関西学院千里国際高等部は、大阪府箕面市にあり、世界中から生徒が集まるユニークな環境が魅力の私立高校です。その教育方針は、単に英語が話せるだけでなく、多様な文化を理解し、自ら考えて行動できる真の国際人を育てることにあります。関西学院千里国際高等部では、生徒一人ひとりの個性を尊重し、自主性を育むための自由な校風が根付いています。

この学校の最大の特長は、大阪インターナショナルスクール(OIS)と同じキャンパスで学ぶ「Two schools together」という体制です。 授業や部活動、学校行事をOISの生徒と共に行うことで、日常的に多文化に触れ、自然な形で国際感覚を養うことができます。 このような環境は、将来世界を舞台に活躍したいと考えている皆さんにとって、最高の学び舎となるでしょう。

しかし、残念ながら関西学院千里国際高等部は、2026年度から高校生徒の募集を停止し、完全中高一貫校へ移行することが発表されています。そのため、2025年度の入試が、高校から入学できる最後のチャンスとなります。この記事では、最後の受験生となる皆さんとその保護者の方々に向けて、関西学院千里国際高等部の魅力を余すところなくお伝えします。

関西学院千里国際高等部の基本情報

項目 内容
正式名称 関西学院千里国際高等部
公立/私立の別 私立
共学/男子校/女子校の別 男女共学
所在地 〒562-0032 大阪府箕面市小野原西4-4-16
代表電話番号 072-727-5050
公式サイト https://www.sis.kwansei.ac.in/

関西学院千里国際高等部の偏差値・難易度・併願校

関西学院千里国際高等部への入学は、2025年度入試が最後となります。最新の偏差値はコースにより異なりますが、概ね59から67程度とされており、大阪府内でも上位に位置する難易度です。

同じくらいの偏差値の高校としては、公立では千里高校(国際文化科・総合科学科)や箕面高校(グローバル科)、私立では関西大学第一高等学校や立命館高等学校などが挙げられます。

関西学院千里国際高等部の入試は、帰国生入試が中心ですが、一般生向けの入試も若干名実施されます。難易度を具体的にイメージするためには、英検準1級程度の英語力、そして自分の考えを論理的に表現する力が求められると考えておくと良いでしょう。

主な併願校としては、立命館宇治高等学校(IBコース)、同志社国際高等学校、関西大学第一高等学校、早稲田摂陵高等学校などが挙げられることが多いようです。国際的な教育に力を入れている学校や、大学付属校が選ばれる傾向があります。

関西学院千里国際高等部に設置されている学科・コース

関西学院千里国際高等部では、生徒一人ひとりの興味や進路に合わせた多様な学びを実現するため、固定の「学科」や「コース」という枠組みではなく、非常に多くの選択科目から自分の時間割を作成する「自由選択制」を採用しています。 そのため、生徒一人ひとりの時間割が異なり、自分だけのカリキュラムで学ぶことができるのが大きな特長です。

選択できる科目群は多岐にわたりますが、大別すると以下のようになります。

  • 文部科学省の学習指導要領に基づく科目群: 一般的な高校で学ぶ国語、数学、理科、社会、英語などの科目が含まれます。英語の授業は習熟度別に行われ、少人数で質の高い教育が受けられます。

  • 国際バカロレア(IB)ディプロマ・プログラム科目群: 世界で通用する大学入学資格であるIBディプロマの取得を目指すための科目です。高度な思考力や探究心が求められ、海外大学進学を視野に入れる生徒におすすめです。

  • 独自のユニークな選択科目: 茶道、カラーコーディネート、保育といった、一般的な高校ではあまり見られないユニークな授業も用意されており、自分の興味関心を深く掘り下げることができます。

このシステムにより、関西学院千里国際高等部の生徒は、日本の大学受験に対応した学習から、海外大学進学を見据えたIBの学習、さらには自身の興味をとことん追求する学びまで、自由に組み合わせることが可能です。

関西学院千里国際高等部の特色・校風

関西学院千里国際高等部の校風は、「自由と規律」「多文化共生」「自主性の尊重」といったキーワードで表現できます。

明確な校則は存在せず、生徒は「5つのリスペクト(自分、他者、学習、環境、リーダーシップを大切にする)」という行動指針に基づいて自らを律することが求められます。 この自由な雰囲気の中で、生徒たちはのびのびと個性を発揮しているようです。

  • 宿題の量: 授業によりますが、探究型の学習やレポート、プレゼンテーションの準備などが多いため、主体的に学習に取り組む姿勢が求められます。量は多いと感じる生徒もいるようです。

  • 校則: 服装は自由で、制服はありません。髪型やアクセサリーについても特に厳しい規定はないようですが、TPOをわきまえた常識的な範囲での自由が求められます。スマートフォンの持ち込みや校内での使用も認められています。

  • 生徒たちの雰囲気: 帰国生、一般生、インターナショナルスクールの生徒が共に学ぶ環境のため、非常に多様性に富んでいます。 様々なバックグラウンドを持つ生徒たちが互いを尊重し合う文化が根付いており、活発でオープンな雰囲気です。

  • アルバイト: アルバイトは原則として禁止されていませんが、学業との両立が求められます。

  • 制服: 前述の通り制服はなく、生徒は自由な服装で通学しています。

  • 土曜授業: 土曜日に授業が行われることがあります。

関西学院千里国際高等部の部活動・イベント

部活動

関西学院千里国際高等部の部活動は、大阪インターナショナルスクール(OIS)と合同で行われるものが多く、国際色豊かなのが大きな特徴です。 大きく分けて「シーズン制スポーツ」と「通年クラブ」の2種類があります。

シーズン制スポーツでは、バレーボール、バスケットボール、サッカーなどが季節ごとに行われ、生徒は複数のスポーツに挑戦することができます。 これにより、一年を通して様々なスポーツを楽しみながら、バランスの取れた学校生活を送ることが推奨されています。

特に強豪として知られている部活動は多くありませんが、生徒たちはそれぞれの活動を楽しみながら積極的に参加しています。文化部も、ディベート、模擬国連、アート、音楽など多岐にわたり、生徒の知的好奇心や創造性を満たす活動が盛んです。

イベント

関西学院千里国際高等部の学校行事は、生徒が主体となって企画・運営されるものが多く、その過程でリーダーシップや協調性を学ぶ機会が豊富に用意されています。

  • SOISフェスティバル(文化祭): 毎年5月頃に大阪インターナショナルスクールと合同で開催される文化祭は、最大のイベントの一つです。 生徒たちが企画した模擬店や展示、パフォーマンスなどが披露され、国際色豊かなお祭りのような雰囲気で大変盛り上がります。

  • Sports Day(体育祭): 体育祭もOISと合同で行われ、様々な国籍の生徒がチームに分かれて競い合います。一般的な体育祭とは一味違ったグローバルな雰囲気の中で、クラスや学年を超えた交流が深まります。

  • 修学旅行: 修学旅行は行き先や内容の企画・運営の多くを生徒自身が行うのが伝統です。 このプロセスを通して、生徒たちは計画性や問題解決能力を養います。

その他にも、音楽の発表会が行われるシアターでのイベントなど、生徒の才能を発表する機会が数多く設けられています。

関西学院千里国際高等部の進学実績

関西学院千里国際高等部は、その多様な教育内容を反映し、国内外の様々な大学へ進学者を輩出しています。 生徒一人ひとりの希望進路に合わせた手厚いサポート体制が整っているのが特長です。

関西学院大学へは、内部推薦制度があり、基準を満たした生徒は進学することが可能です。 毎年、卒業生の多くがこの制度を利用して関西学院大学へ進学しています。

  • 国公立大学: 大阪大学や神戸大学といった難関国公立大学への合格実績があります。

  • 難関私立大学: 早稲田、慶應義塾、上智、ICUといった難関私立大学にも毎年合格者を出しています。 GMARCHや関関同立への進学者も多数います。

  • 海外大学: 海外の大学へ進学する生徒が多いのも、関西学院千里国際高等部の大きな特徴です。 北米、ヨーロッパ、アジアなど、世界各国の大学へ進学しており、特にカナダのマウント・アリソン大学へは指定校推薦枠を持っています。

これらの進学実績は、通常の授業に加え、進路情報センターによる個別相談や面談といったきめ細やかなサポートによって支えられています。

関西学院千里国際高等部の特長・アピールポイント

関西学院千里国際高等部には、他の高校にはないユニークな魅力がたくさんあります。

  • インターナショナルスクールとの一体型キャンパス: 大阪インターナショナルスクール(OIS)と校舎や施設を共有し、授業や部活動、行事を共に行う「Two schools together」の環境が最大の特長です。 日常的に多様な文化に触れることができます。

  • 生徒の自主性を尊重する「自由選択制」カリキュラム: 固定のコースはなく、生徒一人ひとりが自分の興味や進路に合わせて履修する科目を選び、自分だけの時間割を作成します。

  • 明確な校則のない、自己規律を育む校風: 「5つのリスペクト」という行動指針に基づき、生徒が自ら考えて行動することが求められます。

  • 国際バカロレア(IB)ディプロマ・プログラムの提供: 世界で通用する大学入学資格であるIBディプロマを取得することが可能で、海外大学への道が大きく開かれています。

  • 帰国生教育の豊富なノウハウ: 1991年の設立以来、帰国生を積極的に受け入れてきた実績があり、多様なバックグラウンドを持つ生徒がスムーズに学校生活に馴染めるサポート体制が整っています。

  • 探究心を深める少人数・対話型授業: 多くの授業が24名以下の少人数で行われ、生徒と教員の距離が近いのが特徴です。 生徒が主体的に参加する対話型の授業が中心です。

  • 充実した海外大学進学サポート: 豊富な知識を持つ専任のカウンセラーが進路相談に応じ、海外大学への出願プロセスを強力にサポートします。

関西学院千里国際高等部の口コミ・評判のまとめ

関西学院千里国際高等部には、そのユニークな教育環境から、様々な声が寄せられています。

  • 良い点:

    • 「日本にいながら留学しているような環境で、自然と英語力や国際感覚が身についた」という声が非常に多いです。

    • 「自由な校風で、先生も生徒も個性的。お互いの違いを認め合う雰囲気がある」といった、多様性を尊重する文化を評価する意見が見られます。

    • 「自分で授業を選ぶので、学習意欲が高まる。プレゼンやレポートの機会が多く、大学や社会で役立つ力がついた」という、主体的な学びに関するポジティブな口コミが多数あります。

    • 「先生と生徒の距離が近く、進路相談などに親身に乗ってくれる」という声もあります。

  • 気になる点:

    • 「学費が高い」という意見は少なくありません。 また、各自でPCやタブレットを用意する必要があるなど、費用面の負担を感じる家庭もあるようです。

    • 「最寄り駅から遠く、バスを利用する必要があるため、アクセスが少し不便」という声が挙がっています。

    • 「自由な校風だからこそ、自分から積極的に行動しないと何も得られない。受け身の生徒には向かないかもしれない」という指摘もあります。

    • 「一般受験で日本の難関大学を目指すには、自分で塾に通うなどの対策が必要になる」という意見も見られます。

アクセス・通学

関西学院千里国際高等部へのアクセスは、複数の駅・バス路線が利用できます。

  • 阪急千里線「北千里駅」

    • 徒歩で約20分

    • 阪急バスで約15分、「関西学院千里国際キャンパス」バス停下車

  • 北大阪急行・大阪モノレール「千里中央駅」

    • 阪急バスで約25分、「関西学院千里国際キャンパス」バス停下車

  • 大阪モノレール彩都線「豊川駅」

    • 徒歩で約27分

学校周辺は閑静な住宅街です。 阪急バスの「関西学院千里国際キャンパス」バス停が学校の目の前にあり、北千里駅や千里中央駅からのアクセスに利用されています。 通学している生徒は、箕面市、吹田市、豊中市など北摂地域を中心に、大阪府内や兵庫県など広い範囲から集まっているようです。

関西学院千里国際高等部受験生へのワンポイントアドバイス

関西学院千里国際高等部を目指す皆さん、いよいよ高校から入学できる最後のチャンスの年となりました。この学校は、ただ英語が上手になりたい、海外に興味があるというだけでなく、「多様性の中で自分を成長させたい」と強く願う人にこそ、最高の場所だと思います。様々な文化や価値観を持つ仲間との出会いは、あなたの視野を大きく広げ、これからの人生の財産になるはずです。

関西学院千里国際高等部の受験では、高い英語力はもちろんですが、それ以上に「あなたが何を考え、何を学びたいのか」という主体性が問われます。これまでの経験を振り返り、自分の言葉で表現する練習を重ねてください。なぜこの学校でなければならないのか、ここで何を成し遂げたいのかを明確に持つことが、合格への一番の近道です。最後の挑戦、悔いのないように全力を尽くしてください。心から応援しています!

※最新かつ正確な情報は、必ず高校の公式サイトや学校説明会で確認してください。