東京都立園芸高等学校は、1908年(明治41年)に日本初の公立園芸学校として誕生した、110年以上の歴史と伝統を誇る専門高校です。都会の真ん中、世田谷区にありながら、東京ドーム約2.3個分という広大な敷地には緑があふれ、落ち着いた環境で専門的な知識と技術を深く学ぶことができます。

植物や動物が好きな人、食品加工や造園に興味がある人にとって、東京都立園芸高等学校はまさに夢のような場所でしょう。普通科の高校では決して味わえない、実習中心の授業を通して「好き」をとことん追求できるのが最大の魅力です。この記事では、そんな園芸高校の特色や気になる偏差値、学校生活の様子などを詳しく紹介していきます。

この記事を読めば、あなたが東京都立園芸高等学校でどんな3年間を送れるのか、具体的なイメージが湧いてくるはずです。あなたの未来の可能性を広げるための第一歩として、ぜひ最後までじっくりと読み進めてみてください。

東京都立園芸高等学校の基本情報

項目 内容
正式名称 東京都立園芸高等学校
公立/私立の別 公立
共学/男子校/女子校の別 共学
所在地 〒158-0081 東京都世田谷区深沢5-38-1
代表電話番号 03-3705-2154
公式サイト https://www.metro.ed.jp/engei-h/

東京都立園芸高等学校の偏差値・難易度・併願校

東京都立園芸高等学校の偏差値は学科によって異なり、専門分野への興味や関心が合否の重要なポイントになります。偏差値の数字だけでなく、自分の「好き」や「やりたいこと」と照らし合わせて考えることが大切です。

  • 動物科: 47

  • 食品科: 46

  • 園芸科: 43

同じくらいの偏差値の高校としては、都立大崎高等学校(47)、都立葛飾野高等学校(47)、都立芝商業高等学校(46)などがあります。合格に必要な内申点の目安としては、オール3に加えて、いくつかの教科で4があると安心できるでしょう。特に、園芸高校で学びたいという強い意欲を面接などでアピールすることが重要です。

東京都立園芸高等学校を第一志望とする受験生の主な併願校としては、同じく農業系の学科を持つ私立高校や、校風が近い学校が選ばれる傾向にあります。

  • 東京農業大学第一高等学校

  • 日本大学鶴ヶ丘高等学校

  • 駒澤大学高等学校

  • 東京実業高等学校

東京都立園芸高等学校に設置されている学科・コース

東京都立園芸高等学校には、それぞれ特色ある3つの専門学科が設置されています。自分の興味や将来の夢に合わせて、じっくりと選ぶことができます。

  • 園芸科

    • どんなことを学ぶ?:野菜、果樹、草花、盆栽、造園デザイン、バイオテクノロジーなど、植物に関わる幅広い知識と技術を学びます。校内での栽培管理から庭園の設計・施工まで、実践的な実習が豊富です。

    • どんな生徒におすすめ?:植物を育てることが好きな人、ガーデニングや庭造りに興味がある人、花や緑に関わる仕事がしたい人におすすめです。

  • 食品科

    • どんなことを学ぶ?:パンやジャム、お菓子などの製造から、食品の成分分析、微生物の管理、栄養に関する知識まで、食に関する科学と技術を総合的に学びます。

    • どんな生徒におすすめ?:お菓子作りやパン作りが好きな人、食品開発に興味がある人、食の安全や栄養について学びたい人におすすめです。

  • 動物科

    • どんなことを学ぶ?:犬や猫、ウサギといった小動物から、ヤギ、ニワトリ、ハトまで、様々な動物の飼育管理、健康管理、繁殖、環境について学びます。

    • どんな生徒におすすめ?:動物が大好きで、将来は動物に関わる仕事(飼育員、トリマー、動物看護師など)に就きたいと考えている人におすすめです。

東京都立園芸高等学校の特色・校風

東京都立園芸高等学校は、「実践重視」「のびのびとした雰囲気」といったキーワードで表される学校です。

専門高校ということもあり、生徒たちはそれぞれの分野に明確な目的意識を持って入学してくるため、落ち着いた雰囲気の中で学習に集中できる環境です。宿題の量は一般的な普通科高校と比べると少ない傾向にありますが、その分、実習やレポート、資格取得に向けた勉強など、自主的に取り組むべき課題は多くあります。

校則は比較的緩やかで、スマートフォンの校内での使用もルールを守れば許可されているようです。アルバイトも可能で、多くの生徒が学業と両立させています。制服は、男子がブレザー、女子がセーラー服で、落ち着いたデザインが評判です。土曜授業は基本的にありません。

生徒たちは、動物好き、植物好きといった共通の興味を持つ仲間が集まっているため、お互いを尊重し合い、和気あいあいとした雰囲気で学校生活を送っているという声が多く聞かれます。

東京都立園芸高等学校の部活動・イベント

部活動

東京都立園芸高等学校には、専門高校ならではのユニークで活発な部活動がたくさんあります。運動部、文化部ともに充実しており、多くの生徒が部活動に加入し、充実した学校生活を送っています。

  • 特色ある部活動

    • 盆栽部:全国的にも珍しい部活動で、伝統的な盆栽の技術を学びます。メディアに取り上げられることも多い、園芸高校を代表する部活動の一つです。

    • 野菜部・果樹部・花卉部:それぞれの専門分野について、授業以上に深く探求できる部活動です。自分たちで栽培計画を立て、収穫した作物を販売することもあります。

    • フレンズ・オブ・アニマル部(フレアニ部):学校で飼育している動物たちのお世話を中心に活動します。動物好きにはたまらない部活動です。

    • ハト部:レース鳩の飼育や訓練を行う、こちらも非常に珍しい部活動です。体育祭での放鳩は学校の名物となっています。

この他にも、運動部ではバドミントン部やバスケットボール部などが、文化部では吹奏楽部や軽音楽部などが活発に活動しています。

イベント

東京都立園芸高等学校では、生徒たちの手で作り上げるイベントが多く、一年を通して活気に満ちています。

  • 園芸展(文化祭):毎年11月に行われる最大のイベントです。生徒たちが実習で育てた野菜や果物、草花の苗、パンやジャムなどの加工品が販売され、毎年地域の方々で大変な賑わいを見せます。 各学科の研究発表や部活動の展示なども見応えがあり、園芸高校の学びの成果を存分に感じられる機会です。

  • 体育祭:6月に行われます。クラス対抗で様々な競技に熱中し、クラスの団結が深まります。 名物の「ハトの放鳥」では、ハト部の生徒が育てた鳩が大空に放たれ、歓声が上がります。

  • 下田農場実習:静岡県下田市にある学校の農場で、1泊2日の宿泊実習が行われます。 みかんなどの柑橘類の収穫や管理作業を通して、普段の学校生活とは違う環境で学びを深める貴重な体験です。

東京都立園芸高等学校の進学実績

東京都立園芸高等学校では、専門分野の知識を活かして、多様な進路を選択しています。大学進学から専門学校、就職まで、生徒一人ひとりの希望に合わせた手厚い進路指導が行われています。

特に、農業系の大学への進学に強みを持っています。

  • 主な進学先大学(過去の実績を含む)

    • 国公立大学:帯広畜産大学、静岡大学、高知大学、宮崎大学など

    • 私立大学:東京農業大学、日本大学、明治大学、麻布大学、日本獣医生命科学大学、酪農学園大学など

進学者の約半数が大学へ進学する一方で、学んだ専門知識をさらに深めるために専門学校へ進む生徒も多くいます。 動物看護やフラワーデザイン、調理・製菓などの専門学校が人気のようです。 また、造園会社や食品関連企業、ペット関連企業などへの就職実績も豊富です。

進学希望者に対しては、補習や講習などのサポート体制も整っており、専門知識と基礎学力の両方を伸ばすことができます。

東京都立園芸高等学校の特長・アピールポイント

東京都立園芸高等学校には、他の高校にはないユニークな魅力がたくさん詰まっています。

  • 日本初の公立園芸学校としての歴史と伝統:110年以上にわたり、日本の農業・園芸教育をリードしてきた実績と豊富な教育資源があります。

  • 東京ドーム2.3個分の広大なキャンパス:都心とは思えないほどの緑豊かな環境で、のびのびと学ぶことができます。

  • 専門分野に特化した3つの学科:園芸・食品・動物という3つの分野で、興味のあることをとことん追求できます。

  • 「実習」中心のカリキュラム:座学だけでなく、実際に手や体を動かして学ぶ「体験・体感」の連続で、生きた知識と技術が身につきます。

  • 多彩でユニークな部活動:盆栽部やハト部など、園芸高校でしかできないような珍しい部活動が数多く存在します。

  • 地域に愛される「園芸展」:生徒が育てた農産物や加工品を販売する文化祭は、毎年多くの来場者で賑わう一大イベントです。

  • 専門資格の取得を強力にサポート:フラワー装飾技能士や造園技能士、愛玩動物飼養管理士など、将来に役立つ様々な資格取得に挑戦できます。

東京都立園芸高等学校の口コミ・評判のまとめ

東京都立園芸高等学校について、在校生や卒業生からは様々な声が寄せられています。

  • 良い点:

    • 「自分の好きな分野を専門的に学べるので、毎日が楽しい」

    • 「実習が多く、体を動かしながら学べるのが良い」

    • 「同じ趣味や目標を持つ友達がたくさんできる」

    • 「先生方が専門知識豊富で、丁寧に指導してくれる」

    • 「都心なのに自然が豊かで、動物もいて癒される」

    • 「園芸展などの行事がとても盛り上がり、やりがいがある」

  • 気になる点:

    • 「実習では土や動物に触れるので、虫が苦手な人や潔癖症の人には少し厳しいかもしれない」

    • 「最寄り駅から少し歩くのが難点」

    • 「専門分野以外の普通科目の勉強や、一般大学への進学は本人の努力が必要」

    • 「夏は暑く、冬は寒いなど、屋外での実習は体力的に大変なこともある」

アクセス・通学

東京都立園芸高等学校へのアクセスは、複数の駅・路線から可能です。

  • 東急大井町線「等々力」駅下車 徒歩約15分

  • 東急田園都市線「桜新町」駅下車 徒歩約20分

  • バスを利用する場合:

    • 東急バス「園芸高校前」下車 徒歩約3分

    • 東急バス「日本体育大学前」下車 徒歩約2〜5分

世田谷区内だけでなく、都内の様々なエリアから、専門的な学びを求めて多くの生徒が通学しています。

東京都立園芸高等学校受験生へのワンポイントアドバイス

東京都立園芸高等学校を目指す君へ。もし君が「植物や動物が大好き!」「おいしいものを作るのが好き!」「自然に囲まれて高校生活を送りたい!」と少しでも感じているなら、園芸高校は最高の場所になるはずです。この学校は、ただ偏差値だけで測れる学校ではありません。大切なのは、「ここで学びたい!」という君の強い気持ちです。

東京都立園芸高等学校の入試では、学力検査だけでなく、内申点も非常に重視されます。中学の授業態度や提出物など、日々の学習に真面目に取り組むことが合格への近道です。そして何より、面接で「なぜ園芸高校でなければならないのか」「入学して何を学び、将来どう活かしたいのか」を自分の言葉で熱く語れるように準備しておきましょう。君の「好き」という気持ちが、きっと合格を引き寄せる最大の武器になります。園芸高校で、夢中になれる何かを見つけ、かけがえのない3年間を過ごしてください。応援しています!

※最新かつ正確な情報は、必ず高校の公式サイトや学校説明会で確認してください。