大阪府立岸和田高等学校は、120年以上の豊かな歴史を誇り、岸和田城のすぐ隣というユニークなロケーションに佇む伝統校です。ただ景色が素晴らしいだけでなく、次世代のリーダーを育成することを使命とする、大阪でもトップクラスの進学校として知られています。歴史と風格が感じられる環境で、充実した3年間を送りたいと考えている中学生の皆さんにとって、非常に魅力的な選択肢の一つとなるでしょう。
この学校の大きな特徴は、全ての生徒が「文理学科」という高度な専門コースに所属している点です。さらに、大阪府の「グローバルリーダーズハイスクール(GLHS)」、そして文部科学省の「スーパーサイエンスハイスクール(SSH)」にも指定されており、学問を深く探究したい生徒にとって最高の環境が整っています。岸和田高等学校での学びは、高い目標を持つ仲間たちと共に、挑戦的で実り多い学園生活を約束してくれるはずです。
「文武両道」の精神が息づく岸和田高等学校では、熱心な部活動や活気あふれる学校行事が、厳しい勉強の合間に素晴らしい彩りを添えてくれます。この記事では、そんなダイナミックな学校生活の全貌を、偏差値や進学実績から在校生のリアルな声まで、詳しくご紹介していきます。この学校が、あなたにとって最高の舞台となるかどうか、一緒に見ていきましょう。
岸和田高等学校の基本情報
まずは、学校の基本的な情報を確認しておきましょう。
項目 | 内容 |
正式名称 | 大阪府立岸和田高等学校 |
公立/私立の別 | 公立 |
共学/別学の別 | 男女共学 |
所在地 | 〒596-0073 大阪府岸和田市岸城町10-1 |
代表電話番号 | 072-422-3691 |
公式サイトURL | https://www.osaka-c.ed.jp/kishiwada/ |
岸和田高等学校の偏差値・難易度・併願校
岸和田高等学校は、大阪府内でも屈指の学力を誇る公立高校です。合格を目指すためには、どのくらいの学力が必要なのか、具体的なデータを見ていきましょう。
偏差値
-
文理学科:69
各種の模擬試験や塾のデータによると、岸和田高等学校の偏差値は69前後とされており、大阪府の公立高校の中ではトップレベルに位置します。これは、中学校のクラスでも常に上位の成績を維持している生徒たちが目標とするレベルです。
難易度と内申点の目安
大阪府の公立高校入試では、学力検査の点数と中学校の成績である内申点の合計で合否が決まります。岸和田高等学校の入試には、いくつかの重要なポイントがあります。
-
学力検査問題:英語・数学・国語の3教科では、最も難易度の高い「C問題」が出題されます。C問題は、単なる暗記だけでは太刀打ちできず、物事を筋道立てて考える論理的思考力や、初見の問題に対応する応用力が問われます。
-
評価の比率:学力検査と内申点の比率は「7:3」です。これは、中学校の成績ももちろん大切ですが、それ以上に試験当日の得点力が重視されることを意味します。たとえ内申点に少し不安があっても、入試本番で高得点を取ることができれば、逆転合格の可能性が十分にあります。
-
内申点の目安:合格者の多くは、5段階評価で平均4.5以上、45点満点で41〜45点程度の内申点を確保している傾向があります。まずはこのレベルを目標に、中学校での授業や定期テストに真剣に取り組みましょう。
主な併願校
大阪府の公立高校は1校しか受験できないため、多くの受験生が私立高校を併願します。岸和田高等学校を第一志望とする受験生が併願先として選ぶことが多いのは、同じく高い学力レベルを持つ以下の私立高校です。
-
清風南海高等学校
-
関西大倉高等学校
-
奈良学園高等学校
-
大阪桐蔭高等学校
-
近畿大学附属高等学校
-
帝塚山学院泉ヶ丘高等学校
これらの高校は、万が一の場合の進学先としてだけでなく、本番前の腕試しとしても最適な選択肢と言えるでしょう。
岸和田高等学校に設置されている学科・コース
岸和田高等学校の最大の特徴の一つは、設置されている学科が「文理学科」のみであることです。
-
文理学科
-
どんなことを学ぶ場所か:文理学科は、大阪府のトップ10の公立高校だけに設置された特別な学科です。京都大学や大阪大学といった最難関国公立大学への進学を視野に入れ、通常の普通科よりも高度で探究的な学びを行います。理数分野や英語教育に特に力が入れられており、自分で課題を見つけ、解決していく「課題研究」の授業などを通して、大学での研究や社会で活躍するための思考力を養います。
-
どんな生徒におすすめか:高い学習意欲を持ち、「なぜだろう?」と物事を深く考えることが好きな生徒に最適です。将来、難関大学に進学したいという明確な目標があり、ハイレベルな環境で仲間と切磋琢磨したいと考えている人におすすめします。
-
全生徒が同じ高い目標を持つ文理学科に所属するため、学校全体にアカデミックで引き締まった雰囲気が生まれます。これは、本気で勉強に打ち込みたい生徒にとっては、最高の環境と言えるでしょう。
岸和田高等学校の特色・校風
岸和田高等学校は、「文武両道」と「自主自律」を大切にする校風です。生徒たちは高い目標に向かって勉学に励む一方で、部活動や行事にも全力で取り組み、充実した高校生活を送っています。
-
校風を表現するキーワード:文武両道、自主自律、アカデミックな雰囲気、歴史と伝統
宿題の量
宿題は「多い」と感じる生徒が多いようです。特に数学では、学校指定のテキストから毎週4〜8ページ程度の課題が出され、これをこなすだけでもかなりの学習時間が必要です。部活動との両立には、しっかりとした自己管理能力と計画性が求められます。
校則(スマホ、服装など)
校則は、生徒の自主性を尊重する傾向があり、他の進学校と比較して極端に厳しいわけではないようです。
-
スマホ:持ち込みは許可されていますが、授業中の使用はもちろん禁止です。休み時間や放課後には自由に使用できるようです。
-
服装:制服は、世界的に有名なデザイナーであり、本校の卒業生でもあるコシノジュンコさんがデザインしたものです。男子は伝統的な詰襟の学生服、女子はブレザースタイルです。頭髪については、染髪やパーマは禁止されています。派手すぎなければメイクは注意されないという声もありますが、基本的には皆、真面目で清楚な身だしなみを心がけています。
-
アルバイト:原則として禁止されています。学業と学校活動に集中することが求められます。
生徒たちの雰囲気
全体的に真面目で落ち着いた生徒が多いようです。休み時間には読書をする生徒の姿も多く見られるなど、知的な雰囲気が漂っています。一方で、学校行事などでは非常に活発になり、何事にも一生懸命取り組む姿勢が特徴です。
制服の評判
男子は伝統的な学生服、女子は紺のブレザーで、品があり落ち着いていると評判です。特に女子の制服は、リボンやネクタイがなくシンプルなデザインのため、「少し地味」と感じる声もありますが、着心地が良く機能的であるという意見もあります。
土曜授業
土曜日には「学習タイム」が設けられています。1年生の希望者を対象としたハイレベルな講習が開かれたり、各自が学校や家庭で自学自習に取り組んだりと、学力向上のための時間として活用されています。部活動は午後からになるなど、勉強時間を確保しやすい工夫がされています。
岸和田高等学校の部活動・イベント
「文武両道」を掲げる岸和田高等学校では、部活動も学校行事も非常に盛んです。
部活動
運動部が20、文化部が25と、多種多様なクラブがあり、多くの生徒が加入して活発に活動しています。
-
特に有名な部活動
-
少林寺拳法部:全国大会の常連であり、学校の誇りとも言える強豪部です。高いレベルで心身を鍛えたい生徒に人気があります。
-
サッカー部:練習が非常に厳しいことで知られています。特に、岸和田城の周りを全力で走る「城周(しろまわり)」という伝統のトレーニングは、体力だけでなく強い精神力を育みます。仲間と苦楽を共にし、大きく成長できる部活です。
-
ダンス部:高いパフォーマンスレベルで知られ、文化祭などでも観客を魅了しています。
-
-
珍しい部活動
-
天体部:学校に天文台があり、本格的な天体観測ができます。星空に興味がある生徒にはたまらない環境です。
-
鉄道研究部や地歴部など、文化部にもユニークで専門的な活動を行うクラブが多数あります。
-
イベント
生徒たちが主体となって作り上げるイベントは、どれも熱気に満ち溢れています。
-
岸高祭(文化祭):岸高祭の最大の目玉は、3年生がクラスごとに上演する演劇です。衣装や大道具、脚本、演出まで全て生徒たちの手で行われ、そのクオリティは高校生のレベルをはるかに超えていると評判です。1・2年生は趣向を凝らした模擬店で祭りを盛り上げ、学校全体が一体となる一大イベントです。
-
体育祭:赤・青・黄・緑の4つの「団」に分かれて競い合う、情熱的なイベントです。各団が練習を重ねて披露する応援パフォーマンスは圧巻の一言。二人三脚やムカデ競争といったユニークな種目もあり、最後を飾る団対抗リレーでは、応援にも力が入り、学校が揺れるほどの盛り上がりを見せます。
岸和田高等学校の進学実績
大阪府内でもトップクラスの進学校である岸和田高等学校は、毎年、難関大学へ多数の合格者を輩出しています。生徒たちの努力と、それを支える学校の強力なサポート体制の成果が現れています。
最新の大学進学実績(2025年度入試)
ほとんどの卒業生が4年制大学へ進学します。以下は主な大学の合格者数です(既卒生含む)。
大学群 | 2025年度 合格者数 | 主な大学名(人数) |
最難関国公立大学 | 4名 | 東京大学(1)、京都大学(3) |
難関国公立大学 | 65名 | 大阪大学(12)、神戸大学(7)、大阪公立大学(46) |
国公立大学 合計 | 167名 | – |
難関私立大学(関関同立) | 409名 | 関西大学(207)、関西学院大学(70)、同志社大学(69)、立命館大学(63) |
主要私立大学(産近甲龍) | 245名 | 近畿大学(208)、京都産業大学(15)、龍谷大学(19)、甲南大学(3) |
夢を実現するための進学サポート体制
高い進学実績の背景には、岸和田高等学校ならではの手厚いサポート体制があります。
-
「京大部屋」「阪大部屋」:3年生になると、京都大学や大阪大学といった最難関大学を目指す生徒たちのために、専用の教室が用意されます。同じ高い志を持つ仲間たちと一つの教室で集中して勉強することで、お互いを高め合い、最後までモチベーションを維持することができます。
-
ハイレベル講習と集中講座:1年生の段階から土曜日を利用した「ハイレベル講習」を実施し、早期から難関大学を意識した学力養成を図ります。また、夏休みや冬休みには、予備校講師を招いた集中講座が開かれることもあり、質の高い授業を学校内で受けることができます。
岸和田高等学校の特長・アピールポイント
数ある高校の中で、岸和田高等学校が持つ独自の魅力や強みをまとめました。
-
SSHとGLHSのダブル指定校
文部科学省から理数教育の重点校である「スーパーサイエンスハイスクール(SSH)」、大阪府から国際社会で活躍する人材育成を目指す「グローバルリーダーズハイスクール(GLHS)」の両方に指定されています。科学的探究心と国際的視野の両方を伸ばせる、非常に恵まれた環境です。
-
全校生徒が「文理学科」で学ぶ集中環境
学校全体が「文理学科」という一つの目標に向かっているため、生徒も教員も意識が高く、非常に集中して学習に取り組める雰囲気が醸成されています。全員が同じ高いレベルを目指す仲間であるという一体感も、この学校の大きな強みです。
-
歴史と自然に囲まれた美しいキャンパス
岸和田城に隣接するという、全国でも珍しいロケーションが自慢です。歴史の息吹を感じながら、緑豊かな落ち着いた環境で学ぶことができます。このユニークな環境は、生徒たちの感性を豊かに育んでくれます。
-
最難関大学を目指すための特別プログラム
「京大部屋」「阪大部屋」に代表されるように、生徒一人ひとりの高い目標に合わせた、きめ細やかで強力な進学サポート体制が整っています。これは、他の多くの高校にはない、岸和田高等学校ならではの大きな魅力です。
-
活発な国際交流プログラム
オーストラリアでの語学研修や台湾でのSSHフィールドワークなど、海外に目を向ける機会が豊富に用意されています。机上の学習だけでなく、実際に異文化に触れることで、真のグローバルな感覚を身につけることができます。
-
一生の思い出になる学校行事
文化祭で3年生が演じる本格的な劇や、体育祭での団と団のプライドをかけた熱い戦いは、単なるイベントの枠を超え、生徒たちに強い絆と達成感をもたらします。これらの経験は、卒業後も語り継がれる大切な思い出となるでしょう。
岸和田高等学校の口コミ・評判のまとめ
在校生や卒業生からは、学校生活の様々な側面について、多くの声が寄せられています。良い点と気になる点の両方を知ることで、よりリアルな学校の姿が見えてきます。
良い点
-
「勉強と学校生活の楽しみのバランスが取れていて、本当に楽しい高校生活が送れる」という声が多数あります。
-
「真面目で面白い、尊敬できる友達がたくさんできる。一生の友人に出会える場所」といった、人間関係の良さを挙げる声も多いです。
-
「文化祭の3年生の劇は本当にクオリティが高くて感動する。行事はどれも本気で盛り上がる」と、イベントの充実度を評価する意見が目立ちます。
-
「校則が厳しすぎず、生徒の自主性を尊重してくれる校風が良い」という声もあります。
-
「岸和田城の隣という立地が最高。毎日お城を見ながら通学できるのは自慢」と、環境の良さを気に入っている生徒も多いようです。
気になる点
-
「宿題の量がとにかく多く、自称進学校と呼ばれることもある。効率的に勉強しないと部活との両立が大変」という意見は、多くの生徒が感じているようです。
-
「先生によって授業の分かりやすさに差がある」という声も一部で見られます。
-
「校舎や体育館など、一部の施設が少し古い」という指摘があります。
-
「駅から学校までの道のりは近いが、周辺の交通量が多く、少し騒がしいと感じることがある」という声もあります。
-
「高いレベルの学習環境なので、自分で勉強する習慣がないとついていくのが大変かもしれない」という、入学後の努力の必要性を指摘する意見もありました。
アクセス・通学
岸和田高等学校は、駅から近く、通学に便利な立地にあります。
-
最寄り駅:南海本線「蛸地蔵駅」から徒歩約4〜5分(300m)です。駅を出てすぐなので、非常に便利です。
-
利用者が多い駅:南海本線「岸和田駅」も徒歩約10分(750m)の距離にあります。岸和田駅は急行が停車するため、少し遠方から通学する生徒の多くはこちらを利用しています。
通学エリアとしては、岸和田市、泉大津市、貝塚市、泉佐野市といった、大阪府南部の泉州地域から通う生徒が中心です。
岸和田高等学校受験生へのワンポイントアドバイス
ここまで読んでくれてありがとうございます。最後に、進学アドバイザーとして、岸和田高等学校を目指す君たちにメッセージを送ります。
岸和田高等学校は、「学びたい」という強い気持ちを持つ、自立した生徒に特におすすめの学校です。高いレベルの勉強と、本気で打ち込める部活動や行事、その両方を全力で楽しみたい。そして、膨大な課題にもめげずにコツコツ努力できる自己管理能力がある。そんな君にとって、この学校は最高の環境になるはずです。岸和田高等学校は、君の高い志を真正面から受け止め、夢の実現を力強く後押ししてくれる場所です。
受験勉強では、何よりも英語・数学・国語の「C問題」を攻略することに全力を注いでください。入試では内申点よりも当日の学力検査が重視されるため、難問を解ききる力が合否を分けます。特に数学の証明問題などで試される「論理的に考える力」は、入試だけでなく、入学後の探究的な学びの土台にもなります。公式をただ覚えるのではなく、「なぜそうなるのか」を常に考えながら、応用問題に粘り強く取り組む練習を重ねてください。その努力が、合格への扉を開きます。応援しています!
※最新かつ正確な情報は、必ず高校の公式サイトや学校説明会で確認してください。