徳島科学技術高等学校は、科学技術や工業、水産の専門的な知識と技術を深く学べる、徳島県で唯一の専門高校です。2009年に徳島工業高校、徳島東工業高校、水産高校の3校が統合して誕生し、未来の産業界をリードする人材の育成を目指しています。スーパーサイエンスハイスクール(SSH)にも指定されており、大学や研究機関と連携した高度な研究活動に取り組めるのが大きな魅力です。

この学校の最大の特長は、進学と就職、どちらの夢にも応えられる柔軟な教育システムにあります。「大学に進んでさらに研究を深めたい」「専門技術を身につけて即戦力として社会で活躍したい」そんな一人ひとりの目標に合わせて、6つの専門分野(類)と11のコースから自分にぴったりの学びの道を選ぶことができます。

この記事では、そんな徳島科学技術高等学校の具体的な学習内容から、学校生活のリアルな様子、気になる偏差値や進路実績まで、受験生や保護者の皆さんが知りたい情報を余すところなくお届けします。あなたの「好き」や「得意」を未来の力に変える、徳島科学技術高等学校の魅力を一緒に見ていきましょう。

徳島科学技術高等学校の基本情報

項目 内容
正式名称 徳島県立徳島科学技術高等学校
公立/私立の別 公立
共学/男子校/女子校の別 男女共学
所在地 〒770-0006 徳島県徳島市北矢三町2丁目1番1号
代表電話番号 088-631-4185
公式サイトURL https://tokushima-hst.tokushima-ec.ed.jp/

徳島科学技術高等学校の偏差値・難易度・併願校

徳島科学技術高等学校の偏差値は、類(学科)によって異なりますが、おおむね42から51の範囲にあります。専門的な分野を学ぶ学校のため、偏差値だけでなく、自分が何を学びたいかが非常に重要になります。

  • 総合科学類: 51

  • 機械技術類: 51

  • 電気技術類: 51

  • 建設技術類: 51

  • 海洋科学類: 42

  • 海洋技術類: 42

同じくらいの偏差値の高校としては、徳島県立城北高等学校(51-54)や徳島県立鳴門高等学校(49)などがあります。合格に必要な内申点の目安としては、5段階評価でおおむね3〜4が中心になると考えられますが、類やその年の倍率によって変動します。

徳島県の公立高校入試制度では、基本的に公立高校の併願はできません。そのため、徳島科学技術高等学校を第一志望とする場合、併願校は私立高校となります。主な併願校としては、徳島文理高等学校や生光学園高等学校などが挙げられることが多いようです。

徳島科学技術高等学校に設置されている学科・コース

徳島科学技術高等学校では、生徒一人ひとりの興味や進路希望に合わせて、大きく分けて6つの「類」と、さらに専門性を深める11の「コース」が設置されています。

  • 総合科学類:

    • 情報科学コース: プログラミングやAIなど最先端のICT技術を学びたい人におすすめ。

    • 環境科学コース: 環境問題やエネルギーについて科学的に探究したい人におすすめ。

  • 機械技術類:

    • 機械コース: 機械の設計や製作など、ものづくりの基礎から応用まで学びたい人におすすめ。

    • 生産システムコース: ロボットや自動化技術など、未来の工場を支えるシステムを学びたい人におすすめ。

  • 電気技術類:

    • 電気コース: 電気エネルギーや再生可能エネルギーについて専門的に学びたい人におすすめ。

    • 情報通信コース: コンピュータやネットワーク、通信技術のスペシャリストを目指す人におすすめ。

  • 建設技術類:

    • 環境土木コース: 道路や橋など、社会基盤のデザインや防災技術を学びたい人におすすめ。

    • 建築コース: 快適で安全な建物の設計や施工について学びたい人におすすめ。

    • 総合デザインコース: インテリアやプロダクトなど、暮らしに関わるデザインを学びたい人におすすめ。

  • 海洋科学類:

    • 海洋科学コース: 海の環境や生物、資源について深く研究し、進学を目指す人におすすめ。

  • 海洋技術類:

    • 海洋総合コース: 船の運航や管理、水産資源について実践的に学び、海のプロフェッショナルを目指す人におすすめ。

徳島科学技術高等学校の特色・校風

徳島科学技術高等学校は、「専門性の追求」「SSH指定校」「文武両道」といったキーワードで表される校風です。専門分野を学びたいという明確な目的意識を持った生徒が多く、落ち着いた雰囲気の中で学習に集中できる環境があるようです。

  • 宿題の量: 専門科目に関するレポートや課題が出されることがありますが、量は標準的という声が多いようです。

  • 校則: 他の高校と比較して、校則は比較的緩やかだという意見が見られます。スマートフォンの持ち込みは許可されていますが、校内での使用ルールは守る必要があります。服装検査は定期的に行われるようです。

  • 生徒たちの雰囲気: 真面目で探究心のある生徒が多い一方で、部活動や学校行事にも積極的に参加する活発な生徒も多く、バランスが取れているようです。

  • アルバイト: 原則として禁止されていますが、特別な事情がある場合は許可されることもあるようです。

  • 制服: 紺色のブレザーにスラックスまたはスカートで、落ち着いたデザインが評判のようです。

  • 土曜授業: 基本的に土曜授業はありませんが、SSHの活動や補習などが行われることがあります。

徳島科学技術高等学校の部活動・イベント

部活動

徳島科学技術高等学校は部活動が非常に盛んで、多くの部が全国レベルで活躍しています。運動部、文化部ともに種類が豊富で、専門高校ならではのユニークな部活動も多数存在します。

  • 特に実績が豊富な部活動:

    • ウェイトリフティング部: 全国大会の常連で、数多くの入賞者を輩出しています。

    • ロボット研究部: ロボットコンテストで常に上位の成績を収めており、ものづくりの技術と思考力を競い合っています。

    • ソフトテニス部: インターハイ優勝経験もある強豪です。

  • 珍しい部活動:

    • マリンリサーチクラブ: 水産高校の流れを汲み、海洋生物の研究や環境調査などを行います。

    • 機械工作部、電気工作クラブなど: 各専門分野の知識を活かしたものづくり系の部活動が充実しています。

イベント

生徒たちが主体となって盛り上げるイベントが多く、クラスや学年の団結力を高める良い機会となっています。

  • 科技高祭(文化祭): 毎年秋に開催される最大のイベントです。各クラスや文化部による展示、ステージ発表のほか、専門性を活かしたロボット操作体験や研究発表など、科技高ならではの企画が満載で、地域からも多くの人が訪れます。

  • 体育祭: クラス対抗で様々な競技に臨み、大変盛り上がります。

  • 修学旅行: 近年では、関東方面や九州方面などを訪れ、見聞を広めています。

徳島科学技術高等学校の進学実績

徳島科学技術高等学校は、進学と就職の両方で高い実績を誇っています。特に、専門知識を活かした理工系大学への進学に強く、国公立大学への合格者も多数輩出しています。

  • 国公立大学:

    • 徳島大学(理工学部、生物資源産業学部など)へ例年多くの合格者を出しています。

    • その他、香川大学、愛媛大学、高知大学などの四国内の大学や、岡山大学、広島大学などへも進学実績があります。

    • 令和5年度には、工業系高校の中で「理工学部系の国公立大学の合格者数」が全国1位となるなど、高い進学力を示しています。

  • 難関私立大学:

    • 関西の主要私立大学(関西大学、近畿大学など)や、専門分野に関連する全国の私立大学へ進学する生徒もいます。

  • 就職・その他:

    • 就職希望者の内定率は非常に高く、県内をはじめとする多くの優良企業から求人が寄せられます。専門技術を身につけた卒業生は、産業界で即戦力として高く評価されています。

    • 専門学校へ進学し、さらに高度な技術を身につける生徒もいます。

これらの実績を支える取り組みとして、スーパーサイエンスハイスクール(SSH)の活動が挙げられます。大学と連携した課題研究や、進学希望者向けの講演会、志望理由書の書き方講座などを通じて、生徒の進路実現を力強くサポートしています。

徳島科学技術高等学校の特長・アピールポイント

徳島科学技術高等学校には、他の高校にはないユニークな魅力がたくさんあります。

  • スーパーサイエンスハイスクール(SSH)指定校: 文部科学省からSSHの指定を受けており、先進的な科学技術教育を実践しています。大学や研究機関と連携した高度な課題研究に取り組むことができます。

  • 6つの専門分野から選べる多様な学び: 機械、電気、建設、海洋、化学、情報といった幅広い分野から、自分の興味関心に合わせて専門性を深めることができます。

  • 充実した最先端の施設・設備: 各専門分野に対応した実習棟や実験設備が整っており、プロも使用するような機材を使って実践的なスキルを磨くことができます。

  • 実習船「阿州丸」での海洋実習: 海洋系の類では、徳島県共同実習船「阿州丸」に乗船し、航海実習や海洋観測、漁業実習など、実際の海を舞台にしたダイナミックな学びを体験できます。

  • 高い資格取得率: 在学中に、危険物取扱者や電気工事士、ボイラー技士など、将来に役立つ様々な国家資格や専門資格の取得を学校が強力にバックアップします。

  • 進学と就職、両方に対応した柔軟なカリキュラム: 卒業後の多様な進路希望に応えるため、進学向けの普通科目と専門科目をバランス良く学べるカリキュラムが組まれています。

  • 地域や企業との連携プロジェクト: 地元企業と協力して製品開発に取り組んだり、地域の課題解決に貢献するプロジェクトに参加したりと、社会とのつながりの中で学ぶ機会が豊富にあります。

徳島科学技術高等学校の口コミ・評判のまとめ

在校生や卒業生からは、専門的な学びへの満足度や、充実した施設に関するポジティブな声が多く聞かれます。一方で、専門性が高いがゆえの注意点もいくつか挙げられています。

  • 良い点:

    • 「専門的な知識や技術が深く学べるので、将来の夢が明確な人には最高の環境」

    • 「施設や設備が新しく、充実しているので、本格的な実習ができるのが楽しい」

    • 「SSHの活動を通して、普通科高校ではできないような貴重な経験ができた」

    • 「就職にとても強く、先生方のサポートも手厚い」

    • 「同じ目標を持つ仲間が多く、互いに高め合える雰囲気がある」

  • 気になる点:

    • 「入学後に学びたいことと違った場合、専門科目の授業が多くて大変かもしれない」

    • 「専門分野に興味がないと、授業についていくのが難しいと感じることがある」

    • 「JRの駅からは少し距離があり、バスを利用する生徒が多い」

    • 「校則が少し厳しいと感じる部分もある」という声も一部にはあるようです。

アクセス・通学

徳島科学技術高等学校への主なアクセス方法は以下の通りです。

  • JR徳島駅前から:

    • 徳島市営バス 循環バス(右回りまたは左回り)に乗車し、「科学技術高校」バス停で下車(所要時間約30分)。バス停は学校の目の前にあります。

  • JRの最寄り駅から:

    • JR徳島線「蔵本駅」から徒歩約12分

    • JR高徳線「佐古駅」から徒歩約17分

徳島市内を中心に、県内広域から生徒が通学しています。公共交通機関ではバスを利用する生徒が最も多いようです。

徳島科学技術高等学校受験生へのワンポイントアドバイス

徳島科学技術高等学校を目指す皆さん、こんにちは!進学アドバイザーとして、皆さんの挑戦を心から応援しています。

徳島科学技術高等学校は、「ものづくりが好き」「科学の謎を探究したい」「海のプロになりたい」といった、自分の「好き」や「夢中になれること」を、将来の力に変えられる素晴らしい学校です。この学校に特におすすめなのは、明確な目標を持ち、専門的な知識や技術をとことん追求したいと考えている生徒さんです。高校生活を通して、自分の手で未来を創り出す面白さをきっと実感できるはずです。

受験勉強においては、まず中学校での基礎学力をしっかりと固めることが何よりも大切です。特に、数学や理科は専門科目を学ぶ上での土台となりますので、苦手な分野をなくすように繰り返し復習しましょう。また、なぜ徳島科学技術高等学校で学びたいのか、どの類・コースに興味があるのかを自分なりに考え、言葉で説明できるようにしておくと、面接などでも自信を持ってアピールできますよ。皆さんの探究心が、未来を切り拓く大きな力となることを期待しています!

※最新かつ正確な情報は、必ず高校の公式サイトや学校説明会で確認してください。