兵庫県立神戸甲北高等学校は、神戸市北区に位置する、県内で初めて総合学科を設置した歴史ある公立高校です。一人ひとりの興味や関心、そして将来の夢に合わせて、多彩な選択科目の中から自分だけの時間割を作成できるのが、神戸甲北高等学校の最大の魅力と言えるでしょう。普通科目だけでなく、専門的な内容も深く学べるため、早くから自分の進路を見据え、主体的に学びたいと考えている中学生にとって、まさに理想的な環境が整っています。

この記事では、そんな神戸甲北高等学校の偏差値や気になる口コミ、学校生活の様子などを、進学アドバイザーの視点から詳しく、そして分かりやすく解説していきます。部活動や学校行事、卒業後の進路まで、受験生や保護者の皆さんが本当に知りたい情報を具体的にお伝えしますので、ぜひ志望校選びの参考にしてください。

なお、神戸甲北高等学校は2025年度(令和7年度)より兵庫県立神戸北高等学校と統合し、「兵庫県立北神戸総合高等学校」として新たなスタートを切ることが発表されています。 この記事では統合前の神戸甲北高等学校の情報を中心に扱いますが、新しい学校の特色にも触れていきますので、未来の高校生活をイメージしながら読み進めてみてください。

神戸甲北高等学校の基本情報

まずは、神戸甲北高等学校の基本的な情報を確認しておきましょう。

項目 内容
正式名称 兵庫県立神戸甲北高等学校
公立/私立の別 公立
共学/男子校/女子校の別 男女共学
所在地 〒651-1144 兵庫県神戸市北区大脇台9番1号
代表電話番号 078-593-7291
公式サイト https://www.hyogo-c.ed.jp/~kobekohoku-hs/

神戸甲北高等学校の偏差値・難易度・併願校

神戸甲北高等学校の偏差値は、情報源によって多少のばらつきはありますが、おおむね47前後とされています。

兵庫県内の公立高校の中では中堅レベルに位置づけられます。合格に必要な内申点の目安は、160点前後(250点満点)が一つの基準となるでしょう。ただし、これはあくまで目安であり、当日の学力検査の得点との合計で合否が判定されるため、日々の学習習慣を確立し、基礎学力をしっかりと固めておくことが大切です。

同じくらいの偏差値の高校としては、神戸市立須磨翔風高等学校(総合学科)、兵庫県立舞子高等学校(普通科)、兵庫県立伊川谷北高等学校(普通科)などが挙げられます。これらの高校も視野に入れ、学校説明会などに参加して比較検討してみるのも良いでしょう。

兵庫県の公立高校入試では、複数の公立高校を併願することはできません。そのため、神戸甲北高等学校を第一志望とする場合、併願校は私立高校から選ぶことになります。主な併願校としては、神戸野田高等学校、神戸星城高等学校、神戸弘陵学園高等学校などが多くの受験生に選ばれているようです。

神戸甲北高等学校に設置されている学科・コース

神戸甲北高等学校は、兵庫県で初めて「総合学科」を導入した学校です。 総合学科とは、普通科と専門学科の内容を融合させた学科で、生徒一人ひとりの興味・関心や進路希望に応じて、幅広い選択科目の中から主体的に学習内容を組み立てられるのが大きな特長です。

  • 総合学科: 自分の将来の夢や目標に合わせて、人文科学、自然科学、国際理解、情報、芸術、福祉・保育、スポーツ健康など、多岐にわたる分野の科目を選択し、深く学ぶことができます。 将来やりたいことが明確な人はもちろん、「高校生活を通して自分の可能性を見つけたい」と考えている生徒に最適な学科です。神戸甲北高等学校では、この総合学科の強みを活かし、生徒の主体的な学びをサポートしています。

神戸甲北高等学校の特色・校風

神戸甲北高等学校の校風は、「自主・協調・創造」の校訓のもと、生徒の主体性を尊重する雰囲気が特徴です。 総合学科という特性上、生徒が自ら学ぶ姿勢を大切にしています。

  • 校則: 校則は、他の公立高校と比較して、やや厳しいという声が見られます。特に、スマートフォンの校内での使用は原則禁止されており、電源を切ってカバンにしまうルールになっているようです。 服装や頭髪に関しても、清潔さを保つよう指導が行われています。

  • 宿題の量: 宿題の量は、選択する科目によって異なりますが、全体的には標準的か、やや多めと感じる生徒もいるようです。特に大学進学を目指す生徒向けの科目では、予習・復習が欠かせません。

  • 生徒の雰囲気: 生徒は真面目で落ち着いた雰囲気の生徒が多い一方で、活発な生徒もおり、多様な個性を持つ生徒が集まっています。総合学科のため、様々な興味関心を持つ友人と出会えるのも神戸甲北高等学校の魅力の一つです。

  • アルバイト: アルバイトは原則として禁止されています。

  • 制服: 制服は、男女ともにブレザースタイルで、特に女子の制服は可愛いと評判のようです。

  • 土曜授業: 土曜授業は基本的にありませんが、進学補習などが行われる場合があります。

神戸甲北高等学校の部活動・イベント

部活動

神戸甲北高等学校は、運動部・文化部ともに多彩な部活動があり、多くの生徒が熱心に活動しています。

  • 運動部: ラグビー部、女子ソフトテニス部、ダンス部などが活発に活動しています。特に女子ソフトテニス部は、北区大会で準優勝するなど実績を残しています。

  • 文化部: 吹奏楽部、書道部、美術部といった文化部のほか、天文気象部や漫画研究部など、ユニークな部活動も存在します。 天文気象部は、明石市立天文科学館での研修など、校外での活動も積極的に行っています。

イベント

神戸甲北高等学校では、生徒たちの手で作り上げる学校行事が盛んです。

  • 甲北祭(文化祭): 毎年6月頃に開催される文化祭は、クラスや文化部による展示やステージ発表で大変盛り上がります。

  • 体育祭: 体育祭は、クラス対抗で様々な競技に熱戦を繰り広げ、生徒たちの団結力が高まる一日です。

  • 修学旅行: 近年では、沖縄の石垣島などを訪れ、マリンアクティビティや現地の文化に触れる体験をしています。 高校生活の中でも特に思い出深い行事の一つとなっているようです。

神戸甲北高等学校の進学実績

神戸甲北高等学校は、総合学科の特色を活かし、生徒一人ひとりの多様な進路希望に対応したきめ細やかな進路指導を行っています。

  • 国公立大学: 近年の実績として、高知工科大学などへの合格者が出ています。

  • 難関私立大学: 「関関同立」と呼ばれる関西大学、関西学院大学、同志社大学、立命館大学へは、合わせて10名以上の合格者を輩出しています。

  • その他: 甲南大学や神戸学院大学といった兵庫県内の大学への進学者が多い傾向にあります。 また、大学進学だけでなく、専門学校への進学や就職など、生徒の多様な進路実現をサポートしています。

進学実績向上のための取り組みとして、1年次から大学の出前講義を受講する機会を設けたり、3年次には大学入試セミナーを開催したりするなど、早期から進路意識を高めるためのプログラムが充実しています。

神戸甲北高等学校の特長・アピールポイント

神戸甲北高等学校ならではの魅力を、5つのポイントに絞ってご紹介します。

  • 自分だけの時間割が作れる「総合学科」: 県内初の総合学科として、長年の実績とノウハウがあります。約100種類もの豊富な選択科目から、自分の興味や進路に合わせて自由に授業を組み合わせることができ、大学での学びに近い主体的な学習が可能です。

  • キャリア教育プログラム「Kシリーズ」: 1年次の「K-Basic」、2年次の「K-Standard」、3年次の「K-Advanced」と、3年間を通して段階的にキャリア意識を高める独自の探究学習プログラムを実践しています。 地域や大学、専門機関と連携した探究活動を通して、社会で生きる力を育みます。

  • 地域と連携した学びの機会が豊富: 神戸電鉄や神戸市北区役所など、地域の企業や団体と連携した授業やインターンシップが充実しています。 地域社会に貢献しながら、実践的な学びを深めることができます。

  • 自然豊かな学習環境: 六甲山の麓に位置し、標高は約390メートルと、県内の公立高校で最も高い場所にあります。 落ち着いた環境で、四季の移ろいを感じながら学習に集中できます。

  • 2025年度からの新しい学校「北神戸総合高等学校」への期待: 神戸北高等学校との統合により、「北神戸総合高等学校」として新たなスタートを切ります。 これまでの神戸甲北高等学校の総合学科としての実績を継承しつつ、気象天文を中心とした自然科学分野の学びの充実などが計画されており、さらなる発展が期待されます。

神戸甲北高等学校の口コミ・評判のまとめ

在校生や卒業生からは、神戸甲北高等学校に対して様々な声が寄せられています。

  • 良い点:

    • 「総合学科なので、自分の興味がある分野を深く学べるのが良い」

    • 「将来の夢が決まっている人にとっては、受験に必要な科目に絞って勉強できるので効率的」

    • 「先生方が親身に進路相談に乗ってくれる」

    • 「生徒は穏やかな人が多く、落ち着いた学校生活が送れる」

    • 「制服が可愛いと友達から褒められる」

  • 気になる点:

    • 「校則が少し厳しいと感じることがある。特にスマホの使用ルールは厳しい」

    • 「最寄り駅から坂道を15分以上歩くので、夏は少し大変」

    • 「施設の古さが少し気になる部分がある」

    • 「総合学科のシステム上、クラス単位での行動が少なく、友人関係が希薄に感じる人もいるかもしれない」

アクセス・通学

神戸甲北高等学校への主なアクセス方法は以下の通りです。

  • 神戸電鉄有馬線「北鈴蘭台」駅より、東へ徒歩約15〜16分

  • 阪急バス「筑紫が丘5丁目」バス停より、徒歩約4分

駅からは上り坂が続くため、少し体力が必要です。 通学している生徒は、神戸市北区内から通う生徒が中心ですが、三田市や西宮市北部など、幅広いエリアから集まっています。

神戸甲北高等学校受験生へのワンポイントアドバイス

神戸甲北高等学校は、「自分の将来について真剣に考え、主体的に学びたい」という強い意志を持った生徒に特におすすめの学校です。総合学科という環境を最大限に活かすためには、入学前から「高校で何を学びたいか」「どんなことに挑戦したいか」を自分なりに考えておくことが大切です。学校説明会などに積極的に参加し、先生方や在校生の先輩に話を聞いて、具体的な高校生活をイメージしてみてください。

受験勉強においては、まず中学校の基礎的な内容を完璧にすることが重要です。特に、英語・数学・国語の主要3教科は、高校での学習の土台となりますので、苦手分野を残さないようにしましょう。内申点も合否の重要な要素ですので、日々の授業態度や提出物にも真剣に取り組む姿勢が求められます。神戸甲北高等学校で、あなたの夢への第一歩を踏み出せるよう、心から応援しています!

※最新かつ正確な情報は、必ず高校の公式サイトや学校説明会で確認してください。