三重県立水産高等学校は、120年以上の歴史と伝統を誇る、三重県で唯一の水産に関する専門高校です。 伊勢志摩国立公園内の美しい英虞湾に面した自然豊かな環境で、海のスペシャリストを目指す生徒たちが日々学んでいます。 普通科の高校とはひと味違い、カツオの一本釣り漁やダイビング実習、最新鋭の実習船「しろちどり」での長期航海など、ここでしかできない貴重な体験が数多く用意されています。

「海が好き」「船に興味がある」「魚についてもっと知りたい」そんなあなたの知的好奇心を満たし、夢への航海を力強くサポートしてくれるのが三重県立水産高等学校です。専門的な知識や技術を身につけられるだけでなく、全国的にも珍しい部活動や地域と連携したユニークな取り組みも魅力の一つです。

この記事では、三重県立水産高等学校がどんな学校なのか、その特色や魅力を、進学アドバイザーの視点から分かりやすく解説していきます。あなたの未来の選択肢を広げるきっかけになるかもしれません。さあ、一緒に三重県立水産高等学校の扉を開いてみましょう。

三重県立水産高等学校の基本情報

三重県立水産高等学校の基本的な情報を表にまとめました。

項目 内容
正式名称 三重県立水産高等学校
公立/私立の別 公立
共学/男子校/女子校の別 共学
所在地 〒517-0703 三重県志摩市志摩町和具2578
代表電話番号 0599-85-0021
公式サイトURL http://www.mie-c.ed.jp/hsuisa/

三重県立水産高等学校の偏差値・難易度・併願校

三重県立水産高等学校は専門高校のため、普通科の高校のように明確な偏差値が出にくいのが特徴です。一部の高校情報サイトでは偏差値が35〜36とされていますが、これはあくまで一つの目安と考えてください。

大切なのは、偏差値の数字よりも「この学校で何を学びたいか」という強い意志です。三重県立水産高等学校の入試では、学力試験だけでなく、面接なども重視される傾向があるため、海や水産業への興味・関心をしっかりとアピールすることが合格への鍵となります。

合格に必要な内申点の目安については、具体的な数値は公表されていませんが、中学校での基本的な学習内容を理解し、真面目に授業に取り組む姿勢が評価されると考えて良いでしょう。

三重県では公立高校の併願が認められていないため、併願校は私立高校から選ぶことになります。水産高校を第一志望とする生徒の併願校としては、個々の学力や興味に応じて、県内の様々な私立高校が選択肢となります。

三重県立水産高等学校に設置されている学科・コース

三重県立水産高等学校には、海と水産業のプロフェッショナルを育成するための専門的な2学科5コースが設置されています。 それぞれの学科・コースで学べる内容と、どんな生徒におすすめかを簡潔に紹介します。

  • 海洋・機関科

    • 海洋コース: 船の運航技術や漁業について学びます。将来、航海士や漁師など、船を動かす仕事に就きたい人におすすめです。

    • 機関コース: 船のエンジンや機械の仕組み、整備技術を学びます。船の心臓部である機関を支えるエンジニアを目指す人におすすめです。

    • 水産工学コース: 海洋や機械に関する知識に加え、電気工事や溶接など幅広い技術を習得します。多様な分野で活躍できる技術者になりたい人におすすめです。

  • 水産資源科

    • アクアフードコース: 水産物の加工や品質管理、新商品の開発などを学びます。食を通じて海の恵みを届けたい、食品開発に興味がある人におすすめです。

    • アクアデザインコース: 魚の養殖技術や水槽の設計・管理、海洋生物の生態について学びます。水族館の飼育員や養殖業など、生物を育てる仕事に興味がある人におすすめです。

これらの専門的な学びを通じて、三重県立水産高等学校の生徒たちは、将来の夢に向かって着実にステップアップしていきます。

三重県立水産高等学校の特色・校風

三重県立水産高等学校は、「海のスペシャリスト育成」という明確な目標を持った、活気あふれる学校です。

校風は「実践重視」「地域密着」といったキーワードで表現できます。座学だけでなく、実習船「しろちどり」を使った航海実習や、地域の漁業協同組合と連携したアワビの放流活動など、現場での学びを非常に大切にしています。

  • 宿題の量: 専門的な実習やレポートが多いため、一般的な普通科高校と比較すると、宿題の量は多いと感じるかもしれません。しかし、それは専門知識を深めるための大切な過程です。

  • 校則: 口コミによると、校則は比較的緩やかで、生徒の自主性を尊重する雰囲気があるようです。 スマートフォンの持ち込みも許可されているようですが、授業中の使用など、ルールを守ることが求められます。

  • 生徒たちの雰囲気: 海や船が好きという共通の目標を持った生徒が集まっているため、一体感があり、のびのびとした雰囲気のようです。

  • アルバイト: アルバイトは許可されているようですが、学業や実習に支障が出ない範囲で行うことが大切です。

  • 制服: 男子の制服はチャック式の学ランで、少し珍しいデザインのようです。

  • 土曜授業: 土曜授業の有無については、公式サイト等でご確認ください。

三重県立水産高等学校の部活動・イベント

部活動

三重県立水産高等学校では、専門高校ならではの特色ある部活動が盛んです。

特に有名なのが「カッター部」です。カッターボートと呼ばれる手漕ぎボートで速さを競うこの競技は、海の高校ならではの部活動であり、チームワークと体力が求められます。その他、ボクシング部やバスケットボール部、野球部などの運動部、写真部や家庭部、生物部といった文化部も活動しています。

イベント

三重県立水産高等学校では、生徒たちの絆を深め、学校生活を彩る様々なイベントが開催されています。

文化祭と体育祭が一体となった「水高・志摩高フェスタ」は、大きな盛り上がりを見せるイベントの一つです。 また、修学旅行では、沖縄などでマリンスポーツを体験するなど、水産高校らしいプログラムが組まれることが多いようです。

そして、最大のイベントとも言えるのが、実習船「しろちどり」による長期航海実習です。 数十日間にわたって仲間と共に海の上で生活し、漁業や船の運航を実践的に学ぶこの経験は、生徒たちを大きく成長させ、一生の思い出となることでしょう。

三重県立水産高等学校の進学実績

三重県立水産高等学校の卒業生は、専門知識と技術を活かして、多様な進路に進んでいます。就職と進学の割合は、就職が約8割、進学が約2割という傾向があります。

  • 就職: 卒業生の多くは、水産関連企業や海運会社、造船所など、学校で学んだことを直接活かせる分野へ就職します。 船舶職員や港湾関連の仕事は、社会を支える重要な役割を担っており、高い専門性を持つ水産高校の卒業生は、企業から強く求められています。

  • 進学: 進学を希望する生徒は、水産大学校や東海大学海洋学部、鹿児島大学水産学部といった、さらに高度な専門知識を学べる大学へ進むことが多いです。 また、より上級の海技士免許を取得するために、2年制の専攻科へ進学する道もあります。

三重県立水産高等学校では、生徒一人ひとりの希望進路を実現するため、手厚いサポート体制が整っています。

三重県立水産高等学校の特長・アピールポイント

他の高校にはない、三重県立水産高等学校ならではの強みやユニークな取り組みをまとめました。

  • 最新鋭の実習船「しろちどり」: 2024年3月に竣工したばかりの新しい実習船で、本格的な航海実習や漁業実習ができます。 生徒の安全性と生活環境が向上した快適な船内で、最先端の技術を学べます。

  • 豊富な資格取得: 小型船舶操縦士、海技士、潜水士、危険物取扱者など、将来に役立つ多くの国家資格や検定の取得を学校が全面的にサポートします。

  • 実践的なカリキュラム: カツオの一本釣り、ダイビング、サーフィン、シーカヤックなど、座学だけでは学べない実践的な実習が豊富に用意されています。

  • 地域や社会との連携: 志摩市と協力して地域の課題解決に取り組んだり、休館した水族館から国の天然記念物「ネコギギ」を譲り受けて種の保存に取り組むなど、社会に貢献する活動を積極的に行っています。

  • STEAM教育の推進: クロアワビの養殖をテーマに、科学・技術・工学・芸術・数学を横断的に学ぶ「STEAM教育」を実践し、論理的思考力や課題解決能力を育んでいます。

  • 国際交流: 姉妹校であるパラオ共和国の高校とオンラインで交流し、互いの文化や海洋環境について理解を深める機会があります。

  • 2年制の専攻科を設置: 本科卒業後、さらに2年間学ぶことで、より高度な海技士免許の取得を目指せる専攻科(漁業専攻科・機関専攻科)が設置されています。

三重県立水産高等学校の口コミ・評判のまとめ

三重県立水産高等学校の在校生や卒業生からは、様々な声が寄せられています。

  • 良い点:

    • 「航海実習やダイビングなど、他の高校では絶対にできない貴重な体験ができる」という声が非常に多いです。

    • 「海や船が好きという同じ目標を持つ仲間と出会え、のびのびと学校生活を送れる」といった、友人関係の良さを挙げる意見も目立ちます。

    • 「就職率が良く、先生方のサポートも手厚い。推薦枠もあり、希望の進路に進みやすい」という進路に関するポジティブな口コミも多く見られます。

    • 「専門的な資格がたくさん取れるので、将来に役立つ」という意見も多数あります。

  • 気になる点:

    • 「専門的な勉強や実習が多く、楽ではない」という声もあります。専門性を高めるためには、相応の努力が必要なようです。

    • 「施設の بعض部分は古さを感じる」という意見もありますが、「学習に支障が出るほどではない」とのことです。

    • 「男子の制服のデザインが少し独特」という声が一部で見られました。

    • 最寄り駅からバスに乗る必要があり、「交通の便が少し悪い」と感じる生徒もいるようです。

アクセス・通学

三重県立水産高等学校への主なアクセス方法は以下の通りです。

  • 電車・バスを利用する場合:

    • 近鉄「鵜方駅」から三重交通バス「御座港」行きに乗車し、「水産高校前」下車すぐ。 または「和具学校前」下車、徒歩約15分。 所要時間は約40〜50分です。

  • 電車・船を利用する場合:

    • 近鉄「賢島駅」で下車し、あご湾定期船で「和具港」へ。和具港から徒歩約10分です。

志摩市内や鳥羽市、伊勢市などから通学している生徒が多いようです。遠方からの生徒のために寮も設置されています。

三重県立水産高等学校受験生へのワンポイントアドバイス

三重県立水産高等学校は、「海が好き」という気持ちを、将来の「仕事」や「夢」に繋げることができる、とても魅力的な学校です。もしあなたが、広い海を舞台に活躍したい、水産資源や海洋環境について深く学びたい、あるいは実践的な技術を身につけて社会の役に立ちたいと少しでも考えているなら、三重県立水産高等学校は最高の環境を提供してくれるでしょう。

受験勉強においては、もちろん中学校の基本的な5教科の学習をおろそかにしてはいけませんが、それ以上に大切なのは「なぜこの学校で学びたいのか」という熱意です。学校説明会や体験入学に積極的に参加して、先生や先輩の話を聞き、学校の雰囲気を肌で感じてみてください。そして、自分がこの学校で何を成し遂げたいのかを具体的にイメージし、面接で自分の言葉で伝えられるように準備しておくことが、合格への大きな一歩となるはずです。あなたの挑戦を心から応援しています!

※最新かつ正確な情報は、必ず高校の公式サイトや学校説明会で確認してください。