静岡県立沼津東高等学校は、120年以上の歴史を誇る静岡県東部屈指の伝統校です。ただ学力を高めるだけでなく、これからの社会で輝くために必要な力を育む場所として、多くの卒業生を社会に送り出してきました。高いレベルの学習環境はもちろんのこと、生徒一人ひとりの可能性を最大限に引き出すための独自の取り組みが数多く用意されています。
この学校の根幹にあるのは、創立以来受け継がれてきた「自治の精神」です。これは、単に校則が自由であるということではありません。生徒が自らの意志で考え、判断し、行動することを尊重する文化そのものを指します。その象徴ともいえる学校祭「香陵祭」は、企画から運営まで生徒が主体となって創り上げる一大イベントであり、沼津東高等学校ならではの活気と熱気に満ちています。
あなたは、高校3年間でどんな自分になりたいですか?高い目標を持つ仲間と切磋琢磨したい、好きなことに没頭したい、新しい世界に挑戦したい。もしそう考えているなら、この先を読み進めてみてください。沼津東高等学校が、あなたの夢を叶えるための最高の舞台になるかもしれません。ここでは、偏差値や進学実績といったデータだけでなく、学校生活のリアルな姿や先輩たちの声まで、詳しくお伝えしていきます。
沼津東高等学校の基本情報
まずは、学校の基本的な情報を確認しておきましょう。
項目 | 内容 |
正式名称 | 静岡県立沼津東高等学校 |
公立/私立の別 | 公立 |
共学/男子校/女子校の別 | 男女共学 |
所在地 | 〒410-0011 静岡県沼津市岡宮812番地 |
代表電話番号 | 055-921-0341 |
公式サイトのURL | https://numazuhigashi-h.school/ |
沼津東高等学校の偏差値・難易度・併願校
静岡県内でもトップクラスの学力を誇る沼津東高等学校への合格は、決して簡単な道のりではありません。ここでは、その難易度を具体的に見ていきましょう。
学科ごとの偏差値は、複数の情報源がありますが、信頼性の高い目安として以下のようになっています。
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理数科:
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普通科:
この数値は、静岡県内の公立高校の中でも最上位グループに位置することを示しています。例えば、静岡高校(偏差値72)や浜松北高校(偏差値72)、富士高校の理数科(偏差値71)などと肩を並べる、まさに地域の学問をリードする存在です。沼津東高等学校を目指すということは、県内のトップレベルの受験生たちと競い合うことを意味します。
合格を勝ち取るためには、内申点と当日の学力検査の得点がともに高いレベルで求められます。静岡県の公立高校入試では内申点が非常に重視されるため、中学時代の継続的な努力が不可欠です。
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合格に必要な内申点の目安
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理数科:以上が望ましく、を目指したいところです。
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普通科:以上が目安とされ、以上あると心強いでしょう。
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合格に必要な当日点の目安
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理数科:点以上を目指すことが望ましいとされています。
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普通科:点を超えることを目標に、最低でも点以上が必要と考えられます。
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静岡県の公立高校入試では、原則として他の公立高校を併願することはできません。そのため、沼津東高等学校を受験する生徒の多くは、万が一の場合に備えて私立高校を併願します。主な併願校としては、以下のような進学校が挙げられます。
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日本大学三島高等学校
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加藤学園暁秀高等学校
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加藤学園高等学校
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桐陽高等学校
沼津東高等学校に設置されている学科・コース
沼津東高等学校には、将来の目標に合わせて専門性を高めることができる2つの学科が設置されています。
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普通科
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どんなことを学ぶ場所か:高いレベルでバランスの取れた学力を身につける学科です。2年生に進級する際に、文系と理系のコースに分かれ、それぞれの進路希望に応じた専門的な学習を深めていきます。
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どんな生徒におすすめか:国公立大学や難関私立大学の幅広い学部・学科への進学を考えている人や、高校生活を通して自分の興味・関心を見極めたい人におすすめです。
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理数科
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どんなことを学ぶ場所か:1年生の段階から数学と理科に重点を置いた高度なカリキュラムで学びます。大学や企業の研究室訪問、理数科独自の勉強合宿、本格的な課題研究など、探究心を刺激する特別なプログラムが豊富に用意されています。
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どんな生徒におすすめか:将来、医学、理工学、科学技術分野などのスペシャリストを目指している人や、特定の科学分野に強い情熱を持ち、高校から深く探究したいと考えている人に最適です。
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沼津東高等学校の特色・校風
沼津東高等学校の魅力を語る上で欠かせないのが、その独特の校風と生徒たちの雰囲気です。
学校全体の文化を一言で表すなら、「自治の精神」「文武両道」「自由闊達」「切磋琢磨」といったキーワードがぴったりでしょう。生徒の自主性を重んじる自由な雰囲気の中で、生徒同士が互いに刺激し合いながら高め合っていく文化が根付いています。
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宿題の量や勉強について:授業のペースは速く、予習復習は欠かせないようです。「忙しい」という声が多く聞かれることから、課題の量は少なくないと考えられます。ただし、やらされる勉強というよりは、高いレベルの授業についていくために自発的に学習する生徒が多いのが特徴です。
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校則(スマホ、服装など):校則は「厳しくない」「自由度が高い」という評判が一般的です。生徒の自主性を信頼しているため、細かな規則で縛ることは少ないようです。スマートフォンも校内での使用が認められています。服装に関しても比較的自由で、髪飾りなども常識の範囲内で認められているようです。ただし、この自由は「個人の責任」が伴うものであり、自治の精神が試される部分でもあります。
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生徒たちの雰囲気:「周りの友達も頑張るから自分も頑張れる」という声に代表されるように、真面目で向学心の高い生徒が多いです。お互いを尊重し、高め合える良いライバル関係を築いています。一方で、いわゆる「ガリ勉」ばかりではなく、部活動や行事に全力で打ち込む活発な生徒も多く、多様な個性を持った生徒が集まっています。
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アルバイト:原則として禁止されているようです。学業と部活動で非常に忙しいスケジュールになるため、時間的に難しいという現実もあります。
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制服の評判:制服は伝統的なデザインですが、特に目立った評判や口コミは見られませんでした。
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土曜授業:土曜授業の有無に関する明確な情報はありませんが、進学校のため、模試や補習などが行われることはあるようです。
沼津東高等学校の部活動・イベント
部活動
沼津東高等学校では「文武両道」が単なるスローガンではなく、学校生活に深く根付いています。部活動への加入が原則となっており、非常に活発です。全国レベルで活躍する部も多く、高校から新しい競技を始める生徒も大勢います。
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特に有名な部活動(運動部)
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陸上競技部:毎年、インターハイ(全国高校総体)に出場する選手を輩出している強豪です。個人競技でありながらチームとしてのまとまりを重視し、高いレベルで切磋琢磨しています。
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ホッケー部:多くの部員が高校からホッケーを始めながら、全国大会に何度も出場していることで知られています。生徒が主体的に練習メニューを考える文化があり、急成長を遂げるチームです。
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フェンシング部:県内でも珍しい部活動ですが、全国大会の常連です。こちらも高校から始める生徒がほとんどで、努力次第で全国の舞台を目指せるのが魅力です。
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特に有名な部活動(文化部)
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新聞部:「足で書く」をモットーに、精力的な取材活動で質の高い学校新聞を発行。全国高等学校総合文化祭の常連であり、数々の賞を受賞しています。
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文藝部:1948年から続く歴史ある部で、部誌『MINERVA』の発行を中心に活動。こちらも全国レベルで評価されています。
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競技カルタ部:漫画やアニメの影響で人気が高まっていますが、沼津東は古くからの強豪校。集中力と体力が求められる真剣勝負の世界で、多くの部員が初心者から始めて全国を目指しています。
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運動部、文化部ともに非常に充実しており、生徒たちはそれぞれの目標に向かって主体的に活動しています。
イベント
沼津東高等学校の学校生活を彩る最大のイベントが「香陵祭(こうりょうさい)」です。
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香陵祭(文化祭・体育祭)
「香陵祭」は、文化祭と体育祭からなる伝統の学校祭で、その歴史は70年以上にも及びます。最大の特徴は、企画・運営のほぼすべてを生徒組織「香陵祭祭典委員会」が中心となって行う、まさに「自治の精神」の結晶である点です。
文化祭では、各クラスが趣向を凝らした模擬店や展示、お化け屋敷などを企画します。また、クラスごとにデザインしたオリジナルTシャツ(クラT)を作成し、クラスの団結力を高めます。中庭や体育館のステージでは、有志によるバンド演奏やダンスなどが披露され、大変な熱気に包まれます。校門に飾られる巨大な「ハリボテ」は香陵祭の名物で、毎年そのクオリティの高さが話題になります。
体育祭は一般公開されていませんが、部活動対抗リレーなど、日頃の練習の成果を発揮する場として大いに盛り上がります。
この香陵祭は地域でも有名で、毎年多くの来場者で賑わいます。
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修学旅行
修学旅行の行き先などに関する近年の具体的な情報は見当たりませんでしたが、生徒たちは仲間との絆を深める貴重な機会として楽しんでいるようです。
沼津東高等学校の進学実績
沼津東高等学校は、静岡県を代表する進学校として、毎年輝かしい大学進学実績を誇ります。生徒の高い志と、それを支える学校の取り組みが、難関大学への合格という形で実を結んでいます。
以下は、2025年春の主要な大学合格実績です。
大学分類 | 主な大学名と合格者数 |
国公立大学 | 東京大学 (3)、京都大学 (2)、大阪大学 (3)、名古屋大学 (8)、北海道大学 (3)、一橋大学 (1)、筑波大学 (3)、静岡大学 (17) など |
難関私立大学 | 早稲田大学 (28)、慶應義塾大学 (13)、東京理科大学 (67)、明治大学 (74)、青山学院大学 (25)、立教大学 (30)、中央大学 (38)、法政大学 (59)、同志社大学 (12)、立命館大学 (52) など |
これらの実績は、日々の授業だけでなく、沼津東高等学校ならではの特別な進学サポート体制によって支えられています。
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沼東ゼミ:全校生徒が取り組む探究学習プログラムです。生徒は自らテーマを設定し、1年をかけて研究を進め、論文にまとめます。年度末には大規模な発表会も行われ、大学での学びに直結する論理的思考力や表現力を養います。
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チーム・メディカル:医師を目指す生徒を対象とした特別なプログラムです。静岡県の「医療人材の育成重点校」に指定されており、大学教授による講演会、浜松医科大学への訪問、医学部進学に特化した特別講習など、手厚いサポートが受けられます。
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補習・講習:長期休暇中や放課後には、進学対策のための補習や講習が数多く開講されます。また、多くの生徒が塾や予備校を併用し、万全の体制で受験に臨んでいるようです。
沼津東高等学校の特長・アピールポイント
他の高校にはない、沼津東高等学校ならではの強みやユニークな取り組みをまとめました。
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伝統の「自治の精神」と生徒主体の学校行事
学校の主人公は生徒であるという文化が徹底されており、特に学校祭「香陵祭」は生徒が企画から運営まで全てを担います。この経験を通して、リーダーシップや協調性、問題解決能力が育まれます。
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大学レベルの探究学習「沼東ゼミ」
全校生徒が取り組む本格的な探究活動です。「誰かを幸せにする」をテーマに、生徒が自ら問いを立て、調査・研究を進めます。その成果は地域や中学生にも公開され、実践的な学びを深めることができます。
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未来の医療人を育てる「チーム・メディカル」
静岡県から「医療人材の育成重点校」に指定されている強みを生かし、医師を目指す生徒を強力にバックアップします。大学との連携や卒業生の医師による講演など、他校にはない貴重な機会が豊富です。
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世界へ羽ばたく「チーム・グローバル」と海外研修
国際的な視野を育むため、複数の海外研修プログラムが用意されています。同窓会の支援を受けて実施されるアメリカ・ボストンでの「BB研修」や、オーストラリアでの研修など、世界を肌で感じるチャンスがあります。
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文武両道を極める活発な部活動
部活動加入率が非常に高く、多くの部が全国大会レベルで活躍しています。学業と両立させながら、仲間と共に目標に向かって努力する経験は、人間的に大きく成長させてくれます。
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最先端の学びを支える「DXハイスクール」指定
文部科学省の事業に指定され、ハイスペックなPCなどのICT環境が整備されています。これにより、データサイエンスや情報活用能力など、デジタル社会で必須となるスキルを身につけることができます。
沼津東高等学校の口コミ・評判のまとめ
在校生や卒業生からは、学校生活に対する様々な声が寄せられています。良い点と気になる点の両方を知ることで、よりリアルな学校の姿が見えてきます。
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良い点
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「周りのレベルが高く、常に刺激を受けながら勉強や部活動に打ち込める環境が最高だった」という声が非常に多いです。
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「自治の精神のもと、自由な校風で高校生活を送れた。先生方も生徒を信頼して任せてくれる」と、自主性を重んじる文化を評価する意見も目立ちます。
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「香陵祭などの行事が本当に楽しく、クラスや学校全体の一体感が素晴らしい。一生の思い出になった」という声も多数あります。
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「沼津東で過ごした3年間があったから今の自分がある。人間的に大きく成長できた場所」と、学校生活に深い満足感を示す卒業生が多いのが特徴です。
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気になる点
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「駅から遠く、学校が坂の上にあるため通学が大変」という点は、多くの生徒が挙げる物理的な課題です。
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「先生のサポートは生徒の自主性に任せる部分が大きく、自分から積極的に質問に行かないと置いていかれることがある」という意見も見られます。教師の質にばらつきがあると感じる生徒もいるようです。
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「授業の進度が速く、課題も多いので、ついていくのが大変だった」という声もあります。高いレベルの学習環境が、プレッシャーになることもあるようです。
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「OBの影響力が強く、古くからの伝統を重んじるあまり、新しいことに挑戦しにくい雰囲気を感じることがあった」という指摘も一部で見られました。
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アクセス・通学
沼津東高等学校は小高い丘の上にあり、通学には少し工夫が必要です。
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最寄り駅からのアクセス
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JR「沼津駅」南口のバス乗り場から、富士急行バス「沼津ゴルフ場行き」または「拓南東行き」に乗車し、「東高前」バス停で下車するのが最も一般的なルートです。所要時間は約20分です。
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バス停から校舎までは「心臓破りの坂」と呼ばれる急な坂道を登る必要があり、多くの生徒が自転車や徒歩で毎日この坂を越えています。
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JR御殿場線「大岡駅」が最寄りの鉄道駅ですが、駅から徒歩で26分ほどかかるため、利用者は限られるようです。
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通学エリア
沼津市内の生徒が最も多いですが、静岡県東部の広い地域から生徒が通学しています。三島市や富士市、駿東郡などから、時間をかけて通う生徒も少なくありません。
沼津東高等学校受験生へのワンポイントアドバイス
ここまで読んでくれてありがとうございます。最後に、進学アドバイザーとして、沼津東高等学校を目指す君たちにエールを送ります。
沼津東高等学校は、「誰かにやらされる勉強」ではなく、「自ら学びたい、成長したい」という強い意志を持つ生徒にとって、最高の環境が整っています。周りのレベルの高さに刺激を受け、自由な雰囲気の中で自分の可能性を試したい、そんな探究心あふれる君にこそ、挑戦してほしい学校です。
受験勉強では、まず中学校の授業を完璧に理解し、高い内申点を確保することが絶対条件です。その上で、入試本番で高得点を取るための応用力を養いましょう。過去問を徹底的に分析し、時間配分を意識した演習を繰り返すことが合格への近道です。道のりは険しいですが、沼津東高等学校でしか得られない経験、そして一生の仲間が君を待っています。自分を信じて、最後まで全力で走り抜けてください。応援しています!
※最新かつ正確な情報は、必ず高校の公式サイトや学校説明会で確認してください。