岩手高等学校は、大正15年創立という長い歴史と伝統を持つ、岩手県で唯一の私立男子校です。地元では「岩高(がんこう)」の愛称で親しまれ、多くの卒業生が社会の様々な分野で活躍しています。中高一貫教育も行っており、6年間を通してじっくりと人間力と学力を育む環境も整っています。

高校選びは、これからの3年間をどう過ごすか、そしてその先の未来をどう描くかを決める大切な一歩です。ここ岩手高等学校には、東北大学をはじめとする難関国公立大学を目指す高い志を持った生徒が集まる一方で、囲碁・将棋部やアイスホッケー部のように全国の頂点を目指して日々練習に打ち込む生徒もいます。一つの学校の中に、多様な目標を持った仲間たちが集い、互いに刺激し合える環境があるのが大きな魅力と言えるでしょう。

このページでは、そんな岩手高等学校がどんな学校なのか、偏差値やコース内容、部活動、そして在校生や卒業生のリアルな声まで、皆さんが本当に知りたい情報を詳しく、そして分かりやすく解説していきます。男子校ならではの学校生活とはどんなものなのか、自分に合った場所なのか、ぜひじっくりと読み進めて、未来の高校生活をイメージしてみてください。

岩手高等学校の基本情報

まずは、学校の基本的な情報を確認しておきましょう。

項目 内容
正式名称 岩手高等学校
公立/私立の別 私立
共学/男子校/女子校の別 男子校
所在地 〒020-0871 岩手県盛岡市中の橋通2-1-10
代表電話番号 019-623-2281
公式サイトURL https://iwate-jh.ed.jp/

岩手高等学校の偏差値・難易度・併願校

高校選びで気になるのが、やはり偏差値と難易度ですよね。岩手高等学校の立ち位置を具体的に見ていきましょう。

学科・コースごとの最新の偏差値の目安は以下の通りです。

  • 普通科 特別進学コース: 54

  • 普通科 総合進学コース: (特別進学コースよりは緩やか)

特別進学コースの偏差値54は、岩手県内の私立高校の中では上位に位置します。この数字をより具体的にイメージするために大切なのが、どんな生徒が受験しているかという点です。口コミなどを見ると、岩手高等学校の特別進学コースは、盛岡第一高等学校や盛岡第三高等学校といった県内トップクラスの公立高校を第一志望にしていた生徒が、併願校として受験するケースが非常に多いようです。つまり、入学してくる生徒の中には、トップ公立高校に合格できるだけの実力を持った生徒が少なからず含まれているということです。そのため、コース内の学習環境は非常にレベルが高く、互いに切磋琢磨できる雰囲気があると言えます。

合格に必要な内申点の目安については、私立高校のため、当日の入学試験の得点が最も重視される傾向にあります。しかし、中学校での学習態度や成績ももちろん評価の対象となりますので、日々の授業を大切にし、定期テストでしっかりと点数を取っておくことが合格への近道です。

主な併願校としては、以下のような高校が挙げられます。

  • 公立高校: 盛岡第三高等学校、水沢高等学校、盛岡市立高等学校など

  • 私立高校: 盛岡中央高等学校、専修大学北上高等学校、花巻東高等学校など

これらの高校と岩手高等学校を比較検討することで、自分にとって最適な学校選びができるでしょう。

岩手高等学校に設置されている学科・コース

岩手高等学校には、生徒一人ひとりの進路目標や興味に合わせて選べる、特色あるコースが設置されています。

  • 特別進学コース

    • どんなことを学ぶ場所か: 国公立大学や難関私立大学への現役合格を目標に、平日7時間授業や月2回の土曜講習など、ハイレベルで充実したカリキュラムで学びます。

    • どんな生徒におすすめか: 高い目標を持ち、大学受験に向けて3年間集中して勉強に打ち込みたい人、トップ公立高校からの変更組と競い合いたい人におすすめです。

  • 総合進学コース

    • どんなことを学ぶ場所か: 1年次で基礎学力を徹底的に固め、2年次からは個々の希望進路に合わせて「文理コース」「選抜コース」「プログラミングコース」の3つに分かれます。

    • どんな生徒におすすめか: 部活動と勉強を両立させたい人や、大学進学から専門学校、就職まで幅広い進路を考えたい人、特定のスキルを身につけたい人におすすめです。

    • プログラミングコース(2年次から)

      • どんなことを学ぶ場所か: Javaなどの本格的なプログラミング言語の習得やITスキルを学び、これからの社会で必要とされる情報人材を目指します。

      • どんな生徒におすすめか: コンピュータやITに興味があり、将来その分野で活躍したいと考えている人にぴったりの専門的なコースです。

岩手高等学校の特色・校風

学校生活を送る上で、校風や雰囲気はとても重要です。岩手高等学校のリアルな姿を、様々な角度から見ていきましょう。

学校全体の雰囲気を表すキーワードは、「文武両道」「質実剛健」、そして「自由な雰囲気」です。

  • 宿題の量: 特別進学コースは平日7時間授業に加えて土曜講習もあるため、日々の課題や予習・復習の量は多めと考えて良いでしょう。総合進学コースは、部活動との両立も考慮された、より標準的な量のようです。

  • 校則(スマホ、服装など): 全体的に、常識の範囲内での自由が認められているようです。スマートフォンは許可願を出せば持ち込み可能ですが、校内での使用は生徒委員会が定めた時間や場所などのルールを守る必要があります。服装に関する厳しい指導はあまり聞かれず、生徒の自主性が尊重されているようです。

  • 生徒たちの雰囲気: これについては、口コミで最も意見が分かれる点です。「男子校ならではのノリの良さや楽しさがある」「一生の友人に出会えた」というポジティブな声が多い一方で、「コースによって生徒の学習意欲に差がある」「一部に落ち着きがない生徒もいる」といった指摘も見られます。特別進学コースは真面目で目標意識の高い生徒が多く、総合進学コースは活発で様々なタイプの生徒がいる、という傾向があるようです。

  • アルバイト: 許可願を提出すれば可能です。ただし、1年生は夏休み以降から、また休日に限るなど、学業に支障が出ない範囲でのルールが定められています。

  • 制服の評判: 伝統的な黒の詰襟(学ラン)です。これぞ男子校、といった感じで、そのシンプルさを好む声もあれば、もう少しデザイン性のあるものを望む声もあるようです。

  • 土曜授業: 特別進学コースでは、月に2回土曜講習が実施されています。

施設に関しては、「私立なのに少し古い」という声が正直なところ多く聞かれます。特に教室やトイレなどの老朽化を指摘する意見があります。しかし、大きな体育館やプールなど、運動施設は充実しているという評価もあります。

岩手高等学校の部活動・イベント

部活動

岩手高等学校の大きな魅力の一つが、非常に活発な部活動です。全国レベルで活躍する部も多く、部活動に打ち込むために遠方から入学し、寮生活を送る生徒もいるほどです。

  • 囲碁・将棋部: 全国大会の常連であり、過去に何度も全国制覇を成し遂げている、まさに学校の顔とも言える部活動です。初心者で入部する生徒がほとんどですが、楽しみながら強くなる指導のもと、多くの生徒が全国レベルの棋士へと成長しています。

  • 山岳部: 伝統的な登山活動に加え、近年人気のスポーツクライミングにも本格的に取り組んでいる珍しい部です。自然の中で「生きる力」を育みながら、競技としてのクライミングにも挑戦できます。

  • アイスホッケー部: なんと、岩手県の高校でアイスホッケー部があるのは岩手高等学校だけです。県内唯一のチームとして、熱い戦いを繰り広げています。

  • テニス部・ソフトテニス部: 硬式テニスとソフトテニスの両方が強豪校というのは全国的にも珍しく、どちらの部もインターハイ出場など輝かしい実績を誇ります。

  • ラグビー部: 県内で最も古い歴史を持つ伝統ある部です。

運動部は13、文化部は8あり、どの部も活気に満ちています。部活動への加入率は高く、多くの生徒が学業と両立しながら、高校生活を謳歌しています。

イベント

男子校ならではの熱気と団結力で盛り上がるイベントも、岩手高等学校の魅力です。

  • 石桜祭(せきおうさい): 毎年夏に開催される文化祭です。「Link~心でつながる祭り~」といったテーマを掲げ、クラスごとの展示やステージ発表、部活動の成果披露などで学校中が一体となります。

  • 体育祭: 男子校のパワーが爆発する一日です。クラス対抗のリレーや綱引きなど、様々な競技で熱戦が繰り広げられ、学年を超えた交流が深まります。

  • 修学旅行: 高校生活最大の思い出作りの場です。仲間たちと寝食を共にし、普段の学校生活では味わえない貴重な経験をします。

これらの行事を通して、生徒同士の絆はより一層強いものになっていきます。

岩手高等学校の進学実績

卒業後の進路は、高校選びの大きなポイントです。岩手高等学校は、多様な進路希望に応える確かな実績を持っています。

最新の大学進学実績(2025年3月卒業生)を見ると、生徒たちの頑張りがよく分かります。

  • 国公立大学: 東北大学(経済学部)、岩手大学(理工学部・人文社会科学部)、岩手県立大学(ソフトウェア情報学部・総合政策学部)、室蘭工業大学、宮城教育大学など、地元の難関大学を中心に合格者を出しています。

  • 難関私立大学: 明治大学(商学部・法学部など)、法政大学(法学部・社会学部)、同志社大学(経済学部・法学部)といった、全国的に有名な難関大学への合格実績があります。

  • その他: 地元の岩手医科大学(歯学部・薬学部)や東北学院大学への進学者も多数います。また、大学だけでなく、各種専門学校への進学や、岩手県警察、陸上自衛隊といった公務員への就職など、進路は多岐にわたります。

この進学実績を支えているのが、手厚い進路指導体制です。特に注目すべきは「指定校推薦枠」の豊富さです。全国100以上の大学から推薦枠を得ており、明治大学(法学部)、法政大学(理工学部)、同志社大学(法学部・経済学部)など、人気大学の枠も含まれています。これは、大学側からの岩手高等学校への信頼の証です。一般入試で難関を目指す特別進学コースの生徒がいる一方で、総合進学コースの生徒の多くが、この指定校推薦制度をうまく活用し、希望の進路を実現しています。

岩手高等学校の特長・アピールポイント

他の高校にはない、岩手高等学校ならではの強みやユニークな取り組みをまとめました。

  • 県内唯一の男子校が育む強い絆

    3年間、男子だけの環境で過ごすことで、気兼ねなく何でも話せる一生の友人との出会いや、強い連帯感が生まれます。これは共学では味わえない特別な経験です。

  • 全国レベルで活躍できる強豪部活動

    囲碁・将棋部を筆頭に、県内唯一のアイスホッケー部や山岳部など、他校にはないユニークでレベルの高い部活動に打ち込める環境が整っています。

  • 未来を切り拓く本格的なプログラミングコース

    これからの時代に必須のITスキルを、専門的に学べるコースがあるのは大きな強みです。実践的な学びを通して、社会で即戦力となる力を養います。

  • 充実した指定校推薦枠という賢い進路戦略

    全国100以上の大学からの豊富な推薦枠は、大学進学への確かなルートとなります。一般入試だけでなく、多様な方法で進路を切り拓けるのは大きな魅力です。

  • 部活動に打ち込む生徒を支える学生寮「石櫻寮」

    遠方から入学する生徒や、部活動に集中したい生徒のために学生寮が完備されています。同じ目標を持つ仲間との共同生活は、人間的にも大きく成長させてくれます。

  • 個々の目標に合わせた多様なコース設定

    難関大学を目指す特進コースから、専門スキルを磨くプログラミングコースまで、一人ひとりの「なりたい自分」に合わせた学びの道が用意されています。

岩手高等学校の口コミ・評判のまとめ

在校生や卒業生からのリアルな声をまとめることで、学校の姿がより立体的に見えてきます。

  • 良い点:

    • 「先生方が親身になって相談に乗ってくれる」「やる気のある生徒には手厚くサポートしてくれる」という声が多く、生徒の意欲に応える姿勢が評価されています。

    • 「男子校は気を使わなくて本当に楽しい」「一生付き合える仲間ができた」など、男子校ならではの雰囲気や人間関係に満足している意見が目立ちます。

    • 「部活動が盛んで、毎日が充実している」「全国を目指せる環境があるのが誇り」といった、部活動に関する高い評価は共通しています。

    • 盛岡市の中心部にあり、交通の便が良く通いやすいという点もメリットとして挙げられています。

  • 気になる点:

    • 「私立なのに施設が古い」「教室やトイレがきれいではない」という、施設の老朽化に関する不満は、最も多く聞かれる意見の一つです。

    • 「特進コースと総進コースで、生徒の雰囲気や勉強への意識がかなり違う」「生徒の学力差が大きい」など、コース間のギャップを指摘する声もあります。

    • 一部の卒業生からは「進学校と名乗っているが、実績が伴っていないのでは」といった厳しい意見も見られます。

これらの声から、岩手高等学校は、生徒自身の目的意識によって評価が大きく変わる学校だということが分かります。

アクセス・通学

岩手高等学校は盛岡市の中心部に位置しており、通学に非常に便利な立地です。

  • 最寄り駅からのアクセス:

    • JR「盛岡駅」からバスで約10分、「県庁・市役所前」バス停下車、徒歩約3分

    • JR「盛岡駅」から徒歩で約20分

    • JR山田線「上盛岡駅」から徒歩約10分

盛岡市内はもちろん、近隣の市町村からも多くの生徒が電車やバスを利用して通学しています。また、部活動に打ち込むために県内各地から生徒が集まっており、学生寮を利用している生徒もいます。

岩手高等学校受験生へのワンポイントアドバイス

ここまで読んでくれてありがとうございます。最後に、進学アドバイザーとして、岩手高等学校を目指す皆さんへメッセージを送ります。

岩手高等学校は、「これをやりたい!」というはっきりとした目標を持っている君にこそ、強くおすすめしたい学校です。例えば、「日本一を目指して将棋に打ち込みたい」「プログラミングを学んで未来のクリエイターになりたい」、あるいは「公立高校受験の悔しさをバネに、この学校から絶対に難関大学に合格するんだ」という強い意志。そんな熱い想いを持つ生徒にとって、岩手高等学校の自由な校風と、やる気を応援してくれる先生方は、最高の環境になるはずです。

受験勉強では、もし特別進学コースを目指すなら、公立トップ校を目指すライバルたちと渡り合えるよう、英数国を中心に高いレベルまで仕上げておくことが重要です。総合進学コースを考えている人も、まずは中学校の基礎を完璧に固めることを意識してください。そして何より、オープンキャンパスや学校説明会に足を運んで、自分の目で学校の雰囲気を感じてみてください。岩手高等学校で過ごす3年間が、君を大きく成長させてくれることを心から応援しています。