市立浦和高等学校、通称「市高(しこう)」は、埼玉県内でもトップクラスの人気と実力を誇る、多くの受験生が憧れる高校です。
皆さんは、「勉強も部活動も学校行事も、全部に全力で打ち込める高校生活を送りたい」と考えたことはありませんか?市立浦和高等学校は、まさにその「文武両道」を高いレベルで実現できる場所です。校風に掲げられた「自由闊達」と「自主自立」の精神のもと、生徒一人ひとりが主役となって、勉強はもちろん、仲間と共に最高の思い出を作り上げています。
この記事では、そんな市高のリアルな姿を、進学アドバイザーの視点から、中学生の皆さんや保護者の方に分かりやすく、そしてその魅力が存分に伝わるように徹底解説していきます。
市立浦和高等学校の基本情報
まずは、学校の基本的な情報を確認しましょう。他の「浦和」と名前がつく高校との違いをしっかり把握しておくことが大切です。
項目 | 内容 |
正式名称 | さいたま市立浦和高等学校 |
公立/私立の別 | 公立 |
共学/別学 | 男女共学 |
所在地 | 〒330-0073 埼玉県さいたま市浦和区元町1-28-17 |
代表電話番号 | 048-886-2151 |
公式サイトURL | https://www.urawashi-h.city-saitama.ed.jp/ |
市立浦和高等学校の偏差値・難易度・併願校
市立浦和高等学校への合格は、県内でも最難関レベルの一つです。偏差値だけでなく、合格に必要な内申点の目安や、一緒に受験する生徒たちが選ぶ併願校についても見ていきましょう。
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普通科 偏差値:71
この偏差値は、埼玉県の公立高校の中でトップグループに位置することを意味します。県立の浦和高校、浦和第一女子高校、大宮高校といった名門校と肩を並べるレベルです。合格を勝ち取るためには、入試本番で高い得点を取る学力はもちろんのこと、中学校での成績、つまり「内申点」も極めて重要になります。通知表の評価で「5」が多く並んでいることが、一つの目安となるでしょう。
市立浦和高等学校を目指す受験生の多くは、万が一に備えて、学力レベルの高い私立高校を併願します。埼玉県では公立高校を複数併願することはできないため、併願校選びは非常に重要です。主な併願先としては、以下のような高校が挙げられます。
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大宮開成高等学校(特に特進選抜先進コースや特進選抜Ⅰ類コース)
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栄東高等学校(特にアルファコース)
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春日部共栄高等学校(特に選抜コース)
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淑徳与野高等学校(女子生徒に人気の併願校)
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川越東高等学校(男子生徒に人気の併願校)
これらの併願校もまた、それぞれが高い人気と実力を持つ進学校です。市立浦和の受験準備を進めることは、同時にこれらの難関私立高校の対策にも繋がるということを意識しておくと良いでしょう。
市立浦和高等学校に設置されている学科・コース
市立浦和高等学校は中高一貫校ですが、高校から入学する生徒向けには以下の学科が設置されています。
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普通科
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どんなことを学ぶ場所か: 国公立大学や難関私立大学への進学を目標に、5教科を中心にハイレベルな学力を養成する学科です。2年次からは文系・理系の類型に分かれ、より専門的な学習を進めます。
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どんな生徒におすすめか: 高い目標を持ち、大学進学に向けて仲間と切磋琢磨したい生徒に最適です。
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なお、市立浦和は中高一貫教育を行っているため、中学校から内部進学してくる生徒(内進生)がいます。高校から入学する生徒(高入生)とは、体育など一部の授業や学校行事、部活動では一緒になりますが、ホームルームクラスは基本的に別々に編成されることが多いようです。高入生は高入生だけのクラスで高校生活をスタートするため、誰もが同じスタートラインに立ち、新しい仲間と深い絆を築いていくことができます。
市立浦和高等学校の特色・校風
市高のスクールライフはどのような雰囲気なのでしょうか。キーワードや口コミから、そのリアルな姿に迫ります。
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校風を表すキーワード: 文武両道、自由闊達、自主自立、活気がある、エネルギッシュ
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宿題の量は多い?少ない?
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「多い」と感じる生徒が大多数のようです。特に数学は定期テスト以外にも頻繁にテストがあり、課題も常に出されるなど、日々の学習量はかなり多いとの声があります。この厳しい学習環境が、高い進学実績を支えています。
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校則は厳しい?緩やかか?
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よく比較される県立浦和高校が「校則がない」ことで有名なのに対し、市立浦和には明確なルールが存在します。
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服装: 女子のスカート丈は膝頭中央、セーターやカーディガンは黒・紺・グレーなどの指定色で無地のもの、といった規定があります。
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頭髪・化粧: 染髪、パーマ、化粧、色付きリップなどは禁止されています。
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スマホ: 歩きスマホは禁止されており、校内での使用にも一定のルールがあると考えられます。
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全体として、「常識の範囲内での自由」と捉える生徒が多く、厳しすぎると感じる声は少ないものの、規律が重んじられる校風です。
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生徒たちの雰囲気は?
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「陽キャ(明るく活発な生徒)が多い」という声があるように、非常にエネルギッシュで活気に満ちています。学校行事や部活動に全力で打ち込む生徒が多く、全体的にポジティブな雰囲気に包まれています。勉強も遊びも本気で楽しむ、メリハリのある生徒が多いのが特徴です。
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アルバイトは可能?
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校則で明確に禁止されているかは確認が必要ですが、日々の課題や部活動、行事準備などで非常に忙しいため、現実的にアルバイトをする時間的余裕はないと考えるのが妥当です。
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制服の評判は?
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特に女子のセーラー服は「かわいい」と評判で、憧れの対象となることも多いようです。男子は一般的な学ランです。
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土曜授業はある?
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はい、あります。隔週(2週間に1回程度)で土曜日にも4時間授業が実施されており、豊富な授業時間数を確保しています。
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市立浦和高等学校の部活動・イベント
「文武両道」を掲げる市高の、もう一つの大きな魅力が部活動と学校行事です。
部活動
市立浦和の部活動は非常に盛んで、多くの生徒が加入し、学業と両立しながら熱心に活動しています。運動部・文化部ともに充実しており、自分の興味や目標に合わせて活動を選ぶことができます。
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サッカー部: 市高の象徴とも言える部活動です。過去に全国制覇を何度も成し遂げた伝統ある強豪で、近年も県大会で優勝するなど、常にトップレベルで活躍しています。特筆すべきは、部活動で高い実績を残しながら、東京大学や早稲田大学、慶應義塾大学といった最難関大学へ進学する生徒を輩出している点です。まさに「文武両道」を体現する存在です。
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バトン部: 文化祭や体育祭のオープニングを華やかに飾る人気の部活動です。そのパフォーマンスは非常にレベルが高いと評判です。
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吹奏楽部: 数々のコンクールで賞を受賞している実力派の文化部です。
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その他にも、陸上部、ハンドボール部、弓道部などの運動部や、インターアクト部、サイエンスクラブといった文化部も活発に活動しています。
イベント
市高の学校行事は、生徒たちが主体となって企画・運営され、その盛り上がりは県内でも随一と言われています。
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市高祭(文化祭): 「埼玉県の高校で一番盛り上がる文化祭」と評する声もあるほど、熱気に満ちています。クラスごとに作り上げるお化け屋敷や出店のクオリティは非常に高く、来場者を楽しませます。特に、開会式や閉会式の一体感と盛り上がりは、市高ならではの体験です。
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体育祭: 文化祭と並ぶ大きなイベントです。学年やクラス対抗で様々な競技に全力で取り組みます。中でも、3年生がクラス全員で数ヶ月かけて練習し、披露するダンスパフォーマンス「アトラク(アトラクション)」は、体育祭の最大の見どころであり、感動を呼びます。
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修学旅行やロードレース大会: これらの行事も、仲間との絆を深める大切な機会となっています。
市立浦ワ高等学校の進学実績
市立浦和高等学校の最大の強みの一つが、その卓越した大学進学実績です。日々の厳しい学習と手厚い進路指導が、素晴らしい結果に結びついています。
以下は、2025年春の大学入試における主な合格実績です(既卒生を含む)。
国公立大学(主な大学と合格者数)
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東北大学:11名
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北海道大学:7名
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筑波大学:11名
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千葉大学:11名
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横浜国立大学:7名
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埼玉県立大学:15名
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その他、東京大学、京都大学、一橋大学など最難関国立大学にも合格者を輩出しています。
難関私立大学(主な大学と合格者数)
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早稲田大学:91名
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慶應義塾大学:40名
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上智大学:42名
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東京理科大学:100名
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明治大学:190名
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青山学院大学:53名
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立教大学:132名
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中央大学:113名
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法政大学:145名
これらの輝かしい実績は、学校全体で進路指導に力を入れている証です。「寄り添う」進路指導を方針に掲げ、生徒一人ひとりの希望実現をサポートしています。夏休みなどに行われる集中講習「学習マラソン」や、大学の担当者を招いての「大学説明会」、保護者を対象とした「大学受験セミナー」など、学力向上と情報提供の両面から生徒を支える取り組みが充実しています。
市立浦和高等学校の特長・アピールポイント
他の高校にはない、市立浦和ならではの強みや魅力を5つのポイントにまとめました。
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「本物」の文武両道がここにある
ただのスローガンではなく、学業と部活動の双方で全国レベルを目指せる環境が整っています。勉強も部活も中途半端にしたくない、という欲張りなあなたに応えてくれる学校です。
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学力も人間力も鍛える強豪サッカー部
学校の象徴であるサッカー部は、競技成績だけでなく、高い進学実績も誇ります。厳しい練習を通じて培われる人間力と、学業を両立させる強い意志は、卒業後の人生においても大きな財産となるでしょう。
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一生の宝物になる、熱狂の学校行事
生徒が主役となって創り上げる文化祭や体育祭は、まさに「青春」そのもの。クラスの仲間と一つの目標に向かって全力で取り組んだ経験は、かけがえのない思い出になります。
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刺激し合える、ハイレベルな仲間たちの存在
県内トップクラスの学力と高い目的意識を持った生徒が集まる環境です。互いに切磋琢磨し、高め合える仲間との出会いは、3年間で最も大きな収穫の一つかもしれません。
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国公立・難関私大への確かな進学実績
長年にわたり、日本のトップ大学へ多くの卒業生を送り出してきた実績は、質の高い教育の証です。明確な大学進学の目標がある生徒にとって、これ以上ない環境と言えます。
市立浦和高等学校の口コミ・評判のまとめ
在校生や卒業生のリアルな声から、市高の「良い点」と「気になる点」を公平にまとめました。
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良い点
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「とにかく学校が楽しい」「最高の仲間と出会えた」という声が圧倒的に多く、充実した学校生活への満足度が非常に高いことがうかがえます。
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行事の盛り上がりは格別で、クラスの団結力が強く、一生の思い出になると高く評価されています。
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周りの生徒の学習意欲が高く、自然と勉強する雰囲気になるため、自分も頑張れるという意見も多く見られます。
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気になる点(注意点)
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「勉強が大変」「課題や小テストが多くてついていくのがやっと」という声は少なくありません。高いレベルを維持するための厳しさは覚悟しておく必要があります。
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「先生方はできる子を中心に指導する傾向がある」と感じる生徒もいるようです。「ついていけない生徒への手厚い補習は期待できない」という厳しい意見もあり、学習面での自主性が強く求められる校風がうかがえます。
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過去にいじめに関する悲しい事案がありましたが、その教訓から、現在では学校として「いじめ防止基本方針」を策定・公開し、いじめ撲滅集会を開くなど、生徒が安心して学校生活を送れるよう組織的な対策に力を入れています。
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アクセス・通学
市立浦和高等学校への通学方法と、通学エリアの傾向です。
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最寄り駅とアクセス
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JR京浜東北線 「北浦和駅」東口から徒歩約12分
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通学エリア
学校の所在地であるさいたま市浦和区、大宮区、中央区をはじめ、京浜東北線や埼京線、武蔵野線沿線など、さいたま市全域およびその周辺の市から多くの生徒が通学していると考えられます。1時間程度の電車通学も珍しくないようです。学校へ向かう「市高通り」では、安全のためグリーンベルト(緑に塗られた歩行者帯)を通行するよう指導されています。
市立浦和高等学校受験生へのワンポイントアドバイス
市立浦和高等学校を目指す皆さんへ、最後にアドバイザーとしてメッセージを送ります。市高は、「高いレベルで勉強と部活を両立させたい」「エネルギッシュな仲間たちと、一生忘れられない高校生活を送りたい」と強く願う君にこそ、挑戦してほしい学校です。そのための道のりは平坦ではありません。入試では5教科すべてで高いレベルが求められるため、苦手科目を作らず、基礎から応用まで着実に学力を積み上げることが不可欠です。そして、合格の鍵を握る内申点も非常に重要です。日々の授業を大切にし、定期テストで結果を出す努力を続けてください。厳しい受験勉強の先には、市立浦和高等学校でしか味わえない、最高に熱く、充実した3年間が待っています。頑張ってください!
※最新かつ正確な情報は、必ず高校の公式サイトや学校説明会で確認してください。