関する指導は比較的しっかり行われており、特に女子のスカート丈や靴下は指定のものがあるようです。

  • 生徒たちの雰囲気

    真面目で大人しい生徒が多い一方で、部活動や行事には積極的に参加するなど、何事にも一生懸命取り組む生徒が多い印象です。 コースによって生徒の雰囲気は少し異なるとの声もあります。

  • アルバイト

    アルバイトは原則として禁止されています。

  • 制服の評判

    制服は男女ともにブレザースタイルで、特に男子の冬服は格好良いと評判です。 女子の制服も可愛いという意見が多く、リボンが特徴的です。

  • 土曜授業

    土曜授業は実施されています。

日本工業大学駒場高等学校の部活動・イベント

部活動

日本工業大学駒場高等学校は部活動が非常に盛んで、運動部25、文化部11、愛好会7と、多種多様な団体が活動しています。

特に全国レベルで活躍する部活動も多く、陸上競技部、アーチェリー部、レスリング部はインターハイ常連の強豪として知られています。 また、ダンス部は全国大会で審査員特別賞を受賞するなど、高い実績を誇ります。

文化部では、元工業高校ならではの「ものつくり部」や「模型・鉄道研究部」といったユニークな部活動があり、専門的な活動に取り組むことができます。 園芸養蜂部といった珍しい部活動も存在します。 生徒の多くが部活動に加入し、放課後の時間を仲間と共に有意義に過ごしています。

イベント

日本工業大学駒場高等学校では、生徒たちの学校生活を彩る様々なイベントが年間を通して開催されています。

  • 日駒祭(文化祭)

    毎年9月に行われる文化祭は「日駒祭」と呼ばれ、最大の盛り上がりを見せます。 クラスや部活動ごとに展示、模擬店、ステージ発表などを行い、生徒たちが主体となって企画・運営します。 特に体育館で行われるダンス部のパフォーマンスは圧巻で、多くの来場者を魅了します。

  • 体育祭

    5月に行われる体育祭は、クラス対抗で様々な競技に挑み、仲間との絆を深める絶好の機会です。 応援にも熱が入り、学校全体が一体感に包まれます。

  • 修学旅行

    2年生の11月には沖縄へ3泊4日の修学旅行に行きます。 平和学習やマリンスポーツ体験に加え、民泊体験を通して沖縄の文化や自然に触れる貴重な時間を過ごします。

その他にも、新入生合宿、芸術鑑賞会、スキー教室、カナダへの短期留学プログラム(希望者)など、多彩な行事が用意されており、充実した高校生活を送ることができます。

日本工業大学駒場高等学校の進学実績

日本工業大学駒場高等学校は、大学への進学指導に非常に力を入れており、近年、その進学実績は着実に向上しています。 難関大学合格を目指す「光風塾」といった校内予備校の設置や、きめ細やかな進路指導がその成果に結びついています。

最新の大学進学実績(2025年度入試)は以下の通りです。

  • 国公立大学

    具体的な大学名や人数の詳細は公式サイトで確認が必要ですが、毎年コンスタントに合格者を輩出しています。

  • 難関私立大学

    早慶上理ICUに25人、GMARCHに77人など、多くの生徒が難関私立大学への合格を果たしています。

  • その他

    日本工業大学への内部推薦での進学の道もありますが、多くの生徒が他大学への進学を目指します。 日東駒専レベルの大学へは86人が進学するなど、幅広い大学への進学実績があります。 また、約3割の生徒が学校推薦型選抜を利用して進路を決定しているのも特徴です。

これらの実績は、日々の授業に加え、長期休暇中の多彩な講習や、基礎学力の定着を目的とした小テストの実施など、学校全体の手厚いサポート体制の賜物と言えるでしょう。

日本工業大学駒場高等学校の特長・アピールポイント

日本工業大学駒場高等学校には、他の高校にはない独自の魅力的な取り組みがたくさんあります。

  • 伝統の「ものづくり教育」の継承

    普通科のみの高校に転換した後も、長年培ってきた「ものづくり」の精神を大切にしています。 特に文理未来コースでは、3年間を通してものづくりの授業が行われ、創造力や表現力を育むことができます。

  • 難関大学受験に特化した校内塾「光風塾」

    東京大学の現役学生などが講師を務める本格的な大学受験対策プログラムを校内で受講できます。 外部の予備校に通うことなく、効率的に学習を進めることが可能です。

  • きめ細やかな学習サポート体制

    習熟度別の授業や、放課後・長期休暇中の補習・講習が充実しています。 また、中学生の内容から学び直せるプログラムもあり、勉強に不安がある生徒でも安心してスタートできます。

  • 活発な国際交流プログラム

    カナダの高校や大学と提携し、希望者は夏休みなどを利用した短期留学プログラムに参加できます。 総合進学コースの英語国際クラスでは、約1ヶ月間のカナダ語学研修も用意されています。

  • 都心にありながら緑豊かな学習環境

    駒場東大前駅から徒歩3分というアクセスの良さに加え、周辺は東京大学のキャンパスや駒場野公園などがあり、落ち着いて学習に取り組める環境です。

  • 充実した施設・設備

    アリーナや100周年記念ホールなどの屋内施設のほか、トレーニングルームも完備されています。 図書館はリフォームされ、ドリンクを飲みながら静かに自習できる快適な空間になっています。

  • 多彩で活発な部活動

    全国レベルの運動部から、元工業高校ならではのユニークな文化部まで、40を超える部活動・愛好会があり、自分の興味に合わせて打ち込めるものが見つかります。

日本工業大学駒場高等学校の口コミ・評判のまとめ

日本工業大学駒場高等学校について、在校生や卒業生からは様々な声が寄せられています。学校選びの参考になるよう、ポジティブな口コミと、少し気になる点を公平にご紹介します。

  • 良い点

    • 「先生方が親身になって相談に乗ってくれる」「面倒見が良い」といった、教員のサポート体制を評価する声が非常に多いです。

    • 「特進コースは勉強に集中できる環境が整っている」「光風塾が役に立った」など、学習環境や進学サポートに対する満足度が高いようです。

    • 「部活動が盛んで、仲間と充実した時間を過ごせる」「体育祭や文化祭が楽しい」といった、学校生活の楽しさについての口コミも目立ちます。

    • 「施設が綺麗で過ごしやすい」「図書館がリニューアルされて快適になった」など、施設・設備面での評価も高い傾向にあります。

    • 「駅から近くて通いやすい」というアクセスの良さを挙げる声も多数あります。

  • 気になる点

    • 「校則が少し厳しいと感じる」という声が一定数見られます。 特に、スマートフォンの使用制限や服装に関する指導について言及されることが多いようです。

    • 「コースによって生徒の雰囲気に差がある」と感じる生徒もいるようです。

    • 「校庭が狭い」という意見があります。 都心にあるため、運動スペースが限られている点は否めないかもしれません。

    • 「自称進学校なので、課題や小テストが多い」と感じる生徒もいるようです。

アクセス・通学

日本工業大学駒場高等学校は、交通の便が非常に良い場所にあります。

  • 最寄り駅からのアクセス

    • 京王井の頭線「駒場東大前駅」西口から 徒歩3分

    • 東急田園都市線「池尻大橋駅」北口から 徒歩15分

渋谷駅から電車で3分という好立地のため、様々なエリアからアクセスしやすいのが大きな魅力です。

在校生の通学エリアは、八王子市や町田市を含む東京都内からが約70%、横浜市や川崎市などの神奈川県からが約24%となっており、その他千葉県や埼玉県からも通学しています。

日本工業大学駒場高等学校受験生へのワンポイントアドバイス

日本工業大学駒場高等学校は、「明確な目標を持って、勉強も学校生活も本気で楽しみたい」と考えている君にぴったりの学校です。面倒見の良い先生方が、君の「高い自己目標の実現」を全力でサポートしてくれます。特に、国公立や難関私立大学への進学を強く希望しているなら特進コース、部活動と勉強を両立させたいなら総合進学コース、そして何か新しいことに挑戦したい、創造性を発揮したいなら文理未来コースと、自分のタイプに合わせて最適な環境を選べるのが日本工業大学駒場高等学校の最大の強みです。

受験勉強においては、まずは基礎学力の徹底が合格への鍵となります。どのコースを受験するにしても、中学校で習う内容を完璧に理解しておくことが大切です。過去問を繰り返し解き、出題傾向を掴むとともに、時間配分を意識した実践的な演習を積み重ねましょう。日々の学習を大切に、最後まで諦めずに頑張ってください。応援しています!

※最新かつ正確な情報は、必ず高校の公式サイトや学校説明会で確認してください。