東京都立桜修館中等教育学校は、豊かな緑に囲まれた目黒区八雲にキャンパスを構える、6年制の中高一貫校です。旧制府立高等学校からの伝統を受け継ぎ、「真理の探究」を校訓に掲げ、高い知性と広い視野、そして強い意志を持った人材の育成を目指しています。高校からの募集は行っておらず、6年間同じ仲間と共にじっくりと学びを深めていけるのが大きな魅力です。

桜修館中等教育学校の最大の特徴は、論理的思考力を徹底的に鍛える独自の教育プログラムにあります。1年次から「国語で論理を学ぶ」「数学で論理を学ぶ」といったユニークな授業が設定されており、物事を多角的に捉え、筋道を立てて考える力を養います。この力は、大学受験はもちろん、その先の人生においても大きな武器となるでしょう。

この記事では、そんな東京都立桜修館中等教育学校の具体的な特色や学校生活、進学実績などを、中学生とその保護者の皆さんにも分かりやすく、詳しくご紹介していきます。生徒一人ひとりの自主性を重んじる自由な校風の中で、充実した6年間を送りたいと考えているなら、ぜひ最後まで読み進めてみてください。

東京都立桜修館中等教育学校の基本情報

項目 内容
正式名称 東京都立桜修館中等教育学校
公立/私立の別 公立
共学/男子校/女子校の別 男女共学
所在地 〒152-0023 東京都目黒区八雲1-1-2
代表電話番号 03-3723-9966
公式サイト http://www.oshukanchuto-e.metro.tokyo.jp/

東京都立桜修館中等教育学校の特色・校風

東京都立桜修館中等教育学校は、「自主自律」や「文武両道」を体現する、活気と落ち着きが共存した校風で知られています。生徒の主体性を尊重する文化が根付いており、多くの学校行事が生徒主体で企画・運営されています。

  • 宿題の量:課題は多いと感じる生徒が多いようです。特に長期休暇の課題は計画的に進める必要がありますが、その分、学習習慣が身につきやすいという声もあります。

  • 校則:都立の中高一貫校の中では比較的自由な校風で、生徒の自主性が尊重されています。 制服はありますが、頭髪や持ち物に関する厳しい校則は少ないようです。スマホの持ち込みも許可されています。

  • 生徒たちの雰囲気:真面目で知的な好奇心が旺盛な生徒が多い一方で、行事や部活動には全力で取り組む活発さも兼ね備えています。6年間を共にする中で、互いを尊重し、高め合える仲間と出会える環境です。

  • アルバイト:原則として禁止されています。

  • 制服の評判:伝統的で品のあるデザインが好評です。男子はブレザーにスラックス、女子はブレザーにスカートまたはスラックスを選択できます。

  • 土曜授業:月に1〜2回程度、土曜授業が実施されることがあります。

東京都立桜修館中等教育学校の部活動・イベント

部活動

桜修館中等教育学校では、多くの生徒が部活動に加入し、熱心に活動しています。運動部・文化部ともに種類が豊富で、自分の興味関心に合わせて選ぶことができます。

  • 運動部では、弓道部や水泳部、陸上競技部などが活発に活動しています。特に弓道部は、関東大会に出場するなど高い実績を誇ります。

  • 文化部では、吹奏楽部や、珍しい部活動としてフィールドワーク部、日本文化部のかるた班・茶道班などがあります。 吹奏楽部はコンクールでの受賞歴も多く、地域のイベントで演奏を披露する機会もあります。

イベント

生徒たちが主体となって作り上げる行事が多く、非常に盛り上がるのが桜修館中等教育学校の大きな魅力です。

  • クラスマッチ(5月):体育祭と球技大会を合わせたような学校独自のイベントです。 1年生から6年生までが色別に分かれて競い合い、学年を超えた交流が生まれます。

  • 記念祭(9月):文化祭にあたるイベントで、クラスごとの演劇や展示、有志団体によるパフォーマンスなど、多彩な企画で盛り上がります。

  • 合唱コンクール(3月):各クラスが課題曲と自由曲の2曲を披露し、美しいハーモニーを競います。 6年間の集大成として、後期課程の生徒たちの歌声は圧巻です。

その他、前期課程ではスキー教室、後期課程では台湾への修学旅行など、学年ごとの宿泊行事も充実しています。

東京都立桜修館中等教育学校の進学実績

桜修館中等教育学校は、その質の高い教育内容を反映し、国公立大学や難関私立大学へ多数の合格者を輩出しています。6年間の一貫した進路指導により、生徒一人ひとりが高い志を持って進路実現を目指しています。

2024年度の主な大学合格実績は以下の通りです。

  • 国公立大学:東京大学5名、京都大学3名、一橋大学11名、東京工業大学5名、横浜国立大学11名など、旧帝大をはじめとする難関国公立大学に多数合格しています。

  • 難関私立大学:早稲田大学に75名、慶應義塾大学に46名、上智大学に51名が合格するなど、早慶上理ICUの合計で209名。GMARCHには合計210名が合格しています。

これらの高い進学実績を支えるため、卒業生が在校生の学習をサポートするチューター制度や、長期休暇中の講習などが充実しています。 また、5年次には約5000字の研究論文を作成し、6年次にはその要旨を英語でまとめるなど、大学での学びに繋がる高度な探究活動が行われています。

東京都立桜修館中等教育学校の特長・アピールポイント

桜修館中等教育学校には、他校にはないユニークな魅力がたくさんあります。

  • 独自の「論理」を学ぶ授業:1年次から「国語で論理を学ぶ」「数学で論理を学ぶ」という科目が設定されており、論理的思考力と表現力を徹底的に鍛えます。

  • 6年間の集大成「研究論文」:5年次(高校2年生)で、生徒全員が自分で設定したテーマについて約5000字の研究論文を執筆します。 探究心と知的好奇心を深める貴重な経験です。

  • 充実した国際理解教育:希望者対象のオーストラリア海外語学研修や台湾修学旅行など、国際感覚を養うプログラムが豊富に用意されています。

  • 生徒主体の三大行事:クラスマッチ、記念祭、合唱コンクールは「桜修館三大行事」と呼ばれ、生徒が中心となって企画・運営し、学校全体が一体となって盛り上がります。

  • 都立大学との連携:母体校である東京都立大学との連携が強く、大学の講義への参加や研究室訪問などの機会があります。

  • 豊かな自然と充実した施設:目黒区民キャンパスに隣接し、緑豊かな落ち着いた環境で学ぶことができます。 図書館には自習スペースも完備されています。

  • 卒業生によるチューター制度:卒業生の現役大学生が、学習の質問に答えたり進路相談に乗ったりしてくれる制度があり、生徒にとって心強い存在となっています。

東京都立桜修館中等教育学校の口コミ・評判のまとめ

桜修館中等教育学校は、多くの生徒や保護者から高い評価を得ています。

  • 良い点:

    • 「生徒の自主性を尊重する自由な校風で、のびのびと学校生活が送れる」という声が非常に多いです。

    • 「クラスマッチや記念祭などの行事が生徒主体で運営され、とても盛り上がる」と、学校行事の楽しさを挙げる口コミが目立ちます。

    • 「論理を学ぶ授業など、特色ある教育が受けられる」「先生方が熱心で、質問にも丁寧に対応してくれる」といった、教育内容の質を評価する意見も多数あります。

    • 「6年間同じ仲間と過ごす中で、一生ものの友人ができる」という、中高一貫校ならではの人間関係の良さを挙げる声も多いです。

  • 気になる点:

    • 「課題の量が多く、授業の進度も速いため、自主的な学習習慣が求められる」という意見があります。

    • 「施設がやや古い」という点を挙げる声も一部見られます。

    • 「都立大学駅から徒歩10分ほどで、坂道もあるため、アクセスが少し大変」と感じる生徒もいるようです。

アクセス・通学

桜修館中等教育学校へのアクセスは以下の通りです。

  • 東急東横線「都立大学駅」より徒歩約10分。

  • JR「目黒駅」西口から東急バス「弦巻営業所行き」に乗車、「都立大学附属高校前」バス停下車すぐ。

目黒区内だけでなく、世田谷区、大田区、品川区など、東急東横線や目黒線沿線から通学している生徒が多い傾向があります。

※最新かつ正確な情報は、必ず高校の公式サイトや学校説明会で確認してください。