広島県呉市に佇む呉宮原高等学校は、2024年に創立100周年を迎えた歴史と伝統のある進学校です。 呉湾を見下ろす小高い丘の上にあり、落ち着いた環境で勉学に励むことができます。 生徒一人ひとりの「自主・自律」を重んじ、勉強だけでなく部活動や学校行事にも全力で取り組む「文武不岐」の精神が、今もなお受け継がれています。

この記事では、そんな呉宮原高等学校の魅力やリアルな学校生活について、進学アドバイザーの視点から詳しく解説していきます。偏差値や進学実績といった学習面はもちろん、学校の雰囲気や部活動、イベントの様子まで、受験生や保護者の皆さんが本当に知りたい情報をぎゅっと詰め込みました。

「宮高(みやこう)」の愛称で親しまれる呉宮原高等学校が、なぜ多くの生徒に選ばれ、充実した3年間を送る舞台となっているのか、その理由を探っていきましょう。この記事が、あなたの高校選びの確かな一歩となることを願っています。

呉宮原高等学校の基本情報

以下に呉宮原高等学校の基本的な情報をまとめました。

項目 内容
正式名称 広島県立呉宮原高等学校
公立/私立の別 公立
共学/男子校/女子校の別 男女共学
所在地 〒737-0024 広島県呉市宮原三丁目1-1
代表電話番号 0823-21-9306
公式サイト http://www.kuremiyahara-h.hiroshima-c.ed.jp/

呉宮原高等学校の偏差値・難易度・併願校

呉宮原高等学校への進学を考える上で、偏差値や難易度は最も気になるポイントの一つでしょう。ここでは、具体的な数値だけでなく、合格に必要な力の目安や、受験生がよく検討する併願校についても解説します。

呉宮原高等学校の普通科の偏差値は、おおむね56〜57とされています。 これは広島県内の公立高校の中では上位に位置し、しっかりとした学力が求められるレベルです。 合格するためには、中学校の内申点(調査書点)も重要になります。具体的な目安としては、5段階評価で平均4以上、合計で135点中100点前後が一つのラインと考えられることが多いようです。

同じくらいの偏差値の高校としては、呉市内では呉三津田高等学校(普通科)や広高等学校(普通科)が挙げられます。これらの高校と呉宮原高等学校を比較検討する受験生は少なくありません。

併願校としては、広島県内の私立高校が中心となります。具体的には、武田高等学校(呉市)、清水ヶ丘高等学校(呉市)、広島国際学院高等学校(広島市)などが主な選択肢として考えられています。自分の学力や各校の特色をよく理解し、万全の態勢で受験に臨みましょう。

呉宮原高等学校に設置されている学科・コース

呉宮原高等学校に設置されているのは「普通科」のみです。 様々な進路希望に対応できるよう、幅広い科目が用意されています。

  • 普通科 – 2年生からは文系・理系に分かれ、それぞれの進路希望に応じた学習を深めていきます。国公立大学や難関私立大学への進学を目指す生徒が多く、きめ細やかな進路指導が行われています。 特に、芸術系の大学進学に対応した科目(声楽、器楽演習、造形表現など)が設置されているのも特徴の一つです。

呉宮原高等学校の特色・校風

呉宮原高等学校は、「自主・自律」の校訓のもと、生徒の主体性を尊重する自由闊達で伸びやかな校風が魅力です。 勉強と部活動を両立させる「文武不岐」の精神が伝統として根付いており、生徒たちは何事にも一生懸命取り組む雰囲気があります。

  • 宿題の量:進学校ということもあり、日々の課題や週末課題など、宿題の量はやや多めという声があります。特に、大学進学を見据えた質の高い課題が出されることが多いようです。

  • 校則:他の高校と比較して、校則は標準的か、やや厳しいと感じる生徒もいるようです。特にスマートフォンについては、校内での使用は原則禁止など、厳しいルールが設けられているとの口コミが見られます。服装や頭髪に関する指導も定期的に行われているようです。

  • 生徒たちの雰囲気:真面目で落ち着いた生徒が多い一方で、学校行事などでは非常に活発で、クラス一丸となって盛り上がる一体感があります。 「勉強の三津田、運動の広、恋愛の宮原」と比喩されることがあるほど、充実した高校生活を送っている生徒が多いようです。

  • アルバイト:原則として禁止されていますが、家庭の事情など特別な理由がある場合は、許可を得て行うことが可能な場合があります。

  • 制服の評判:「宮原ブルー」と呼ばれるブレザーの制服は、上品でかわいいと生徒からの評判は良いようです。 2016年に男女共に新しいデザインに変更されました。

  • 土曜授業:基本的に土曜授業はありませんが、模試や特別な講習が行われることがあります。

また、呉市の公立高校で唯一食堂が設置されており、カレーや麺類など豊富なメニューが揃っているのも生徒にとっては嬉しいポイントです。

呉宮原高等学校の部活動・イベント

部活動

呉宮原高等学校は「文武不岐」を掲げており、部活動が非常に盛んです。 加入率も高く、多くの生徒が勉強と両立させながら熱心に活動に取り組んでいます。

  • 特に実績が豊富な部活動としては、全国大会の常連であるダンス部が有名です。 また、弓道部もインターハイに出場するなど輝かしい実績を誇ります。

  • 珍しい部活動としては、アーチェリー部があります。中国大会に出場するなど、こちらも活発に活動しています。

  • 運動部はソフトテニス部、野球部、サッカー部、バスケットボール部など11部、文化部は放送部、音楽部、吹奏楽部、ESS(英語部)など13部があり、多種多様な選択肢の中から自分に合った部活動を見つけることができます。

イベント

呉宮原高等学校の学校行事は、生徒が主体となって企画・運営され、大変盛り上がることで知られています。

  • 宮高祭(文化祭):毎年6月に行われる最大のイベントです。 クラスごとの展示やステージ発表、部活動の発表などがあり、一般公開もされているため多くの来場者で賑わいます。 生徒たちの創造性や団結力が発揮される場となっています。

  • 夏季スポーツ大会:夏に行われる球技大会で、クラス対抗で熱戦が繰り広げられます。

  • 体育祭:秋に開催され、伝統的な応援合戦や各種競技で学校全体が一体となります。

  • 修学旅行:例年、関東方面へ3泊4日の日程で実施されます。大学訪問や企業訪問なども組み込まれ、進路意識を高める機会にもなっています。

  • 遠足:3年生の秋には宮島への遠足があり、受験勉強の合間のリフレッシュの機会となっています。

呉宮原高等学校の進学実績

呉宮原高等学校は、国公立大学への進学に力を入れており、毎年安定した合格実績を上げています。

  • 国公立大学:例年、広島大学、岡山大学、山口大学、愛媛大学、県立広島大学などを中心に、40名〜60名前後の合格者を出しています。

  • 難関私立大学:関西大学、関西学院大学、同志社大学、立命館大学といった「関関同立」にも複数の合格者を出しています。

  • その他:地元の広島修道大学や安田女子大学など、県内の私立大学への進学者も多数います。また、専門学校への進学や就職など、多様な進路選択に対応した指導が行われています。

進学実績向上のための取り組みとして、3年生を対象とした早朝・放課後・長期休業中の補習や、個別の学習スペースとして2種類の自習室が完備されているなど、手厚いサポート体制が整っています。 職員室前の「Study Hallway」は、すぐに先生に質問できるとあって人気の学習スペースです。

呉宮原高等学校の特長・アピールポイント

呉宮原高等学校には、他の高校にはないユニークな魅力や強みが数多くあります。

  • 創立100周年を迎えた歴史と伝統:1924年開校の呉市立中学校を前身とする伝統校で、地域社会からの信頼も厚いです。

  • 呉をフィールドとした探究学習「屋根のない学び舎」:呉市の歴史や文化、産業などをテーマに、地域に出て課題発見・解決学習に取り組む独自のプログラムです。

  • ICT教育の積極的な推進:2020年度入学生から生徒全員がiPadを購入し、授業や探究活動、オンラインでの交流などに活用しています。

  • 呉市の公立高校で唯一の食堂:温かい食事がとれる食堂は生徒たちにとって憩いの場であり、学校生活の満足度を高める大きな要素となっています。

  • 呉湾を望む美しいロケーション:校舎からは呉の港や造船所が一望でき、歴史と自然を感じられる落ち着いた環境で学ぶことができます。

  • 生徒が主役の盛り上がる学校行事:宮高祭(文化祭)をはじめ、生徒会が中心となって企画する行事は、学校全体の一体感を生み出しています。

  • きめ細やかな進路指導体制:自習室の完備や充実した補習制度など、生徒一人ひとりの進路実現を力強くサポートする体制が整っています。

呉宮原高等学校の口コミ・評判のまとめ

呉宮原高等学校についての在校生や卒業生からの声を集めてみました。良い点と気になる点の両方を知ることで、より深く学校を理解することができるでしょう。

  • 良い点:

    • 「先生方が親身に進路相談に乗ってくれるなど、サポートが手厚い」という声が多く聞かれます。

    • 「宮高祭や体育祭などの行事が本当に楽しく、クラスの団結力が強い」と、学校行事の充実度を評価する意見が目立ちます。

    • 「部活動が盛んで、勉強と両立しながら打ち込める環境がある」という口コミも多数あります。

    • 「呉市内の公立高校で唯一食堂があり、安くて美味しい」という点は、多くの生徒にとって魅力のようです。

    • 「自主自律の校風で、生徒の主体性が尊重されている」と感じる生徒も多いです。

  • 気になる点:

    • 「校舎や体育館などの施設が少し古い」という意見が一部で見られます。ただし、校舎は2013年度までに建て替えられ、最新の設備も導入されています。

    • 「呉駅から徒歩だと20分かかり、坂道も多いのでアクセスが少し大変」という声があります。

    • 「スマホの使用など、校則が少し厳しいと感じることがある」という意見もあります。

    • 「進学校なので課題が多く、勉強についていくのが大変な時がある」と感じる生徒もいるようです。

アクセス・通学

呉宮原高等学校への主なアクセス方法は以下の通りです。

  • 最寄り駅:JR呉線「呉駅」

    • 呉駅から徒歩で約20分。

    • 呉駅から広島電鉄バス(宮原通経由)で約3分、「宮原3丁目」バス停下車、徒歩約1分。

    • 呉駅から広島電鉄バス(坪の内経由)で約4分、「子規句碑前」バス停下車。

呉市内全域から生徒が通学していますが、特に呉駅周辺やバス路線の沿線に住む生徒が多い傾向があります。また、東広島市や江田島市など、近隣の市町から通学している生徒も見られます。学校が高台にあるため、駅からはバスを利用するか、体力に自信があれば自転車や徒歩で通うことになります。

呉宮原高等学校受験生へのワンポイントアドバイス

呉宮原高等学校を目指す皆さん、こんにちは!進学アドバイザーとして、最後に皆さんへ応援メッセージを送ります。

呉宮原高等学校は、「自主・自律」の精神のもと、勉強にも部活動にも学校行事にも、何事にも全力で打ち込みたいと考える君にぴったりの学校です。歴史と伝統に育まれた落ち着いた環境の中で、仲間と切磋琢磨しながら大きく成長できる3年間が待っています。特に、生徒が主体となって作り上げる「宮高祭」などの学校行事は、一生の思い出になるはずです。

呉宮原高等学校の入試では、中学校3年間の内申点(調査書)と当日の学力検査の合計で合否が決まります。まずは日々の授業を大切にし、定期テストで着実に点数を取って、しっかりとした内申点を確保することが合格への第一歩です。その上で、苦手科目をなくし、基礎を固める受験勉強を進めていきましょう。最後まで諦めずに努力を続ければ、きっと春には桜咲く宮原の丘で、新しい高校生活をスタートさせることができるはずです。応援しています!

※最新かつ正確な情報は、必ず高校の公式サイトや学校説明会で確認してください。