四天王寺高等学校へのご興味、ありがとうございます。関西に数ある女子校の中でも、トップクラスの伝統と格式を誇ることで知られるのが、この四天王寺高等学校です。長い歴史の中で、多くの優秀な卒業生を社会に送り出してきました。その名前を聞いて、高いレベルの学習環境や、落ち着いた雰囲気をイメージされる方も多いのではないでしょうか。

この学校の大きな特徴は、聖徳太子が定めた「和の精神」を教育の根幹に据えている点です。ただ学力を伸ばすだけでなく、人としての豊かさを育むことを大切にしています。日本最古のお寺である四天王寺の境内という、他にはない特別な環境で過ごす3年間は、きっと皆さんにとってかけがえのない時間になるでしょう。

では、そんな歴史と伝統を持つ四天王寺高等学校での学校生活は、具体的にどのようなものなのでしょうか。この先では、偏差値や進学実績といったデータはもちろん、在校生や卒業生のリアルな声も交えながら、学校の魅力を余すところなくお伝えしていきます。皆さんの高校選びの、確かな道しるべとなれば幸いです。

四天王寺高等学校の基本情報

まずは、学校の基本的な情報を確認しておきましょう。

項目 内容
正式名称 四天王寺高等学校
公立/私立の別 私立
共学/女子校の別 女子校
所在地 〒543-0051 大阪府大阪市天王寺区四天王寺1-11-73
代表電話番号 06-6772-6201
公式サイトのURL https://www.shitennoji.ed.jp/stnnj/

四天王寺高等学校の偏差値・難易度・併願校

四天王寺高等学校は、大阪府内でもトップレベルの難易度を誇ります。コースによって偏差値が異なりますので、自分の目指すレベルと照らし合わせてみましょう。

  • 文理選抜コース: 74

  • 文理コース: 70

  • 文化・スポーツコース: 50

偏差値74というのは、全国的に見ても最難関レベルです。大阪府内の公立高校で言えば、北野高校や天王寺高校といったトップ校と肩を並べる水準です。私立高校の中でも、大阪星光学院高校や清風南海高校など、最難関校と比較されることが多く、合格には非常に高い学力が求められます。

この高い難易度を理解する上で、四天王寺高等学校の入試制度には一つ大きな特徴があります。それは、国語・数学・英語・理科・社会の5教科合計点と、国語・数学・英語の3教科合計点を倍して500点満点に換算した点数を比較し、高い方を採用するという「アラカルト方式」です。これは、主要3教科が特に得意な受験生にとっては、有利に働く可能性があるユニークな仕組みと言えるでしょう。

このような難易度の高さから、併願校としては、同じく関西の難関私立である洛南高校、西大和学園高校、清風南海高校、帝塚山高校などが選ばれることが多いようです。また、大阪府内のトップ公立高校を目指す受験生が、実力を試す意味合いも込めて併願するケースも非常に多いです。

四天王寺高等学校に設置されている学科・コース

四天王寺高等学校には、高校から入学する生徒向けに、目標に応じて選べる3つのコースが設置されています。それぞれの特色を理解して、自分に合ったコースを見つけましょう。

  • 文理選抜コース

    国内外の最難関国公立大学、特に医学部や歯学部、薬学部といった難関理系学部への進学を目指すトップコースです。社会のリーダーとなる人材の育成を目標に、ハイレベルな授業が展開されます。

  • 文理コース

    難関国公私立大学への現役合格を目指すコースです。基礎から応用まで着実に学力を伸ばし、2年次進級時には成績次第で文理選抜コースへ変更することも可能なため、高い目標を持って学習に取り組めます。

  • 文化・スポーツコース

    将来、国内外での活躍が期待されるトップアスリートやアーティストを育成するための専門コースです。卓球の石川佳純選手など、多くの有名選手を輩出しています。受験には専門分野での高い実績と、事前の相談が必要です。

四天王寺高等学校の特色・校風

四天王寺高等学校の雰囲気を知るためのキーワードは、「和の精神」「自主自立」「文武両道」、そして「落ち着いた雰囲気」です。

宿題の量は、やはり進学校ということもあり多い傾向にあります。日々の予習・復習が欠かせない環境です。校則は、公式には厳しいとされています。染髪や化粧、制服の着崩し、アルバイトは禁止です。学校帰りの寄り道も基本的には認められていません。校則を破ると「写経」を課されるというのは、仏教校ならではの有名な話です。しかし、在校生の口コミを見ると「思ったより厳しくない」「常識の範囲内であれば何も言われない」という声も多く、生徒の自主性を重んじる校風がうかがえます。スマートフォンの校内での使用は禁止ですが、休み時間に触っている生徒もいるようです。

生徒たちの雰囲気は、全体的に真面目で落ち着いています。周りの生徒も皆、高い目標を持って勉強に励んでいるため、自然と学習意欲が高まる刺激的な環境です。女子校ですが、いわゆる「キャピキャピした」感じではなく、自立した知的な生徒が多い印象です。

制服は、グレーのブレザーとスカートで、「墓石」「新幹線」などとユニークなあだ名で呼ばれることもありますが、品があり知的で良いという評判もあります。土曜日は授業がある週6日制で、しっかりとした学習時間が確保されています。

一つ、知っておきたい点として、中学から内部進学した「六ヶ年生」と、高校から入学した「三カ年生」との間には、少し壁を感じることがあるという声が聞かれます。特に部活動などでは、すでに出来上がっている輪に入るのに少し勇気がいるかもしれません。しかし、これは多くの内部進学がある私立校に共通する点でもあります。積極的にコミュニケーションをとることで、充実した友人関係を築いている生徒もたくさんいます。

四天王寺高等学校の部活動・イベント

部活動

四天王寺高等学校の部活動は、学業だけでなく、様々な分野で全国レベルの実績を誇ります。運動部、文化部ともに非常に充実しており、多くの生徒が参加しています。

特に有名なのは、全国優勝を何度も経験しているバレーボール部や卓球部です。これらの部は文化・スポーツコースの生徒が中心となり、日本一を目指して日々厳しい練習に励んでいます。

文化部も非常に活発で、全国高等学校総合文化祭の常連である競技かるた部や、全国大会で何度も金賞を受賞しているコーラス部は特に有名です。また、自然科学部は日本生物学オリンピックで優秀な成績を収めるなど、学術的な活動でも高い評価を得ています。

ただし、進学校であるため、部活動への加入は強制ではありません。特に高校から入学する生徒の中には、大学受験に集中するために部活動に所属しないという選択をする人もいるようです。

イベント

勉強だけでなく、学校行事にも全力で取り組むのが四天王寺の生徒たちの特徴です。年間を通じて多彩なイベントが用意されており、どれも生徒たちにとって忘れられない思い出となっているようです。

中でも最大の見どころは、6月に行われる体育祭です。なんと、プロのコンサートなども開催される「大阪城ホール」を貸し切って行われます。これほど大規模な体育祭は他の高校ではなかなか体験できず、学校全体が一体となって大変な盛り上がりを見せます。

9月の文化祭(塔影祭)もユニークです。この文化祭は「男子禁制」として知られており、女子校ならではの自由で華やかな雰囲気に包まれます。生徒たちが企画するお化け屋敷は、毎年非常にクオリティが高いと評判です。

その他にも、仏教校ならではの行事として、お釈迦様の誕生を祝う「花まつり」や、高校3年生が参加する厳かな儀式「授戒灌頂」などがあります。これらの行事を通して、勉強だけでは得られない豊かな人間性を育んでいます。

四天王寺高等学校の進学実績

四天王寺高等学校は、関西を代表する進学校として、毎年非常に高い大学進学実績を誇っています。特に国公立大学や難関私立大学、そして医学部への進学に強いのが特徴です。

2025年度の主な大学合格実績(既卒生含む)は以下の通りです。

分類 主な大学名と合格者数
国公立大学 (合計 224名) 京都大学 13名、大阪大学 19名、神戸大学 13名、東京大学 1名、大阪公立大学 28名など
国公立大学医学部医学科 (合計 41名) 京都府立医科大学 4名、奈良県立医科大学 4名、和歌山県立医科大学 7名など
難関私立大学 関西大学 98名、関西学院大学 107名、同志社大学 88名、立命館大学 78名 (関関同立合計 371名)
早稲田大学 11名、慶應義塾大学 8名
私立大学医学部医学科 (合計 112名) 大阪医科薬科大学 15名、関西医科大学 27名、近畿大学 18名など

これらの素晴らしい実績は、生徒一人ひとりの努力はもちろん、学校の手厚いサポート体制に支えられています。放課後や長期休暇中には多彩な講習や補習が実施され、生徒の志望校合格を力強く後押ししています。また、「学習プラザ」と呼ばれる自習スペースでは、常駐する先生にいつでも質問できる環境が整っており、生徒たちの「学びたい」という意欲に応えています。

ただし、一点注意しておきたいのは、これらの合格実績、特に最難関大学や医学部の実績には、中学から6年間在籍している内部生の貢献が大きいという声が卒業生から聞かれることです。高校から入学する皆さんは、この高い実績を刺激としながらも、自分自身の3年間でしっかりと学力を伸ばしていく強い意志を持つことが大切になります。

四天王寺高等学校の特長・アピールポイント

四天王寺高等学校には、他の高校にはないユニークな魅力がたくさんあります。ここでは、特に注目すべきポイントを7つに絞ってご紹介します。

  • 聖徳太子の「和の精神」を礎とする人間教育

    約1400年前の聖徳太子の教えが、今も学校の根幹に息づいています。毎朝の朝拝や仏教の授業を通して、感謝の心や他者を思いやる気持ちを育む、人間としての土台作りを大切にしています。

  • 四天王寺の境内という歴史的で荘厳な学習環境

    学校の敷地が、聖徳太子建立の日本最古のお寺である四天王寺の境内にあります。重要文化財に囲まれた静かで厳かな環境で学ぶ毎日は、心を落ち着かせ、勉学に集中する上で最高のロケーションです。

  • 全国トップクラスの医学部進学実績

    関西屈指の医学部進学校として知られています。医師を目指す仲間たちと高いレベルで切磋琢磨できる環境は、同じ夢を持つ生徒にとって大きな魅力です。

  • 全生徒がiPadを活用する最先端のICT教育

    全生徒にiPadが貸与され、授業での調べ学習やプレゼンテーション、教員との連絡などに活用されています。体育館は冷暖房完備、グラウンドは全天候型など、施設設備も非常に充実しています。

  • 女子校の強みを活かした「やり抜く力」の育成

    男子の目を気にすることなく、何事にも全力で挑戦できるのが女子校の強みです。失敗を恐れずにリーダーシップを発揮する経験を通して、社会でしなやかに活躍できる「やり抜く力」を養います。

  • 大阪城ホールで行う体育祭など、桁違いのスケールの学校行事

    体育祭を大阪城ホールで、合唱コンクールをプロのコンサートホールで開催するなど、学校行事のスケールが非常に大きいのが特徴です。一生の思い出に残る、特別な体験ができます。

  • 多彩なグローバル教育プログラム

    イギリスの名門女子校での語学研修やオーストラリアでのホームステイなど、海外体験の機会が豊富に用意されています。世界に視野を広げ、国際感覚を磨きたい生徒を力強くサポートします。

四天王寺高等学校の口コミ・評判のまとめ

ここでは、在校生や卒業生から寄せられるリアルな声を、良い点と気になる点に分けて公平にご紹介します。

良い点:

  • 「周りのレベルが高く、常に刺激を受けられる環境だった」

  • 「先生方が親身になって質問や相談に乗ってくれた」

  • 「体育祭や文化祭などの行事が本当に楽しく、一生の思い出になった」

  • 「知的で面白い友人がたくさんでき、卒業後も続く大切な仲間になった」

  • 「自立した生徒が多く、お互いを尊重しあえる落ち着いた雰囲気だった」

  • 「仏教の授業を通して、感謝の気持ちなど、人として大切なことを学べた」

気になる点:

  • 「中学からの内部生と高校からの外部生との間に少し壁を感じた。特に部活では馴染むのが大変だった」

  • 「進学実績は内部生のものが大半で、外部生の進学率は期待していたほどではなかった」

  • 「授業のペースが速く、一度つまずくと自力で追いつくのが大変。塾に通っている生徒がほとんどだった」

  • 「先生によって授業の質に差があるように感じた」

  • 「校則が厳しく、いわゆる『キラキラした高校生活』を想像しているとギャップを感じるかもしれない」

  • 「課題が多く、勉強中心の毎日なので、のんびり過ごしたい人には向かない」

アクセス・通学

四天王寺高等学校は、大阪市内の主要なターミナル駅である天王寺エリアに位置しており、交通の便が非常に良いのが大きな魅力です。

  • Osaka Metro 谷町線 「四天王寺前夕陽ヶ丘」駅 4番出口から南へ徒歩約5分

  • JR各線・Osaka Metro 御堂筋線 「天王寺」駅 北口から北へ徒歩約10分

  • 近鉄南大阪線 「大阪阿部野橋」駅 7番出口から北へ徒歩約15分

このように複数の路線からアクセスできるため、通学可能なエリアは非常に広いです。大阪府内全域はもちろんのこと、奈良県や兵庫県、和歌山県など、隣接する府県から毎日時間をかけて通学している生徒も少なくありません。天王寺駅が巨大なターミナル駅であるため、乗り換えもスムーズで、遠方からの通学者にとっても通いやすい立地と言えるでしょう。

四天王寺高等学校受験生へのワンポイントアドバイス

ここまで読んでくださり、ありがとうございました。最後に、進学アドバイザーとして、四天王寺高等学校を目指す皆さんへ応援メッセージを送ります。

この学校は、何よりもまず「自ら学ぶ意欲」が旺盛で、高い目標に向かって努力することを楽しめる人に特におすすめです。周りに流されるのではなく、自分のペースでこつここつと学習を進められる自立した生徒が、この学校の環境を最大限に活かすことができるでしょう。四天王寺高等学校での3年間は、間違いなく皆さんを大きく成長させてくれます。

受験勉強では、特に数学と英語の応用力・思考力を問う問題に力を入れてください。入試問題は難易度が高く、基礎知識の暗記だけでは太刀打ちできません。過去問を繰り返し解き、時間配分を意識しながら、なぜそうなるのかを深く理解する学習を心がけましょう。皆さんが四天王寺高等学校という素晴らしい舞台で、自分の可能性を大きく花開かせることを心から応援しています。

※最新かつ正確な情報は、必ず高校の公式サイトや学校説明会で確認してください。