愛知県立千種高等学校は、「ちぐさ」という愛称で多くの生徒や地域の方々から親しまれている、非常に人気の高い進学校です。最大の特徴は、何と言っても「自主自律」を重んじる自由な校風でしょう。生徒一人ひとりの個性を尊重し、主体性を育む教育が、活気あふれる学校生活の源となっています。

勉強はもちろんのこと、部活動や学校行事にも全力で取り組む「三立(学習・部活動・生徒会活動)」を目標に掲げているのも千種高等学校の魅力です。特に、生徒が主体となって企画・運営する学校祭は、毎年多くの来場者で賑わう一大イベント。仲間たちと協力して何かを創り上げる経験は、高校生活の忘れられない思い出になるはずです。

また、国際教養科を設置していることもあり、国際交流が盛んなのも特筆すべき点です。帰国生徒や留学生も多く在籍し、日常的に多様な文化に触れることができます。この記事では、そんな千種高等学校の魅力を、受験生の皆さんと保護者の方々に分かりやすくお伝えしていきます。

愛知県立千種高等学校の基本情報

愛知県立千種高等学校の基本的な情報を以下の表にまとめました。

項目 内容
正式名称 愛知県立千種高等学校(あいちけんりつ ちぐさこうとうがっこう)
公立/私立 公立
共学/別学 男女共学
所在地 〒465-8507 愛知県名古屋市名東区社台二丁目206番地
代表電話番号 052-771-2121
公式サイト https://chigusa-h.aichi-c.ed.jp/

愛知県立千種高等学校の偏差値・難易度・併願校

千種高等学校の偏差値は、学科によって異なりますが、県内でもトップクラスの難易度を誇ります。自分の学力と照らし合わせ、目標設定の参考にしてください。

  • 普通科: 67

  • 国際教養科: 63

偏差値67というのは、愛知県内の公立高校でトップ10に入るレベルです。 同じくらいの偏差値の高校としては、名古屋市立菊里高等学校(普通科67)、瑞陵高等学校(普通科68)などが挙げられます。

合格に必要な内申点の目安は、普通科で40前後、国際教養科で38前後と言われることが多いようです。ただし、これはあくまで目安であり、当日の学力検査の得点との合計で合否が決まるため、日々の学習で基礎学力をしっかりと固めておくことが何よりも重要です。

愛知県の公立高校入試では、同じ学区・グループの公立高校を併願することはできません。そのため、千種高等学校を受験する場合、併願校は私立高校を選ぶのが一般的です。主な併願校としては、以下のような高校が挙げられます。

  • 名城大学附属高等学校

  • 中京大学附属中京高等学校

  • 愛知高等学校

  • 名古屋高等学校

  • 滝高等学校

  • 愛知工業大学名電高等学校

愛知県立千種高等学校に設置されている学科・コース

千種高等学校には、それぞれ特色の異なる2つの学科が設置されています。自分の興味や将来の目標に合わせて、どちらの学科がより自分に合っているか考えてみましょう。

  • 普通科

    文系・理系を問わず、幅広い分野の学習をバランス良く進め、国公立大学や難関私立大学への進学を目指す学科です。2年生から文系・理系に分かれ、それぞれの進路希望に応じた専門的な学びを深めていきます。

  • 国際教養科

    英語教育に重点を置き、異文化理解を深める専門科目が多数用意されている学科です。 帰国生徒や留学生が多く在籍し、国際的な雰囲気の中で学ぶことができます。第二外国語(フランス語、ドイツ語、スペイン語、中国語など6カ国語)を学べるのも大きな特徴です。

愛知県立千種高等学校の特色・校風

千種高等学校の最大の特色は、生徒の自主性を尊重する校風にあります。キーワードで表すなら、「自主自律」「自由闊達」「文武両道」といった言葉がぴったりでしょう。

  • 校則・制服: 校則は他の高校に比べて緩やかな傾向があり、それが「自由な校風」の象徴ともなっています。 標準服はありますが、私服での登校も認められており、髪型やアクセサリーなどについても比較的自由度が高いようです。ただし、自由には責任が伴うという「自律」の精神が重視されています。

  • 宿題の量: 課題の量は「多い」と感じる生徒が多いようです。特に長期休暇の課題やテスト前の課題はかなりの量になるという声があります。 日頃から計画的に学習を進める習慣が求められます。

  • 生徒の雰囲気: 明るく活発で、何事にも積極的に取り組む生徒が多い印象です。行事や部活動に全力で打ち込む一方で、勉強にも真面目に取り組む、メリハリのある生徒が多いようです。 個性を尊重する雰囲気があるため、自分らしくのびのびと学校生活を送りたい人には最適な環境と言えるでしょう。

  • アルバイト: 原則として禁止されていますが、特別な事情がある場合には許可制で認められることもあるようです。

  • スマホの扱い: 校内でのスマホの持ち込みは許可されています。授業中の使用は原則禁止ですが、休み時間などには自由に使用できるようです。

  • 土曜授業: 定期的な土曜授業はありませんが、希望者向けの補習や学習会が実施されることがあります。

愛知県立千種高等学校の部活動・イベント

部活動

千種高等学校は部活動が非常に盛んで、多くの生徒が学業と両立させながら熱心に活動しています。運動部・文化部ともに種類が豊富で、高いレベルで活躍している部も少なくありません。

  • 運動部: ラグビー部が過去に全国大会(花園)に出場した実績を持つほか、陸上競技部も強豪として知られています。 その他、サッカー部、男女バスケットボール部、男女バレーボール部なども活発に活動しています。

  • 文化部: 特に有名なのが、全国大会の常連であるダンス部です。そのパフォーマンスレベルは高校生の域を超えていると評判です。また、アカペラ部や吹奏楽部、管弦楽部といった音楽系の部活動も充実しています。 珍しい部活動としては、討論に力を入れている学校らしく「討論部」が存在します。

イベント

千種高等学校の学校生活は、多彩なイベントで彩られています。生徒たちが主体となって作り上げる行事は、どれも大きな盛り上がりを見せます。

  • 学校祭(ちぐさ祭): 9月に行われる文化祭と体育祭を合わせた学校祭は、千種高校で最も盛り上がるイベントです。 特に文化祭は、3年生のクラス演劇や各クラス・部活動の展示のクオリティが非常に高く、2日間で5,000人以上が来場することもあるほどです。 体育祭では、学年を超えたブロック対抗で競い合い、巨大なデコレーション(マスコット)の制作なども行われます。

  • 修学旅行: 1年生の10月に京都方面へ二泊三日で実施されます。名所旧跡を巡るだけでなく、夜にはクラスごとにテーマを設定して「討論」の時間が設けられるのが千種ならではの特色です。

  • スポーツ大会: 7月と3月の年2回、クラス対抗で様々な球技を競い合います。クラスの団結力を高める楽しいイベントです。

  • 健脚会: 5月に行われる新入生歓迎の遠足です。学校から愛・地球博記念公園までの約10kmを歩き、新しい友人との親睦を深めます。

愛知県立千種高等学校の進学実績

千種高等学校は、県内有数の進学校として、国公立大学や難関私立大学へ毎年多くの合格者を輩出しています。生徒の自主性を重んじながらも、進路実現に向けた手厚いサポート体制が整っています。

2024年度の主な大学合格実績は以下の通りです。

  • 国公立大学:

    • 京都大学: 5名

    • 旧帝国大学+一橋・東工大: 38名

    • 名古屋大学: 22名

    • その他、名古屋市立大学、愛知教育大学など多数

  • 難関私立大学:

    • 早稲田・慶應・上智・理科大: 53名

    • GMARCH(学習院・明治・青山学院・立教・中央・法政): 108名

    • 関関同立(関西・関西学院・同志社・立命館): 231名

その他、南山大学や名城大学など、地元の有力私立大学にも多くの生徒が進学しています。

進学実績を支える取り組みとして、放課後や長期休暇中の補習、生徒が講師役となって教え合う「自主ゼミ」などが活発に行われています。

愛知県立千種高等学校の特長・アピールポイント

他の高校にはない、千種高等学校ならではの魅力を7つのポイントにまとめました。

  • 国際交流がとにかく盛ん: かつてスーパーグローバルハイスクール(SGH)のアソシエイト校であった実績を活かし、海外研修や留学生の受け入れが非常に活発です。世界中から帰国生徒が集まる国際教養科の存在も、校内の国際色を豊かにしています。

  • 「自主自律」を育む自由な校風: 校則が比較的緩やかで、私服通学も可能です。生徒一人ひとりの個性が尊重され、のびのびと学校生活を送ることができます。

  • 生徒が主役の学校行事: 学校祭(ちぐさ祭)をはじめ、ほとんどの行事が生徒会や有志の委員会を中心に企画・運営されます。 仲間と協力して一つのものを創り上げる達成感は格別です。

  • 思考力を鍛える「討論」文化: 授業やホームルーム、修学旅行など、様々な場面で「討論」が行われます。 自分の意見を論理的に伝え、相手の意見を尊重しながら議論を深める経験は、コミュニケーション能力を大きく向上させます。

  • 全国レベルの部活動: ダンス部を筆頭に、全国で活躍する部活動が複数あります。勉強だけでなく、部活動にも本気で打ち込みたい生徒にとって最高の環境です。

  • 多様な背景を持つ仲間との出会い: 国際教養科には海外経験が豊富な生徒が多く、普通科にも個性的な生徒が集まります。多様な価値観に触れることで、視野を大きく広げることができます。

  • 第二外国語を学べる環境: 国際教養科では、英語に加え、6カ国語の中から第二外国語を選択して学ぶことができます。 ネイティブの先生による少人数授業で、実践的な語学力を身につけることが可能です。

愛知県立千種高等学校の口コミ・評判のまとめ

在校生や卒業生からは、学校生活の充実度を高く評価する声が数多く寄せられています。ここでは、代表的な口コミをポジティブな点と気になる点に分けてご紹介します。

  • 良い点:

    • 「自由な校風が最高!自分で考えて行動する力が身についた」という声が最も多く聞かれます。

    • 「ちぐさ祭などの行事が本当に楽しく、一生の思い出になった」と、行事の満足度の高さも多くの人が挙げています。

    • 「個性的で面白い友達がたくさんできた。互いを尊重し合える雰囲気が良い」といった、人間関係の良好さを評価する声も多いです。

    • 「国際交流の機会が豊富で、英語力だけでなく国際感覚も養われた」と、特に国際教養科の生徒から好評です。

    • 「先生方は基本的に生徒の自主性を見守るスタンスだが、相談すれば親身になってくれる」という意見もあります。

  • 気になる点:

    • 「校舎や体育館などの施設が少し古い」という点を指摘する声が見られます。

    • 「最寄り駅から少し歩くので、雨の日などは少し大変」といったアクセスに関する意見もあります。

    • 「自由な反面、自主性がないと流されてしまう。自己管理能力が求められる」という声は、千種高校を目指す上で心に留めておきたい点です。

    • 「課題が多く、勉強と部活・行事の両立が大変」と感じる生徒もいるようです。

アクセス・通学

千種高等学校への主なアクセス方法は以下の通りです。

  • 名古屋市営地下鉄東山線「一社」駅 1番出口から徒歩約7分

  • 名古屋市営地下鉄東山線「星ヶ丘」駅 3番出口から徒歩約22分

  • 市バス「一社」停留所 から徒歩約7分

名古屋市東部(名東区、千種区、守山区など)を中心に、地下鉄東山線や名城線沿線のエリアから通学している生徒が多いようです。名古屋駅からのアクセスも良いため、市外から通う生徒もいます。

愛知県立千種高等学校受験生へのワンポイントアドバイス

ここまで読んでくれて、千種高等学校に「行きたい!」という気持ちが高まってきた人も多いのではないでしょうか。最後に、進学アドバイザーとして、千種高校を目指す皆さんへ応援メッセージを送ります。

千種高等学校は、「自分で考えて行動したい」「仲間と一緒に何かを創り上げたい」「国際的な視野を広げたい」と考える、知的好奇心と行動力にあふれた生徒に特におすすめの学校です。この学校の「自由」は、自分を律する強い意志があってこそ、本当の楽しさと成長につながります。受け身の姿勢ではなく、自ら学校生活をデザインしていく気概のある人には、最高の3年間が待っているでしょう。

受験勉強においては、内申点と当日点の両方をバランスよく取ることが大切です。特に普通科は高い学力が求められるため、苦手科目を作らず、5教科すべてで高得点を目指す必要があります。過去問を繰り返し解き、出題傾向に慣れておくことも重要です。千種高等学校で送る刺激的な日々を想像しながら、最後まで諦めずに頑張り抜いてください。皆さんの挑戦を心から応援しています!

※最新かつ正確な情報は、必ず高校の公式サイトや学校説明会で確認してください。