三重県立松阪商業高等学校は、100年以上の歴史と伝統を誇る商業高校です。 地元では「松商(まつしょう)」の愛称で親しまれ、多くの卒業生が地域社会やビジネスの第一線で活躍しています。商業の専門知識や技術を深く学べるだけでなく、国際交流や地域と連携した探究学習など、未来を切り拓くための多様な学びが用意されているのが、この松阪商業高等学校の大きな魅力です。

これからの社会で求められる力を身につけたい、専門的な資格を取得して自分の可能性を広げたい、そして充実した高校生活を送りたいと考えている中学生の皆さんにとって、松阪商業高等学校は非常に魅力的な選択肢となるでしょう。この記事では、そんな松商の特色や学校生活のリアルな姿を、進学アドバイザーの視点から分かりやすくご紹介していきます。

この記事を読めば、あなたが松商でどんな3年間を送り、どんな未来を描けるのか、きっと具体的なイメージが湧いてくるはずです。さあ、一緒に松阪商業高等学校の扉を開けてみましょう。

松阪商業高等学校の基本情報

まずは、学校の基本的な情報を確認しましょう。

項目 内容
正式名称 三重県立松阪商業高等学校
公立/私立の別 公立
共学/男子校/女子校の別 男女共学
所在地 〒515-0205 三重県松阪市豊原町1600番地
代表電話番号 0598-28-3011
公式サイト https://mie-matsusho.jp/

松阪商業高等学校の偏差値・難易度・併願校

松阪商業高等学校の受験を考える上で、偏差値や難易度は気になるところですよね。ここでは、具体的な数字だけでなく、合格に向けての目安や併願校についても解説します。

学科・コースごとの最新の偏差値の目安は以下の通りです。

  • 国際ビジネス科:49

  • 総合ビジネス科:48

偏差値はあくまで一つの目安ですが、同じくらいの偏差値の高校としては、近隣の相可高校(普通科)や明野高校(生産科学科)などが挙げられます。合格に必要な内申点の目安としては、5段階評価で平均3〜4程度を目標に、日々の授業や提出物を大切にすることが重要です。

三重県の公立高校入試では、他の公立高校との併願はできません。そのため、松阪商業高等学校を第一志望とする場合、併願校は私立高校から選ぶことになります。主な併願校としては、三重高校や松阪大学附属高校などが多くの受験生に選ばれているようです。

松阪商業高等学校に設置されている学科・コース

松阪商業高等学校には、それぞれの興味や進路希望に合わせて専門性を深められる2つの学科が設置されています。 どちらの学科も、社会で即戦力となる知識と技術を身につけることを目指しています。

  • 総合ビジネス科

    商業と情報に関する幅広い知識・技術を学び、地域社会で活躍できる人材を目指す学科です。マーケティング、会計、情報処理など、ビジネスの根幹をなす分野を深く探究したい生徒におすすめです。

  • 国際ビジネス科

    商業の知識に加え、実践的な英語力や異文化理解力を身につけ、グローバルな舞台で活躍できる人材を目指す学科です。海外とのビジネスや国際交流に興味がある生徒にぴったりの環境です。

松阪商業高等学校の特色・校風

松阪商業高等学校は、「文武両道」と「資格取得への強力なサポート」が大きな特色として挙げられます。生徒たちは、部活動に熱心に取り組む一方で、将来を見据えて多くの資格取得に励んでいます。

  • 校風・生徒の雰囲気

    真面目で落ち着いた雰囲気の生徒が多い一方で、学校行事などではクラス一丸となって盛り上がる活気もあります。男女比は例年、男子3:女子7くらいの割合です。

  • 校則

    校則は、他の高校と比較するとやや厳しいという声が多いようです。特に頭髪や服装に関する指導はしっかりしているようです。化粧やピアス、髪の加工(脱色、パーマなど)は禁止されています。 アルバイトは原則として禁止されていますが、長期休暇中などに許可を得て行うことは可能な場合があるようです。スマートフォンの校内での使用については、一定のルールが定められています。

  • 宿題・課題

    課題の量は、学科や選択科目によって異なりますが、資格取得に向けた課題などもあり、決して少なくはないようです。日々の予習・復習を習慣づけることが大切になります。

  • 制服

    制服はブレザースタイルです。江戸時代に活躍した松阪商人にちなみ、松阪木綿をモチーフにしたエンブレムが採用されており、歴史と品格を感じさせるデザインが評判です。

  • 土曜授業

    土曜授業は基本的にありませんが、検定前などに補習が行われることがあります。

松阪商業高等学校の部活動・イベント

部活動

松阪商業高等学校は部活動が非常に盛んで、多くの部が県大会や東海大会、全国大会で活躍しています。運動部、文化部ともに充実しており、生徒の多くが部活動に加入し、活気にあふれています。

  • 運動部

    特に硬式野球部、バスケットボール部、ソフトボール部などが強豪として知られています。充実した練習環境のもと、高いレベルで競技に打ち込みたい生徒におすすめです。その他、陸上競技部、卓球部、バドミントン部など、9つの運動部が活動しています。

  • 文化部

    文化部では、簿記部やワープロコンピュータ部、珠算・電卓部などが全国レベルの実績を誇ります。 これらの部活動では、高度な資格取得を目指すことができ、進学や就職にも非常に有利になります。他にも、吹奏楽部、ギター部、商業美術部、書道部など11の文化部があり、多彩な活動が行われています。

イベント

松阪商業高等学校では、生徒たちが主体となって作り上げる学校行事がたくさんあり、高校生活を彩る大切な思い出となっています。

  • 体育祭

    毎年6月頃に開催され、クラス対抗で様々な競技に熱戦を繰り広げます。 タイヤ引きリレーなどのユニークな種目もあり、学校全体が一体となって盛り上がる一日です。

  • 松商祭(文化祭)

    秋に開催される文化祭は、各クラスや文化部が趣向を凝らした展示や発表、模擬店などで賑わいます。日頃の学習や活動の成果を披露する貴重な機会であり、地域の方々も訪れるなど、大変な盛り上がりを見せます。

  • 修学旅行

    2年生の秋に実施されます。近年では、北海道や北九州などへ訪れています。 事前学習を通して訪問先の文化や歴史を学び、仲間との絆を深める貴重な体験となります。

松阪商業高等学校の進学実績

松阪商業高等学校は、商業高校ならではの専門知識や取得した資格を活かし、多様な進路を実現しています。就職と進学の割合は、例年およそ3:7から4:6で、進学を選ぶ生徒が多い傾向にあります。

  • 大学進学

    国公立大学では三重大学、滋賀大学、和歌山大学などへの進学実績があります。私立大学では、愛知大学、中京大学、名城大学、南山大学といった東海地方の難関私立大学や、関西の龍谷大学、近畿大学などへ多くの生徒が進学しています。商業高校の特色を活かした指定校推薦やAO入試での進学が多いのも特徴です。

  • 専門学校・就職

    進学者のうち約4割が専門学校へ進み、より専門的な知識や技術を磨いています。 就職希望者の内定率は非常に高く、地元三重県の優良企業を中心に、事務職、販売職、技術職など幅広い職種に就いています。公務員になる卒業生もいます。

  • 進路サポート

    夏休みや冬休みには「サマースクール」「ウインタースクール」といった検定対策の補習講座が開かれるほか、専門学校と連携した日商簿記検定の直前対策講座など、手厚いサポート体制が整っています。 また、全職員による面接指導や小論文指導など、一人ひとりの進路希望に合わせた個別指導も充実しています。

松阪商業高等学校の特長・アピールポイント

他の高校にはない、松阪商業高等学校ならではの魅力的な取り組みを7つのポイントにまとめました。

  1. 100年以上の歴史と伝統

    1920年の創立以来、多くの卒業生を輩出してきた歴史と、地域からの厚い信頼が強みです。

  2. 全国初の単位制専門高校

    1997年に全国の全日制専門高校で初めて単位制を導入。 生徒一人ひとりの興味や進路希望に応じた柔軟な科目選択が可能です。

  3. 地域と連携した探究学習「三重丸(さんじゅうまる)モデル」

    地域社会の課題をテーマに、企業や行政と連携しながら問題解決に取り組む独自の探究学習プログラムです。 実社会で通用する実践的な力を養います。

  4. 活発な国際交流

    台湾の姉妹校との交流や、隔年で実施されるオーストラリア研修など、グローバルな視野を広げる機会が豊富に用意されています。

  5. 高い資格取得実績

    日商簿記検定やITパスポート(国家資格)など、難易度の高い資格に挑戦できる環境が整っています。 専門的な部活動でのサポートも手厚いです。

  6. 文部科学省「DXハイスクール」指定校

    令和6年度から指定を受け、AIやICTを活用した最先端の情報教育を推進しています。 これからのデジタル社会で活躍できる人材を育成します。

  7. 社会起業家を育成するSBP(ソーシャルビジネスプロジェクト)

    地域の課題をビジネスの手法で解決することを目指す活動です。 商品開発や販売などを通して、実践的な企画力や行動力を身につけます。

松阪商業高等学校の口コミ・評判のまとめ

在校生や卒業生からは、松阪商業高等学校での学校生活について様々な声が寄せられています。ここでは、良い点と気になる点を公平にご紹介します。

  • 良い点

    • 「資格取得にとても力を入れていて、先生方のサポートが手厚い」

    • 「就職にも進学にも強く、将来の選択肢が広がる」

    • 「部活動が盛んで、高い目標を持って打ち込める環境がある」

    • 「挨拶などの礼儀やマナーが身につき、社会に出てから役立つ」

    • 「松商祭などの行事がとても楽しく、クラスの団結力が深まる」

  • 気になる点

    • 「校則が他の高校に比べて厳しいと感じることがある」

    • 「駅から少し距離があり、坂道もあるので通学が少し大変」

    • 「課題や検定の勉強が多く、楽な高校生活を送りたい人には向かないかもしれない」

    • 「施設が全体的に少し古いという意見がある」

アクセス・通学

松阪商業高等学校への主なアクセス方法は以下の通りです。

  • 最寄り駅

    • 近鉄山田線「櫛田駅」より徒歩約20分(約1.6km)

    • JR紀勢本線「徳和駅」より徒歩約23分(約1.7km)

駅から学校までは少し距離があり、自転車を利用する生徒が多いようです。学校は小高い丘の上に位置しているため、坂道を上る必要があります。 通学エリアとしては、松阪市内を中心に、伊勢市、多気町、明和町など近隣の市町から通う生徒が多く見られます。

松阪商業高等学校受験生へのワンポイントアドバイス

ここまで読んでくれてありがとう。松阪商業高等学校の魅力は伝わりましたか?最後に、進学アドバイザーとして、この高校を目指す君たちにメッセージを送ります。

松阪商業高等学校は、「将来のために何か専門的なスキルを身につけたい」「目標に向かってコツコツ努力するのが好きだ」「高校生活で部活動にも勉強にも本気で打ち込みたい」と考えている君に、特におすすめの学校です。商業の知識は、どんな仕事に就いても役立つ一生の財産になります。資格という形で自分の努力が目に見える成果になるのは、大きな自信につながるでしょう。

受験勉強では、まず中学校の基礎的な内容をしっかりと固めることが大切です。特に、国語・数学・英語は、商業の専門科目を学ぶ上でも土台となる力なので、重点的に学習してください。そして、前期選抜で受験を考えている人は、作文や面接の練習も早めに始めましょう。「なぜ松商で学びたいのか」「高校でどんなことに挑戦したいのか」を自分の言葉でしっかりと伝えられるように準備しておくことが合格への鍵となります。

松阪商業高等学校での3年間は、君の可能性を大きく広げてくれるはずです。夢に向かって頑張る君を、心から応援しています!

※最新かつ正確な情報は、必ず高校の公式サイトや学校説明会で確認してください。