東京都立世田谷総合高等学校は、自分の「好き」や「未来」に合わせて、自分だけの時間割を作ることができる、とてもユニークな総合学科の高校です。普通科の勉強はもちろん、デザイン、ものづくり、国際文化など、約100以上もの専門的な科目から自由に選択できるのが、世田谷総合高等学校の最大の魅力と言えるでしょう。

「将来の夢がまだ決まっていない」という人も、「好きなことをもっと専門的に学びたい」という人も、この学校ならきっと夢中になれる何かが見つかるはずです。さまざまな分野に触れる中で、自分の可能性を広げ、将来へと続く道筋を自分の手で描いていくことができます。

この記事では、そんな世田谷総合高等学校の気になる偏差値や校風、学校生活の様子などを、進学アドバイザーの視点から分かりやすく解説していきます。あなたの高校選びの参考に、ぜひ最後まで読んでみてくださいね。

世田谷総合高等学校の基本情報

項目 内容
正式名称 東京都立世田谷総合高等学校
公立/私立の別 公立
共学/男子校/女子校の別 男女共学
所在地 〒157-0076 東京都世田谷区岡本2-9-1
代表電話番号 03-3700-4771
公式サイト https://www.setagaya-sogo-h.metro.tokyo.jp

世田谷総合高等学校の偏差値・難易度・併願校

世田谷総合高等学校の偏差値は、多くの受験情報サイトで40台後半から50程度とされています。東京都内の都立高校の中では、中堅レベルに位置づけられるでしょう。

合格に必要な内申点の目安は、9科目の合計で30台前半が一つの基準となるようです。ただし、これはあくまで目安であり、当日の学力検査の点数との合計で合否が決まるため、内申点に不安がある場合でも、当日の試験で高得点を取ることで合格の可能性は十分にあります。

総合学科という特性から、多様な興味を持つ生徒が集まるため、世田谷総合高等学校を第一志望とする受験生が多い傾向にあります。併願校としては、同じような総合学科を持つ高校や、校風が比較的自由な私立高校が選ばれることが多いようです。具体的な併願校としては、駒澤大学高等学校、東京農業大学第一高等学校、日本大学櫻丘高等学校、多摩大学目黒高等学校などが挙げられます。

世田谷総合高等学校に設置されている学科・コース

世田谷総合高等学校は、普通科や専門学科といった区切りがない「総合学科」の高校です。1年次では芸術などの一部科目を除き、全員が同じ基礎科目を学びます。2年次からは、約100以上ある豊富な選択科目の中から、自分の興味や進路希望に合わせて自分だけの時間割を作成します。その際の科目選びの目安として、以下の6つの「系列」が設けられています。

  • 社会・教養系列: 人文科学や社会科学など、主に文系の大学進学を目指す生徒におすすめです。

  • 環境・サイエンス系列: 自然科学や数学など、主に理系の大学進学を目指す生徒におすすめです。

  • 国際・文化理解系列: 語学や世界の文化を深く学びたい、国際的な分野で活躍したい生徒におすすめです。

  • 情報デザイン系列: コンピュータや情報処理、デザインについて専門的に学びたい生徒におすすめです。

  • ライフデザイン系列: 保育、福祉、調理、スポーツなど、人々の生活に関わる分野を学びたい生徒におすすめです。

  • ものづくり系列: 美術、工芸、デザイン、工業技術など、創造的な活動や制作に興味がある生徒におすすめです。

世田谷総合高等学校の特色・校風

世田谷総合高等学校の校風は、「自主自律」や「個性の尊重」といった言葉で表現されることが多いです。生徒一人ひとりの興味や関心を大切にする学校の姿勢が、自由で伸びやかな雰囲気につながっています。

  • 宿題の量:教科や選択科目によりますが、全体的には標準的な量という声が多いようです。自分で選んだ科目だからこそ、主体的に課題に取り組む生徒が多い傾向があります。

  • 校則:他の都立高校と比較すると、緩やかだと言われています。制服はありますが、髪型に関する規定は比較的自由なようです。ただし、頭髪の染色やピアスは禁止されています。アルバイトは許可制で、多くの生徒が学業と両立させています。スマートフォンの持ち込みは可能ですが、授業中の使用は禁止です。

  • 生徒たちの雰囲気:総合学科という特性上、様々な興味や目標を持った生徒が集まっています。そのため、お互いの個性を認め合う、穏やかで落ち着いた雰囲気があるようです。

  • 制服:ブレザースタイルで、特に女子の制服は可愛いと評判です。リボンやネクタイ、セーターの色などを選ぶことができ、自分らしい着こなしを楽しむ生徒もいます。

  • 土曜授業:基本的に土曜授業はありません。「世田総土曜寺子屋」という自主学習の機会が設けられることはあります。

世田谷総合高等学校の部活動・イベント

部活動

世田谷総合高等学校は部活動が非常に盛んで、運動部16、文化部12、同好会3が活動しています。原則として全員加入制で、多くの生徒が熱心に活動に取り組んでいます。

  • 特に有名な部活動:

    • ダンス部:全国大会の常連であり、数々の大会で優秀な成績を収めている強豪校です。高いレベルを目指して、部員一丸となって厳しい練習に励んでいます。

    • 軽音楽部:専用スタジオが完備され、月に一度はライブハウスのような本格的な合同ライブを開催するなど、活発に活動しています。

    • ものづくり系の部活動:美術部や写真部なども実績があり、専門的な設備が整っているため、本格的に取り組みたい生徒に人気です。

  • 全体の様子:運動部、文化部ともに充実しており、活気にあふれています。部活動を通して、先輩や後輩とのつながりが深まるのも魅力の一つです。

イベント

生徒が主体となって作り上げるイベントは、どれも大きな盛り上がりを見せます。

  • 文化祭(翠風祭):毎年9月に行われる翠風祭は、クラスや文化部による企画、ステージ発表などで大変な賑わいを見せます。特に、ものづくり系列の生徒が作成するクオリティの高い装飾や作品は見どころの一つです。

  • 体育祭:6月に開催され、学年を超えた団対抗で競い合います。応援合戦や騎馬戦など、伝統的な種目で熱い戦いが繰り広げられ、クラスの団結力が一層深まります。

  • 修学旅行:2年次の11月に沖縄を訪れます。平和学習や沖縄の文化・自然に触れる体験を通して、多くのことを学びます。

  • 合唱祭(絆音祭):2月に行われるイベントで、各クラスが練習の成果を発表します。美しいハーモニーが体育館に響き渡り、感動的な雰囲気に包まれます。

世田谷総合高等学校の進学実績

世田谷総合高等学校では、生徒一人ひとりの多様な進路希望に対応したきめ細やかな進路指導が行われています。大学進学から専門学校、就職まで幅広い実績があります。

  • 国公立大学:例年、合格者を出しています。

  • 難関私立大学:GMARCH(学習院、明治、青山学院、立教、中央、法政)レベルの大学にも合格実績があります。

  • その他:日本大学、東洋大学、駒澤大学、専修大学といった「日東駒専」や、日本体育大学、多摩美術大学、武蔵野美術大学など、生徒の興味関心に合わせた多様な大学への進学者が多いのが特徴です。また、専門的なスキルを身につけるため、専門学校へ進学する生徒や、就職を選ぶ生徒もいます。

  • 進学サポート:夏期講習や土曜日の補習「世田総土曜寺子屋」などを実施し、生徒の学力向上をサポートしています。また、1年次から「キャリアデザイン」の授業があり、将来の生き方や進路について深く考える機会が設けられています。

世田谷総合高等学校の特長・アピールポイント

世田谷総合高等学校には、他の高校にはないユニークな魅力がたくさんあります。

  • 自分だけの時間割:最大の特長は、約100以上もの多彩な選択科目から、自分の興味や進路に合わせてオリジナルの時間割を作れることです。

  • 充実した専門設備:デッサン室、陶芸棟、Macが完備されたPC室、調理室、保育実習室など、専門的な学習に対応した施設が非常に充実しています。

  • キャリア教育の重視:1年次から「キャリアデザイン」という授業があり、職業研究や大学生との交流などを通して、早期から将来について考える機会が豊富にあります。

  • ノーチャイム・ノー放送:生徒の自主性を育むため、始業や終業を知らせるチャイムがありません。生徒は自分で時間を確認して行動することが求められます。

  • 国際交流の機会:海外の学校との交流も行っており、留学生との交流を通じて異文化に触れることができます。

  • 活発な部活動:全国レベルのダンス部をはじめ、多くの部活動が活発に活動しており、文武両道を実現できる環境です。

  • 緑豊かな学習環境:周辺は閑静な住宅街で、緑も多く、落ち着いて学習に取り組むことができる静かな環境です。

世田谷総合高等学校の口コミ・評判のまとめ

世田谷総合高等学校は、そのユニークな教育システムから、生徒や保護者から様々な声が寄せられています。

  • 良い点:

    • 「自分の好きなことを深く学べる環境が最高」という声が最も多く聞かれます。

    • 「先生方が親身に進路相談に乗ってくれる」「専門分野に詳しい先生が多くて授業が面白い」など、教員に対する評価も高いようです。

    • 「校則が厳しすぎず、自由な雰囲気で過ごしやすい」「色々な個性を持った友達ができて楽しい」といった意見も多く見られます。

    • 「施設や設備が新しくてきれい」という点も、満足度が高いポイントのようです。

  • 気になる点:

    • 「駅から少し歩くのが大変」という声があります。二子玉川駅から徒歩15分ほどかかるため、バスを利用する生徒も多いようです。

    • 「自主性が求められるので、自分で考えて行動するのが苦手な人には向かないかもしれない」という意見もあります。

    • 「大学進学に特化した高校と比べると、進学実績が物足りなく感じる人もいるかもしれない」という声も一部で見られます。

アクセス・通学

世田谷総合高等学校へのアクセスは以下の通りです。

  • 東急田園都市線・大井町線「二子玉川駅」より徒歩約15分

  • 東急バス・小田急バス「世田谷総合高校」バス停下車すぐ

    • 「二子玉川駅」からバスで約9分

    • 小田急線「成城学園前駅」からバスで約19分

世田谷区内から通学する生徒が最も多いですが、隣接する目黒区、大田区、杉並区や、神奈川県の川崎市など、幅広いエリアから生徒が通っています。

世田谷総合高等学校受験生へのワンポイントアドバイス

世田谷総合高等学校は、「これを学びたい!」という明確な目標がある人はもちろん、「まだ将来の夢は決まっていないけれど、高校生活で何かを見つけたい」と考えている人にこそ、ぴったりの学校です。多様な選択科目の中から、興味のある授業を少しずつつまみ食いしながら、自分の本当に好きなこと、得意なことを見つけていくことができます。

受験勉強においては、まず基礎学力をしっかりと固めることが大切です。特に、東京都の共通問題で出題される英語・数学・国語の3教科は、日々の授業を大切にし、苦手分野をなくしておきましょう。世田谷総合高等学校を目指すなら、ぜひ一度学校説明会や文化祭に足を運んで、その自由で活気のある雰囲気を肌で感じてみてください。あなたの探究心を刺激する、素晴らしい3年間が待っていますよ。

※最新かつ正確な情報は、必ず高校の公式サイトや学校説明会で確認してください。