北海道旭川北高等学校は、旭川市内でも屈指の進学校として、高い学力と豊かな人間性を育む教育で知られています。伝統的に「文武両道」を掲げ、生徒の9割以上が部活動に所属しながら、その多くが国公立大学をはじめとする難関大学への進学を目指す、活気に満ちた学校です。学習、学校行事、部活動のすべてに全力で打ち込むのが「北高生」のスタイルであり、その中で自主性と協調性を養っていきます。
この学校での3年間は、決して楽な道のりではないかもしれません。授業の進度は速く、課題も多いという声も聞かれますが、それは高い目標を持つ仲間たちと切磋琢磨し、自分の可能性を最大限に引き出すための環境が整っていることの裏返しでもあります。熱心な先生方のサポートを受けながら、充実した高校生活を送りたいと考える生徒にとって、北海道旭川北高等学校は最高の舞台となるでしょう。
この記事では、そんな旭川北高校の偏差値や進学実績といったデータだけでなく、学校生活のリアルな様子、在校生や卒業生の声、そして受験を乗り越えるためのヒントまで、進学アドバイザーの視点から詳しく、そして分かりやすく解説していきます。この記事が、あなたとご家族にとって、未来を考える上での確かな一歩となることを願っています。
旭川北高等学校の基本情報
まずは、旭川北高校の基本的な情報を確認しておきましょう。学校選びの第一歩として、所在地や連絡先は正確に把握しておくことが大切です。
項目 | 内容 |
正式名称 | 北海道旭川北高等学校 |
公立/私立の別 | 公立 |
共学/別学の別 | 男女共学 |
所在地 | 〒070-0901 北海道旭川市花咲町3丁目 |
代表電話番号 | 0166-51-4620 |
公式サイトURL | http://www.asahikawakita.hokkaido-c.ed.jp/ |
旭川北高等学校の偏差値・難易度・併願校
旭川北高校を目指す上で、最も気になるのが偏差値と難易度でしょう。ここでは具体的な数字と、それがどのくらいのレベルなのかをイメージしやすく解説します。
旭川北高校の偏差値は、各種の模擬試験や塾のデータによるとおおむねからの範囲にあります。これは北海道内の公立高校の中でもトップクラスに位置し、旭川市周辺では旭川東高校に次ぐ難関校です。同じくらいの偏差値を持つ道内の高校としては、帯広柏葉高校や札幌国際情報高校、函館中部高校などが挙げられ、道内有数の進学校であることが分かります。
偏差値だけでなく、合格に必要な内申点と当日点の目安を知ることが、具体的な目標設定につながります。以下は、内申ランクごとの合格目標点の目安です。
内申ランク | 内申点 | 合格目標点 (300点満点) |
Aランク | – | – 点 |
Bランク | – | – 点 |
Cランク | – | – 点 |
このデータから分かるように、合格者の約半数はAランクの生徒ですが、BランクやCランクの生徒も多く合格しています。これは、内申点に自信がなくても、入試本番での高得点によって逆転合格が十分に可能であることを示しています。特にCランクの生徒にとっては、当日点でライバルに差をつけることが合格への鍵となります。
また、北海道の公立高校入試では、他の公立高校との併願はできません。そのため、旭川北高校を受験する生徒の多くは、滑り止めとして私立高校を併願します。主な併願校は以下の通りです。
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旭川実業高等学校 (特別進学コース)
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旭川藤星高等学校 (特進コース)
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旭川龍谷高等学校 (特進Aコース)
旭川北高等学校に設置されている学科・コース
旭川北高校には、全日制課程と定時制課程にそれぞれ「普通科」が設置されています。一見するとシンプルな構成ですが、その教育内容の最大の特徴は「進学重視型単位制」にあります。
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普通科 (全日制・定時制)
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どんなことを学ぶ場所か:大学進学を主眼に置き、生徒一人ひとりの進路希望に対応できる柔軟なカリキュラムが組まれています。特に2年生、3年生になると選択科目が大幅に増え、自分の目標に合わせて時間割を組み立てることができます。
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どんな生徒におすすめか:国公立大学や難関私立大学への進学を強く希望し、早いうちから自分の学びたい分野を見据えて主体的に学習計画を立てたい生徒に最適です。
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この「進学重視型単位制」は、生徒に早い段階での進路意識を求めることにもなります。1年生のうちから自分の興味や将来の夢について考え、2年生からの科目選択に備える必要があるためです。例えば、理系の学部に進みたい生徒は「物理」や「化学」の発展的な科目を、文系の学部に進みたい生徒は「古典探究」や「世界史探究」などを重点的に履修します。学校側も、大学説明会や卒業生から話を聞く「ミニ先輩図鑑」といった行事を設け、生徒が自分の進路を考える手助けをしています。このシステムは、明確な目標を持つ生徒にとっては学力を効率的に伸ばす強力な武器となりますが、まだ進路に迷っている生徒にとっては、自分自身と向き合う良い機会となるでしょう。
旭川北高等学校の特色・校風
旭川北高校の校風をキーワードで表すなら、「文武両道」「自由闊達」「進学校」の3つが挙げられます。生徒たちは高いレベルで学業と部活動を両立させ、自由な雰囲気の中で主体的に学校生活を送っています。
中学生が特に気になる学校生活のリアルな点について、口コミや評判を基に詳しく見ていきましょう。
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宿題の量:多くの在校生や卒業生が「宿題は多い」「課題の山」と口を揃えます。特に週末課題や長期休暇中の課題はかなりの量になることがあるようです。授業の進度も速いため、日々の予習・復習は欠かせません。これは大学受験を見据えた高い学習レベルを維持するためのものであり、計画的に学習を進める習慣が自然と身につきます。
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校則(スマホ、服装など):校則は比較的緩やかで、生徒の自主性に任されている部分が大きいようです。スマートフォンは校内での使用が認められており、休み時間などに自由に使っている生徒が多いです。服装については、男子は伝統的な黒の学ラン、女子はセーラー服です。制服のデザインについては「少し古風」といった意見もありますが、学校祭や土日祝日には私服での登校が許可されるなど、柔軟な運用がされています。
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生徒たちの雰囲気:全体的に真面目で落ち着いた雰囲気です。勉強に対する意識が高い生徒が集まっているため、「周りの友達が頑張っているから自分も頑張れる」といったように、互いに高め合える環境があります。男女の仲も良く、クラスの雰囲気も和やかなようです。
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アルバイト:原則として認められています。ただし、学業に支障が出ない範囲で行うことが前提であり、高校生にふさわしくない職種(居酒屋など)については学校から指導が入る場合があります。
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土曜授業:正規の授業は土曜日にはありませんが、校舎は自習のために開放されています。また、大学受験に向けた補習や講習、模擬試験などが土曜日や長期休暇中に行われることが多く、これらは「ほぼ強制的」と感じる生徒もいるようです。
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施設について:校舎の施設に関しては、評価が分かれる点です。「校舎が古い」「夏は暑く冬は寒い」といった声がある一方で、「校舎は綺麗」「学食が美味しい」という意見も見られます。これは、校舎全体が古いものの、学食や一部の教室など、部分的に改修が進んでいるためと考えられます。学校選びの際は、施設の新しさだけでなく、そこでどのような活動が行われているかに目を向けることが大切です。
旭川北高等学校の部活動・イベント
「文武両道」を掲げる旭川北高校では、部活動や学校行事も非常に盛んで、生徒たちのエネルギーが爆発する場となっています。
部活動
全校生徒の9割以上が部活動に加入しており、体育系・文化系ともに多種多様なクラブが活発に活動しています。全国大会レベルで活躍する部もあれば、ユニークな活動を行う部もあり、誰もが自分の興味関心に合わせて打ち込めるものを見つけられるでしょう。
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特に実績豊富な部活動
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アーチェリー部:男女ともに全道大会の常連で、全国大会でも入賞経験を持つ強豪です。インターハイ出場選手を毎年輩出しており、高校から競技を始めた生徒も全国レベルで活躍しています。
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少林寺拳法部:こちらも全国大会に駒を進める実力派。団体演武などで高い評価を受けており、心身ともに鍛えられる環境です。
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囲碁部:近年めきめきと力をつけ、団体戦で悲願の全道初優勝を果たし、全国大会に出場しました。知的な戦略を競う熱い戦いが繰り広げられています。
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野球部:過去には夏の甲子園に2度出場した歴史と伝統を誇ります。文武両道を体現する部として、多くの生徒の憧れの的です。
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珍しい部活動
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理科実験研究部:地元の科学館「サイパル」と連携し、子ども向けの科学イベントでボランティア活動を行うなど、地域貢献にも積極的です。身近な現象から専門的なテーマまで、探究心を満たす活動ができます。
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インターアクト部:ロータリークラブの支援のもと、国際的な視野を持ってボランティア活動に取り組む部です。地域の清掃活動や募金活動、冬まつりの運営補助など、活動は多岐にわたります。
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ただし、近年は部員数の減少により、華道部や茶道部、文芸部といった伝統的な文化部が活動を縮小、あるいは廃部の危機に瀕しているという現実もあります。
イベント
旭川北高校の学校生活は、数々のイベントによって彩られます。クラスや学年の団結力が試されるこれらの行事は、生徒たちにとって忘れられない思い出となります。
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北高祭(きたこうさい):7月に行われる学校祭は、北高生活最大のハイライトと言っても過言ではありません。生徒会が中心となって企画・運営され、特に模擬店の数の多さとクオリティの高さは地域でも評判です。各クラスが趣向を凝らした出し物や装飾に夜遅くまで取り組み、学校全体が熱気に包まれます。
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見学旅行(修学旅行):2年生の秋に実施される見学旅行は、関西方面(京都・奈良・大阪)が定番です。古都の歴史的建造物を見学するだけでなく、班別自主研修やユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)での一日など、楽しみも満載です。仲間との絆を深める貴重な機会となっています。
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その他:春には新入生を歓迎する宿泊研修、秋には体育祭や芸術鑑賞など、年間を通して様々な行事が計画されており、勉強漬けではない、メリハリのある高校生活を送ることができます。
旭川北高等学校の進学実績
進学校である旭川北高校の最大の強みは、その高い大学進学実績にあります。生徒の約95%が大学進学を希望し、その期待に応えるだけの確かな指導力とサポート体制が整っています。
特に国公立大学への進学者が多いのが特徴で、2024年3月の卒業生も優れた実績を残しています。以下に主な大学の合格実績をまとめました。
大学区分 | 主な大学名と合格者数 (2024年実績) |
北海道内 国公立大学 | 北海道大学 (12名), 旭川医科大学 (10名), 小樽商科大学 (10名), 北海道教育大学 (44名), 室蘭工業大学 (9名) |
北海道外 国公立大学 | 東北大学 (1名), 大阪大学 (1名), 弘前大学 (8名), 新潟大学 (3名), 広島大学 (2名) |
難関私立大学 (GMARCH・関関同立など) | 中央大学 (7名), 法政大学 (5名), 立命館大学 (5名), 明治大学 (3名), 青山学院大学 (3名), 立教大学 (3名), 同志社大学 (2名), 関西学院大学 (2名) |
これらの輝かしい実績は、学校全体で体系的に行われる進路指導の賜物です。年間を通じて数多くの模擬試験が実施され、生徒は自分の学力レベルを客観的に把握することができます。夏休みや冬休み、土曜日などを利用した講習も頻繁に行われ、受験に必要な応用力を養います。
ただし、旭川北高校の進路指導は、手取り足取り教えるというよりは、生徒の自主性を尊重するスタイルです。先生方は質問や相談に行けば親身になって応えてくれますが、基本的には生徒自身が目標を設定し、計画を立てて学習を進めることが求められます。一部の口コミでは「学力が低い生徒は置いていかれる」という厳しい声も見られますが、これは裏を返せば、自ら学ぶ意欲のある生徒にとっては、必要なサポートを存分に活用できる環境だということです。旭川北高校で進学の夢を叶えるためには、「受け身」ではなく、自ら情報を集め、先生や友人を巻き込みながら主体的に学ぶ「自走する力」が不可欠と言えるでしょう。
旭川北高等学校の特長・アピールポイント
数ある高校の中から旭川北高校が選ばれる理由、それは他校にはない独自の魅力があるからです。ここでは、その特長とアピールポイントを5つに絞ってご紹介します。
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進路に直結する「進学重視型単位制」
2・3年生で自分の志望大学や学問分野に合わせて科目を自由に選択できるカリキュラムは、最大の魅力です。無駄なく効率的に受験勉強を進められ、大学での学びにスムーズにつながる専門的な知識を高校時代から深めることができます。
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本気で取り組める「文武両道」の環境
勉強も部活も中途半端にしたくない、という生徒にとって理想的な環境です。全国レベルの部活動に所属しながら、北海道大学などの難関大学を目指すことが当たり前の文化として根付いています。高い目標を持つ仲間と切磋琢磨する中で、時間管理能力や精神的な強さが養われます。
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刺激し合えるハイレベルな仲間たちの存在
学習意欲の高い生徒が集まっているため、教室は常に知的な刺激に満ちています。授業中に交わされる活発な議論や、休み時間に教え合う姿は日常的な光景です。こうした環境が、一人で勉強する以上の学習効果を生み出し、生徒全体の学力を底上げしています。
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BYODと探究学習による先進的な学び
生徒が個人のノートパソコンやタブレット端末を授業に持ち込んで活用するBYOD (Bring Your Own Device) を推進しています。また、答えのない問いに対して自ら課題を設定し、解決策を探る「総合的な探究の時間」や、各教科での探究的な学びに力を入れており、これからの社会で必要とされる思考力や表現力を育んでいます。
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一生の思い出になる伝説の「北高祭」
学校行事の中でも「北高祭」は特別な存在です。生徒が主体となって創り上げるこのイベントは、その規模と熱気で他校の追随を許しません。クラス一丸となって準備に没頭した経験は、勉強や部活動とはまた違った達成感と、生涯続く友情をもたらしてくれるでしょう。
旭川北高等学校の口コミ・評判のまとめ
ここでは、在校生や卒業生から寄せられた様々な声を、良い点と気になる点に分けて公平にご紹介します。学校生活をより具体的にイメージするための参考にしてください。
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良い点
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「先生方は熱心で、質問に行けば分かるまで丁寧に教えてくれる。面接練習など、進路サポートも手厚い」という声が多数あります。
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「北高祭をはじめ、学校行事がとにかく楽しい。準備期間も含めてクラスの団結力が強まり、最高の思い出になる」と、行事を評価する声が非常に多いです。
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「周りの友達がみんな真面目に勉強するので、自然と自分も頑張ろうと思える。モチベーションを維持しやすい環境」という意見も、北高ならではの魅力です。
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「部活動がとても盛んで、本気で打ち込める。勉強との両立は大変だけど、その分、充実感が大きい」と、文武両道を実感している生徒が多いようです。
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気になる点
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「課題の量がとにかく多く、授業のペースも速い。勉強が苦手な人や、自主的に学習できない人には厳しい環境かもしれない」という声は、覚悟しておくべき点です。
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「校舎や体育館など、施設が全体的に古い。特に夏はクーラーがなく暑く、冬は場所によって寒暖差が激しいのが難点」といった、設備面での不満も聞かれます。
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「勉強と部活の両立が想像以上に大変で、部活を途中で辞めてしまう人もいる」という現実もあります。両立には相当な覚悟と工夫が必要です。
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「制服のデザインが今どきではない、という声は男女問わずよく聞く」という意見もあります。
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「大学進学がすべて、という雰囲気が強く、それ以外の進路を考えにくい空気がある」と感じる生徒もいるようです。
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アクセス・通学
旭川北高校への通学方法について、具体的なアクセス情報をご案内します。
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最寄り駅とバスでのアクセス
多くの生徒が利用するのが、JR旭川駅からバスで通うルートです。
最寄りのバス停は「スタルヒン球場前」で、ここから学校までは徒歩で約8〜9分です。このバス停には、道北バスと旭川電気軌道バスの複数の路線が停車するため、市内各方面からのアクセスが良好です。
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鉄道でのアクセス
最も近い鉄道駅はJR宗谷本線の「新旭川駅」ですが、学校までは約2km、徒歩で30分以上かかります。そのため、日常的な通学手段として鉄道を利用している生徒は少ないようです。
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通学エリア
旭川市内全域から生徒が通学していますが、特にJR旭川駅周辺やバス路線の多い地域から通う生徒が多い傾向があります。近隣の上川管内の町から通学している生徒もいます。
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保護者による送迎について
学校から公式な案内として、朝の登校時間帯(8:00〜8:30)は、校門付近が大変混雑し危険なため、校地内への車の乗り入れを控えるよう協力が求められています。送迎の際は、少し離れた安全な場所で乗降するなどの配慮が必要です。
旭川北高等学校受験生へのワンポイントアドバイス
ここまで旭川北高等学校について詳しく見てきましたが、最後に、この高校を目指す皆さんへの応援メッセージをお届けします。
旭川北高校は、「挑戦することが好き」で「自ら考えて行動できる」生徒に特におすすめの学校です。もしあなたが、勉強も部活も行事も、すべてに全力で打ち込みたい、高いレベルの環境に身を置いて自分を成長させたいと願うなら、旭川北高校での3年間は、あなたにとってかけがえのない財産となるでしょう。ここは、自分の未来に対して主体的な生徒を全力で応援してくれる場所です。
受験勉強においては、北海道の公立高校入試で採用されている「裁量問題」への対策が合格の鍵を握ります。旭川北高校の入試では、この裁量問題でいかに得点できるかが重要になります。単に公式や単語を暗記するだけでなく、「なぜそうなるのか」という本質的な理解を伴った学習を心がけてください。特に数学や理科では、一つの知識だけでは解けない、複数の単元にまたがる応用問題に数多く取り組むことが大切です。基礎を固めた上で、思考力を問う問題に粘り強く挑戦する練習を積み重ねて、合格を勝ち取ってください。応援しています!
※最新かつ正確な情報は、必ず高校の公式サイトや学校説明会で確認してください。