鳥取県立倉吉農業高等学校は、140年近い歴史と伝統を誇る、県内唯一の農業専門高校です。「倉農(くらのう)」の愛称で親しまれ、広大な実習地で、動物や植物、食品や環境について実践的に学ぶことができます。農業と聞くと、少し特別なイメージを持つかもしれませんが、私たちが生きていく上で欠かせない「食」や「環境」のスペシャリストを育てる、未来に直結した学びの場なのです。
倉吉農業高等学校の基本情報
倉吉農業高等学校の偏差値・難易度・併願校
生物科:37 食品科:37 環境科:37
倉吉農業高等学校に設置されている学科・コース
生物科 畜産コース:牛や豚、馬などの飼育を通して、畜産の知識と技術を学びます。動物が好きで、命を大切にする心を育てたい人におすすめです。 園芸コース:野菜や果物の栽培を実践的に学びます。自分で育てた作物を収穫する喜びを味わいたい人、将来、農業や関連産業で活躍したい人にぴったりです。
食品科 食品コース:パンやジャム、お菓子などの加工品作りを学びます。原材料の生産から製造まで、安全で美味しい食品作りのプロを目指したい人におすすめです。 流通コース:作った商品をどうやって売るか、マーケティングや販売について学びます。商品開発やビジネスに興味がある人に向いています。
環境科 建築・森林コース:森林の管理や木材加工、建築の基礎などを学びます。自然環境を守りながら、快適な生活空間を創造したい人におすすめです。 建設DXコース:ドローンやICTなどの最新技術を使った測量や土木設計を学びます。最先端の技術で社会の基盤づくりに貢献したい人にぴったりです。 フラワー・ガーデンコース:草花や造園について学び、美しい景観を作り出す技術を身につけます。花や緑が好きで、デザインに興味がある人におすすめです。
倉吉農業高等学校の特色・校風
校則・学校生活 校則は、以前よりは緩やかになったという声があり、「厳しすぎず緩すぎず、ちょうどいい」と感じる生徒が多いようです。月に1回程度の服装指導があります。 スマホの持ち込みは可能ですが、校内での使用ルールは定められています。授業中の使用はもちろん禁止です。 アルバイトは、長期休暇中などに許可制で行うことができます。 制服は、男子が詰襟、女子がブレザーです。特にデザインについての大きな評判はありませんが、清潔感のある着こなしが求められます。 土曜授業は基本的にありません。
生徒の雰囲気・宿題 生徒は、動物や植物が好きな、穏やかで真面目な生徒が多い傾向があります。専門的な知識を学びたいという目的意識を持って入学してくる生徒が多いため、落ち着いた雰囲気で学習に取り組めます。 宿題の量は、学科やコースによって差がありますが、特に「当番実習」と呼ばれる放課後の実習が特徴的です。動物の世話や農作物の管理など、大変なこともありますが、大きな達成感を得られるようです。
寮生活 生物科と環境科の1年生は、原則として1年間、敷地内にある「祥雲寮」での寮生活を送ります。朝早くからの動物の世話などを通して、規則正しい生活習慣と仲間との協調性を育みます。寮での生活は大変な面もありますが、クリスマス会などの行事もあり、一生の友人との絆を深める貴重な経験となるでしょう。
倉吉農業高等学校の部活動・イベント
部活動
運動部 特に有名なのが相撲部で、数々の全国大会で輝かしい成績を収めています。元横綱の琴櫻も同校の出身です。 アーチェリー部や柔道部も全国大会出場の実績があります。 そのほか、野球、サッカー、バスケットボール、ソフトテニスなど、多くの運動部が活発に活動しています。
文化部・同好会 文化部では、地域のイベントでも活躍する「倉農太鼓部」が有名です。全国高等学校総合文化祭への出場や、海外公演の経験もあります。 農業高校ならではの「農業クラブ(FFJ)」では、プロジェクト研究や意見発表などを通して、農業に関する知識や技術を深めます。 珍しい部活動として「乗馬・セラピー同好会」があり、乗馬を通して保育園児などと交流する活動も行っています。
イベント
倉農祭(文化祭) 毎年秋に開催される最大のイベントで、地域住民も心待ちにしています。生徒たちが育てた新鮮な野菜や果物、パンやジャムなどの加工品が販売され、毎年長蛇の列ができるほどの人気です。ステージ発表やクラス展示などもあり、学校全体が活気に満ち溢れます。
体育祭 学科対抗で行われるため、クラスや学科の団結力が一層深まります。農業高校らしいユニークな種目が行われることもあります。
修学旅行 行き先は年度によって異なりますが、北海道や沖縄など、鳥取とは異なる自然や文化、農業に触れる貴重な機会となっています。
倉吉農業高等学校の進学実績
大学・短期大学 国公立大学では、鳥取大学や公立鳥取環境大学などへの進学実績があります。 私立大学では、東京農業大学、近畿大学、酪農学園大学など、全国の農業系大学へ進学する生徒が多いのが特徴です。
専門学校 鳥取県立農業大学校をはじめ、全国の農業系専門学校へ進学し、さらに高度な専門技術を学ぶ生徒も多くいます。
就職 就職希望者の就職率は非常に高く、地元企業からの信頼も厚いです。 公務員(市役所、自衛隊など)や、JA鳥取中央、大山乳業農業協同組合といった農業関連団体、さらには製造業、建設業、販売業など、多岐にわたる企業へ就職しています。
倉吉農業高等学校の特長・アピールポイント
東京ドーム約4個分の広大なキャンパス 学校の敷地は非常に広く、水田、畑、果樹園、牛舎、演習林など、本格的な実習を行うための施設が充実しています。
動物たちとのふれあい 牛や豚、馬、羊など、たくさんの動物を飼育しており、日々の世話を通して命の尊さを学ぶことができます。
「食」のプロフェッショナルを目指せる 自分たちで育てた農産物を使い、パンやジャム、お菓子、福神漬けなど、様々な食品を製造・加工する技術を学べます。
地域に愛される「倉農ブランド」 生徒が作った農産物や加工品は「倉農ブランド」として地域で人気です。特に文化祭「倉農祭」での販売実習は、実践的なビジネスを学ぶ絶好の機会です。
全国レベルのコンクールでの実績 「全国農業高校お米甲子園」で最高金賞を受賞するなど、生徒たちの技術力は全国的にも高く評価されています。
1年間の寮生活で育む人間力 生物科と環境科の1年生が経験する寮生活は、規律や協調性を学び、人間的に大きく成長できる貴重な機会です。
最先端のスマート農業が学べる ドローンやICTを活用した「スマート農業」の学習にも力を入れており、未来の農業を担うための最新技術を身につけることができます。
倉吉農業高等学校の口コミ・評判のまとめ
良い点 「専門的な知識や技術が身につき、将来の夢に直結する学びができる」という満足の声が非常に多いです。 「実習が多く、座学だけでは得られない貴重な体験ができるのが楽しい」といった意見も目立ちます。 「先生方が親身になって指導してくれる」「同じ目標を持つ仲間と出会えた」など、学習環境や人間関係の良さを挙げる声も多くあります。 「寮生活を通して、自立心や協調性が身についた」という、寮生活を肯定的に捉える意見も多数見られます。
気になる点 「朝早い当番実習や動物の世話は、体力的に大変なこともある」という声があります。生き物を扱う以上、責任感が求められます。 「虫が苦手な人や、土で汚れることに抵抗がある人には少し厳しいかもしれない」といった、農業高校ならではの意見もあります。 「学科によっては、実習やレポートが多くて忙しい」と感じる生徒もいるようです。 最寄り駅から少し距離があるため、アクセスが不便だと感じる人もいます。
アクセス・通学
最寄り駅 JR山陰本線「倉吉駅」
駅からのアクセス 倉吉駅バスターミナルから日本交通バス(関金線、明高線など)に乗車し、「倉吉農高前」バス停で下車、徒歩すぐ。 倉吉駅から自転車で通学する生徒も多くいます。
倉吉農業高等学校受験生へのワンポイントアドバイス

