大阪府立高津高等学校は、100年以上の歴史を誇る府内屈指の伝統校でありながら、「自由と創造」という革新的な校風を掲げる、非常にユニークな進学校です。単に難関大学を目指すだけでなく、生徒一人ひとりが自らの意志で学び、考え、行動することを尊重する教育が、この学校の最大の魅力と言えるでしょう。これからご紹介する高津高等学校の姿は、皆さんが思い描く「高校生活」のイメージを、良い意味で大きく広げてくれるかもしれません。
この学校が目指すのは、「強靭な知性」「みずみずしい感性」「品格ある人間性」を兼ね備えた人材の育成です。厳しいルールで縛るのではなく、大きな自由の中で自らを律し、責任を持って行動する力を養います。勉強はもちろん、部活動や学校行事にも全力で打ち込む先輩たちの姿は、きっと皆さんにとって大きな刺激となるはずです。
「自由」の中で、自分自身をどこまで高められるか挑戦したい。「やらされる勉強」ではなく「自ら探究する学び」を体験したい。そんな熱い思いを持つ中学生とその保護者の皆さんへ、大阪府立高津高等学校のリアルな姿を、これから詳しくお伝えしていきます。この記事を読み終える頃には、高津高校での3年間がどれほど刺激的で、価値のあるものになるか、具体的にイメージできていることでしょう。
大阪府立高津高等学校の基本情報
高津高等学校の基本的な情報を表にまとめました。学校選びの第一歩として、まずはこちらをご確認ください。
項目 | 内容 |
正式名称 | 大阪府立高津高等学校 |
公立/私立の別 | 公立 |
共学/別学の別 | 男女共学 |
所在地 | 〒543-0016 大阪市天王寺区餌差町10-47 |
代表電話番号 | 06-6761-0336 |
公式サイトURL | https://kozu-osaka.jp/ |
大阪府立高津高等学校の偏差値・難易度・併願校
大阪府内でもトップクラスの学力を誇る高津高等学校は、多くの受験生が憧れる難関校の一つです。その難易度を、偏差値や内申点の目安、そしてライバルとなる受験生がどのような併願校を選ぶのか、という視点から具体的に見ていきましょう。
偏差値
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文理学科:71
この偏差値は、大阪府内の公立高校約200校の中でトップ10に位置するレベルであり、合格には非常に高い学力が求められます。
難易度のイメージ
偏差値71という数字をより具体的に理解するために、他の高校と比較してみましょう。同じくらいの偏差値を持つ高校としては、豊中高等学校(文理学科 71)、四條畷高等学校(文理学科 70)、生野高等学校(文理学科 70)などが挙げられます。これらの高校を目指す受験生たちと、同じ土俵で競い合うことになります。
合格に必要な内申点の明確な基準はありませんが、大阪府の公立高校入試では、当日の学力検査の点数が重視される傾向にあります。特に高津高等学校が採用する「タイプⅠ」では、学力検査の成績が1.4倍、内申点が0.6倍されて評価されます。また、学力検査では最も難易度の高い「C問題」が出題されるため、内申点に自信があっても、応用力や思考力を問う難問に対応できる実力が不可欠です。高い内申点はもちろん有利ですが、それ以上に当日の試験で高得点を取ることが合格への鍵となります。
主な併願校
大阪府の公立高校入試では、原則として1校しか受験できません。そのため、高津高等学校を第一志望とする受験生の多くは、万が一の場合に備えて、実力に見合った私立高校を併願します。主な併願校としては、以下のような難関私立高校が挙げられます。
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清風高等学校
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近畿大学附属高等学校
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桃山学院高等学校
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大阪桐蔭高等学校
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帝塚山高等学校
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清教学園高等学校
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四天王寺高等学校
これらの併願校選びの傾向からも、高津高等学校を目指す受験生層の学力の高さがうかがえます。
大阪府立高津高等学校に設置されている学科・コース
高津高等学校では、生徒の知的好奇心と探究心を最大限に引き出すための専門的な学科・コースが設置されています。自分の興味や将来の目標に合わせて、より深い学びを得られる環境が整っています。
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文理学科
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どんなことを学ぶ場所か:単なる受験勉強にとどまらず、課題研究や発表、教科の枠を超えた授業などを通じて、物事の本質を探究する力や論理的思考力を養います。SSH(スーパーサイエンスハイスクール)やGLHS(グローバルリーダーズハイスクール)としての実績を活かした、質の高い学びが特徴です。
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どんな生徒におすすめか:「なぜ?」を突き詰めて考えるのが好きな人や、将来、研究者や社会のリーダーとして活躍したいという高い志を持つ人におすすめです。
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Advanced English コース
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どんなことを学ぶ場所か:文理学科の中に設置された、英語力を集中的に高めるための特別コースです。ネイティブ教員による授業などを通じ、海外の大学に進学できるレベルの高度な英語4技能(読む・書く・聞く・話す)を3年間かけて徹底的に鍛え上げます。
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どんな生徒におすすめか:将来、国際的な舞台で活躍したいと考えている人や、英語をとことん極めたいという強い意欲がある人におすすめです。
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大阪府立高津高等学校の特色・校風
高津高等学校の最大の特色は、その校風にあります。キーワードは「自由闊達」「文武両道」「自己責任」。生徒一人ひとりが大人として尊重され、大きな裁量を与えられる一方で、その自由には責任が伴うことを学びます。ここでは、中学生の皆さんが特に気になる学校生活のリアルな部分を、口コミを交えて詳しく紹介します。
宿題の量
宿題や課題の量は「多い」という声が多数です。日々の授業の予習復習はもちろん、長期休暇中の課題、週末の講習、そしてSSH・GLHSならではの探究活動など、常に何かに取り組んでいる状態の生徒が多いようです。「高津生はずっと忙しい」という口コミがあるほど、学業に割く時間は多く、高いレベルで文武両道を実践するには相当な努力と自己管理能力が求められます。
校則(スマホ、服装、アルバイトなど)
校則は「非常に緩やか」であることで有名です。これは、生徒の自主性と良識を信頼していることの表れです。
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服装・制服:制服はなく、私服通学です。髪型や髪色、ピアスなども基本的に自由で、生徒はそれぞれの個性を表現しています。ただし、多くの生徒はTPOをわきまえており、奇抜な格好の生徒は少ないようです。また、毎日私服を考えるのが大変という理由から、市販のブレザーやスカートを組み合わせた「なんちゃって制服」で登校する生徒も一定数います。
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スマホ:校内への持ち込みは許可されていますが、授業中の使用は禁止されており、電源を切ってカバンにしまうのがルールです。
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アルバイト:原則として禁止はされていませんが、学業に支障が出ない範囲で行うよう指導されています。日常的にアルバイトをしている生徒はごく少数です。
この自由な環境は、自分で考えて行動する力を養うための「隠れたカリキュラム」とも言えます。自由を履き違えず、自分を律することができる生徒にとっては最高の環境ですが、流されやすいタイプの人は注意が必要です。
生徒たちの雰囲気
「明るく活発」「知的でメリハリがある」といった言葉が似合います。勉強するときは集中し、行事や部活では思い切り楽しむ、という切り替えが上手な生徒が多いようです。周囲のレベルが高いため、互いに切磋琢磨し合える刺激的な環境です。一方で、自由な校風の中で、勉強に打ち込む生徒と、それ以外の活動に熱中する生徒で二極化する傾向も見られます。主体性を持って行動しないと、充実した学校生活を送るのは難しいかもしれません。
土曜授業
正規の授業はありませんが、希望制の「土曜講習」が非常に充実しています。1年生は基礎学力定着のため国数英の講習が必修となっており、2・3年生は大学受験に向けた応用力を養うための講座が多数開かれています。土曜日の午前は部活動が原則禁止されているため、多くの生徒が講習に参加し、熱心に学んでいます。
大阪府立高津高等学校の部活動・イベント
高津高等学校では、勉強だけでなく、部活動や学校行事にも全力で取り組む「文武両道」の精神が根付いています。仲間と共に汗を流し、一つの目標に向かって努力した経験は、一生の宝物になるでしょう。
部活動
運動部・文化部ともに約15ずつの部があり、非常に活発に活動しています。多くの生徒が部活動に加入し、学業と両立させながら充実した日々を送っています。
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特に有名な部活動
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ラグビー部:公立高校の中では強豪として知られ、熱心な指導のもとで活気あふれる活動をしています。
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硬式野球部:1949年に夏の甲子園に出場した輝かしい歴史を持つ伝統ある部です。文武両道を体現する部として、今も多くの生徒が白球を追いかけています。
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科学系部活(化学部、生物研究部など):スーパーサイエンスハイスクール(SSH)指定校ということもあり、設備や活動内容が充実していることが期待されます。探究活動で培った知識を、部活動でさらに深めることができます。
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イベント
高津高校の学校行事は、生徒たちが主体となって企画・運営するため、非常に盛り上がると評判です。これらの行事は、学校の「自由と創造」の精神が最も体現される場と言えるでしょう。
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文化祭・体育祭:高校生活最大のイベントであり、クラスや部活動、有志団体が一体となって創り上げます。生徒たちの自主性と創造性が爆発するこれらの行事は、多くの在校生が「最高に楽しい」と口を揃えるほどです。準備期間から本番まで、仲間との絆が深まる貴重な時間となります。
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修学旅行:2年生の秋に実施され、行き先は学年によって異なりますが、3泊4日程度の行程で、見聞を広め、友人との思い出を作る絶好の機会です。
大阪府立高津高等学校の進学実績
高津高等学校は、その自由な校風の中から、毎年多くの生徒を難関大学へと送り出している府内有数の進学校です。ここでは、最新の大学進学実績と、それを支える手厚いサポート体制について詳しく見ていきましょう。
最新の大学進学実績(2025年)
卒業生の約6割が現役・既卒合わせて国公立大学に進学し、難関私立大学への進学者も含めると、実に卒業生の8割以上が国公立大学または難関私立大学へ進学するという高い実績を誇ります。
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国公立大学:合計 227名
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主な合格大学(人数):
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大阪大学:32名
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神戸大学:33名
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京都大学:7名
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大阪公立大学:86名
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北海道大学:3名
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東北大学:3名
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九州大学:3名
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難関私立大学
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関関同立(関西大学、関西学院大学、同志社大学、立命館大学):合計 588名
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早慶上智(早稲田大学、慶應義塾大学、上智大学):合計 6名
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進学実績を支える取り組み
こうした高い進学実績は、生徒自身の努力はもちろんのこと、学校のきめ細やかな進路指導と学習サポート体制によって支えられています。
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充実した講習制度:平日の放課後や早朝、土曜日、長期休暇を利用して、学力向上や受験対策のための講習が数多く開かれています。塾に通わずとも、学校のサポートだけで難関大学合格を目指せる環境が整っています。
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体験型進路学習:1年生では企業などへの「職場訪問」、2年生では大学の「研究室訪問」を実施します。これにより、早い段階から将来のキャリアや学問への興味を具体化させ、学習意欲を高めることができます。
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データに基づいた個別指導:全国模試や校内での実力テストの結果を詳細に分析し、そのデータに基づいて一人ひとりに合った的確な進路指導を行っています。学校全体として「高い目標を持ち、第一志望に挑戦させる」という方針があり、生徒の可能性を最大限に引き出すための力強い後押しをしています。
大阪府立高津高等学校の特長・アピールポイント
数ある進学校の中で、高津高等学校が特に輝いている理由は何でしょうか。他の高校にはない、独自の強みやユニークな取り組みを、5つのポイントに絞ってご紹介します。
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SSHとGLHSのダブル指定校としての高度な学び
文部科学省から先進的な理数教育を行う「スーパーサイエンスハイスクール(SSH)」、大阪府から次世代の国際的リーダーを育てる「グローバルリーダーズハイスクール(GLHS)」の両方に指定されています。これにより、国や府から手厚い支援を受け、大学レベルの実験や海外の高校との共同研究など、他ではできない貴重な学習機会が豊富に用意されています。
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3年間続く本格的な「探究活動」で思考力を鍛える
1年生から3年生まで、系統だった探究学習プログラムが組まれています。1年生で基礎を学び、2年生で自分の興味あるテーマで研究を行い、3年生ではその成果を論文にまとめます。答えのない問いに対して、自ら仮説を立て、調査し、考察するこの経験は、大学での学問や社会に出てからの問題解決に直結する本物の「考える力」を育てます。
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多彩な国際交流プログラム
校内で行う1日英語漬けの研修「KITE C」や、地域の留学生と交流する「GULS」、台湾や韓国、フィリピンの高校生とオンラインや現地で共同研究を行うプログラムなど、世界とつながる機会が数多くあります。生きた英語に触れ、異文化を理解することで、グローバルな視野を養うことができます。
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「自由と創造」の校風が育む自主性と自己管理能力
制服がなく、校則も緩やかという自由な環境は、生徒に「自己責任」を教えます。服装や時間の使い方、勉強と遊びのバランスなど、すべてを自分で判断し、管理する経験を通して、大学生や社会人に不可欠な自律心を自然と身につけることができます。
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都心にありながら歴史と緑に囲まれた学習環境
大阪城の南に広がる上町台地に位置し、周囲は寺社や公園が点在する落ち着いた環境です。近鉄、JR、地下鉄の複数の駅からアクセス可能という利便性の高さを持ちながら、都会の喧騒を離れて静かに学業に集中できるという、恵まれたロケーションも大きな魅力です。
大阪府立高津高等学校の口コミ・評判のまとめ
実際に高津高等学校に通う生徒や卒業生は、学校生活をどのように感じているのでしょうか。ここでは、さまざまな口コミサイトから集めた「良い点」と「気になる点」を公平にご紹介します。学校選びの参考にしてください。
良い点
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「自由な校風が最高。生徒を信頼し、大人として扱ってくれるので、自分で考えて行動する力が身についた」という声が圧倒的に多いです。
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「文化祭や体育祭などの行事がとにかく楽しくて、クラスの団結力がすごい。一生の思い出ができた」と、行事の盛り上がりを評価する意見も多数あります。
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「周りの生徒のレベルが高く、常に刺激を受けられる環境。真面目に勉強する雰囲気が自然とあるのが良い」と、切磋琢磨できる仲間がいることをメリットに挙げる声も目立ちます。
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「先生方のレベルが高く、授業が面白い。土曜講習などサポートも手厚いので、塾に行かなくても十分大学を目指せる」という、学習環境の充実を評価する口コミも多いです。
気になる点
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「自由は諸刃の剣。自己管理ができないと、どんどん成績が落ちてしまう。流されやすい人には向いていないかも」という、自由さゆえの厳しさを指摘する声があります。
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「歴史がある分、校舎や一部の施設が少し古いと感じることがある」という意見が見られます。
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「最寄り駅はいくつかあるが、どの駅からも10分前後は歩く必要があり、雨の日などは少し大変」という、アクセスに関する声もあります。
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「先生によって指導の熱心さや授業の分かりやすさに差があるように感じる」という、教員の質に関する意見も一部で見られました。
アクセス・通学
高津高等学校は大阪市天王寺区の中心部に位置し、複数の路線・駅からアクセス可能な交通の便が良い場所にあります。
最寄り駅からのアクセス
主な最寄り駅と、そこからの徒歩での所要時間は以下の通りです。
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近鉄「大阪上本町」駅:徒歩約8分〜10分
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JR環状線・近鉄・地下鉄千日前線「鶴橋」駅:徒歩約8分〜11分
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地下鉄谷町線「谷町九丁目」駅:徒歩約11分〜12分
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JR環状線・地下鉄長堀鶴見緑地線「玉造」駅:徒歩約15分
通学エリアの傾向
学区制が撤廃された現在、大阪府内の広範囲から生徒が通学しています。学校の公式案内でも「大阪府内のほとんどの駅から乗換1回以内で通学可能」とアピールされているように、大阪市内だけでなく、府の北部や南部、東部など、さまざまな地域から優秀な生徒が集まってきています。この多様なバックグラウンドを持つ生徒が集まることも、高津高校の魅力の一つと言えるでしょう。また、自転車で通学する生徒もいます。
大阪府立高津高等学校受験生へのワンポイントアドバイス
ここまで読んでくれてありがとうございます。大阪府立高津高等学校は、ただ学力が高いだけでなく、強い自主性と尽きない好奇心を持った生徒にこそ、最高の舞台となる学校です。もしあなたが「誰かに決められたレールの上を走るのではなく、自分の地図を描き、自分の足で未来へ進みたい」と願うなら、高津高等学校はその夢を全力で応援してくれるでしょう。
受験勉強においては、最難関の「C問題」を突破する思考力が求められます。単に公式や年号を暗記するだけでなく、「なぜそうなるのか」という本質を常に意識して学習を進めてください。入学後、高津高等学校で求められるのは、まさにその探究心です。今から自ら問いを立て、調べる習慣を身につけることが、合格への一番の近道であり、入学後の充実した学びへの最高の準備になります。
挑戦の先には、一生涯の仲間と、何物にも代えがたい成長の日々が待っています。あなたの持つ可能性を信じて、最後まで諦めずに頑張ってください。応援しています!
※最新かつ正確な情報は、必ず高校の公式サイトや学校説明会で確認してください。