沖縄県立久米島高等学校は、沖縄本島から西に約100km離れた、”球美の島”と称される美しい久米島にあります。 この島唯一の高校として、78年以上の歴史と伝統を誇り、地域社会に貢献できる人材の育成を目指しています。 久米島高等学校は、豊かな自然環境の中でのびのびと学校生活を送りたい生徒や、全国から集まる仲間と共に新しい挑戦をしたい生徒にとって、かけがえのない3年間を約束してくれる場所です。

特筆すべきは、全国から生徒を募集する「離島留学制度」です。 親元を離れ、寮生活を送りながら学ぶ経験は、生徒を大きく成長させます。また、地域全体で生徒を育てる温かい雰囲気も久米島高等学校の大きな魅力の一つです。 島ならではの伝統行事や地域と連携した学習活動が豊富に用意されており、教室での学びだけでは得られない貴重な体験ができます。

この記事では、そんな久米島高等学校の偏差値や気になる学校生活、ユニークな取り組みについて、進学アドバイザーとして詳しく解説していきます。この記事を読めば、あなたもきっと「久米高」で学びたいと感じるはずです。さあ、一緒にその魅力を探っていきましょう。

久米島高等学校の基本情報

久米島高等学校の基本的な情報を表にまとめました。

項目 内容
正式名称 沖縄県立久米島高等学校
公立/私立の別 公立
共学/男子校/女子校の別 男女共学
所在地 〒901-3121 沖縄県島尻郡久米島町字嘉手苅727番地
代表電話番号 098-985-2233
公式サイトURL http://www.kumejima-h.open.ed.jp/

久米島高等学校の偏差値・難易度・併願校

久米島高等学校の偏差値は、学科によって異なりますが、おおむね30台後半から40台前半とされています。しかし、偏差値だけでこの学校の価値を判断することはできません。久米島高等学校は、学力だけでなく、生徒一人ひとりの個性や意欲を大切にする学校です。

沖縄県の高校入試では、内申点が非常に重要視される傾向があります。合格のためには、中学時代の授業態度や提出物、定期テストの成績など、日々の積み重ねが大切になります。具体的な内申点の目安としては、各教科の評定をしっかりと取っておくことが望ましいでしょう。

沖縄県の公立高校入試制度では、基本的に他の公立高校を併願することはできません。そのため、併願校としては沖縄本島にある私立高校が選択肢となります。主な併願校としては、沖縄尚学高等学校や興南高等学校などが挙げられますが、自分の学力や将来の進路希望に合わせて慎重に選ぶことが重要です。

久米島高等学校に設置されている学科・コース

久米島高等学校には、特色の異なる2つの学科が設置されており、生徒一人ひとりの興味や関心、将来の夢に応じた学びを提供しています。 久米島ならではの環境を活かした教育が、それぞれの学科で展開されています。

  • 普通科

    国語・数学・英語などの主要科目では、生徒の習熟度に応じた「BIAプラン」と呼ばれるクラス編成で授業が行われ、基礎学力の定着から応用力の育成まで、きめ細やかな指導が受けられます。 2年生からは選択科目が増え、3年生では多様な進路希望に対応できる科目群が用意されており、自分の興味や目標に合わせて学習を進めることができます。

  • 園芸科

    野菜や果樹、草花の栽培から、食品加工、バイオテクノロジーまで、農業に関する幅広い知識と技術を実践的に学びます。 実習中心の授業が多く、プロ野球チームのキャンプ地を花で装飾したり、地域の保育園児と収穫体験を行ったりと、地域に根差した活動が豊富なのが大きな特長です。 農業系の大学への推薦枠もあり、専門性を活かした進路選択が可能です。

久米島高等学校の特色・校風

久米島高等学校の校風は、「地域との共生」と「アットホームな雰囲気」という言葉で表現できます。全校生徒が約200名という少人数教育を活かし、生徒と先生の距離が非常に近いのが特長です。

  • 校則や学校生活について

    校則は、他の高校と比較して標準的という声が多いようです。スマートフォンの持ち込みは許可されていますが、授業中の使用は禁止されるなど、基本的なルールは守る必要があります。服装検査なども定期的に行われるようです。アルバイトは原則として許可制で、家庭の事情などが考慮される場合があります。

  • 生徒たちの雰囲気

    島出身の生徒と、全国から集まる離島留学生が共に学ぶ環境のため、多様な価値観に触れることができます。 生徒たちは、おおらかで素直な生徒が多いと言われています。最初は人見知りをする生徒も、ハーリーやマラソン大会などの学校行事や寮生活を通して、すぐに打ち解けていくようです。

  • 学習環境

    宿題の量は、学科や担当の先生によって差があるようですが、日々の予習復習を基本とした学習習慣が求められます。国語・数学・英語などの主要科目では習熟度別授業が導入されており、自分のペースで学習を進めやすい環境です。 また、町営の公営塾「久米島学習センター」と連携しており、放課後の学習サポートも充実しています。 土曜授業は基本的にありません。

  • 制服

    制服は、男子が黒の学ラン、女子が紺のブレザーにリボンというスタイルです。夏服は、沖縄らしく涼しげなかりゆしウェアを着用することもあり、生徒からの評判は良いようです。

久米島高等学校の部活動・イベント

部活動

久米島高等学校では、多くの生徒が部活動に加入し、文武両道を目指して活発に活動しています。運動部、文化部ともに、島という環境を活かしたユニークな活動も見られます。

特に注目すべきは、科学部の「クメジマボタル」に関する研究活動です。地域の専門家と連携し、長年にわたってホタルの生態調査や保護活動に取り組んでおり、その研究成果は高く評価されています。

運動部では、陸上競技部や空手部などが県大会で活躍しています。文化部では、吹奏楽部や美術部などが地域のイベントで演奏や作品展示を行うなど、文化的な活動を通して地域貢献にも力を入れています。

イベント

久米島高等学校の学校行事は、地域との繋がりを強く感じられるものが多く、生徒たちの大きな楽しみの一つとなっています。

  • 体育祭・久米高祭(文化祭)

    体育祭は3年に1度、文化祭は3年に2度のサイクルで開催されます。 そのため、どの生徒にとっても在学中に経験できる回数が限られており、一回一回のイベントにかける情熱は非常に大きいものがあります。 体育祭では島ならではの競技が行われ、文化祭ではクラスごとの展示や舞台発表、PTAによる出店などで盛り上がります。

  • 地域参加行事

    久米島ならではの行事として、全校生徒が参加する「ハーリー」と「久米島マラソン」があります。 ハーリーは、伝統的な爬竜船を漕いで豊漁と航海の安全を祈願するお祭りで、生徒たちは地域のチームの一員として参加し、島民と一体となって祭りを盛り上げます。 久米島マラソンは、校内マラソン大会を兼ねており、多くの生徒がハーフマラソンに挑戦するなど、島の美しい景色の中を走り抜けます。

  • 修学旅行

    修学旅行の行き先は年によって異なりますが、関西方面や関東方面など、島外の文化に触れる貴重な機会となっています。

久米島高等学校の進学実績

久米島高等学校は、大学進学から専門学校、就職まで、生徒一人ひとりの多様な進路希望に対応する「進路多様校」です。 少人数教育の強みを活かし、進路指導部、就職支援員、そして担任の先生が連携して、手厚いサポートを行っています。

近年の進学実績を見ると、国公立大学への進学者も出ており、2024年度の卒業生からは11名が国公立大学へ進学しました。 これは近年で最多の進学数であり、学校全体の学力向上の成果と言えるでしょう。

  • 主な進学先

    • 国公立大学:琉球大学、名桜大学、沖縄県立看護大学、沖縄県立芸術大学など

    • 私立大学:沖縄国際大学、沖縄大学など県内の大学のほか、県外の大学へ進学する生徒もいます。

    • 専門学校:医療・看護系、IT系、観光系など、各自の興味や目標に合わせた専門学校へ進学しています。

    • 就職:県内企業を中心に、公務員になる生徒もいます。特に園芸科の卒業生は、専門知識を活かして農業関連の道に進むケースも多いです。

進学実績向上の背景には、早朝講座や放課後講座、夏季講座といった補習・講習の充実があります。 また、町が運営する公営塾「久米島学習センター」との連携により、大学受験対策から日々の学習サポートまで、生徒のニーズに応じた学習環境が提供されています。

久米島高等学校の特長・アピールポイント

久米島高等学校には、他の高校にはないユニークな魅力がたくさん詰まっています。ここでは、その中でも特に注目すべきポイントを5つご紹介します。

  • 全国から仲間が集まる「離島留学制度」

    「地域みらい留学」の一環として、全国から意欲ある生徒を受け入れています。 親元を離れ、町営寮「じんぶん館」で仲間と共同生活を送る3年間は、自立心や協調性を育むかけがえのない経験となります。 多様なバックグラウンドを持つ仲間との出会いは、視野を大きく広げてくれるでしょう。

  • 島全体がキャンパス!地域と深く連携した学び

    普通科の探究型授業「まちづくりプロジェクト」では、生徒たちが地域の課題を発見し、解決策を提案します。 また、ハーリーや久米島マラソンといった伝統行事に全校生徒で参加するなど、地域の一員として活動する機会が豊富にあります。 このような活動を通して、生きた知識やコミュニケーション能力を身につけることができます。

  • 農業のプロを目指せる本格的な「園芸科」

    野菜や草花の栽培、食品加工、バイオテクノロジーなど、農業に関する専門的な知識と技術を実践的に学べます。 地域のイベントでの生産物販売や、企業との連携プロジェクトなど、社会と繋がりながら学べるのが大きな魅力です。

  • 一人ひとりに向き合う手厚い教育サポート

    全校生徒約200名という小規模校ならではの、生徒と教員の距離の近さが特長です。 習熟度別授業や放課後講座に加え、町営塾「久米島学習センター」とも連携し、生徒一人ひとりの学習や進路の悩みにきめ細かく対応しています。

  • 豊かな自然環境とグローバルな視点

    “球美の島”と称される美しい自然に囲まれた環境は、感性を豊かにし、のびのびとした心を育みます。 また、ハワイとの交流事業や海外短期研修などを通して、国際的な視野を養う機会も設けられています。

久米島高等学校の口コミ・評判のまとめ

久米島高等学校に関する在校生や卒業生からの声を集めてみました。学校選びの参考にしてください。

  • 良い点

    • 「先生との距離が近く、進路相談などに親身に乗ってくれる」という声が非常に多いです。少人数教育ならではの温かいサポート体制が魅力のようです。

    • 「離島留学生と島の子が一緒に学ぶ環境が刺激的で楽しい。多様な価値観に触れられる」といった、人間関係の豊かさを評価する意見も目立ちます。

    • 「ハーリーやマラソンなど、島ならではの行事が最高の思い出になる」と、地域と一体となったイベントを挙げる声も多数あります。

    • 「自然が豊かで、のびのびと過ごせる。都会の学校にはない魅力がある」と、久米島の環境を絶賛する口コミも多いです。

    • 「園芸科での実習は実践的で、将来に役立つスキルが身につく」と、専門的な学びに対する満足度も高いようです。

  • 気になる点

    • 「施設の老朽化が少し気になる」という意見があります。歴史のある学校ならではの課題と言えるかもしれません。

    • 「島なので、遊ぶ場所やお店が限られている」という声もあります。都会のような便利さを求める人には、少し物足りなく感じるかもしれません。

    • 「虫が多いのは覚悟した方がいい」という、離島ならではの自然環境に関するリアルな意見も見られました。

    • 「進学を考えるなら、塾などを活用して自分で努力する必要がある」という声もあり、主体的な学習姿勢が求められるようです。

アクセス・通学

久米島高等学校は、久米島の中心部に位置しており、島内の生徒は自転車や路線バスを利用して通学しています。

  • 最寄りのバス停

    • 久米島町営バス「久米島高校前」バス停下車すぐ

  • 久米島空港からのアクセス

    • 久米島空港から路線バス(空港線)で約15分

島外から入学する離島留学生は、学校の近くにある町営寮「じんぶん館」から通学します。 久米島は沖縄本島の那覇市から飛行機で約30分、フェリーで約3時間半の距離にあり、帰省などの際のアクセスも比較的便利です。通っている生徒は、久米島町内の中学校出身者が中心ですが、離島留学制度により、北海道から沖縄まで全国各地から生徒が集まっています。

久米島高等学校受験生へのワンポイントアドバイス

久米島高等学校を目指す皆さんへ。この学校は、ただ勉強するだけの場所ではありません。久米島の雄大な自然、温かい地域の人々、そして全国から集まる多様な仲間たち。そのすべてが、あなたを成長させてくれる最高の教室です。特に、「新しい環境に飛び込んで自分を変えたい」「地域の人と深く関わりながら学びたい」「自然の中で専門的な知識や技術を身につけたい」と考えている生徒には、最高の3年間が待っているはずです。

受験勉強においては、まず中学校の基礎・基本を徹底的に固めることが大切です。沖縄県の入試では内申点が重視されるため、日々の授業を大切にし、提出物をきちんと出すなど、真面目な学習態度を心がけましょう。面接も重要な選考要素です。「なぜ久米島高校で学びたいのか」「高校でどんなことに挑戦したいのか」を、自分の言葉で熱意をもって伝えられるように準備しておいてください。離島留学を希望する人は、なぜ親元を離れてまで久米島で学びたいのか、その強い意志を示すことが合格への鍵となります。

久米島高等学校は、あなたの挑戦を全力で応援してくれる学校です。頑張ってください!

※最新かつ正確な情報は、必ず高校の公式サイトや学校説明会で確認してください。